養鶏業界では、産卵率が落ちて使い物にならなくなり、と殺にまわされる採卵鶏を、「廃鶏」と呼びます。
「成鶏」と呼ぶこともあり、この言葉だけを聞くとあたかも大人になった鶏のことを指すように聞こえますが、
成長して採卵期間を終えてしまい、儲けを生み出さない 生かす価値のない鶏、という意味合いになり、
つまりは、廃鶏と全く同じ意味になります。
以下は、アニマルライツセンターで保護された廃鶏あおいちゃんの映像です。
アニマルライツセンターによると、
あおいちゃんは、左足が動かず、体のあちこちの羽根が折れ、皮膚が露出。
動かない左足だけでなく、両方の上腕骨(羽の部分)も骨折跡が複数あり、
治療がされなかったため、誤った方向に骨が固まってしまっていた。
他のニワトリと同年齢と思われるが、体重が異常に軽く、体も小さい。
また、レントゲンを撮っても骨がほとんど映らないほど骨密度が低いとのことだった。
とのことでした。
採卵鶏は、主にバタリーケージという、非常に狭いケージの中に、ぎゅうぎゅう詰めにされて一生のほとんどを過ごします。
1匹あたりA4サイズ以下の面積で、拘束されます。
このように、隙間に挟まったまま、動けなくなる鶏もいます。
不衛生で、病気になりやすく、
骨折や脱臼に苦しみます。
死ぬことは日常茶飯事です。
90%以上の養鶏場で、この虐待飼育を行っています。
この事実のみが徐々に広まり、それに従って 平飼い卵を買うという選択をする人が徐々に増えているようです。
↑の画像は、平飼い養鶏場で廃鶏の保護をされている めいりんさん という方が撮られたものです。
このような写真を見ると、先ほどのバタリーケージと比べてかなり快適そうに見えます。
では平飼いの鶏たちは健康に育ち、骨折もなく、バタリーケージの廃鶏のようにボロボロにはならないのでしょうか?
めいりんさんが保護した廃鶏たちです。
苦しい写真を載せて、すみません。
— めいりん(にわとりん) (@animalsmessage) October 8, 2022
2年弱、おもに採卵鶏の旅立ちを見てきました。苦しんでいても、引き出せない子がほとんどでした。
画像は、たらちゃん。
飼料高騰による雛の値上がり、だが数を減らすことより、さらに品種改良を進めようとしている。豚や牛はすでに廃業が増。
声に心を傾けて。 https://t.co/Ctl5ffv1dm pic.twitter.com/niBkwagYf4
見ての通り、たらちゃんの体はボロボロです。
バタリーケージ同様、ボロボロの鶏たちがめいりんさんのツイッターに上げられています。
結局、平飼いにしても、体がどんどんボロボロになっていくということです。
また 平飼いだと、骨折がないと思われるかもしれませんがそんな事はありません。
【骨折ボリスのくりちゃん】
— めいりん(にわとりん) (@animalsmessage) September 21, 2022
また骨折。左脚。春、20羽くらい残った廃鶏の1羽。3歳超え。みのりちゃんと一緒に治療開始します。
骨折しないと、あそこから出られないんだよね。
鶏たちの一生、
もっと穏やかに暮らさせてやりたいよね。 pic.twitter.com/kAnC5IDcLr
【骨折ぼりす】
— めいりん(にわとりん) (@animalsmessage) August 30, 2022
養鶏場から連絡あり。左脚の骨折。2歳弱。病院が休みななで明日以降治療開始予定で段取り、組みます。
6月以降忙しくなかなか手が回らない。
投稿も滞っていて、済みません🙏
まるはけだけど、
頭にはシラミがたくさん。
実りある鶏生を繫ぎたいから、
名前は「みのり」。 pic.twitter.com/t7wQEofRFz
病院全然間に合わず、3羽とめ明日に変更。左脚骨折。まだ若い子、デビークあり。早々に連絡くるたスタッフ、予約変更してくれた病院スタッフ、ありがとうございます。1羽ずつしかわたしにはどきないくりど、今まで放置されて死んでいた子達の分も、
— めいりん(にわとりん) (@animalsmessage) December 23, 2021
できりことやっていくう。 pic.twitter.com/rFOecBzPjZ
平飼い養鶏場は隙間のある快適そうなシーンをピックアップしアピールしますが、
実際は過密状態で飼育されていることも多く、スタッフはこの過密状態の中で、餌を入れた一輪車や、耕運機を移動させます。
【にわとり】
— めいりん(にわとりん) (@animalsmessage) April 16, 2022
