面接、書類の次は企業選択です。(全て順番が逆だ)ひとつの企業をまっとうするのが難しいからこそ、長く勤められる職場、転職の楽な仕事を選ぶべきです。キーワードは、専門職、海外、大企業。


1 専門職

 私の主治医はいつもコンピュータ技術者を勧めます。(私が今から勉強してなるのは厳しいですが、若い人ならいいかも)仕事内容もさることながら、同僚にも人間関係苦手な人が多いため、比較的勤続しやすく、技術力さえあれば転職、独立も可能です。
 コンピュータでなくても、営業や事務よりは専門職や研究職の方が自閉のこだわりを生かせ、成果を評価されやすい気がします。


2 海外

 今高校生だったら絶対海外留学、現地就職を目指します。実は夢見ていた時期はあったのですが、環境の変化が怖くて踏み切れませんでした。日本よりは人間関係楽そうだし、多少妙な行動をしても、文化が違うからと納得してもらえそうな気がします。


3 大企業

 私は人の大勢いる空間が苦手なので、就職先も派遣先も中小企業を選んできました。それは大きな間違いでした。
 仕事が細分化され、教育体制が整った大企業は本当に働きやすい場です。金持ちけんかせずというか、衣食足りて礼節を知るというか、1人や2人の変人はおおらかに受け入れる余裕があります。どなる人もほとんどいませんし、派遣社員には
「安い給料で悪いね」
という気づかいを見せます。
 中小企業はよくも悪くも経営者の趣味が色濃く反映され、労働基準法などどこへやら、社長の鶴の一声で正社員もクビ、必然的に余裕がなく、どなりつける人が増えます。下手すると本当に派遣の方が人件費高いので、1分1秒を経費に換算されます。(中小企業勤務の方ごめんなさい。そうでない会社もたくさんありますが、確率の問題で)
 大企業に入社できるチャンスがあるかが問題ですが、派遣だとかなりハードル低いです。給料も低いですが、私たちの場合給料より環境重視です。


 中途の場合は、業種でも職種でもできるだけ前と同じ職場を選ぶべきです。面接でのアピールが難しいだけに、書類でアピールする必要があり、それは経験がものを言います。
 仕事を覚えるのに時間がかかるのに、全部クリアして最初からやり直し、しかも新卒と同じではまずいから、それまでの経験を応用して加味するなどという器用なことができれば苦労しません。
 どこにでもなじめる体質でないから、できればひとつの企業をまっとうしたいのですが、変な会社にあたったりクビになったりと、人生はなかなか忙しいのです。

 

 

 6月7日の記事。技術者の方からもコメントをいただきました。やはり技術者、研究者はAS向きっぽいです。事務や販売(特にレジ)は最も向いていないらしいです。なのに派遣で一般事務やっている私。

 前回面接について書きましたが、
「そうは言っても話すのは苦手」
「話し方教室に通ったとしても、スラスラ話せるようになるのはいつのことか」
という人も多いでしょう。
 今日は書類についてです。自閉圏の方は話すよりは書く方に、抵抗が少ないと思われます。だから、できるだけ提出書類をしっかり作成することで、書類に自己PRさせるのです。

 書類選考のある会社の場合、例えば100人応募があって50人面接して10人採用予定なら、書類を通った50人は一律スタートではありません。

1 すごく印象のいいグループ→面接でひどくなければ採用したい。
2 そこそこグループ→面接次第かな。
3 イマイチグループ→はっきり言って補欠。面接がすごくよければ逆転の可能性あり。

にだいたい分かれています。
「面接の手ごたえはよかったのになぜ落とされたんだろう」
という時は3か、2だが1の評価を覆すにいたらなかった、ということです。だから、面接での逆転の難しい人は1か2の上位に入っておく必要があります。1に入っておけば面接でも好意的に扱われます。

 書類はできるだけ作りこんで提出します。書類選考のない会社でも、面接終了後採用決定会議を行う時、しっかりした書類があれば印象を思い出してくれます。書類持参の会社は書類選考がない訳ではなく、後回しになっています。具体的な書き方は、マニュアル本がどっさりあるのでそちらを参考にして下さい。丸写しにならないように。
 前職の退職理由も志望動機も丁寧に盛りこみます。面接でできるだけしゃべらずに済むように、聞かれそうなことはなるべく書いておきます。
 もちろん程度問題です。原稿用紙100枚も書いたらびっくりされます。10枚でも危ない。履歴書、職務経歴書、自己紹介書、添え状とタイトルを変え、ひとつのタイトルの書類は原則1枚とします。どうしてもはみ出すなら2枚でもよいですが、全部2枚ずつにならないようにしましょう。

