久しぶりに石水博物館に来ました。

皆さんは行った事はありますか?


実業家、陶芸家としても有名な
川喜田半泥子さんの博物館です。

川喜田半泥子さん


三重県出身で朝日新聞を創業された
実業家であり、数奇者 村山龍平氏の
コレクションが展観されています。

因みに村山氏は
薮内の茶の湯を
川喜田半泥子さんは久田流です。

村山龍平氏


三井財閥を支えた益田鈍翁氏をはじめ
近代数奇者といわれる
大正の実業家の方々の企業は、
現在でも日本の一流企業ばかりですが、
茶の湯のDNAが残っている企業は
数が少ないように感じます。

日本の文化や美術、歳時記がわかるという事は
日本に住む事が「楽」になること。

大正の実業家の方々は
世界を知っている方々ばかりです。
だからこそ茶の湯なのでしょう。

単に国内の美術品の流出を守るというだけでなく
「世界と日本」「世界の中の日本人」という


その道理がわかっているから
茶の湯を重んじたのだと思います

経営者の嗜みや社員研修に
茶道は生かせるはずです。

ANAの新しい訓練施設には茶室や日本庭園が作られ、CAさんに茶道プログラムがあります。


また多くの志士を輩出している
松下政経塾でもカリキュラムに茶道があります。

 

 



しかし朝日新聞さんは、現在も茶の湯や陶芸など

本展では、香雪美術館の珠玉の
コレクションの中から重要文化財1点と
重要美術品3点を含む名品を中心に、三重県ゆかりの数寄者・村山翁遺愛の茶道具を紹介します。



ゆったり落ちついた美しい空間で
これだけの量の一流の茶道具が見られる機会に
感激しました。
しかも入館料が500円!
もはや半泥子さんから
後世の我々日本人への茶道教育であり、奉仕です。


茶道の稽古をしている方には

丸壺茶入 銘 利休丸壺
南宋時代(重要美術品)


唐物茶入で瓶子蓋はなかなか見れませんから。



一重切花入
千利休 桃山時代
千利休が天正18年の小田原攻めに同道し,
伊豆韮山の竹をもって作った園城寺と共に
作った3作の内の1作。

井戸茶碗
燕庵井戸 朝鮮時代



その他出品リストや詳しい情報は
石水博物館サイトにあります

道具を見れば村山龍平氏の道具の好みや、
どのような茶の湯だったのかな?
想像できます。


もちろん私たちはこのような名品を
手に入れる事は難しいです。
しかし最高峰を見る事で、自分の眼が鍛えられ、
自分の好みわかってきます。

道具を求めてみなさい、
稽古場より自宅です。
なんて言う茶道教室の先生はいません。

しかし、あえて

「稽古場だけ茶道」ではなく

自分の家に
たとえ茶碗一つでも、
カフェオレボウル一つでも
自分の眼と責任で道具を揃えてみることが
本当の「自分の茶の湯」のスタートなのです。


今秋の東西の美術館では
茶の湯に関する展観が目白押しです。

谷先生が、館長の野村美術館10/24(土) - 12/13日(日) 野村得庵没後75年 茶の湯のわびと美」 は
ぜひ、伺いたいと思います。



ぜひ日本の美意識を學んでみましょう。
土本先生の本もオススメです。