このblogで一年間
活動を紹介してきた
岐阜県多治見市の「かまわ庵」茶道教室。
まったく茶道経験が無い
男性6人が裏千家茶道を真剣に学び
一年後に「かまわ庵茶会 episode1」を
開催しました。
これはその物語です。
全く着物を着たことが無い所から
稽古の末に男が→漢になり
着物や袴が似合います!
・茶道・茶陶に興味がある方
・日本のいく末、日本男児を心配している方
・茶道を學んでいるけど違和感のある方
・茶室が活用できていない方
・そしてこれから「茶会」を開催してみたい方
参考になるよう
あわせて解説していきたいと思います。
茶会を開催する場合において
一番大切な事!
それは茶会の「趣向/テーマ」を決める事です。
今回は社中全員初めての
茶会開催という事で、
話し合いの結果
「初」というテーマに決まりました。
開催は令和四年 皐月 5月15日
新緑眩しい「初風炉」の季節に
相応しいテーマとなりました。
場所は、岐阜県多治見市
セラミックパークMINO にある
世界に誇る素晴らしい茶室
「懸舟庵/けんしゅうあん」です。

世界一の数奇屋工務店 中村外二工務店 が
作った唯一無二の茶室が初舞台となりました。
「かまわ庵」社中の皆さんは
それぞれ専門の分野を持っています。
茶会の要となる
点前座の道具組・取り合わせ、
床の間荘、待合、主菓子、茶会記など
それぞれに役割を担っていく事となりました。
私は一切手を出しません。
理由は簡単。
家族や友人、お客様に茶道を用いて
おもてなしをするのは
これから先も常に本人だけだからです。
茶道は手段、目的は「おもてなし」
暮らしの中で、一服のもてなしをするために
茶道を學ぶ事なのです。
・祖父愛用の茶碗を引き継ぎ稽古の末、
遂に祖母への一服を叶えた山本さん
・山本さんのおばあちゃん。
おばあちゃんが喜んでくれた
全員感動して泣いた、
俺たちはこの一瞬の為にやってきた
その為に稽古では
・座学では歳時記、文化や風習を學び
・高僧の書画から風雅を學び
・悩みながら季節の花を入れ
・無言で茶杓を削り
・茶杓で茶を掃き
・慣れない着物や袴を着ては、ちゃんと畳み
一服の茶をひたすら何回も何回も
点ててきました。
各自がそれらの
「苦悩」と「知恵」と「感性」を
フルに活用し、稽古の成果を発揮する場
それがこの茶会という本番です。
故に私は、
稽古の為の稽古はしません。
理由は百回、千回の稽古より
一回の本番だからです。
むかし奥伝・真の行までの三年間、
全ての稽古でパーフェクトだった自分が
最後の最後の茶会、私が御家元の御前で
点前をするという栄誉にあずかりましたが、
一つだけ自分に納得できない点がありました。
その点に突っ込みを入れ
いじりながら丁寧に教えていただいた
御家元の優しい御恩は一生忘れません。
それが真剣勝負の本番でこそ、
茶道を學ぶ事が一番大切だと、
私が大悟した瞬間だからです。
・庵主貴也くんの挨拶。皆さん正座されてますね
●受付、抹茶の頂き方の解説
受付は「茶会の顔」担当は伴さん。
予約者の確認、荷物の預かりをします。
また、茶会が初めての方の為に
抹茶の頂き方の解説もしていただきました。
・玉木さん、伴さんによる抹茶の頂き方の解説
●待合と茶会記をつくる
待合はこれから始まる
茶会の「期待と高揚を誘う場」プロローグ。
そんな茶会の趣向を暗示する大切な場所を
担当したのはデザイナーの山本さん。
今茶会にて亭主を務める
一人一人をデザイン・アイコン化し
それをポスターに仕立て、さらに
茶会記に反映してくれました。

●主菓子をつくる
お客様の「心を豊潤にするもの」
それがお菓子です。
お菓子は菓子匠と席主の
コラボレーションの結晶。
毎回稽古でお世話になっている
多治見の「かね政」さん のご主人に
山本さんがデザイン画を興して
ご相談させていただきました。
なんと三種類の見本出しをいただき、
試食した後に一つに決定しました!
職人の修行をされていた若い頃
師匠が、練り切りをギュウッと
手で握りしめそれがもう菓子や!
と學んだ話を、澄んだ威厳と清潔感で
懐かしそうに教えてくれました。
ベテランの職人さんから私達が
學ぶ事はまだまだ沢山あります。
さあ、いよいよ待合~席入です。
蹲踞で浄め、躙口から本席へ