アイドルとミュージカルの両立の難しさ | アラフォー男が人生を変えるために「人気アイドル○○とデートする」ことを目標にして、自分を磨いていく日記

アラフォー男が人生を変えるために「人気アイドル○○とデートする」ことを目標にして、自分を磨いていく日記

気がつけばアラウンド40歳。もう自分が物語の主人公になって、キラキラ輝く時間なんてないんじゃないか……そう諦めかけている自分を変えるため、あえて「人気アイドルのあの子」とデートすることをめざして、自分を磨き、人生を変えるまでのストーリー

乃木坂46が「インフルエンサー」で第59回日本レコード大賞を受賞した。

 

デビュー時はAKB48の「公式ライバル」という肩書きでスタートした後発グループが、当初の目標であったAKB48の目の前でレコード大賞を受賞したシーンは、アイドル界の栄枯盛衰を見るようでドラマチックな映像だった。

 

その乃木坂46の中で、歌唱力を高く評価され、12月25日には「MTV Unplugged」に出演し、単独コンサートを行ったのが生田絵梨花さん。

 

生田さんは音楽大学在学生で、幼少の頃から取り組むピアノの演奏の実力は、歌唱力と同様以上に評価されているなど、まさに芸を持つ芸能人、トップアイドルと言える存在だ。

 

その生田さんは今年、ミュージカルのトップオブトップと言える作品の「レ・ミゼラブル」にコゼット役で出演し、ロングラン公演でその華のある歌唱と清楚な演技を多くの観客に見せてくれた。

 

ミュージカル界で「レ・ミゼラブル」と言えば、ミュージカル俳優が誰もが憧れ、出演することを目標にする名作で、実際に出演権を獲得するオーディションがとても厳しいことでも有名だ。

そんな伝統ある舞台に、生田さんは現役アイドルでありながら主要な役を射止め、見事に最後まで演じ切った。

 

そして、1年の締めくくりに今度は「MTV」が認める歌い手として、たった1人でコンサートを開き、満員の観客を楽しませた。

おそらく今までこれほどの華麗なキャリアを歩んだ女性アイドルはいなかったのではないだろうか。

それほど、生田さんの2017年は、女性アイドルではありえない破格の活躍の年だったと言えるだろう。

 

 

 

生田さんの「MTV Unplugged」の歌唱をテレビ番組でダイジェストで目にした時、昔、ミュージカル子役として大活躍した経歴を持つ女の子と話したことを思い出した。

 

その子は、誰もが知っている超人気ミュージカルで主役を務め、天才子役としてミュージカル界の期待を集める存在だった。

しかし、子役として売れてしまったからこそ、成人女性に変わる成長の過程でイメージの転換が難しく、年齢を重ねるにつれ徐々にオファーが減り、オーディションに落とされ、そして10代最後を迎えていた。

 

ミュージカル女優としてのオファーが激減する中、その子はその当時、所属事務所の方針でアイドル的な活動をさせられていて、毎日レッスンに明け暮れる日々だった。

 

「課題曲として与えられるのがモーニング娘。さんの曲なんです。でも、ミュージカルの歌い方とまったく違うから全然歌えなくて、毎日先生に怒られてばかりで……」

その子は悲しそうにそう言っていたことを覚えている。

 

 

 

「ミュージカルの歌い方とアイドルソングの歌い方は対極にある」

子役時代から主役ばかり演じてきたミュージカル界のエリートはそう言った。

 

小さな子どもの頃から長い間ずっと、大勢の観客の前で熱唱し、ミュージカルファンを楽しませてきた華麗なキャリアを持つ人でさえ、その両立は困難を極めるという。

だとすれば、ミュージカル界の最高峰の「レ・ミゼラブル」出演のためにミュージカル女優としての歌唱法を懸命にマスターした生田さんにとって、その間に出演する乃木坂46での歌唱の切り替えは本当に難しかったことだろう。

しかも乃木坂46なら大勢のグループメンバーとの合同の歌唱ということでうまくカバーできることができたとしても、「MTV Unplugged」という単独コンサートでの歌唱の切り替えは、非常に難しかったことだろう。