鶏舎のとなりを軽トラックが通っただけで、みんな一斉に驚きます。
過密の中で耕運機をかけ、逃げおくれた子は轢かれます。
にわとり目線で作られたものは、そこにはありません。
1年で骨折6羽目、2ヶ月に1羽のペース。
平飼いがいいとは、
思えなくなりました。 pic.twitter.com/s98CHgvxBc
逃げ遅れた鶏たちは、それらにひかれてしまい、ケガをしたり骨折したりするのです。
さらに、平飼いだと歩き回れる分、お互いを攻撃し合う機会がかなり多いとのことです。
今までにもいた。
— めいりん(にわとりん) (@animalsmessage) May 24, 2022
腫れて炎症起こした子。
ひらかいだと、歩き回れる分、
突っつかれることめめ少なくない。
口の中には、土。
そのうは、空っぽ。
取り急ぎ、
ご報告になります。 pic.twitter.com/JeeMJE7VF8
上の子は、つつかれて炎症を起こして、顔が腫れあがっています。
以下は、目を突っつかれて腫れあがった子です。
以下は、仲間につつかれて怪我をした鶏たちです。
見た目以上にぼろぼれな子たち。
— めいりん(にわとりん) (@animalsmessage) October 2, 2022
平飼い、バタリー、ブロイラー、闘鶏場、どこも変わらない。
にわとりだけじゃない。日々、駆除される生き物たちがいる。
どうか、いのちへ、心を。
意識で、すべてが、変わる。
すべてが、変わる。
好きで仲間を攻撃したい子たちは、いない。 https://t.co/2Sxwwo8bPh pic.twitter.com/JmOM11gBGH
>平飼い、バタリー、ブロイラー、闘鶏場、どこも変わらない。
突かれるという事は、鶏たちがストレスが溜まっている証拠です。
つまり、ケージフリーは決してストレスフリーではない、ということです。
鶏は本来、年間に数10個しか卵を産みません。
しかし人間が品種改良を行った結果、年間300個以上産む体にされてしまったのが採卵鶏です。
卵は鶏の生理です。
年中、生理がくる体にされているのです。
鶏がたった1個の卵を産むのに、要する時間は24時間です。
人間は数分程度の食事のために、この卵を何個も使います。
卵の殻にカルシムを必要とするため、大量に卵を産みだす体にされた採卵鶏はカルシウム不足となり、骨からカルシウムを移動するようになってしまいます。
そのため、骨粗鬆症になり、骨がもろく折れやすくなっています。
2004年には、80~89%の採卵鶏が骨粗鬆症で苦しんでいると推定されました。
採卵鶏は、卵を繰り返し産まなければならないことで、生殖器にダメージを受ける鶏が多くなっています。
キューピーへの卵の納入業者は、鶏たちを生きたままゴミのように捨てる
卵の産みすぎで、卵詰まりを起こして死亡する鶏もいます。
卵管と卵巣の使い過ぎで、きちんとした分泌も排泄もできず卵管に卵材料がたまってしまいます。
また、卵巣ガンも多発します。
人の卵巣ガンの研究の実験動物として利用されているほど、卵巣ガンになりやすいのです。
いずれの場合も、腹水がたまり、腹部が膨張する原因となります。
以下は、腹部に液体の溜まった、保護された廃鶏。
以下は、腹部が膨張し、卵を産めなくなったため淘汰された鶏。
廃鶏の約9割は卵巣か卵管に疾患があります。
卵にカルシウムを奪われ続けた影響で、どれだけカルシウムを摂取しても、カルシウムの備蓄機能がうまく働かなくなってしまう鶏もいます。
採卵鶏は、品種改良によって卵を産むマシーンと化し、結果、病気のリスクが増大した鶏という事です。
この病気になりやすい鶏を、今もなお、近親交配を繰り返しながら生みだし続けているのです。
そして 今もなお、品種改良は行われており、
品種改良を行う過程で、より卵を産む鶏が選ばれ、比較的卵を生まない鶏は殺されていきます。
それが品種改良における、選択と淘汰です。
すなわち、表向きの飼育方法だけで問題が全て解決すると思ったら大間違いであり、
我々は卵の消費をやめ、品種改良されてしまった鶏を生みださない事を目指していく必要があるのです。
鶏は本来、一日に15000回地面をつついて過ごす生き物です。
しかしケージ飼育のせいで、その欲求を満たすことができず、その欲求不満が仲間をつつくという行為に発展します。
そのため 生後10日までに、デビークといって、くちばしの先を切断されます。
クチバシには神経が通っており、当たり前ですが痛みを感じます。
その後も、慢性的に痛みが継続します。
日本の養鶏場の80%以上で、この虐待が行われています。
