志水辰夫『裂けて海峡』/遠藤賢司『東京ワッショイ』『宇宙防衛軍』
2011年3月は東日本大震災という未曾有の国難に襲われた月として記憶されるはず。その3月が終わるわけだが、地震によってもたらされた惨状が続いている今、月が変わるなんてことに、なんの意味も感じられない。東京電力福島原発は未だ制御不能。これ程の国難なのに、首相を始め政治家の顔が全く見えないってどうゆうことだろう。政治家なんてまったく役に立たない存在だと国民は思い知る。今、日本は不幸の真っ直中にいる。
●志水辰夫『裂けて海峡』
懐かしい、印象深い小説を再読。'83年の作品だったんだね。前作『飢えて狼』も読んだばかりなので、あの時代の雰囲気も甦ってきた。ソ連のベレンコ中尉がミグ戦闘機で函館に飛来し、また日本近海でソ連の原潜事故もあった。米ソ冷戦時代、この冷戦構造こそが、冒険活劇小説の絶好の舞台だった。CIA、KGBなど不穏な組織が秘密工作を行い、それが酷い悪事でも「国家」の名の下に正当化される、そんな渦中に主人公を放り込んで、困難と闘わせるのが冒険小説の醍醐味だった。『裂けて..』も『飢えて..』も基本はそれなんだけど、志水辰夫が良いのは、その文章からにじみ出る叙情性。登場人物の情感が豊かに描かれているところが好きだ。今も昔も、志水辰夫は素晴らしい。
●遠藤賢司『東京ワッショイ』『宇宙防衛軍』
エンケン'78年のワッショイとその翌年の防衛軍です。この頃は俺の中のエンケン・ブームで、ひとり浮かれて聴いていた。つまり世間一般的に聴かれていたわけじゃないってこと。今聴いてあらためて、あの当時の断言「「不滅の男」は日本ロックの金字塔だ!」は間違っていなかったと納得できた。痛快無比のナンバーだよ「不滅の男」は。そんな名曲のレコーディングに我らがバンドの歌姫イシバシが参加しているってんだから恐れ入る(笑)♪ケンジ~KENJI~ケンジ~KENJI~ と黄色い声で叫んでいるのが、イシバシ参加のKENJI軍団。まあたまたま呼ばれた女子大の軽音部なんだけどね。しかも、巨匠横尾忠則作に写真をコラージュされジャケットに登場しているんだから、更に恐れ入る(笑)。イシバシ本人は、事の重大さに気付いてはいないんだけどね、おそらくは。
さてこの2枚のアルバムの特徴は、サウンド的にはテクノ・ポップ、ニューウェイヴ、プログレ、そして歌謡曲が渾然と混じりあったエンケン・ロック。仕掛け人はあの四人囃子の佐久間正英ですね。四人囃子からは岡井大二、佐藤満、茂木由多加も参加し、ポップでカラフルな演奏でエンケンを囃し立てる。それにしても遠藤賢司。未だ正体が掴めない男だ。
●志水辰夫『裂けて海峡』
懐かしい、印象深い小説を再読。'83年の作品だったんだね。前作『飢えて狼』も読んだばかりなので、あの時代の雰囲気も甦ってきた。ソ連のベレンコ中尉がミグ戦闘機で函館に飛来し、また日本近海でソ連の原潜事故もあった。米ソ冷戦時代、この冷戦構造こそが、冒険活劇小説の絶好の舞台だった。CIA、KGBなど不穏な組織が秘密工作を行い、それが酷い悪事でも「国家」の名の下に正当化される、そんな渦中に主人公を放り込んで、困難と闘わせるのが冒険小説の醍醐味だった。『裂けて..』も『飢えて..』も基本はそれなんだけど、志水辰夫が良いのは、その文章からにじみ出る叙情性。登場人物の情感が豊かに描かれているところが好きだ。今も昔も、志水辰夫は素晴らしい。
●遠藤賢司『東京ワッショイ』『宇宙防衛軍』