 

もちろん、「MTV Unplugged」のオファーがあり、出演が決定して以降、人知れず懸命なレッスンとリハーサルを重ねたことは間違いない。

しかし、超多忙な人気アイドルグループの一員としての過密スケジュールに合わせて、現役大学生として活動もあり、その合間でのさまざまな仕事の準備やリハーサルの時間をスケジューリングすれば、おそらく自分だけの仕事である「MTV Unplugged」のための準備時間は満足いくほどは確保できなかったはずだ。

 

 

 

アイドルとしてもう二度とないかも知れないほどの魅力的なオファーである「MTV Unplugged」単独コンサートの話を受け、「準備不足の可能性があるから辞退します」と言う芸能人はまずいないだろう。

しかし結果的に、生田さんの「MTV Unplugged」でのパフォーマンスや構成、トークなどは、準備不足の感が否めなかったように見えた。

 

「MTV Unplugged」単独コンサートを開いたという実績は獲得したが、そこでさらに多くの人を魅了し、普段アイドルから縁遠い音楽ファンから見てその破格のオファーを納得させるパフォーマンスができたとは言い切れない結果となった。

 

もちろん、人気アイドルグループの一員として、普段の音楽番組では「口パク」で済ませてしまっているグループの1人としてという目線で見れば、今回の「MTV Unplugged」単独コンサートも大成功と言えるだろう。

しかし、ミュージカル名作に出演するなどしてきた彼女の経歴は、そういう「アイドルだから」で許される低いレベルでの話に終わらせられないところまできているのは紛れもない事実だ。

 

そして、このことは本人が一番理解しているはずだ。

幼少の頃からピアノを演奏し、そのギリギリの勝負の世界に身を置いてきた彼女なら、この状況に対してすごく後悔しているだろうし、自己嫌悪に陥っていてもおかしくない。

そして、この「MTV Unplugged」出演の結果、乃木坂46の卒業を本気で考え始めているかも知れない。

 

たとえ、このチャンスを得たのは人気アイドルグループに所属しているからという事実を認めているとしても、自分に与えられている魅力的なオファーを振り返り、こんなチャンスは滅多にない状況で、その準備に時間を割けないという勿体無い環境は、エンタテインメントのプロフェッショナルを目ざす者ならきっと歯がゆくて仕方がない状況だろう。

 

 

 

人生には「モテキ」がある。

 

その「モテキ」は異性にモテる時期ではなく、自分の実力以上のチャンスが次々と舞い込む、チャンスにモテる時期のことだ。

 

きっと振り返れば、誰もが「あの時がそうだったかも」と思い出せるだろうし、もし思い出せない人がいても、それはその人が気づかないままチャンスが過ぎ去っていただけで、実際は現状を大きく変えるチャンスが目の前にあったはずだ。

 

そして、その「モテキ」は10代から20代前半という若い時期に訪れることが非常に多い。

人はこれを「青春」と呼ぶ。

青春とは、恋愛の甘酸っぱい思い出の時期のことだけでなく、人が自分の実力以上のチャンスを他人から与えられる時期のことでもある。

そして、その青春という名のモテキをうまく掴んだ人が、人生の成功者として、人より1つ高いステージに登り続ける挑戦権を得られるという仕組みになっている。

 

 

 

アラフォー世代の男が、人気アイドルのあの子とデートすることを目標に、自分を変えようとし始めた2017年は今日で終わる。

 

青春という名のモテキは、きっととうの昔に過ぎ去っているだろう。

けれど、青春の定義が「自分を変えるチャンスを与えられる時期」だとするならば、自らの手でそのチャンスを生み出し、自らの手でそのチャンスを掴むことで、もう一度体験することだってできるかも知れない。

 

2018年、「第二の青春」というなのモテキを作り出し、人気アイドルのあの子とデートできるくらいの男に生まれ変われるか。

そのためにはまずはなんでもいいので現状から抜け出す一歩を踏み出すことだろう。