《前編》 より

 

 

【進化した文明は地下に・・・】
「この惑星の人たちみたいな、高い水準に達した人類はみんな、文明の基盤を地下に移しているんだ」
 ビンカはすっかり興味をひかれたようだ。
「ということは、アミ。高いところまで進化した人類はもう、惑星の表面には住まなくなるの?」
「もちろんそうさ。だって惑星の内部のほうがずっと安全だもの」
 紫外線や放射線、隕石の衝突や天候の変化、害虫などの生態系に関するコントロールは地底であれば容易である。そして
 これがかんじんなんだけど、近くの星に住む未開文明人に、おかしな関心をもたれることもない! カラカラにかわききった死の星に見せかけておいて、その実、内部には大文明が栄えてるってわけだ・・・宇宙でいちばん高いレベルまで進化した人類が、こうして惑星内部に住むようになるってこと、理解できたかな」 (p.394)
     《参照》  『真地球の歴史 波動の法則Ⅱ』 足立育朗 (PHP研究所)
                【月】

 月だけでなく、地球の内部にだって、地球人より進化した文明は存在している。
 後述されているシャンバラである。

 

 

【表面と内部】
「惑星内部に住むっていうことが、その人たちの魂のありかたをも反映してくれるんだよ」
「それ、どういうこと?」
「きみたちの世界の人々は惑星の表面に住んでいるだろう?」
「もちろん」
「きみたちの文明では、すべてが、表面の問題なんだ・・・つまり君たちが注意を払うのは外部だけ、内部のことはさっぱりだ。だからこそ、きみたちは星の表面に住んでいるんだよ。それはきみたちの魂のあり方を反映しているんだ」
 アミの星にも地表面に構造物がないわけではない。あっても寡少であり、多くの生活圏は星の内部にある。
 地球表面にしか生活圏をもたない地球人は、人を判断するのも表面・外見である。内面など二の次にして、外見が美しくなるよう整形手術をすれば、地球文明の中ではそこそこ幸せになれる。
 現在の地球人の平均的レベルでは “視覚的な人種差別” が必然的に生じてしまうのである。内側を見る視力を持たない地球人の “愛という基準” はかなり危うくまた虚ろでもある。

 

 

【シャンバラ】
 アミはペドゥリートを伴って地球内部のシャンバラへ案内した。
 この都市には神秘的な雰囲気がただよっているのを、ぼくははっきり感じた。
「そのとおりだよ、ペドゥリート。ここのエネルギーがちょっと違っているのによく気がついたね。そう、より高くて繊細なんだ。なぜならここが、地球の重要な霊的中心地のひとつだからだし、きみが自分の内的な感覚に注意を払っていたからでもあるんだよ。・・・(中略)・・・。地球人類の精神の進歩を監督する仕事は、ここシャンバラが中心になっているんだよ」 (p.433)
    《参照》   『今こそ世界は《本物JAPAN》の光臨を待っている!』 河合勝 (ヒカルランド) 《前編》
              【シャンバラの本部】

 シャンバラで行われている活動のコーディネイト役をなさっているシルクさんから、地球人の個々の責任と、地球の特殊な状態について、重要なことを話してもらった。

 

 

【地球人の個々の責任と、地球の特殊な状態】
 ぼくたちひとりひとりには、ぼくたちの種のために割り当てられた責任があり、そのために、一人ひとりが自分の劣った部分を乗りこえることが、どうしても必要になってくると言っていた。それはあくまで個人的な仕事で、個人が内的成長をとげるために努力することによってのみ、人類全体が進化してゆけるのだということを、とくに強調していた。
 それからぼくたちがいま、進歩発展のとても特殊な状態にあるということも。つまりそれは、・・・(中略)・・・、ぼくたちの動物的本性が、星の本性の高い精神的レベルより上に立ったままでいるかぎり、ぼくたちの文明の麻痺は、もう疑う余地もなく目の前に迫っているって。(p.453-454)
 そして、
 それからシルクは、人々が苦悩することも、大量の死者を出すこともなく、ぼくたちの惑星がよい方向に変化していく可能性は残っているとも言った。でも、これはいつもしっかりと自覚しておかなければいけないけど、“もう、時間がない”。つまり、もうぼくたちは時間をムダにできないということだ。(p.458)
 それから、
 よろこび、健康なユーモア、楽天主義、希望、責任、悪意のない魂、信念、許し、隣人へのたすけ、ほんものの愛などが、ますます必要不可欠なものになっていき、それが人類にとって、そして一人ひとりにとって、高い水準の存在へうつるのに必要なエネルギーになると言っていた。反対に、どんなものであれ、恐怖、絶望、堕落などの種をまくものからは、距離を置くことが必要だと付け加えた。そして自分たちの性格上のおとった部分にたいして、もう少し自分自身厳格になるべきであり、友達や指導者を選ぶときにも、もっときびしく判断すべきだということだ。(p.458-459)
 高度に進化した文明世界のアミやシルクは、物や金に支配されている現在の地球の状況に、穏やかな表現ではあるけれど、やさしく警告してくれている。
 表面や外見で左右される、現在の地球の “浅はかな文明” は、深遠な魂を育まない。だからこそ、一人一人が自覚的に修養を心がけなければならない。

 

 シャンバラや地底世界って、信じられない人は多いかもしれないけれど、こういったことが記述されている書籍って結構いっぱいいある。チャンちゃんは、中学生の頃、ジュール・ベルヌの 『地底旅行』 を読んで魅了されて以来、それらが無いなんて考えられないと思い続けている。
     《参照》   『天と地と』  中丸薫  あ・うん
               【アセンションに備えている地底都市】
               【地底世界】
     《参照》   『失われた地底王国 「シャンバラ」の謎』 飛鳥昭雄・三神たける 学研
     《参照》   『超シャンバラ』 ダイアン・ロビンス (徳間書店)

 

 

<了>

 

  エンリケ・バリオス著の読書記録

     『アミ3度目の約束』

     『戻ってきたアミ』

     『アミ小さな宇宙人』