イメージ 1

 カバー折り返しと p.60 に、「ダメなオマイラは、海外で敗者復活戦をやれ。外人補正で救われるぞ!」 と書かれている。これが、タイトルにある 「外籠り」 を煽る根拠なのだけれど、この部分だけ読んでこの本を手にとっても、現実はそんなに甘くないことくらいは読み取れるだろう。
 それ以外で、日本と諸外国との文化比較として、多くの学びを得られるのは確かであるし、日本人として日本国内だけで生きているだけの人では、到底気づけないような“気づき”を得られるだろう。そこが重要である。それに、思いっきり今時な口語で書かれているから、面白い。2014年1月初版。

 

【世間体なによ】
 仕事を辞めんのは 簡単なんだYO!  出社拒否で いいんだYO! (p.26)
 このラップ的ノリの記述を読んで、即座に思い出したのは、小説のタイトルとは思い難い下記の芥川賞作品。
 世間で言うところの通念やら常識やらを、軽いノリで嘲笑気味に蹴散らす時には、いい表現方法である。
    《参照》   『介護入門』 モブ・ノリオ 文藝春秋
              【真情を吐露する技法】
 辞めたら社会的制裁がある? 近所や家族から何か言われる? 世間体が悪い?
 そもそも社会的制裁って何さ? ・・・中略・・・。
 そもそも、世間体なによ、なわけですよ。 (p.27)
 「世間」っちゅーのは、
 あのクタバり損ないのクソジジーとか、
 「早く師ね」と思っているあのクソ上司のことだよーん!
(ぷぎゃあああ)     (p.29)
 最初に経済的理由が念頭に来て、会社を辞める決断ができないなら、そのまま残ればいい。そういう人は、既に社会意識というコントロールグリッドに完全支配されている証拠だから、どうせ現状を継続するだけである。
    《参照》   『アセンションの超しくみ』 サアラ (ヒカルランド)  《前編》
              【社会意識(コントロール・グリッド)という檻から出る】
 カネ問題より、魂の叫びに近い欲求が根本にあるのなら、とっとと辞めればいいだろう。
 しかし、カネは最低限(ある程度)ないと、自由もなくなってしまう。
 人の自由を拘束するなど、諸悪の根源である貨幣経済制度を止めさせるためには、ある程度のカネを善用できる人々の結集がないと、これを達成できない。皮肉なことだけれど、これは事実である。
 インドでウンコ拾いの仕事が嫌な貴様は、社畜やってろ。
 「仕事辞めたい系」のコメントのほかにワタクシには、「仕事がイヤダイヤダ、師にたい」というツイートが、まるでゴキブリのように送られてきます。・・・中略・・・。
 そんなコメントを送って来る人々に言いたい。
 一番目
 「しらねーよ、オナニーして師んでろ」
 二番目
 「貴様が甘いだけ。仕事があるだけいいと思えファック」 (p.40)
 で、この書き出しの後にある記述こそが、本書の真骨頂なのだけれど、それは書き出さない。
 「買って読む気すらないなら、オナニーして師んでろ」ということ。

 

 

【「海外」「国内」という意識】
 日本の外じゃ、最近は転職先つーのは国内だけじゃないですよ。仕事あって条件さえ気に入れば、イギリスからオーストラリア、メキシコからシンガポール、ニューヨークから上海、そして南アフリカと、好きな場所に移動。
 「海外」も「国内」もないわけ。
 そこに銭があるから行く!! ローカル言語と文化が謎でもヒロミゴーだよ。 (p.49)
 ポケモンGO の時代に、ヒロミゴー で通ずるのだろうか。若すぎて分らない人のために書いておくなら、「郷ひろみ」という人名です。
 帝国主義の時代に植民地経営していた西欧各国(宗主国)とその植民地であった国々は、共通言語があるから人的交流は以前から当たり前にあった。既に百年以上の歴史である。このようなことを知らずに、初めてロンドンに行った人は、白人だけの都市ではないことに奇異を感ずることだろう。
 また、華僑、印僑という言葉もあるように、同じアジア人といっても日本人とその他の国々では、世界展開の庶民レベルでの意識差はもともと大きい。
 中国人でそこそこ経済力がある人々は、ほとんどが息子や娘たちを海外、それもそれぞれ違った国に住まわせている。(これこそが、国に依存しない中国人たちの家族安全保障政策である)
    《参照》   『若きビジネスマンはインドを目指す』 芝崎芳生 (プレジデント社) 《前編》
              【日本に住むNRI(Non Resident Indian = 印僑)】
 韓国にしても、外貨稼ぎ目的で海外進出を推進してきた国であり、東アジア通貨危機による経済破綻でIMFに管理された際には、脱北者より脱南者の方が多いと言われていたけれど、国内人口と海外移住者の比率を比べれば、韓国は日本の30倍以上はあることだろう。
   《参照》   『金王朝の機密情報』 菅沼光弘 (徳間書店) 《後編》
             【脱南者】
 但し、日本語民族である日本人には、どうしても世界各国とは異なった意識が存在していることは確かである。日本人は「そこに銭があるから行く」というような単純で皮相な民族ではない。そういった精神性こそが日本語民族の固有性の担保になることだから、これから先も、日本語民族の世界展開は、徐々に程度しか進まないだろう。
    《参照》   『日本は没落する』  榊原英資  朝日新聞社  <後編>
              【「日本の特殊性」を発信せよ】
 であるにせよ、クールジャパンの下地ができているのは、もはや確実なことだから、海外が日本化してゆくはずである。

