アラフォー男が人生を変えるために「人気アイドル○○とデートする」ことを目標にして、自分を磨いていく日記

アラフォー男が人生を変えるために「人気アイドル○○とデートする」ことを目標にして、自分を磨いていく日記

気がつけばアラウンド40歳。もう自分が物語の主人公になって、キラキラ輝く時間なんてないんじゃないか……そう諦めかけている自分を変えるため、あえて「人気アイドルのあの子」とデートすることをめざして、自分を磨き、人生を変えるまでのストーリー

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好きな舞台やミュージカルは、できる限り何度でも鑑賞するようにしている。

 

2017年に一番たくさん見た作品は「レ・ミゼラブル」。

言わずと知れたミュージカルの名作中の名作。

ミュージカルファンなら誰でも大好きな超メジャー演目だ。

 

「レ・ミゼラブル」は人気演目ということもあり、2017年バージョンは東京、愛知、大阪、福岡と4カ所で上演され、開幕となった東京・帝国劇場での5月21日のプレビュー公演を皮切りに、愛知・中日劇場での10月16日の千秋楽まで5ヶ月間に渡った超ロングラン公演となった。

しかし、5ヶ月同じ演目ながら、主要な配役のほとんどは複数の俳優・女優がキャスティングされたこともあって、毎日の公演ながらさまざまなキャストの組み合わせで上演されたので、何度観ても楽しめるミュージカルだった。

 

もともと好きだった作品ということもあり(わざわざイギリス・ロンドンまで鑑賞しに行ったこともあるほど)、2017年バージョンは合計5回も劇場で鑑賞した。

 

舞台やミュージカルを劇場で何度も鑑賞することの魅力の1つは、始まったばかりの頃の演技と比べて、後半を迎えた公演での俳優陣の演技が明らかな変化が楽しめることだ。

 

もう一度観たいと思った理由は、若いキャストの本気度をヒシヒシと感じて、彼ら彼女たちが公演を重ねてどんなふうに成長するのか、若手とベテランとの融合がどのくらい高まるか、を観たいと思ったからだ。

毎日同じシーンで同じセリフを発するごとに、俳優たちは原作者がその台本に込めた思いを掴み、乗り移ったように表現していく。加えて、俳優陣の信頼関係が高まることで、序盤の公演と終盤の公演ではまったく別の演目を見ているように感じるほどだ。

 

単に「レ・ミゼラブルなら何度でも観たい」という思いと、俳優陣たちの演技の変化を観たいということ、それにプラスして、せっかく同じ舞台を再度観るのだから、できるだけ鑑賞する座席の位置を変えて、さまざまな角度からこの作品を観てみたいと思った。

 

 

 

最初は最前列のセンターブロック左寄りで鑑賞。2回目は数列後ろのセンターブロック右寄りの席を選んで鑑賞した。

 

最初の鑑賞はキャストの演技する表情から小さな仕草まではっきりとわかる距離だったが、一方で全体を俯瞰して観るには不適格な位置だった。

2度目はある程度キャストの細かい動きや表情も見れて、しかも全体の動きも一目で把握できる位置で、最前列とは別の楽しみ方ができる席だった。

 

 

 

「レ・ミゼラブル」という同じ作品を劇場で5回も鑑賞して気づいたこと。

それは「違う角度からモノを見る大切さ」。

 

人気アイドルのあの子とデートすることを目標に、人生を変えることをめざすアラフォー世代の男にとって、「レ・ミゼラブル」を5回鑑賞した中で感じたこと。

それは、人は成長するためには、最初の目線で見たものや立ち位置で見えたことだけですべてを判断するのではなく、さまざまな位置から高さから物事を見ることが絶対不可欠だということ。

 

さらに、自分という目線だけでなく、別の人格になったつもりで物事を見ること。

違う性別、違う世代、違う趣味思考……、さらには仕事を一緒にするビジネスパートナーやお客さん、さまざまな形で関わってくれる関係者など、多重人格になってたくさんの角度から物事を見れるようにすることが大事だ。

 

 

 

舞台やミュージカルを劇場で鑑賞するのと違って、映画やテレビドラマは、基本的に1度目と2度目で観えるものは同じだ。

けれど、生きている舞台は、同じ脚本で同じ出演キャストでも、まったく同じ舞台というのは絶対にない。

 

人も人間関係も生きている。

だからこそ1つだけの視点で観るより、複眼的な視点で物事を見ることで、1度目では気づかなかった隠れていた大切なことが、たくさん見え、気づくことができるはずだ。

舞台やコンサートでは、その会場の中に本当にたくさんの人がいる。

 

 

 

一番多いのは観客の人たち。

 

熱心なファンもいれば、誰かに連れてこられただけの人もいるが、小さい舞台でも数百、大きなコンサートなら数万といった人たちがお金を払って会場まで足を運んでいる。

アイドルコンサートの会場ともなれば、コンサートグッズを買う売り場の行列だけでもものすごい数の人が並んでいフレンチし、人気アイドルの卒業コンサートともなれば、その場の雰囲気を共有したいとチケットを持っていないたくさんのファンまでも会場に集まり、コンサート会場の外は大混雑となる。

 

 

 

一方で、一番目立つのは、もちろんスポットライトを浴びる出演者たちだ。

 

アイドルコンサートで言えば、もちろん主役となるアイドルたちであり、また舞台で言えば、主役はもちろんのこと、主役を引き立てる名脇役たち。そして役名もつかない端役までさまざまな立場がある。

 

 

 

そして、そんな出演者たちを陰で支えるスタッフたちも、目には見えなくてもたくさん存在する。

 

コンサートや舞台の演出家や振付師、プロデューサーといった、コンサート当日だけでなく、公演のそもそもの立ち上げから関わっている人たち。

そして、音響、照明、大道具、衣装、メイクといった、公演を毎回支える裏方スタッフたち。

 

もっと細かく言えば、その公演の主催団体の担当者や協賛社の担当者、出演者の事務所スタッフやマネージャーもいるし、入り口でチケットを確認するスタッフや、誘導スタッフ、警備、グッズ売場スタッフなど、現場を円滑にするのに不可欠な仕事の人も多数いる。

 

 

 

1つの公演に本当にたくさんのポジションがあり、たくさんの人が関わることで、今日も公演の幕が上がる瞬間を迎えることができる。

 

