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 日本文化、日本人の生き方・考え方について、古文献にある「ナガタ」「ナガサキ」という言葉を用いて、分かりやすく書かれている。良書だろう。大きな活字で書かれていて156頁の本だから、2時間程度で読めてしまう。2008年12月初版

 

 

【名前と使命】
 小林さんが、船井幸雄さんに会って話したことが書かれている。
小林 〈ふないゆきお〉は〈おふなきゆい〉と並び変えることができます。〈ゆい〉というのは結納の「結」のことです。
 結というのはグループを表す言葉で、結社などという使い方がされます。 ・・・(中略)・・・ 。つまり〈おふなきゆい〉とは「お符なき結」「宗教色のない集合体」という意味になります。(p.22)
 確かに、当ってる。
 日本文化に関する「結」については下記リンクを。
   《参照》   『柔構造のにっぽん』 樋口清之 朝日出版社
             【「結び」の意味】

 自分の名前を並べ替えて調べてみたら、何か出てくるかもね。

 

 

【祈りや願いの本質】
小林 祈りという言葉は「い」と祝詞(のりと)の「のり」から成り立っており、神さまの「意」を寿ぐこと、つまり祝福することが祈りという意味なんです。
 願いというのは「ねぎらい」が語源。〈ねぎらい〉とは、「よくしてくださって、ありがとうございました」という感謝の気持ちを込めてお礼を言うこと、これが〈ねぎらい〉です。
 本来「あなたのおおせのままにします。ありがとうございます」というのが祈りとか願いとかの本質です。(p.30)
 祈りも願いも、どちらも「神さまの御用にお使いいただきたい。お使いいただき、ありがとうございました」という想いだったことになる。なのに、大抵の人々は、自分のことのために神さまを使おうとする。
 自分のことじゃなくって人の幸せや国を思う気持ちで祈っているのなら、それって神さまの意と同じだから祈りになっている。
 生活するのに困ってないのに、自分のために「もっとお金が・・・」とかって祈っているような人ばっかになっちゃったら、神さまは日本から逃げ出すかもしれない。

 

 

【脳と神様】
小林 脳はアホなのではなく、もしかしたら神さまの一部をいただいているのかもしれないんです。
 つまり、神さまは過去と現在と未来の区別ができないのではないだろうかということなんです。
神渡 神さまはわれわれ人間のような有限な三次元世界に生きる者の、過去、現在、未来という時間概念とはまったく違う世界におられるということですね。それは同感です。だから体験的に言えることは、(病気になったとしても)人間の時間概念を放棄して、治った状態をイメージして、感謝してリハビリするということが有効なんです。
小林 そう思います。(p.41)
 脳は、現在過去未来の区別だけでなく、言葉における自他の区別もつかない。
    《参照》   『「朝の習慣」を変えると人生はうまくいく!』 佐藤富雄 (青春出版社)
             【大脳の特性】

 宗教的考え方に慣れ親しんだ人々は、「脳は神さまの一部をいただいている」と考えるし、苫米地英人さんのような唯脳論的考え方の人々は、 「脳が神さまをつくった」 と考える。どっちでも好みで選べばいい。つまりお好み焼き。ミックスもあり。

 

 

【「ナガタ」「ナガサキ」:天地を貫く幸せの原理】
神渡  『古事記』 『日本書紀』の原典だといわれる縄文文献『秀真伝(ホツマツタエ)』 ・・・(中略)・・・ に記録されているのが、「ナガタ」「ナダサキ」という古代日本人の生き方です。
 「ナガタ」とは、「あなたが楽しいと思ってくださることが私の幸せです」と、他人の幸せを先にする生き方をすれば、こちらも不思議に栄えていくという生き方のことです。
 「ナガサキ」は、あなたの幸せが先で、「何か私がお役にたてることがあればうれしい」と思って行動することを意味します。 ・・・(中略)・・・ 。
 どちらも「お先にどうぞ」と譲る精神で、この「ナガタ」「ナガサキ」という生き方こそ、天地を貫く幸せの原理であり、古代日本人が大切にした生き方 (p.73-74)
 「ナガ」とは「あなた」という意味だろう。
 「ナガタ」は「あなたが楽しい」、「ナガサキ」は「あなたが先」。
 『秀真伝』が出てきたついでに書いておけば、下記リンクの「アワ歌」も、『秀真伝』の中にあるもの。
   《参照》   『言霊アワ歌の力』 石田英湾 (群馬マクロビオティックセンター)
小林 私の講演の中で、「動物には二つの本能があります。それは自己保存と種の保存です。ヒトも動物なんだけども、ヒトに、三つ目の本能が加わったとき、『人間』になります」という話をよくするんです。三つ目とは、「喜ばれるとうれしい」ということです。
神渡 まさに、そうですね。正観さんの話には納得します。
小林 私たちはなぜか喜ばれるとやる気になって、続けていきたいと思う。なぜかわかんないから、本能なんでしょうね。 ・・・(中略)・・・ 。
 ところが欧米人の場合は、喜ばれるとうれしい、でも自分が勝ち上がらなければとなってしまう。(p.141-142)
 欧米人のように、自分で勝ちあがろうとしないからこそ巡ってくる幸せだってあることを、日本人は意識の深層で知っているはずである。
   《参照》   『運命におまかせ』 森田健 (講談社) 《前編》
             【ふたつの幸せ感】

 

 

【高天原】
神渡 私が『天翔ける日本武尊』を書くときに、とてもインスピレーションを受けた歌があるんです。全身麻痺の日木流奈君が作詞して、有名な音楽家の篠原啓介さんが作曲して壮大な曲に仕上げた 『天と地をつなぐ物語』という歌です。 ・・・(中略)・・・ 
「高天原は遠いところにあるのではありません。数千年昔の遠い所にあるのでもありません。高天原は今ここにあるのです。天と地をつなぐ物語をつくるのはあなたで、あなたが主人公です。さあ、一緒に今をいきましょう」
 と書いているんです。(p.89-90)
 日木流奈君の著作の中にある 【パ~の進化論】 は、天と地をつなぐ生き方である「ナガタ」「ナガサキ」のことを言っている。
   《参照》   『月のおくりもの』 日木流奈 (大和出版)
             【パ~の進化論】