車百合(くるまゆり )ユリ科 7/13撮影 富士山

皆様こんにちは

今回も茶花から、茶道や日本の文化
工芸を一緒に學んでいきたいと思います。

今回は
【車百合くるまゆり】です。

名前の由来は、風に揺られる様から
「揺り~ユリ」と呼ばれたという説があります。


車百合の実 9/17撮影 長野県池ノ平湿原


◼️百合の歌人・大伴家持
『万葉集』では百合の歌はわずか10首ですが、
その半数が大伴家持の作品です。

宴の席でユリの花を
あしらった髪飾りを贈られた家持は

さ百合花 ゆりも逢はむと 思へこそ 
今のまさかも うるはしみすれ      
大伴家持

⚫意味
百合(ゆり)の花というように、
また後(ゆり:のち)にもお会いしたいと
思うからこそ、今この時も
大切にしたいと思います。


◼️尾形乾山と益田鈍翁の百合とは?
紹介しましたが、その近代数奇屋者を
代表する益田鈍翁さんが所蔵していたのが
乾山の百合の向付」でした。


MIHO MUSEUM所蔵 撮影 越田悟全



豪放磊落なイメージがある益田鈍翁さんでしたので、私には「百合の向付」所蔵とは意外でした。
しかし益田鈍翁さんの経歴をみると私には見えてくるものがありました。

 

 


益田鈍翁さん15歳の時、ジェームス・カーティス・ヘボンが横浜で開いた「ヘボン塾」を起源とする、日本最古のキリスト教主義学校(ミッションスクール/現在の明治学院)に通われていたからだろうと私は思っています。
白百合は?
そう
処女聖マリアのお告げ《受胎告知》の象徴。
そして、百合の花は《受胎告知》だけでなくもともと、初期キリスト教美術においては薔薇とともに「天国の花」を意味し、生命や光の象徴でもあります。
茶の湯の祖・珠光の言葉「和漢のさかいをまぎらかす」をまさに実践された方。
利休以来の大茶人と云われた益田鈍翁さんの美学ですね。

自分のルーツや縁のある茶道具を集めてみるのも茶の湯の愉しさの一つです。
私は申年なので猿の道具を集めてみようと思います。

稽古場茶道」ではなく、