開演のブザーが鳴り幕が上がった瞬間、舞台には眩いスポットライトと、きらびやかな衣装を着た出演者たちの姿が現れる。

その刹那、頭の中にはいつもこう響く。

 

 

 

「この公演のいったいどこに、自分の〝本当の居場所〟はあるのか?」

 

 

 

観客なら、お金さえ払えばいつでもなれる。

 

でも、コンサートや舞台の中心となる主役のポジションに立ちたければ、もちろん身長や顔つき、声質など、持って生まれた容姿や特徴に左右されるし、その面でクリアできても、早い段階からバレエやダンス、発声を学び、最低限基礎固めはしておかなければ話にならない。

そして当然オーディションに合格して、所属事務所やレコード会社の決定権を持つ人立ちやコンサートや舞台の公演の主催社のプロデューサーたちに認められ、初めてそのスポットライトを浴びることができる。

 

主役を張るということは、誰でもチャンスがあるわけでなく、とんでもなく高い競争率の中、誰よりも努力を積み重ねるのは当然として、最後は運や縁次第という大変なポジションだ。

 

 

 

一方で、スポットライトの向こう側の存在である演出家や振付師は、ある意味、出演者たちと同様かそれ以上に才能を認められ、厳しい競争に勝ち抜いた人にしか就けないポジションだ。

 

そしてもちろん、音響や照明、衣装などの仕事を務めるスタッフも、同様に簡単に掴めるポジションではない。

アシスタントの1人というならまだしも、それらのポジションの責任者になるなら、出演者ほどではないにせよ、早い段階でその道を選び、下積みを重ねて、実績を作った上で人に評価される結果を残していかなければ、大きな舞台などで仕事を任されるチャンスはなかなかない。

 

 

 

いろいろ考えると、やっぱり客が一番楽だ。

 

 

 

主役を張るためにたくさんの努力をし、少なくないライバルたちを蹴落としてきて、今、この舞台の中央に立つ主役たち。

その厳しい競争の中で磨かれた演技を、お金さえ払えばいとも簡単に観ることができるし、お金を払って観に来たことで主役に感謝までされる。

 

でも、その一方で、やっとの思いでそのポジションを得た人たち、主役はもちろん、脇役でも、音響や照明の責任者でも、演出家でも振付師たちは、充実感や感動、または評価や名声だけでなく、自分の成長や仲間との信頼関係や、次のステップのきっかけといった、客の立場とは桁違いのものを手に入れることができる。

(もちろん失敗した結果、失う危険性もあるが)

 

 

 

舞台やコンサートに行く時、いつもワクワクする自分がいる一方で、客席に座っていることに違和感を感じている自分もいる。

 

「お前はここに座っていていいのか?」

 

人気アイドルのあの子とデートすることを目標に、人生を変える決心をしたアラフォー世代の1人の男。

ただ働いて得たお金をチケットに換え、ゆったりと客席に座ってコンサートを眺めるだけでは、その目標は絶対にかなわない。

なら、自分は今、何をすべきか?

きっと次のコンサートを待ち望んで、そのチケットを買うためのお金を稼ぐことではないはずだ。

 

 

 

舞台は人生そのものだ。

本当にいろいろなことを教えてくれる。

デビューしたばかりのアイドルはたいていキャッチフレーズを持っている。

 

自己紹介を兼ねて、歌うようなリズムに乗せて、笑顔で自身のキャッチフレーズをアピールする。

その様子は見ているほうが気恥ずかしさを感じるくらい、一生懸命に気持ちを込め、可愛く、そして時に面白く、一瞬で興味を持ってもらえるよう、自己アピールをするアイドルたち。

 

顔が知られ、売れ始めると、徐々にやらなくなっていく子が多いのは、きっとやっているほうもものすごく恥ずかしい行為なのかもしれない。

 

好きなものや出身地、見た目、性格、興味あるものなど、与えられた短い時間の中で、自分の個性や特徴をアピールする。

1人でも多くの人に知ってもらえるよう、少しでも興味を持ってもらえるよう、普通なら恥ずかしくてできないようなことでも、一人前のアイドルとして売れるために、彼女たちは笑顔で必死に自己アピールする。

 

そんなアイドルのキャッチフレーズ。

人気アイドルとデートすることを目標に、人生を変えることをめざしているアラフォー世代にとっても、じつはすごく大切なことなのでは、と考えている。

 

 

 

先日、誰もが知る企業のトップたちが集う場に同席させてもらう機会を得た。

しかもバリバリ外資系のビジネスの第一線で活躍している外国人。日本語は堪能だが、日本流の真面目さだけで通用するような相手ではない。

 

その人たちのことは、初対面でもこちらは間接的に知っている。けれど、向こうはこちらのことをまったく知らない。

そんなシチュエーションで自己紹介をしなければならない。

そんな時は短いフレーズで、強いインパクトが要求される。

 

その一瞬で、自分の特徴を言葉にし、相手が興味を持ってもらえそうな最近の仕事の取り組みや実績を短いフレーズで面白く伝える……。

やるべきことはわかっている……。しかし、そのことの難しさをその時、痛感した。

 

 

 

友人や同じ学校や会社の人など、自分と同じフィールドの人や自分のことを多少は知っている人だったり、自分の話をちゃんと聞こうとしてくれる人には曖昧な内容の自己紹介でも構わない。

 

けれど、こちらの存在を知らないだけでなく、特に興味も持っていない……。そんなその人との初対面の場で、相手のひきたいのであれば、事前の念入りな準備が必要だ。

 

そんな場面で印象に残る自己紹介をする時に必要なもの。

それは多少大げさで、極端な表現で、わかりやすく、覚えやすく、注意をひくようなフレーズ。

それは、まさにデビューしたばかりのアイドルが行うちょっと気恥ずかしいキャチフレーズのようなものかもしれない。

 

 

 

人気アイドルのあの子とデートしたい……。

そのためにアラフォー世代にも関わらず、人生を変え、自分を変えることをめざす男にとって、アイドルとデビューしてから人気を得ていくまでの過程で、彼女たちが実践することは、じつはたくさんのヒントが秘められている。

 