採卵鶏において、卵を産むのはメスです。
オスは卵を産まないので、養鶏業者からすれば、存在するだけで赤字になる邪魔者です。
そのため、オスの雛は生まれて間もなく殺されます。
殺し方は、袋に入れて窒息死、ガス殺
圧死
生きたままシュレッダーで粉砕など、残酷な方法で殺されます。
孵化場では、ヒヨコが機械で運ばれる際に、機械のローラーなどに巻き込まれ、体に傷ができたり、ちぎれたり、死ぬことがあります。
メスであっても、弱っている子や、起立困難な子は、処分されます。
採卵鶏のオスが殺されている数は、世界では、毎年およそ60億羽。
日本だけで、毎年およそ1億羽です。
さらに 養鶏場では、奇形、歩行困難、病弱の鶏や
卵詰まりや成長不良などで卵を産まなくなった鶏は、養鶏場にとって金にならないため、殺します。
殺し方は様々で、このように隔離して、水も餌も与えず、餓死、脱水死、衰弱死させることがあります。
これを業界では、淘汰、などという言い方をしていますが、
要するに金にならない鶏を、人間側が意志を持って殺しているだけであり、自然淘汰とは全く意味が違います。
採卵鶏(卵を産む鶏)は、産卵を開始して、約1年が経過すると、卵質や産卵率が低下します。
この時点でと殺する養鶏場と、
強制換羽を行って、さらに長期利用しようとする養鶏場があります。
強制換羽とは、2週間程度、絶食などの給餌制限をおこない栄養不足にさせることで、新しい羽を強制的に抜け変わらせることです。
換羽期に羽毛が抜けかわると再び卵を産むようになるという鶏の生態を利用し、
卵の質を均一にし、生産効率を上げるために行われています。
ショック療法の強制換羽では、死亡率が上がります。
さらに5%の採卵養鶏農家は、絶食させるだけでなく、絶水までさせています。
このような方法を行って、最大2年くらいまで卵を産ませてから殺すのです。
これらの苦しみを経て、1~2年で、生産率が落ち、使い物にならなくなれば、カゴに詰め込まれます。
動画の通り、乱暴に、雑に、叩きつけられながら、詰め込まれます。
仕事を早く終わらせるべく、詰め込むことしか考えていない従業員たちは、
作業が雑になり、鶏たちは様々な事故にあいます。
このように、コンテナとコンテナの間に、首がはさまってしまったり
コンテナとコンテナの間に、足が挟まり、足がもげてしまうことがあります。
そして、ぎゅうぎゅう詰めにされ、トラックで屠殺場へ運ばれます。
と殺が翌日に行われる場合は、ぎゅうぎゅう詰めにされたまま、夜間、放置されることがあります。
当然、餌も水も与えられません。
どうせ殺すわけですから、生きてようが死のうがどうでもいいわけです。
品種改良によって卵を産む機械とされた彼女たちは、この状況でも卵を産みます。
下にいる子達は、卵で体が汚されていきます。
何も身動きができませんので、ただじっと耐えるだけです。
痛かろうと苦しかろうと、ただただ惨めにうつむき、耐えるしかありません。
これが1~2年もの間、人間が欲する卵のために、体を酷使し、尽くしてきた鶏たちへの最後の扱いです。
そして最後は、足を吊り上げられ
麻酔なしで首を切られ、出血多量で死亡します。
卵を食べる方、鶏肉を食べる方は、しっかり映像をご覧ください。
鶏は、日本だけで1日あたり約175万羽が屠殺されています。
しかし、上記はあくまで屠殺数でしかありません。
それ以外にも、
採卵鶏のオスの雛の処分、PSのオスの処分、GPのオスの処分、農場での淘汰。
多くの場面で、凄まじい数の鶏たちが、人間の欲のために殺されています。
こうした、数々の苦しみと、犠牲のもとに生みだされたのが、卵です。
日本人はすぐに、感謝していただいています、とか言いますが、
このような悲惨な一生を送っても、感謝されたら許しますという変人の方がいらっしゃったら、ぜひ申し出てください。
感謝とか、いただきますなんて、誰でも言える中身のない建前の言葉であり、
そのようなセリフを言ってる時点で、思考が停止しており、感情のある命と何も向き合っていない証と言えるでしょう。
人間は、卵を食べなくても生きていけます。
・ 菜食の始め方
・ 人間の体と食べ物
残念ながら美味しいという欲に勝てず、事実を知ってもなお卵を食べるのをやめられない人が散見されます。
そんな人たちが犬猫の虐待や、生体販売には反対していたりします。
鶏も犬猫と同じ、感情も個性もある生き物です。
自分が鶏の立場だったらどうなのか。
しっかり相手の立場になって考えてください。
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