Winterecord -27ページ目

山崎豊子(1980)『華麗なる一族 下』新潮文庫

華麗なる一族〈下〉 (新潮文庫)/山崎 豊子

¥780
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 取り下げられる告訴。鉄平の自殺。明らかになる新事実。そして、誕生する新銀行。崩壊した「華麗なる一族」はどこへ向かうのか。昭和の金融界を描いた長編大作、ここに完結!笑

 大介と鉄平は実の親子であった。この事実は、筆者なりの万俵親子への愛であったように思う。両者がたとえどんなに悲痛な関係になろうとも、ただ親子でありさえすれば最後には最期には必ずお互いに赦し合えただろうと思う。なのに、鉄平はこの世にはもういない。大介にとって辛く厳しいこの現実が、物語をより一層悲劇的なものに仕立て上げている。筆者は大介への共感すらを意図して、この悲劇を描いたのではないだろうか。

 考えてみれば、作品を通して筆者は「大介」という人間を決して否定していない。ここまで時間をかけて描いた「悪」の存在を、必死に受け止めようとさえしている。それが、この物語をよりいっそう深淵なものとしている。勿論、それは物語の演出上の操作なのかもしれないが、この「悪」を否定しないこと、これが筆者なりの「人間」の描き方なのかもしれない。

山崎豊子(1980)『華麗なる一族 中』新潮文庫

華麗なる一族〈中〉 (新潮文庫)/山崎 豊子

¥820
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 他国との契約がもつれ、大川は死んだ。一方で、万俵家の閨閥作りは着々と進んでいく。そして大介は、何かを企図し始める。
 序破急の「破」にしては、実に薄気味悪い「破」である。そんな陰鬱な展開を打ち砕く、巻末の高炉の爆発事故。実に見事な「破」だ。これより「急」速に展開するであろうこの物語は彼らを一体どこに誘うのであろうか。

 読んでいるだけで、重く苦しい。この作品世界に漂う欲望は、なぜこんなにも悲壮なのだろうか。真に「華麗なる」人間は、存在しない。この世界観が、作品に重みを与えているように思う。

 あと一息っー!!!

山崎豊子(1980)『華麗なる一族 上』新潮文庫

華麗なる一族〈上〉 (新潮文庫)/山崎 豊子

¥860
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 物語の序破急でいうところの、「序」にあたる巻である。

 本作は、現代の日本ではなく、少し時代をさかのぼった一昔前の日本を舞台としている。そこに登場する人物ひとりひとりの価値観には共鳴するところはあれども、今の価値観と比すると総じて時代錯誤なものが多かった。おそらく今現在ではいかに「華麗なる一族」であっても、これほどまでに閨閥結婚などの策が張り巡らされていることはないだろう。その点から、日本の文明がここ何十年のあいだに見違えるほどに変化したことが伺えて、興味深い。古来より存在する政略結婚がここ四半世紀で大きく減少してきているのは、なぜなのだろう。

 作品中で作者は、本作に登場する男たちを大きく二通りに分けている。作品中の言葉を借りれば、それは「大介型」と「敬介型」という区分である。そして、本作ではここまで「大介型」の価値観を「非」とし、「敬介型」の価値観を「是」とし展開している向きがあるように思える。この区分はあまりに一面的に過ぎるといえばそれまでだが、作調としては興味深い。

 筆者が、時代を逆行するものをいかに美しく導くか。そして「非」とする価値観に対し、いかなる勧善懲悪を与えるか。これが今後の見所であるように思う。

大掃除。

どうも。
メリ(ry



ゴ、ゴホン。
あーあー

こんな時間にアレなんですけども、

12月いっぱい頑張って大掃除します!!
読書の。


ゼミに入ってからというものの、
読まなきゃいけない本が増え、読みたい本が増え、
読んでる本が増え、買ったけど読んでない本が増え、
読んでる場合じゃない本が増え、


・・・家ん中がchaosです汗

まっ、のんびり読みますかっ。


ということで気分転換にお引越しですー

よろしければ、また覗いてやってください。


そういえば、ゼミ入ってからマンガ読まなくなったなぁ。。。
モーニングだけは意地でもキープ!!

藤原正彦(1994)『遥かなるケンブリッジ―一数学者のイギリス』新潮文庫

遥かなるケンブリッジ―一数学者のイギリス (新潮文庫)/藤原 正彦

¥460
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 イギリスにおける、極度のレイシズム。筆者はそれを「中華思想」と断ずる。筆者の対英感情は一時期においては、かなり激しいものとなった。しかし、それも対人関係の改善とともに安らぎ、筆者は次第にこの国を冷静な眼をもって観察し、情熱をもって愛するようになっていく。そうした筆者の英国留学を通じて得たイギリス像に関して纏められているのが、本書である。

 (作成中!!!)