ちょっと恥ずかしいくらいのフレーズを、どんな時でも、どんな相手にでも、スラスラと口から出るよう自分のものにする。

最初の自己紹介で興味をひくことができなければ、権力者たちは二度と我々には興味を持たなくなる。

しかも、一度、権力者が心の中でくだした「つまらない者」という評価は、もう二度と覆すチャンスを与えられることはない。

 

アイドルたちは、芸能界で売れるために必死になってキャッチフレーズでアピールするのに、なぜ人生を変えることをめざすアラフォー男、実績のない無名の存在である人間が無策でいるのか……。

 

 

 

おそらくアイドルたちのキャッチフレーズは、アラフォー世代の男にとっては、何度やっても恥ずかしいことであろう。

しかし、キャッチフレーズでのアピールをやめたければ、1日でも早く、こちらが自己紹介しなくてもすでに相手が知っているというくらいの、そんな存在にのし上がるしかないのだ。

 

人気アイドルのあの子は、年末年始のテレビの特番や各種イベントに引っ張りだこで、ファン以外の、自分をあまり知らない人たちに囲まれ、普段は自分のことをテレビで見かけない視聴者たちと向き合い続けている。

そんな中でも、カッコつけたりせずに自分の魅力を良い印象で伝えることを懸命に取り組んでいる。その姿勢を、一番最初に取り入れなければいけないのは、人生を変えようとしている自分自身だ。

 

人気アイドルのあの子のことを知ろうとすればするほど、たくさんのことを教えてくれる。

 

 

乃木坂46が「インフルエンサー」で第59回日本レコード大賞を受賞した。

 

デビュー時はAKB48の「公式ライバル」という肩書きでスタートした後発グループが、当初の目標であったAKB48の目の前でレコード大賞を受賞したシーンは、アイドル界の栄枯盛衰を見るようでドラマチックな映像だった。

 

その乃木坂46の中で、歌唱力を高く評価され、12月25日には「MTV Unplugged」に出演し、単独コンサートを行ったのが生田絵梨花さん。

 

生田さんは音楽大学在学生で、幼少の頃から取り組むピアノの演奏の実力は、歌唱力と同様以上に評価されているなど、まさに芸を持つ芸能人、トップアイドルと言える存在だ。

 

その生田さんは今年、ミュージカルのトップオブトップと言える作品の「レ・ミゼラブル」にコゼット役で出演し、ロングラン公演でその華のある歌唱と清楚な演技を多くの観客に見せてくれた。

 

ミュージカル界で「レ・ミゼラブル」と言えば、ミュージカル俳優が誰もが憧れ、出演することを目標にする名作で、実際に出演権を獲得するオーディションがとても厳しいことでも有名だ。

そんな伝統ある舞台に、生田さんは現役アイドルでありながら主要な役を射止め、見事に最後まで演じ切った。

 

そして、1年の締めくくりに今度は「MTV」が認める歌い手として、たった1人でコンサートを開き、満員の観客を楽しませた。

おそらく今までこれほどの華麗なキャリアを歩んだ女性アイドルはいなかったのではないだろうか。

それほど、生田さんの2017年は、女性アイドルではありえない破格の活躍の年だったと言えるだろう。

 

 

 

生田さんの「MTV Unplugged」の歌唱をテレビ番組でダイジェストで目にした時、昔、ミュージカル子役として大活躍した経歴を持つ女の子と話したことを思い出した。

 

その子は、誰もが知っている超人気ミュージカルで主役を務め、天才子役としてミュージカル界の期待を集める存在だった。

しかし、子役として売れてしまったからこそ、成人女性に変わる成長の過程でイメージの転換が難しく、年齢を重ねるにつれ徐々にオファーが減り、オーディションに落とされ、そして10代最後を迎えていた。

 

ミュージカル女優としてのオファーが激減する中、その子はその当時、所属事務所の方針でアイドル的な活動をさせられていて、毎日レッスンに明け暮れる日々だった。

 

「課題曲として与えられるのがモーニング娘。さんの曲なんです。でも、ミュージカルの歌い方とまったく違うから全然歌えなくて、毎日先生に怒られてばかりで……」

その子は悲しそうにそう言っていたことを覚えている。

 

 

 

「ミュージカルの歌い方とアイドルソングの歌い方は対極にある」

子役時代から主役ばかり演じてきたミュージカル界のエリートはそう言った。

 

小さな子どもの頃から長い間ずっと、大勢の観客の前で熱唱し、ミュージカルファンを楽しませてきた華麗なキャリアを持つ人でさえ、その両立は困難を極めるという。

だとすれば、ミュージカル界の最高峰の「レ・ミゼラブル」出演のためにミュージカル女優としての歌唱法を懸命にマスターした生田さんにとって、その間に出演する乃木坂46での歌唱の切り替えは本当に難しかったことだろう。

しかも乃木坂46なら大勢のグループメンバーとの合同の歌唱ということでうまくカバーできることができたとしても、「MTV Unplugged」という単独コンサートでの歌唱の切り替えは、非常に難しかったことだろう。

 

もちろん、「MTV Unplugged」のオファーがあり、出演が決定して以降、人知れず懸命なレッスンとリハーサルを重ねたことは間違いない。

しかし、超多忙な人気アイドルグループの一員としての過密スケジュールに合わせて、現役大学生として活動もあり、その合間でのさまざまな仕事の準備やリハーサルの時間をスケジューリングすれば、おそらく自分だけの仕事である「MTV Unplugged」のための準備時間は満足いくほどは確保できなかったはずだ。

 

 

 

アイドルとしてもう二度とないかも知れないほどの魅力的なオファーである「MTV Unplugged」単独コンサートの話を受け、「準備不足の可能性があるから辞退します」と言う芸能人はまずいないだろう。

しかし結果的に、生田さんの「MTV Unplugged」でのパフォーマンスや構成、トークなどは、準備不足の感が否めなかったように見えた。

 

「MTV Unplugged」単独コンサートを開いたという実績は獲得したが、そこでさらに多くの人を魅了し、普段アイドルから縁遠い音楽ファンから見てその破格のオファーを納得させるパフォーマンスができたとは言い切れない結果となった。

 

もちろん、人気アイドルグループの一員として、普段の音楽番組では「口パク」で済ませてしまっているグループの1人としてという目線で見れば、今回の「MTV Unplugged」単独コンサートも大成功と言えるだろう。