エンケン'78年のワッショイとその翌年の防衛軍です。この頃は俺の中のエンケン・ブームで、ひとり浮かれて聴いていた。つまり世間一般的に聴かれていたわけじゃないってこと。今聴いてあらためて、あの当時の断言「「不滅の男」は日本ロックの金字塔だ!」は間違っていなかったと納得できた。痛快無比のナンバーだよ「不滅の男」は。そんな名曲のレコーディングに我らがバンドの歌姫イシバシが参加しているってんだから恐れ入る(笑)♪ケンジ~KENJI~ケンジ~KENJI~ と黄色い声で叫んでいるのが、イシバシ参加のKENJI軍団。まあたまたま呼ばれた女子大の軽音部なんだけどね。しかも、巨匠横尾忠則作に写真をコラージュされジャケットに登場しているんだから、更に恐れ入る(笑)。イシバシ本人は、事の重大さに気付いてはいないんだけどね、おそらくは。
さてこの2枚のアルバムの特徴は、サウンド的にはテクノ・ポップ、ニューウェイヴ、プログレ、そして歌謡曲が渾然と混じりあったエンケン・ロック。仕掛け人はあの四人囃子の佐久間正英ですね。四人囃子からは岡井大二、佐藤満、茂木由多加も参加し、ポップでカラフルな演奏でエンケンを囃し立てる。それにしても遠藤賢司。未だ正体が掴めない男だ。
- 裂けて海峡 (新潮文庫)/志水 辰夫
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- 東京ワッショイ/遠藤賢司
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BLACK DUB『BLACK DUB』/ 『ハンターズ・ラン』マーティン、ドゾワ&エイブラハム
地図で東京電力柏崎原発からの距離を調べたら、我が家を含め津南町のR117あたりは50Km圏内だった。30Km圏内といえば長岡や小千谷がすっぽり入る。福島原発事故が身近に感じられるよ。
●『ハンターズ・ラン』マーティン、ドゾワ&エイブラハム
久しぶりのSF、しかも北上次郎氏お薦めの冒険小説である。これは読まないわけにはいかんでしょう。で、どうだったかと言えば、それほど血湧き肉躍るって快感はなかったな。舞台が地球の植民星で異星人も登場ってことでSFなわけだ。ヒスパニック系の植民星ってのが面白い。盛り場は西部劇の町のようだし、主人公は砂金堀りならぬ一匹狼の探鉱屋。何ヶ月もひとり山奥で鉱脈を探し回り、町に帰ると女の家に転がり込む。いかにもな野郎だ。そんな主人公が山奥で異星人の基地と遭遇。そこから始まるハンターズ・ランってなわけだ。それも異星人と組んでの追跡行。このマネックと呼ばれる異星人との関係がこの物語のキモなんですね。もうひとつのキモは、追う者と追われる者との関係。この二つのキモが、じつにSF的で面白い。恐ろしい猛獣と闘い、筏を組んで川を下り、とスリルはあります。ただ、俺がいまいちな読後感を覚えた理由はラストの部分。物足りない終わり方って気がしたよ。
●BLACK DUB『BLACK DUB』
名プロデューサー、ダニエル・ラノワのバンドによる新作。メンバーはドラムにニューオリンズ出身のブライアン・ブレイド、ベースはルイジアナ出身のダリル・ジョンソン。このふたりの黒人は数々のセッションでお馴染みの強力コンビだよね。そしてヴォーカルが故クリス・ウィートリーの娘トリクシー。3人の南部人とカナダ人ラノワが組むバンドってわけだね。聴いた感じ、それほどレゲエでもダブでもない。生のバンド感を優先させ、そこにエコーが絡む感じ。柔軟性のある黒っぽいグルーヴが心地よく、絡むラノワの音響系ギターも優しく響く。トリクシーの歌声はブルージーでエモーショナル、これもバンドによく合っている。ラノワの書いたダーク・ビターな曲調が、バンドのサウンド・カラーの基調となっているから、ラノワのロック・バンドとしてブッ太いまとまりがある。好きだなあ、この感じ。
●『ハンターズ・ラン』マーティン、ドゾワ&エイブラハム