 全部書いてしまったら面接で聞くことがなくなって変なことを聞かれるのではないかと思われるかも知れませんが、書類で好意をもってくれたなら、そんなに意地悪な質問はしてこないはずです。圧迫面接をするような会社は明らかに社風が合いません。書類と内容が重なることを言ってもいいのです。それが恥ずかしいからといって、
「提出書類にも書きましたが」
という枕詞を連発すると、
「あんたら人の書いたもの見てないだろ」
と言っているように取られかねないので、言わないようにしましょう。

 ご健闘を祈ります。しつこいですが、この内容を実行して失敗しても、私を恨まないで下さい。

 

 

 5月22日の記事。採用されるだけならされるんですが、本当の問題は続くかどうかです。

「面接と全然違う」

といわれると恥ずかしいです。

 会社との相性、上司との相性、仕事内容との相性、社員に知り合いがいない限り内情はなかなかわからないし、知り合いがいても、その人の主観に基づく情報だから、働いてみないとわからないのです。

 ビジネス用語講座では仕事を始めてからのことを書いていますが、その前に仕事がなかなか決まらないという話を聞きます。そこで、新シリーズ、就職講座を開始します。(大丈夫かよ)
 ご安心下さい。私は面接は得意なのです。(入社してからのことは知りません)多分、話すのが苦手な定型発達者よりうまいと思います。

 
 定型発達者でも、面接ではどう答えていいかわからない、相手の質問の意図は読めない、すっとんきょうな答を返してしまう、そうです。これは自閉にとっては普段の姿であり、面接の場では定型発達者と同等、むしろ面接にうってつけの人材といえます。(そういう人材が社会に求められているかは知りません)
 さらに幸運なことに、採用側は個性ある人材を採用したいと、一応は本気で思っています。(入社してからは個性を殺すことが求められます。何でそんな矛盾したことをしているのかわかりません)個性と言えば私たちの右に出る者はありません。

 私が嘘にうるさいので正直な人だと思ったら大間違いです。面接は嘘の応酬です。そういう世界観の中ではちゃんと嘘も言えるし相手の嘘もわかります。
 最初は人前で話す時はしどろもどろでどうしていいかわかりませんでした。これは練習して慣れるしかないので、うら若い乙女の頃、話し方教室に通いました。年配の人ばかりで、かわいがられました。会話ではなく、決まったテーマ、決まった時間、準備の時間も充分与えられてスピーチをするので、自閉でも大きな不利はありません。ここで何度も話すことによって、上手に見える話し方を身につけました。多少間抜けな内容でも堂々と自信をもって話せばかなりごまかせます。
 次に面接本を買って、主な質問に対する回答集を作りました。面接官が聞きたいことはだいたい決まっているので、変化球で聞かれても強引に自分の用意した回答につなげることが大切です。

 面接で気をつけることは、キャラを統一することです。人のキャラには色々な側面がありますが、正直に出したら相手にはあやふやな人物像しか伝わりません。例えば「明るい性格」と「1人でこつこつできる仕事が好き」は別に矛盾しませんが、キャラの統一感は弱いのです。「明るい性格」なら「人と話すことが好き」でなければならず、経理を希望する人は「細やかで真面目な性格」でなければなりません。長所も短所もそのキャラの中で作り上げるのです。
 残業いとわぬバリバリキャリアか残業休出なしプライベート重視派かで、退職理由も志望動機も面接用エピソードも全部変わります。相手の意図に合わない場合もありますが、就職活動で何社も落とされるのはやむを得ないので、恐れてどっちにも取れるようなあやふやな人物像をさらしてはいけません。

 なお、いつものことですが、この内容を実行してうまくいかなくても私を恨まないで下さい。好評なら、続く。不評なら黙って消えますので深く追求しないで下さい。

 

 

 5月16日の記事。後々も好評だったような気がするんですが。人材派遣会社や紹介会社の人は

「短時間の面接でも人を見抜ける」

と根拠のない自信を示しますが、面接には間違いなく上手下手があり、業務遂行能力とは必ずしも一致しません。下手なら「下手演技」だってできます。視線を合わせられなくても、懸命に考え考え話す姿が誠実に見えることもあります。

 私は色つきの遮光レンズの眼鏡をかけています。(詳しくは「上を向いて歩こう 」をどうぞ)ついに会社で注意されました。今までよく何も言われなかったものです。
「その眼鏡、年配の人だとどうかと思うかも知れないね」
婉曲表現の理解できない私を経験とマニュアルがカバー。透明なタイプにしろ、という意味ですね。微妙な空気は読めないのでどの程度の

「やめろ」

かわかりません。
「それはどの程度いけないんですか」
と突っ込んだらいやがられることは明らかです。後で
「注意したのにやめない」
とまた言われても困ります。私は外人に早口で話しかけられた日本人のように固まります。