しかし、ミュージカル名作に出演するなどしてきた彼女の経歴は、そういう「アイドルだから」で許される低いレベルでの話に終わらせられないところまできているのは紛れもない事実だ。

 

そして、このことは本人が一番理解しているはずだ。

幼少の頃からピアノを演奏し、そのギリギリの勝負の世界に身を置いてきた彼女なら、この状況に対してすごく後悔しているだろうし、自己嫌悪に陥っていてもおかしくない。

そして、この「MTV Unplugged」出演の結果、乃木坂46の卒業を本気で考え始めているかも知れない。

 

たとえ、このチャンスを得たのは人気アイドルグループに所属しているからという事実を認めているとしても、自分に与えられている魅力的なオファーを振り返り、こんなチャンスは滅多にない状況で、その準備に時間を割けないという勿体無い環境は、エンタテインメントのプロフェッショナルを目ざす者ならきっと歯がゆくて仕方がない状況だろう。

 

 

 

人生には「モテキ」がある。

 

その「モテキ」は異性にモテる時期ではなく、自分の実力以上のチャンスが次々と舞い込む、チャンスにモテる時期のことだ。

 

きっと振り返れば、誰もが「あの時がそうだったかも」と思い出せるだろうし、もし思い出せない人がいても、それはその人が気づかないままチャンスが過ぎ去っていただけで、実際は現状を大きく変えるチャンスが目の前にあったはずだ。

 

そして、その「モテキ」は10代から20代前半という若い時期に訪れることが非常に多い。

人はこれを「青春」と呼ぶ。

青春とは、恋愛の甘酸っぱい思い出の時期のことだけでなく、人が自分の実力以上のチャンスを他人から与えられる時期のことでもある。

そして、その青春という名のモテキをうまく掴んだ人が、人生の成功者として、人より1つ高いステージに登り続ける挑戦権を得られるという仕組みになっている。

 

 

 

アラフォー世代の男が、人気アイドルのあの子とデートすることを目標に、自分を変えようとし始めた2017年は今日で終わる。

 

青春という名のモテキは、きっととうの昔に過ぎ去っているだろう。

けれど、青春の定義が「自分を変えるチャンスを与えられる時期」だとするならば、自らの手でそのチャンスを生み出し、自らの手でそのチャンスを掴むことで、もう一度体験することだってできるかも知れない。

 

2018年、「第二の青春」というなのモテキを作り出し、人気アイドルのあの子とデートできるくらいの男に生まれ変われるか。

そのためにはまずはなんでもいいので現状から抜け出す一歩を踏み出すことだろう。

今年11月からスタートし、12月30日が千秋楽となる舞台「スマートモテリーマン講座」。

この舞台を観に、天王洲銀河劇場まで足を運んだ。

 

この舞台の脚本・演出を担当しているのが、超売れっ子の福田雄一さん。

福田さんの舞台は、今年、ほかにも「ヤングフランケンシュタイン」を鑑賞した。

 

この福田さん。熱烈なファンも多い一方で、その楽しみ方に??な人もいる評価が両極端に分かれる作家さんだ。

 

ちなみに、自分は好きな方。

例えば、この福田さんが監督・脚本を務めた「アオイホノオ」は、とても大好きなドラマの1つだ。

このドラマや「勇者ヨシヒコシリーズ」など、テレビ東京のドラマにも関わらず(失礼)、主役から脇役まで出演俳優が超豪華なのも、福田さんが監督や演出、脚本をしているからだろう。

 

この「スマートもテリーマン講座」には、乃木坂46の若月佑美さんが出演している。

 

乃木坂46の中では、生田絵梨花さんが今年の「レ・ミゼラブル」のコゼット役で出演したり、映画「あさひなぐ」で西野七瀬さんが主演したり、アイドルの枠を超え、舞台や映画で活躍している。

 

ほかにも、テレビで言えば、AKB48グループ出身の元アイドルがたくさん活躍している。

テレビドラマにCMに「見ない日はない」と言っても過言でないのが川栄李奈さん。また前田敦子さんや大島優子さん、島崎遥香さんなど、AKB48グループ出身の女優として出演しているテレビドラマも多く、みなさん卒業後も目標だった女優として、しっかり着実に活動を続けているところが素晴らしい。

 

 

 

以前、AKB48と仕事をしたことがあった。

 

ある企画で約1年、大勢のメンバーが参加しての長期企画で、その時期はしょっちゅう現場でメンバーたちと会う機会があった。

その時、外野目線で感じたことは、AKB48をはじめ、アイドルグループに所属し、その中で人気を集めるトップアイドルたちの中でも、「外の仕事でも通用するであろう」と感じる人と、その逆に感じる人がはっきりと分かれるということ。

 

そして、特にその期間、よく耳にした言葉、外野にとってすごく印象深かったフレーズが、「ガチ」と「マジ」という言葉だった。

 

AKB48の根底にあるものなのか詳しくは知らないが、現場で、撮影や収録が始まる前の時間帯、彼女たちがこのフレーズを口にするのを何度も聞いた。

けれど、そう言うメンバーのほとんどが、「ガチ」イコール「出たとこ勝負」と、勝手に解釈して間違った捉え方をしているように感じることも多かった。

 

もちろん出たとこ勝負で撮影などに臨めば、その子の素の部分が出たり、思わず面白い言葉や反応が出ることもある。

けれど、外野の目線で見ると、そのほとんどは空振りか、独りよがりか、自分たちだけの内輪受けの範疇でしかない。

 

 

 

たとえば、日立グループなどの巨大企業は、それこそ出産から墓場まで、人生のすべてのイベントに対応するグループ会社があり、一度、日立グループに所属してしまえば、日立グループの中ですべて解決できて、快適に暮らせるような仕組みになっている。

 

AKB48グループのメンバーたちはきっと、無意識にそれと同じような環境で仕事をしている感覚なのだろう……。

1年間一緒に仕事をしていてそう強く感じた。

 

いつものメイクさん、いつものカメラマン、いつものマネージャー、いつもの制作スタッフ、通いなれた環境、顔なじみしかいない仕事場…。

ちょっと外の仕事に出たとしても、大勢いるメンバー同士でまとまって行動していれば、たとえば厳しい演出家や演奏者、司会者など、そういう仲間内の外の人に対して、個々でガチで向き合う機会がないまま、いつしかそれが当たり前のようになっていく。

