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メンタルの弱い旦那
やんちゃな息子2人、老犬一匹をつれて
認知症の母と少し偏屈な父と同居開始
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「最近、大きな音が出せないのよね・・・」
私の隣に座っていた認知症の母がポツリと言った
前はハキハキと元気よく喋っていた母だったが
最近は声が弱々しく、かすれて出ないこともある
そのことを言っているのかな?と
母の方を見ると
母は口をすぼめて息を吐いていた
「ピ〜♪ピ〜〜〜ピ〜〜〜〜♪」
なんと口笛を吹いていた
その瞬間、私が小さかった頃
母がよく口笛を吹いてくれたのを思い出す
母は口笛が上手で音程を変えられたので
よく”カエルの歌”や”7つの子”などの童謡を吹いてくれて
私はそれを見るたびに
「私も吹けるようになりた〜い!」と練習したものだ
現在も、以前よりは弱々しい音だったが
それでも母は上手に”7つの子”を吹いていた
私も思わず
母の隣で口をすぼめて息を吐くが
「ピ・・・ピィ・・・・・」と
昔と同じように、かすかな音がするだけだった
「お母さん、昔から口笛、上手だよねー!音すごい出てるよ!!」
と言うと
「そうかしら?」
と母は得意げに「ピ、ピ、ピ〜〜〜〜〜♪ピ〜〜〜〜〜〜♪」と口笛を吹き
私と母は目を合わせて大笑いしてしまった
口笛を吹いている母は
認知症になる前の母に戻ったようで私は嬉しくなる
認知症は不思議だ
洋服の着方やご飯の食べ方は忘れてしまうのに
口笛の吹き方は忘れない
そして母が楽しそうに口笛で童謡を吹いていると
私は何歳になっても羨ましくなって
思わず口をすぼめて息を吐いてしまうらしい
↓母の徘徊がはじまったときの記事
1.我が家の行方不明事件 ★アメトピ掲載