〈前編〉 より

 

 

【文学と作家の役割】
神渡 この本(『天翔ける日本武尊』)の執筆でますます実感したのは、尊敬する作家の芹沢光治良先生の「文学はもの言わぬ神の意志に言葉を与えることである」という信条でした。作家は天と地のつなぎ役であって、天のメッセージを人々が各自で読めるような形にする役割だと感じました。
 だから、自らの魂を高め、天のメッセージを受け止めることができるようアンテナを常に磨いておくのが作家の役割だと痛感させられました。
 97歳まで生きた芹沢光治良さんも、もちろんそういう文学を書いていた。
 日本語は繊細な表現力を持っているから、神さまの繊細な波動を表現するには適した言葉なんだろう。
 それにしても、近年の若者の文学作品に、天と地をつなぐ気配があるのだろうか?
 魂の高さに該当するアンテナは、高い精神性と言い換えても大きな間違いはないだろう。すくなくとも、村上春樹や大江健三郎は、(天のメッセージを受け取っていたかどうかは分からないけれど)、人間を守る側に立って文学を著している。その点において神の意に沿っているはずである。
   《参照》   『心ゆさぶる平和へのメッセージ』 村上春樹 (ゴマブックス)

 

 

【ヤマト(大和)という国】
小林 ヤマトという国は、和(なご)み合い、睦み合う人が集まって成り立っているんです。
 要するに競うこと、比べること、争うこと、戦うことをとても嫌がる和の魂の持ち主が、この国を選んで生まれてきている国らしいんです。(p.114)
 日本人として日本に生まれなくても、日本に住むようになった人々の場合も、
 日本に帰化し、日本人になるころには、柔らかく穏やかな人になっていると思います。(p.115)
 故ないことではない。日本語を生み出した日本という土地の波動(産土力)が、最大融合極性の地だからである。そしてその傾向は今世紀に入ってより強まっている。柔らかく穏やかな精神性を持つ日本人が世界に貢献すべき時代になっているのである。
   《参照》   『ガイアの法則』 千賀一生 (徳間書店) 《前編》
             【経度0度と経度135度の文明的特徴】

 

 

【日本の役割】
 これから世界において日本人が果たさなければならない役割というのは、母親の役目と言いましょうか、相手を受け入れる心を示していくことではないでしょうか。(p.117)
 日本文化自体が女性的なのであって、この長所を世界展開しなさいということである。
 外資系企業で、男の中に伍して成功して行くような女性は、欧米人的文化仕様の女性なのであって、必ずしも日本人女性の特性を兼備しているとはいえない。
 アクエリアン・エイジ(水瓶座の時代)は、分離から一転した融合を基調とする時代であり、それは即ち母性的日本文化が表に出る時代を意味している。
   《参照》   『日本人て、なんですか?』 呉善花・竹田恒泰 (李白社) 《中編》
             【日本は心理的には女性優位な社会である】
   《参照》   『異文化に心を溶かせて』 穴口恵子 (悠飛社) 《後編》
             【アクエリアン・エイジ】

 

 

【スパイも溶けちゃう日本という国】
 国際神道学会の会長を務めておられた中西明教授は、(p.123)
 とあるけれど、名称が二つ違っている。正しくは神道国際学会、そして中西旭教授である。
 個人名の誤植は、ちょっと杜撰すぎるでしょう、出版社さん。
 ところで、中西教授がイスラエルを訪問した時、イスラエル大統領がホテルにやってきて質問したという。
 一万五千年前から、ユダヤはありとあらゆるところに使徒を送り込んできた。そしてそこで迫害されたり、あるいは殺されたり、監禁されたり、 ・・・(中略)・・・ 。
 ところが、その使徒を送り込むと、殺されるのでもなく、投獄されるのでもなく、追い返されたのでもなく、その国に溶けてしまう。そんな国が一つだけある、それが日本だ。なぜなのかがわからない。
自らの意志でどうも日本人になってしまうらしい。こっちのエージェントだったのに、こっちの命令よりもなぜか日本の支持者になってしまう。その理由が知りたいので教えてほしいというのです。
 日本語で言うと〈溶けてしまう〉という表現を使われたそうです。
 中西教授が言ったそうです。「日本は神の国だから」。そうすると、「よくわかりました」と言って帰っていかれたそうです。(p.125)
 アミシャーブという調査機関を持つイスラエルの大統領には、「神の国だから」という回答で十分だったのだろう。アミシャーブについて知りたい方だけ、日本文化の深層に連なる以下の著作をどうぞ。
   《参照》   『日本人ならぜったい知りたい十六菊花紋の超ひみつ』中丸薫/ラビ・アビハイル/小林/久保《前》
                 【秦氏】

 日本は国家として諜報機関などつくらないどころか、スパイ天国と言われている極めてノーテンキな国だけれど、多額の費用をつぎ込んでスパイなんかを養成しなくたって、時空間を越えて様々なことを知りうる人々が何人もいる。
 そういった人々こそが、正に、その名に相応しい能力を持った「神の使徒」なんだろう。日本にはそんな「神の使徒」が何人もいるからこそ、未然のうちに国が守られているんだろう。

 

 

<了>