 

次の仕事がどんなテーマなのかわかっていても、それを自分なりに事前に調べたり、事前に何を話すかを少し考えておいたり、事前にちょっと練習しておくといった意識が希薄で、逆にそういうことをしない。

むしろ逆に、行き当たりばったりで本番に臨んだ方がいい、というくらいの感覚で仕事に臨む姿を何度も見かけた。

 

きっと今までも、もしその場で言葉や対応に詰まることがあったりしても、きっと顔見知りのスタッフたちが詰まってしまった自分の良さを何とかして引き出してくれてきたんだろう。

 

少なくないメンバーが、「ガチ」という言葉を取り違えて、出たとこ勝負に強い人になることを無意識にめざしているように感じた。

ずっと違和感のある1年間だった。

 

前田敦子さんや島崎遥香さんらとは一緒に仕事をしたことがない。

だから憶測になってしまうが、きっと彼女はAKB48に在籍していたどこかの時期に、本当の意味での「ガチ」や「マジ」に気づいたんだろう。

 

きっとその意識を演技にも向けたんだろう。

例えば、今クールのフジテレビ月9「民衆の敵」に出演していた前田敦子さんの演技を観て、勝手にそう想像した。

 

エンタテインメント業界でも、スポーツ業界でも、そこで生き抜いて、やりたい仕事を得るためには、その本当の意味での「ガチ」や「マジ」に気づき、実際に「ガチ」で取り組む、心底「マジ」になることが、絶対に不可欠だと思っている。

 

表向きが楽しそうに見えるから、才能次第とか、運次第とか見えがちだが、エンタテインメントやスポーツこそ、本気の「ガチ」で勝負して、「マジ」の自分を引き出さなければうまくいかない、ある意味、根性勝負な面があると思う。

 

今回の舞台「スマートもテリーマン講座」の若月佑美さんの演技を観て、以前のAKB48のメンバーと一緒に仕事をして、感じたことをふと思い出した。

今後の彼女たちの活躍に期待したい。

誰もが子どもの頃、大きな夢を持っていた。
それはとてもキラキラしたもので、光り輝く一直線の夢へのルートが空まで届き、世界は自分を祝福してくれていた。

そして歳を重ね、いつの間にか夢を忘れ、ほとんどの人は日常に追われて夢を見ない日々を過ごすようになってしまう。

そんな中で、人気アイドルのあの子は子どもの頃からの夢を失うことなく、夢へのルートを走り続けている。

人はいつしか子どもの頃のようにキラキラした夢を見ることを忘れてしまう。
でも、それは誰かに奪われるのではなく、自ら手放してしまっていることがほとんどだ。

人はいつ、どうやって、夢を見ることを手放してしまうのか?

それはもしかすると、自分の人生を「他人のルート」に乗せてしまった時なのかもしれない。

ほとんどの人が、小学校を卒業して、地元の中学校に入学し、偏差値に合わせて高校を選択し、その高校が設定したカリキュラムに学習内容を任せきり、高校にある部活の中から選んだ部活に入部する。
そして、また偏差値に合わせて大学を選び、就職活動では配られる資料の中から見栄えのいい会社を選び、内定をもらった会社に就職する。

このほとんどの人が当たり前のように歩む人生のプロセスは、「他人が決めた選択肢と他人が作ったルート」であり、きっとこの過程のどこかで、ほとんどの人が「夢を見ること」を忘れてしまうのだろう。

だって、その「他人が作ったルート」では、他人が作った選別方法に則って他人に選別されるのだから。

人気アイドルのあの子は、きっと子どもの頃から自分の夢見たルートを歩み、今もそのキラキラした道を前に進み続けているのだろう。

多くの人はそれを「あの子は恵まれているから」と特別視するかもしれない。例外視するのかもしれない。
でもその選別は、自分が進んで「恵まれないルート」に進んでいるからかもしれない。
他人が決めたルールに洗脳されているからかもしれない。

人と違う道を選び、その道に歩を進めることはとても怖いことだ。
だからこそほとんどの人はその道を避けて、誰かが踏みしめた他人の道を群れをなして歩く。

人気アイドルのあの子とデートすることをめざして、アラフォー世代の男が人生を変えるなら、まずは怖がらずに自分の夢と正直に向き合い、「他人のルート」から外れる勇気を持つことだ。

ちょうど師走の年の瀬だ。
変わり始めるにはとても良いシーズンだ。


女性アイドル、特にグループで活動する女性アイドルにとって、活動の軸となっているのが音楽。

簡単に言うと、CDの販売とコンサートが活動の中心軸となり、ここでどれだけ稼げるかが活動の伸び代を左右するとも言える重要な軸となっている。

これは最近のアイドルに限らず、女性アイドルというカテゴリーができてから、ほぼ変わらない定理となっているように思う。

 

例えばAKB48グループや乃木坂46グループがCDに握手券を同封することで、「CDを買えば会える」という販促に特化し、世界的にCDが売れないこの時代にミリオンセラーを連発している。

このCD販売の売上拡大や維持を目的に、少数精鋭でなく、大人数のグループを形成し、グループ内にできるだけ多くのバリエーション豊かなキャラクターを揃えることで、できるだけ多くのファンの好みに引っかかるようになっている。

そして、マスメディアだけでなく、SNSなどでメンバーの魅力を発信することで、グループというよりもグループの誰か1人でも興味を持ってもらうことで、その子に会える握手券を買いたいと思わせることに注力している。

そのことが結果的に握手券が同封されたCDの販売増に繋がるという〝秋元康式勝利の方程式〟となっている。

 

しかし、レコード盤からカセット、そしてCDと音楽を入れる器が変化していく中で、今の音楽業界はネットからのダウンロードでの購入が主流となってきている。

さらには、特定の音楽を1つずつ購入するのではなく、契約すると音楽が自由に聞けるネットサービスも増えてきてるし、「音楽はYouTubeでタダで聴くのが当たり前」という人たちも増えている。

CD販売を稼ぎの土台として長く繁栄を続けてきた日本の女性アイドル業界は、今、大きな岐路に立っていると言える。

 

もしかすると、10年後に振り返った時、日本の女性アイドル界にとって今現在が繁栄のピークだったと記憶されるかもしれない。

まさに今、我々は女性アイドルという業界が時代の曲がり角に立っているのを目の当たりにしているのかもしれない。

 

