皆様こんにちは
今回も茶花から、茶道や日本の文化
工芸を一緒に學んでいきたいと思います。
今回は【実葛さねかずら】です。
雌雄異株で、関東以西に自生しています。
秋の深まりと共に
実も葉も赤く変化していきます。
名にし負はば 逢坂山のさねかづら
人に知られで くるよしもがな
三条右大臣 後撰集
⚫意味
恋しい人に逢える「逢坂山」
共にひと夜を過ごせる「小寝葛(さねかずら)」
その通りならば逢坂山のさねかずらを
たぐり寄せるように、ひと知れず
あなたを連れ出せればよいのに
サネカズラは、蔓の先が分かれ
絡み合うことから「後に会う」を意味し
いつまでも続く恋心が詠われています。
◼️自然の美(蔓草かずらぐさ)を取り入れた髪飾り
日本でも古代の頭飾具として
蔓草(かずらぐさ)を頭にかける習俗があり、
花や葉、珠などの飾りを花蔓、柳蔓、玉蔓などと
呼ぶようになり、そこから「かつら」の語が
派生したとされています。
鬘(かずら)帯とは能の装束で
幅3センチ、長さ2メートルくらいの
装飾的な帯。鉢巻きのように、鬘の上から締めて
後ろで結んで垂らす。高貴な女役に用いる。
鬘帯文様は「鬘(かずら)」は
つる草の連綿と続く、美の生命力の強さから
古くから着物や工芸の中に生かされてきました。
残念ながら茶道では髪飾りは用いません。
しかし、現代でも慎ましやかに
女性の帯や着物の中に自然の美は
しっかりと受け継がれているようです。