前回に続き

かまわ庵茶会episode1の2/2後編です。

 

⇒かまわ庵茶会episode1の1/2前編はこちら。 

 

 

 

 

●点前座をつくる

点前座は茶席の華「叡知の場」です。

道具組、取り合わせは席主の茶道の知識・

センスの見せ所です。

担当は席主の貴也くん。

 

・升升皆さん一緒に成長しましょう!

    酒屋の玉木さんのアイデア

 

・美しい点前、分かり易い半東の解説は特訓の賜物

 

「見立/みたて」は何でも良いわけではありません。

品・クオリティと自らのルーツや地縁です。

 

ゆえに一期一会が人との出会いに

限定しては浅はかです。

また単に買えばいい、何でも作ればいい、

奇想天外・奇抜がいいなんてのは

短絡的ではいけません。

 

・地元笠原の古のタイルが蓋で茶器は升

 

現在の茶道・茶道具作りは、新たな創造を

することに背徳感から古の道具を写すか、

知らなくて滅茶苦茶かどちらかです。

 

水指を作っても、美しい茶巾の載る姿も

荘り物をした姿もイメージしないで

水の容器バケツだと思って作っています。

塗り蓋、共蓋の意味も扱いも分かりません。

 

それは茶道の全てを知らないからです。

 

だから茶道を真摯に學び、

創造の連綿の茶道の歴史に

漢気と謙虚さを持って

没入しなければいけないのです。 

 

 

 

●美濃焼で全て揃う、茶碗も作る

茶会に使った茶碗は形も色も違いますが、

全て美濃焼です。

多治見工業高校の先輩の

人間国宝の先生方の茶碗から

若手作家の茶碗まで多種多様な

茶碗・茶道具を自足できてしまうのが

日本の6割以上の生産を担う

日本一の陶磁器の街・東濃・美濃焼の

実力だと思います。

もちろんマグカップもね! 

 

 

 

陶芸家のケンタ、新作茶碗の初使いでおもてなし。

 

 

●床の間荘をつくる

床の間は茶会の精神の御柱

「魂の象徴の場」です!

担当したのは玉木さん。

 

・逃げも隠れもしない虚空に向かい伸びる漢武

 

 

一般的には軸を掛けますが、

まだ軸を持っていない場合

急に付焼刃に軸の買い物などもいけません。

ならば軸以上のもてなしの

自己表現を考えるべきです。

 

だから何度も何度も竹山に入り

玉木さんの究極の魂の表現が完成! 

 

 

 

裏千家なら梶の葉用いて

葉蓋で七夕茶会と思っていたら。

「自然の物をなめるな!」

自然・天然の物が一番難しい。と

私は恩師に厳しく教わりました。

 

現実はまさにその通りです。

本当に読み通りになんか、なりゃしません。

理想的なモノは無いんです。

だから日々、葉や花の具合成長を

観察しなければ

「今この瞬間!」を捕らえて表舞台で

使う事なんてできません。

 

「自然を相手に、自然から學ぶ」

そこに至高と究極のもてなしの心が

あることを私達日本人は

學ばなければなりません。

 

茶会の後、玉木さんの奥様の手紙を

見せていただきました。

 

 

 

 

●茶道は「賓主互換/ひんしゅごかん」と

 「一座建立/いちざこんりゅう」

 

もてなす方も、もてなされる方も、
お互いを思いやり、尊重する賓主互換。

そして、いつの間にか主客の境界が無くなり、

心が通い合う状態を一座建立と申します。

つまり、茶道・茶会はお客様との共働作業。

お客様と一緒に作り上げるものなのです。

 

 

・北村さんとお母さん

 

・山本さんご家族

 

 

 

 

小さな子供達は日本伝統文化が

珍しく、たった一度でも貴重な体験となります。

 

そんな老若男女が一緒に同じ場に参加して

作り上げる、楽しめる「もてなし文化」を

日本人は500年以上前に確立させてきたのです。

 

そんなん西洋にも

アフタヌーンティーとかあるでしょ!

と言われる方もいますが、

 

茶道、茶の湯は「ドリンク」ではないんです!

 

私たち日本人は

何故たかが「一服の茶」の為に

わざわざ茶室という場を作り、

準備し、飾り付け、人生を懸けて茶碗を作り、

仰々しい点前をするのでしょうか?

 

なぜ、一服のお茶があらたまる/新魂る/新霊るのか?

そこに日本人・日本の伝統の総合芸術

茶道の秘密があるのです。 

 

 

ぜひ皆さんも先生に聞いてみてください。

 

奥伝の点前だと「一服」点てるのに

一時間近くかかります。

茶道を知らない方は、CMやドラマの

薄茶のシーンだけ見て判断するので、

「茶筅を振りゃ、茶は点つ」 

 

そんな表層の判断になります。

 

 

今年20周年を迎えるセラミックパークMINO

世界に誇る茶室ですが、初めて入った!

という方がほとんどでした。

 

あなたの街にも、あなたの街にも

素晴らしい茶室や茶会に相応しい場所は

日本全国、世界中にあります。

日本人ならそんな茶室や場所で匠の菓子と

一服の抹茶をいただきたいと思うのは当然です。

 

つまり今回のように私達と同じ茶会は

全国どの場所でも開催可能です。

 

茶会には行ってみたいけど

茶道をしてないから

気が引けて行けない方ばかり。

 

そんな方々は茶道をしている方よりも

圧倒的に多いのが今の日本の現実なのです。

 

日本人なのに、もったいない現実を

日本中で変えましょう!

 

・貴也君とハナタロウ商店 を経営される奥様、

みんなの笑顔

 

◼️「かまわ庵茶会 episode1」まとめ

岐阜県多治見市で開催した

小さな茶会ですが、いつかきっと皆さん

誰もが知る茶会になると、私は思っています。

 

理由は簡単です。

 

美濃守護、土岐氏の外護の宗とした禅宗から

夢窓国師が虎渓山永保寺を開創し 

戦国の世に織田信長公 より岐阜と

命名されたこの地は、

利休居士や地元の古田織部公とともに、

桃山茶陶の聖地として

茶禅一味のわび茶の大成を担ってきました。

その華麗なる祖先の系譜を継承しているのが

かまわ庵社中のみなさんだからです。

その血潮が今ここに覚醒しました。

 

茶禅一味、歴史、武将、茶陶、

世界に唯一無二の場所が、ここ東濃の地です。

それはアニメの「ひょうげもの」ではなく、

これはリアルな現代のひょうげの

物語だからです。

 

故郷の岐阜県、美濃、東濃、多治見市にて

日本の伝統文化である茶道を通じた

町づくり・活性化を行う

私達の活動の輪を広げるご支援、

御協力をいただける個人様や企業様が

いましたらぜひご連絡をお待ちしております。

 
 

 
 

⇒多治見市 web magazine A2 茶会取材記事 

 

 

 

⇒かまわ庵 茶道稽古の様子 

 

 

 

⇒かまわ庵 茶道稽古   

   織部の故郷で茶杓を削ろうぜ! 

 

 

 

 

沼尻 宗真