デートすることを目標としている人気アイドルのあの子は、今日もいろいろなメディアに登場して、素敵な笑顔を見せてくれている。

しかし、この状況はそんなに長くは続かないのかもしれない。

多くのファンが人気アイドルたちと握手をしたいがためにCDをたくさん買っているが、この購買力が低下したり、購入者数が減ったりすれば、彼女たちはメディアに登場する回数も減り、アイドルから息の長いタレントに変わるための準備にも繋がる、いろいろなことに挑戦するチャンスを失っていくかもしれない。

 

そこで、今求められていること。

それは、「女性アイドルは、CDの売上を中心とした音楽での稼ぎで活動している」というビジネスモデルを超える、新たなマネタイズポイントを創出することかもしれない。

 

もし、自分がそれをできれば、デートすることを目標とする人気アイドルのあの子の活動のサポートにも繋がるし、さらには新しいビジネスモデルを創出するという意味で成功者となり、ステイタスとしても人気アイドルのあの子に釣り合う男になれるチャンスを得られるかもしれない。

 

ただ、人気アイドルのあの子の笑顔に見とれているだけでなく、現状を冷静に分析し、その先を読み、一歩先の一手を打つことをクリエイトする。その意識を持つことが、アラフォー世代の男が人生を変えることにつながるきっかけになるかもしれない。

 

CDを売って稼ぐ以外の女性アイドルのマネタイズポイントを創出する。

それは、今までの女性アイドルの世界を大きく変えることにつながるし、世の中に新しいビジネスモデルを提案することにつながる。

 

今日も精一杯努力を続ける人気アイドルのあの子のために、そしてあの子と釣り合う男に生まれ変わるために、今、自分は懸命に考え続けている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昔から秋元康さんが目標だった。クリエイターとして、プロデューサーとしての秋元康だ。

 

AKB48から始まり乃木坂46など拡大する秋元康プロデュースのアイドルたち。

芸能界の既存のルールでなく、ビジネスモデルとしてのアイドル産業を生み出したことに素直に感嘆するし、その才能と実行力に嫉妬もする。

そしてまた、秋元康さんは新たなパターンを生み出した。

 

テレビ朝日で土曜深夜に放送されている「ラストアイドル」という番組から生まれたアイドルグループがいる。

 

通常なら、一般の女の子を対象にクローズドで行うオーディションをグループに入りたい女の子たちの対戦形式で行い、その勝敗の模様をテレビ番組で放送するという「ラストアイドル」。

今クール3ヶ月の間に毎週放送され、最終的に残った7名がアイドルグループ「ラストアイドル」としてデビューするというものだ。

 

ここまでなら、あくまでテレビ番組を使ってアイドル誕生までを追い、そのストーリーに共感したファンを集めることで人気アイドルに育てるという展開で、そこまで斬新ではないとも言える。

けれど、このオーディションの特徴は、すでに別のグループに所属しているアイドルや、すでにCDデビューを果たしているアイドルでも参加可能というもの。構想上は、AKB48や乃木坂46からでもオーディションに挑戦できるという形をとったことだ。

 

本来なら、デビューするアイドルグループは同一の事務所に所属し、同一のマネジメント会社が管理するものだが、このラストアイドルは、最終的にグループメンバーの所属がバラバラになる可能性が高いというところは、今までにない形式で、なかなかチョイスし難いスタイルをとっている。

 

しかし、これが可能となるのも、テレビ朝日が主催するオーディションで選び、テレビ朝日がグループの活動を管理するという形式をとるからだろう。おそらくメンバーの所属はあくまで本来のグループのままであり、ラストアイドルとして活動する時だけテレビ朝日が管理するスタイルを取るのだろう。

だからこそ、オーディションに参加したメンバーに、メジャーなグループに所属する人気アイドルは結果的にいなかった。お互いにとって掛け持ちはスケジュール管理はもちろん、マネジメントの管理も複雑で事実上難しくなるからだ。

 

いわば、ラストアイドルは、アイドル界のオールスター戦。お祭り的に期間限定で活動するオールスターチームというイメージになるだろう。

そうすれば、もともと所属していたグループや事務所にとっても、所属メンバーがラストアイドルを通じて致命度が上がれば、所属グループの注目も集まるだろうし、win-winの形を取れると判断すると想像する。

 

つまり、おニャン子クラブ以降、日本のグループアイドルの歴史を作った秋元康による、総決算のアイドル・オールスターイベントとも言える。

 

さらに、このテレビ番組の企画のビジネスモデルとして優れた点は、最終的に残った7名によるラストアイドルというグループだけでなく、途中のオーディションで敗れた子たちを集めた派生ユニットグループを3つも作った点だ。

 

ラストアイドルに挑戦する女の子は、ほとんどがある程度の芸能活動経験を持ち、花開かない状態を打破するために立候補した意識の高いアイドルたちだ。しかも、ほとんどの子たちは過去の活動を含め、所属グループを持ち、アイドルグループとして活動した経験を持っている。

 

だから、テレビ朝日としては、このアイドルたちを1から教育することなく、すでにある程度アイドルとしてのノウハウを持っている、意識の高い女の子を集めた上で、しかもテレビ番組を通じて一定のファンを掴んだ上でデビューさせることができるという大きなメリットを得ている。

 

芸能界にとって、女の子をアイドルという商品として育てるために相応の時間と労力をかけている。

しかし、このラストアイドル方式だと、その教育期間を取らずに、いきなり商品として販売できるという点がビジネスモデルとして優れていると言える。

デビューしてすぐに握手会を行っても、SNSでファンと交流させても、メンバーは戸惑うことなく、今までの経験を最大限に生かしてファンサービスをすることができる。

ほとんどのメンバーはアイドル活動経験があるので、トラブルを避ける機器察知能力もすでについていて、アイドルマネジメントにノウハウをそれほど持っていないであろうテレビ局としても、比較的楽に管理ができるというメリットもある。

 

さらに、ラストアイドルとしての活動に必要な経費はテレビ朝日が負担するとしても、アイドルたちのベースとなる管理はもともとのマネジメントが行うことにすれば、テレビ朝日としてはタレントを雇う固定費がかからずに済む。