 眼鏡を作る前におばちゃん(私に仕事を引き継いだ人)に相談したら
「ちょっとくらいならいいんじゃない」
と言われました。ちょっとってどれくらいだよ、と思いながらも出来上がった実物を見せたら
「いいんじゃない」
と言われたのでそのまま会社でもかけていました。直属の上司(時々しか会いません)も何も言いませんでした。私に注意したのはもっと偉い人(直属の上司も逆らえない)です。
 しかし1度遮光レンズに慣れたら、外すと本当にきついです。白色蛍光灯の下で、白いコピー用紙の書類に目をパチパチ(チックか?)、眉間にしわ寄せ目を細め、前はずっとそうだったからそんなに大変に感じませんでしたが楽さを覚えると人間だめですね。書類は再生紙のようなくすんだ色か色紙の方が読みやすいです。
 毎日の頭痛薬(頭痛持ちでした)と夕方近くなるとおそってくる猛烈な眠気も復活しました。眠気がなくなったのは仕事に慣れたせいかと思っていました。

 遮光レンズにしてから平面が立体になり、人の顔の個性も見えてきて、認知の不自由が少しずつ改善されているのかも知れないと思い始めました。
 色つきレンズが印象よくないのは知っていましたが、なぜいけないんでしたっけ。茶髪と同じで合理的な理由はないような。茶髪も昔はタブーだったけれど今はかなり明るい色でもそれほど違和感ありません。そんな風にならないものでしょうか。誰がこんな変な色のメガネをおしゃれでかけるものですか。
 最初ふたつ作るか迷ったのですが、どうせ文句言われるならもっと濃い色にしておけばよかったです。けちるものではありません。
 この理由だけで派遣先を変えるのはしんどいし、診断書(もちろん発達障害者であることは内緒)を出しても無駄でしょう。色つきレンズを必要としない派遣社員はいくらでもいるのですから。
 本当に、私たちは何もかも世間に認められないようにできているのですね。色つきレンズが視覚認知を助け、なおかつ差別されるようにちゃんと設定されています。

 5月14日の記事。なぜ自閉症者が色つきレンズを通すと視覚認知が改善するのか、その仕組みははっきり解明されていないそうです。

 この時、透明な遮光レンズもあるとコメント欄にURLを貼ってくれた人もいたのですが、ごめんなさい、どうしていいかわかりませんでした。私は医師の診療に基づいて眼鏡を作っているのに、そのサイトをプリントアウトして医師のところに持って行ってこのレンズを使いたいと言えということなんでしょうか。

 アドバイスくれる方に悪気はないと思うのですが、どうすればいいのかよくわからないことも多いのです。その情報だけもらってもパズルのピースを1個投げつけられたようで混乱します。

 作る時、透明なものとサングラスと2種類作ろうか迷ったあげく、ケチって中途半端な色にしたことを私はとても後悔していました。今、会社では透明な眼鏡を使っていますが、色つき遮光レンズのような効果はありません。そして、もっと濃い色の眼鏡が欲しくなります。出費がきついです。

眠る時は枕にタオルを敷き、横にティッシュを1箱
声を殺して眠るまで泣き続ける 毎日 毎日

調理実習で作ったものを家で作ってあげよう
どんな料理か忘れたけれど、ちゃんとしたメニューだったから
小学生じゃなくて中学1年生くらいだったと思う

父も母も、私がそう言い出したことを喜んでくれた
調理実習では皿洗いしかできなかったことは内緒にしよう
レシピ通りにやればちゃんと作れる そういうのは得意なのだ

でも学校で食べたものより母の作った方がおいしいから
母が作っているように作りたい
私に夕食の支度を任せてテレビを見ている母にキッチンから聞く
これはどうするの あれはこうだよね
学校で習った通りにしなさいよ いちいち聞かないで

喜んで くれると 思ったのに
すごい声で泣いた 母がヒステリックにどなっている
私はその日最後まで夕食を作らなかった 食べたかどうかも覚えていない

喜んで くれると 信じていたのに
あんまりおいしくないけど 無理しておいしそうに食べてくれるはず
怒られるなんて思わなかった 喜んでくれるとばかり思っていた

お手伝いしたら怒られることもある ちゃんと頭のファイルにいれておかないと
パニック起こさないように ごめんね こんな子供で

 

 

 5月12日の記事。ご主人がASのキラリさんの記事「怒ってごめんなさい、灯油編 」を読んで、泣きながらトラックバックしました。万一のためにあらゆることを予測します。しかも子供のうちは口に出していました。

「お手伝いすると怒られることもあるんだね」

と。そんなことを言えば当然ものすごく怒られる訳ですが。いやな子供だ。