燕万年青(ツバメオモト)ユリ科 6月19日撮影 尾瀬


皆様こんにちは

今回も茶花から、茶道や日本の文化
工芸を一緒に學んでいきたいと思います。

今回は
燕万年青ツバメオモト】~【万年青】です。


実りの秋
晩秋には様々な実がなりますが
北海道から本州の高地に自生する
燕万年青の瑠璃色の実は格別に美しいですね。

和名の由来には、
葉が万年青(オモト)に似ていて
実の色がツバメの色に似ていること
などの説があるようです。


実がなる頃には花茎を30センチ以上も立て、
このような綺麗な実がなりますから
やはり燕の説が似合いますね。
なんだか燕が飛び交うようです。


秋の燕万年青(ツバメオモト)ユリ科 引用


因みに万年青/スズラン亜科は

下記のような植物です。

古いお宅の庭には良く見かけますが、

その理由がありました。



 


万年青(オモト)の名前の由来には

常緑の葉を老母に、赤い実を子に見立てて、

老母が子を抱く姿に見なして

“母人”(おもと)という説があります。


万年青に関する和歌としては

万葉集に防人の歌として一句が伝わります。


父母が 殿の後方(のしりへ)の ももよ草

百代(ももよ)いでませ 我が来るまで



◼️訳

お父さんお母さん、屋敷の後ろに生えた

ももよ草のように、百代(百歳)まで

長生きしてください。私が防人から戻るまで


このももよ草が、屋敷の北側という場所から

推測され菊の類ではなく万年青ではないかとも

云われています。



◼️徳川家康公の引っ越し祝い

江戸城本丸完成を祝い三河の 長嶋長兵衛が

万年青を3鉢寄贈し徳川家康が

大変喜んだという逸話が残っています。


以来、引っ越し祝いやお祝いに

万年青を贈る習慣が江戸時代から盛んに育まれ、

今日まで伝わっています。


緑で赤い実をつける生命力が

縁起の良い植物として華道では正月にも

用いられるようです。


華道では珍重される万年青ですが、

茶道では見かけた事がないのが不思議です。



・東京・九段/ 新しい茶道教室オープ