そして、もし仮にうまくいかなくても、メンバーは元の所属グループやマネジメントに戻ることができるので、テレビ朝日としても売れなかった時の心配をする必要がないなど、通常のタレントをマネジメントする際に不可欠の負担が圧倒的に少ない状態で、自社イベントなどに有効活用できる。

 

などなど、アイドル事業のビジネスモデルとして優れた形をとっているラストアイドル。

もう「さすが秋元康さん!」と唸るしかない。

 

一方で、アイドル側の立場に立てば、これまでアイドルとしてブレイクし切れなかったのは、自身の魅力をより多くの人に知ってもらう機会が足りなかったことも多分にあるので、地上波で毎週放送される番組に出演できることは、アイドルとして成功を収めることをめざすなら、この挑戦はメリットでしかない。

 

今まで、3ヶ月いろいろな挑戦者が現れ、暫定メンバーに挑戦し、あるもの者は勝利して入れ替わり、ある者は敗れて派生グループとして再チャレンジのチャンスを掴んでいった。

そんな何人ものアイドルたちを見て感じたのは、今までアイドルを真剣にやり続けたからこそチャンスを掴む機会を得られたということ。

おそらくこの番組に登場したアイドルたちがこれまでの活動の中、周囲のアイドルたちが何人も途中で挫折し、去っていたはずだ。その中で、彼女たちはアイドルをやり続け、自分の強みを磨き続けたからこそ、こんな一発逆転のチャンスに巡り会えたのだろう。

 

秋元康さんの言葉で、いつまでも頭に残っているものがある。

「チャンスは、手を伸ばした、1ミリ先にある」

 

必死に頑張ってもなかなか結果が出ないと嘆き、「自分には才能がない」「向いていない」と途中で挫折してしまう人がいる。でもじつは、その人がもがいて手を伸ばした指先の、その少し先にまでチャンスは近づいていたのかもしれない。

けれど、その指先の少し先のチャンスは、目には見えないので、多くの人はそれを掴む直前で諦めてしまう。逆にいえば、諦めなかった人にだけチャンスは巡ってくると言えるのかもしれない。

結局、成功する人は、自分を信じ続け、その指先の少し先のチャンスを待ち続け、出会った一瞬のチャンスを生かした人たちなのだろう。

 

人気アイドルのあの子とデートすることをめざす自分としても、このラストアイドルという番組は、出演するアイドルたちにもたくさん学ばされたし、企画制作したテレビ朝日や秋元康さんにも、改めて「諦めるな」ということを教えてもらった気がする。

 

今日も、スポットライトを浴びている人気アイドルのあの子とデートできるくらいの男になるため、自分にできることは、自分を信じ、指先の1ミリ先にあるチャンスを掴むまで全力で努力し続けることしかない。

たとえ、そのチャンスが目には見えないとしても。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アラフォー世代ともなると、これまでの人生で何度も何度もチャンスをフイにしてきた苦い経験を持っているはずだ。

 

よく「チャンスの神様には後ろ髪がない」的なことを見聞きする。

チャンスのほとんどは、過ぎ去った後に初めて「あぁ、あれはチャンスだったんだ」と気づくもの。そういう意味で、チャンスの神様が目の前を過ぎ去る時に気づいて手を伸ばしても後ろ髪がないので掴めないという喩えは、ビジュアルとしてはイメージしづらいけれど、特に何度もそういう経験をしてきたアラフォー世代にとっては言葉としては身に沁みてよく分かる表現だ。

 

芸能人にとって、ゴールデン枠での人気テレビ番組にゲスト出演する機会や、人気俳優が主演を務めるヒット間違いなしの映画での出演オファーといったものは、誰にでもはっきりと分かるチャンスだが、普段の仕事の中に潜む小さなチャンスはなかなか気づかないことが多い。

適当に受け答えしインタビュー記事をたまたま人気番組のテレビプロデューサーが目を通す機会があった場合、とてつもなく大きなチャンスを逃してしまっていることになるが、本人の目の前を通り過ぎたチャンスの神様の姿に気づかぬまま、「自分にはなかなかチャンスが回ってこない」と嘆いていたりする。

 

売れっ子タレントは、運や才能だけで売れっ子になったわけではなく、日々のほんの些細な仕事や会話、挨拶に、決して手を抜かず、常にできる限りのことをし続けた人たちだ。

もちろん、人によって態度を変えることなく気持ちいい挨拶をすることは当然のことだ。

加えて、どんなに忙しくても、取材を受ける雑誌について事前に自分なりに傾向を調べ、どんな受け答えをすれば制作側がページを作りやすいか、雑誌の読者が喜ぶかを考え、事前にコメントやエピソードを練っておく。出演するテレビ番組の出演予定者のプロフィールや最近のトピックをチェックし、コメントに使えそうなキーワードを頭に入れておく。

そういった地味な準備の積み重ねが、作り手側の「またこの人をキャスティングしたい」という気持ちや、視聴者の印象に残る存在になることに繋がる、ということを売れっ子タレントはしっているだけでなく、実践し続けている。

 

そして重要なのは、チャンスを生かすために「常に頭の中の整理をやっておく」ということ。

インプットは頑張って準備していても、いざという時に的確なアウトプットができない人はなかなかチャンスを生かすことができない。

 

よく言われる「エレベーターピッチ」ではないが、重要な決定権を持つ人と偶然エレベーターに乗り合わせた時、その人が降りる階に到着する数十秒の間に自分を印象付けられるかどうか、的確に売り込めるかどうかで、チャンスの神様をつかめるかどうかが決まる、ということは芸能人でなくても、よくあるシチュエーションだ。

 

デートすることを目標にしている人気アイドルのあの子は、今日も年末年始の特番に出演した際、素敵な笑顔とともに印象に残る爪痕をしっかり刻み込んでいた。

それは、天賦の才ということではなく、多忙な時間の中、出演までにきっちりと事前準備をしてから収録に臨むという努力の結晶だ。

 

そして加えて、常に「自分ができること」「相手が望むこと」を頭の中でしっかりと整理整頓できているからこそ、急なフリにも瞬間で最高の返しをすることができるのだろう。そういう「頭の良さ」は、作り手側にとっては「次も使おう」と記憶に残るだろうし、視聴者側にも好印象を残すことに繋がる。結果、チャンスを見事に掴むこととなる。

 

