《前編》 より
 

 

【サラリーマン社長やお役人という種族】
 押しなべて言いますと、サラリーマン経営者やお役人がクライアントの場合は、コンサルタントが提供したアドバイスや智恵に対し、たとえそれが満足のいく結果をもたらしたとしても、彼らは高い評価をしたがらない傾向にあるようです。
 したがって彼らは、適切なコンサルティングフィーの支払いを惜しむこともあります。
 ・・・(中略)・・・ 身もふたもない言い方になりますが、サラリーマン社長やお役人には何かにつけ「真剣に生きる」とか「相手の身になる」ことに限界があるようです。(p.115)
 ごもっとも。

 

 

【公私が不分明なサラリーマン幹部と役人と政治家】
 船井流経営法の基本は、社員に大いに働いてもらうことです。そして、これとセットになっているのが、社員になるべくムダ金を使わせないこと。はっきり言って、放っておけば、社員とは際限なくムダ金を使いたがる可能性が高い存在です。 ・・・(中略)・・・ 。
 たとえば、かつての東レ、帝人、八幡製鉄、国鉄といった大企業に依頼されてコンサルティングにいくと、幹部社員の大半は一流大学出身者で占められていました。そして彼らは、いかに会社のカネを自分のために使うかということを考えている人が多いのが現実でした。役人と、よく似ています。政治家も同じように思います。
 古い話だと笑うなかれ。これ(人間の本質)ばかりは、いまも昔も変わらないようです。(p.141-142)
 だから役人や政治家に国家運営を任せて放置しておくと、国家は確実に傾くのである。実際のところ、現在の日本国家の経営状況は「あまりにも惨憺たる状況」になっている。

 

 

【コンサルタントのいちばんのライバル】
 「ウチの家内が信頼している生き神様がいて、船井先生と私が了解したところより、あそこに出店するようにご託宣があったんです」。またか・・・・。「家内が」という、これが一番多いパターンなのです。
 私はよく「コンサルタントのいちばんのライバルは占い師です」と笑い話をします。
 しかし、これが案外、まったくの笑い話でもないのです。(p.123)
 船井さんのように経営コンサルティングの世界で名人という領域に達している人は、全く別の領域、たとえば宗教の世界でだって大きな宗教団体を率いるだけの力があるのである。なのに、社会経験も社会常識もたいしてなさそうな巷の生き神さまのご託宣を優先してしまうというのなら、クライアント自身に教養がなさすぎるという証拠だろう。

 

 

【ポジティブであろうとする前に】
 気づかせてくれたのは、科学ジャーナリストの 喰代栄一さんが書かれた『ポジティブ思考ではなぜ成功できないのか?』(学習研究社刊)という本でした。(p.156)
 下記は、喰代栄一さんのその本の「あとがき」に書かれていることの一部。
 ポジティブとかネガティブという枠を超えて、まずマインドフルであることを目指すほうがよいのです。
 その先もあります。マインドフルである以上に、私たちが生まれながらにもつスピリチュアルな成長ラインを発展させること。それこそが重要であることにも気づきました。そして、そのような成長ラインを正常かつ順調に発展させるとき、ポジティブな心のエネルギーは自然と湧きあがってくるようだということもわかってきました。 ・・・(中略)・・・ 私たちは無理してポジティブになろうとしなくてもよかったのです。(p.157)
 全ての人々は、それぞれにテーマをもって今回の人生に転生してきている。それこそが “生まれながらにもつスピリチュアルな成長ライン” なんだろうけれど、ポジティブになろうとしてもなかなか成れていないのは、今生のテーマからズレちゃってるから。
 とりあえず現状をマインドフルに(心を尽して)生きてみて、おのずとポジティブになれるかどうかやってみることだろう。
 ポジティブ思考の限界を記述した著作を、下にリンクしておきます。

 

 

【これが答え】
 人それぞれのスピリッチュアルなテーマの詳細は分からなくても、“スピリチュアルな成長ライン”に則して、全ての人に共通する答えらしきものを、船井さんは書いている。
 人間は一生学び続け、働き続けて、成長して行く存在です。それが、最も効率的なように創られた存在といえそうです。
 また人は、そんな中で自らの長所を発見し、その長所をもって社会に貢献する使命を追っているものだと思います。
 ですから、息抜きに少しは遊ぶのはよいとしても、その何倍も働いてください。そして学んでほしいのです。このようにして働く楽しさ、学ぶ楽しさが、遊ぶ楽しさの何倍も大きいことに、一日も早く気づいてほしいのです。
 表現の仕方はケースバイケースで違っても、これはクライアントになったすべての経営者および経営幹部に対して、私が一貫して言い続けてきたことです。なぜなら、「世の中の構造」と「人の正しいあり方」を50年研究した、これが答えだからなのです。(p.160)