 

 

【契約社員差別国家・日本】
 そもそも日本の外では、特に先進国では、派遣や契約と正社員の違いはあんま関係ないんですよ、雇用形態が違うだけ。
 正社員よりも契約雇用のほうが給料が高いっつー国が結構あります。ちゃんと技能に沿った給料を払わないとすぐ訴えられるから。何でもすぐ訴えんですよ(笑)。

 契約雇用だと長期雇用が保障されていないから報酬が高い。
 たとえば、イギリスのフリーランサーの組合であるFCSA(The Freelancer & Contractor Services Association)の組合員の平均年収は4万3356ポンド(1ポンド=160円換算で約700万円)で、60%以上の会員が1年に6万1000ポンド(約970万円)、28%が8万5000ポンド(約1400万円)以上。
 驚いた?
 でもこれ当たり前なんですって。日本が狂ってる。 ・・・中略・・・。
 文句言わないの、日本人だけですよ。
 ああ、なんて便利な奴隷なんだろう。 (p.66-67)
 若くて優秀なプログラマでも、日本国内で働いていたら手取りでせいぜい月30万だろう。経験と技能がある熟年者でも、地方都市で働くなら同じようなものである。
 プログラミング言語自体、世界共通語なのだから、英文で履歴書を書ける程度に学んで、とっとと海外に職場を求めたほうがいい。海外は若いからという年齢による差別もない。若いIT技術者にとっては、関連する情報なので、下記のリンクをつけておきます。
    《参照》   『ソーシャル もうえぇねん!』 村上福之 (nanaブックス) 《後編》
              【プログラミングを覚えたい人へ】

 

 

【あの厳しそうに見える中国ですら、実名でやるの、普通】
 ツイッター や facebook に関して、中国でも欧米でも実名が普通ということ。
 やりすぎとか、ソーシャルメディアで人種差別を煽るとか、そういう一般的に「ちょっとどうなの?」ということを書くのは良くないですけど、それ以外なら、自分のキャラを知ってもらうためには最高なので、どんどんやっておくといいですよ。
日本人て、ただでさえ「何考えてんかわかんない」って言われているから、なるべく「俺ってこういう人」「こんなことが好きやねん」と言うのはむしろ良いことでありますよ。(p.101)
 欧米では、facebookの記事が、履歴書の一部として使われている。
    《参照》   『ウェブ時代 5つの定理』 梅田望夫 (文藝春秋) 《後半》
              【日本語圏特有の匿名文化】
 チャンちゃんは、「日本は法治国家で、人治国家の中国は遅れている」という固定概念をベースに騒いでいる2チャンネルフリークの“超愚か者ども”に、「日本の裁判所は、公正な機関でない」という明々白々な証拠を突きつけるために、自分自身で行った、「JA共済による、契約書偽造・横領」に関する、全ての裁判資料を実名で掲載したブログを書いてもいる。(日本などと言う国は、昔から、徹底的に腐っているんですよ)
    《参照》   「FACT2016」03 ベンジャミン・フルォード×リチャード・コシミズ with 生田暉雄2016.3.18
 ついでに書いておくなら、日本において、ブログの匿名性は、国家権力による法的威力によって、既に実質的には意味のないものになってしまっている。故に、ウンコ警察官による不正捜査の悪行を抑止するために、この読書記録のブログを書いていることを、管轄の警察署に、事あるごとに先んじて伝えてきたし、文書で届け出てもいる。