翻って、自分といえば……。

日々のルーティンの仕事に追われ、雑務をこなすことに追われ、降ってくる突発的な仕事に対処することに時間を取られて、頭の整理をする、事前準備をするというところまでいかない日常を過ごしている。

 

人気アイドルのあの子とデートできるチャンスを掴むために、今、できることがあるということを、人気アイドルのあの子が身を以て教えてくれている。

いつ、どんなチャンスの神様が自分の目の前に訪れるかわからない。そのために、今からできることは少なくない。

どんな仕事でも、どんな人との出会いでも、出たとこ勝負で対処しないで、できる限りの準備をしておく。どんな小さな仕事でも、取り止めのない出会いでも、疎かにせず、常に熱意を持って接する。そして、突発的なことにもすぐに対応できるよう、常に頭の中を整理しておく。

 

アイドルの中で人気になったのは、偶然でも運でもなく、彼女が日々、努力を疎かにせず、どんな小さな仕事にも真剣に取り組み、どんな出会いでも相手に好印象を残す受け答えをし続けた、その努力の積み重ねの結果だ。

そんな彼女とデートをしたいなら、努力を怠ってはいけない。彼女がデートしてもいいと思ってくれる存在になるためには、与えられる仕事を高いレベルで昇華し、出会った人たちにインパクトを与え続けること。チャンスの神様の前髪を掴み続けるという強い意志が大切なんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人は「見えるもの」しか見えていない。

 

人気アイドルのあの子を含め、ほとんどの芸能人に対して、「売れてる」「消えた」と評される場合、ほとんどが「自分が見ているマスメディア(特にTV)に出ているか、見かけなくなったか」を無意識の中で基準にすることが多い。

 

実際、ドラマ出演が続いたり、バラエティのゲストにでまくったり、何社もの大手企業のテレビCMに登場していると、人は「売れてる」と捉え、逆にテレビで見かけなくなると「消えた」と言われがちだ。

 

ともすれば、テレビで見かけなくなった芸能人やアイドルたちを「暇してる」と勝手に解釈して、心配したり、バカにしたり嘲笑したり、本当に勝手な評価を多くの人は日常会話やSNSで垂れ流している。

 

そして、勝手に「暇」と決めつけた挙句、「時間があればもっとブログを書け」「SNSを手を抜くな」とか、「暇な時間にボイトレしろ、自分を磨け」などと大きなお世話なことをいう人も少なくない。

 

しかし、例えばアイドルたちは、テレビや雑誌などマスメディアで実際に目にする機会、またコンサートなどのライブに出演する時間の、何倍もの時間をその準備にあてている事実を、一般の人は意外と知らない。

 

例えば、アイドルが雑誌に出る場合、実際に誌面に登場するのがたとえ1カット、たとえ1ページだとしても、その撮影に半日を費やすことは珍しくないし、雑誌の誌面に掲載されている数行のコメントのために、長い時間インタビューを受けていたりする。

また、その撮影やインタビューのための事前の打ち合わせがあったり、コメントを準備するための情報をインプットするための時間、撮影場所までの移動時間、メイクや衣装合わせの時間などを含めれば、たった1ページ、1カットの仕事のために、丸々1日取られることだってある。

 

また、コンサートや舞台なら、かなり前の段階でレッスンやリハ、舞台稽古を行っているが、ファンの人に本番を楽しんでもらうために、(情報統制という意味も含めて)そういった舞台裏の情報はあえてSNSで見せないことの方が多い。

 

例えば、2時間程度の1DAYコンサートの場合、ファンは(よっぽど遠方からの遠征を除き)前後2時間含め、1日の1/4程度(6時間)程度の当日の時間、プラス、チケット確保のための時間くらいで済む。

しかし出演者は、リハだけで数日間は缶詰となるし、衣装合わせ、事前PRやグッズのための撮影、コンサートごとにアレンジされる振付の振り入れ、歌唱やダンスレッスン、パブリシティのための取材対応など含めれば、たった1日2時間程度のコンサートのために少なくとも半月は1日のかなりの時間をコンサートのために取られているだろう。

 

そういった陰の、他者には見せない努力の土台の上に、コンサートの舞台上での最高の笑顔や全力パフォーマンスがある。それは言わば、ほんの一角がエンタテインメントとして光り輝くために、地道な準備という海面の下に大きな氷山が存在するような。

 

人気アイドルのあの子も、これから年末年始にかけて、テレビでいうとたくさんの特番が放送され、普段とは違う演技や歌唱、パフォーマンスをする機会が増えるだろう。

テレビでは数分の出演時間でも、今回だけのスペシャル企画となれば、歌やダンスを覚えるだけでなく、一定レベルにまで持っていかなければならない。

さらに、歌番組の特番となれば、生放送ということも少なくないので、その準備に対する時間も数倍必要となることは想像に難しくない。

 

そんな緊張が続く日々、結果を出し続けなければならない日々を、人気アイドルのあの子を始め、多くの芸能人たちは過ごしながら、モニター越しには平然とした顔で芸達者を演じ続けている。

そして、大きなチャンス、期待度の高いオファーであればあるほど、その出演時間の何倍もの準備時間を人知れず費やしている。

 

にも関わらず、多くの人は、自分がたまたまテレビで少し見かけなくなっただけで「消えた」とレッテルを貼ったりする。

実際は、ものすごく大きなプロジェクトのオファーを受け、それを成功させるための準備に時間を費やしているとしても……。

 

人の振り見て我が振り直せ。

 

自分も、自分が「見えている」ことだけで、他人の評価をしていないか?

 

自分も、他人の安易な評価が欲しくて、人としての成長のための準備の時間を持つことなく、薄っぺらい人間のままで人前に出ることでお茶を濁していないか?

 

デートすることを目標にしている人気アイドルのあの子は、この年末年始も、きっとたくさんの仕事をオファーを受け、その期待以上の結果を残し続けるだろう。

そして、我々が「忘年会だ」と怠惰に過ごしている時間に、人知れず結果を残すための準備時間、自分の夢のためを実現するための成長の時間を持ち、自分を磨き、成長を続けていることだろう。

 

年末年始。

「来年からは頑張ろう」ではなく、今日、今からでも頑張れることがあるのではないか?

 

人気アイドルのあの子とデートできる男になるために、今できることを1つずつ始めようと思う。