1458.当たり前
この10年、無理はしない。人に助けてもらわなければならないことは、頭を下げて助けてもらう。そう生きることにした。実はパニック症になってしまったのだ。私の場合、よほど体調の良い時を除き、密閉空間にいると、症状が出てしまうことがある。呼吸が苦しくなり、動悸、目眩、トイレをもよおすなど。だから、基本自宅から半径2キロ圏内で生活している。とにかく、長い時間、乗り物に乗れなくなってしまった。演奏会も行けないし。冒頭にも述べたが、無理をするのはやめたし、頑張らないことに決めた時から、心の中の何か重い何かが、すっととれた。正直、どこにでも行けるという、当たり前のことができなくなってしまった時は、当たり前に出来る人が羨ましかった。でも、人の心は変化するもので、今は羨ましいという気持ちは微塵もない。非常に単純に捉えれば、何をもって当たり前だと思うことが変化しただけのことである。私にとっての当たり前が半径2キロ圏内の生活なのだ。ピアニストになりたかったのが、当たり前の自分だった。でも、ピアニストに必要な条件は山のようにあり、結果なれなかった。なっていない自分が今の自分には当たり前の自分。病気で、とか、ピアニストになれなくて、とか、いろいろあるが、お気の毒ですね!なんて思われることもあるかもしれない。しかし当の本人は自分が不幸などとは微塵も思っていない。何度も言うが自分にとっての当たり前になったから。その当たり前を受け入れられない人、例えば、上昇志向が強くて、いつまでも他人を羨んでいたりする人は、私の周辺でもちらほらいる。自らの首を絞めている。やめればいいのに。もっと楽しんで生きようよ。自分を大切にしてほしい。