   《参照》   『勝つための方法』  船井幸雄・小山政彦・佐藤芳直 中経出版
               【一生懸命働くのは・・・】

 

 

【深まっているエリア間格差】
 バブル崩壊以後、徐々に高まってきたのが。日本国内マーケットのエリア間格差です。人口、年齢構成、所得別構成、嗜好、風俗・習慣など多岐にわたる要素が絡み合うことで、すさまじいエリア間格差が生じています。(p.171)
 いまだにチェーンストア理論に従っているようでは、何の成果も挙げられない。
 年末に近所のホームセンターに何箇所か行って見たけれど、本当に客足が激減している。既に地域間格差の問題を通り越して、殆どマネーが巡っていないんじゃないかと思えるような状況だった。店舗内には、長らく全く吐けていないまともな商品を、6割の捨て値で吐いてしまおうとしているコーナーさえあった。

 

 

【本物商品の一例】
 本物商品の一例を上げれば、お茶の「伊右衛門」がそうです。もちろん飲んでもおいしいのですが、前屈テストを行うと、ほかのお茶とは完全に違うことが、だれにでも分かります。伊右衛門のボトルを持つと、大抵の人は15センチほど余計に体が曲がるのです。
 伊右衛門には良い気「エネルギー」が入っているというか本物なのです。
 商品に良い気を入れる方法はさまざまありますが、いちばんいいのは商品をイヤシロチでつくることです。 ・・・(中略)・・・ 
『イヤシロチ - 万物を蘇生する場所がある』(評言社)を出版していますので、興味ある方はぜひお読みください。(p.184) 
 本もの商品かどうかを見分ける方法には、前屈テストの他に、利き手の親指と人差し指でリングをつくるオーリングテストがある。でもオーリングテストは一人じゃできないから、商品を手に持って一人でできる前屈テストが一番適しているだろう。

 

 

【日本が格付けをする】
 ミシュランに対抗して、日本が世界を格付けすることを、世界中の人たちが本気で期待しているのです。日本および日本人のセンスの良さを、国際社会は知悉しています。日本がグローバル物流で後手を踏むのはもはや確実なのですから、代わりに日本はこのセンスの良さを売り物にしなければならないと思っています。(p.212)
 いまだに、世界に評価されることを喜んでいる日本人なんて、何も分かっていないのと同じだろう。世界のルールを定めてきた欧米主体のスタンダードは、明らかに地球を行き詰まらせてゆく。経済指標のようになっているアメリカ企業の格付けなんて、インサイダー的なタッグ組織として機能しているだけの純然たる不正機関である。
 代わって日本が公正な格付けをして世界に貢献すべきなのである。そして、本当は日本人が世界に感動を与えるようにならなければならないのである。
   《参照》   『あと3年で、世界は江戸になる!』 日下公人 ビジネス社
              【評価されるノーベル賞より、評価する京都賞】
   《参照》   『志のみ持参』 上甲晃 (致知出版)
              【ハッとした話】

 

 

【寒い冬の社内のサバイバル術】
 船井総研の働き者の代表である、小山社長のサバイバル術。
小山 気がつけば終電がなくなっていて、よく会議室に泊りこみました。寒い冬の社内泊サバイバル術を教えましょうか(笑)。まず、テーブルを並べてベッドをこしらえて、新聞紙を敷布団・掛け布団代わりにする。エアコンはビル側が切ってしまうから実に寒い。
 しかし、何度も泊まり込んでいるうちに、だんだん智恵がついてきました。いちばんありがたいのがスポーツ新聞です。分厚い日本経済新聞などよりずっと暖かい。なぜかというと、カラー写真が多くて油をふんだんに使っている。あと、床に寝るなら冷蔵庫の裏側です。あそこがいちばん暖かくて、まだしも安眠できます。(p.218)
 写真で見る限りにおいて小山さんって体脂肪率が高そうで、冬場の抵抗力はもともとあったんだろうから、並みの社員がマネをするなら、それなりの覚悟というより寝袋の準備が必要なんじゃないだろうか。
 下記リンクは、小山さんが入社する時に船井さんから言われたというエピソード。上でリンクしているけれど、再び付けときます。
   《参照》   『勝つための方法』  船井幸雄・小山政彦・佐藤芳直 中経出版
               【一生懸命働くのは・・・】

 

<了>