久しぶりのSF、しかも北上次郎氏お薦めの冒険小説である。これは読まないわけにはいかんでしょう。で、どうだったかと言えば、それほど血湧き肉躍るって快感はなかったな。舞台が地球の植民星で異星人も登場ってことでSFなわけだ。ヒスパニック系の植民星ってのが面白い。盛り場は西部劇の町のようだし、主人公は砂金堀りならぬ一匹狼の探鉱屋。何ヶ月もひとり山奥で鉱脈を探し回り、町に帰ると女の家に転がり込む。いかにもな野郎だ。そんな主人公が山奥で異星人の基地と遭遇。そこから始まるハンターズ・ランってなわけだ。それも異星人と組んでの追跡行。このマネックと呼ばれる異星人との関係がこの物語のキモなんですね。もうひとつのキモは、追う者と追われる者との関係。この二つのキモが、じつにSF的で面白い。恐ろしい猛獣と闘い、筏を組んで川を下り、とスリルはあります。ただ、俺がいまいちな読後感を覚えた理由はラストの部分。物足りない終わり方って気がしたよ。
●BLACK DUB『BLACK DUB』
名プロデューサー、ダニエル・ラノワのバンドによる新作。メンバーはドラムにニューオリンズ出身のブライアン・ブレイド、ベースはルイジアナ出身のダリル・ジョンソン。このふたりの黒人は数々のセッションでお馴染みの強力コンビだよね。そしてヴォーカルが故クリス・ウィートリーの娘トリクシー。3人の南部人とカナダ人ラノワが組むバンドってわけだね。聴いた感じ、それほどレゲエでもダブでもない。生のバンド感を優先させ、そこにエコーが絡む感じ。柔軟性のある黒っぽいグルーヴが心地よく、絡むラノワの音響系ギターも優しく響く。トリクシーの歌声はブルージーでエモーショナル、これもバンドによく合っている。ラノワの書いたダーク・ビターな曲調が、バンドのサウンド・カラーの基調となっているから、ラノワのロック・バンドとしてブッ太いまとまりがある。好きだなあ、この感じ。
- ハンターズ・ラン (ハヤカワ文庫SF)/ジョージ・R・R・マーティン
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NEIL YOUNG『LE NOISE』
今日3/23は雪が舞っている。朝5センチの積雪があった。相変わらず2メートル近くの積雪があり、なかなか嵩が減らない。雪消えは遅くなりそうだ。雪は降っても例年どおり花粉症はやってくる。「花粉症始めました」~
●NEIL YOUNG『LE NOISE』
激しい雨に打たれながら、天を仰ぎ濡れて立つ!って感じだ。ニール・ヤングの去年出た目下の新作は、愛器ホワイトファルコンを弾き語り。轟音でありノイジーでありながら、その音は何故か優しい。プロデュースはダニエル・ラノワ。このサウンドはラノワの音響マジックでもあるわけだ。それとも轟音ファンタジーと言おうか。深いディレイが幽玄の世界を作り、ニールの叫びが道標となるかの如く。サウンドに慣れてしまえば、歌声も曲調も堂々たるニール・ヤングなので、いつのまにか普通に聴けてしまうから不思議。というか前宣伝がノイズだ轟音だと煩かったけど、聴いてみるとそんなにキツイ感じないし、ニールのファンはもっと壮大なノイズを経験してるしね。
●NEIL YOUNG『LE NOISE』
激しい雨に打たれながら、天を仰ぎ濡れて立つ!って感じだ。ニール・ヤングの去年出た目下の新作は、愛器ホワイトファルコンを弾き語り。轟音でありノイジーでありながら、その音は何故か優しい。プロデュースはダニエル・ラノワ。このサウンドはラノワの音響マジックでもあるわけだ。それとも轟音ファンタジーと言おうか。深いディレイが幽玄の世界を作り、ニールの叫びが道標となるかの如く。サウンドに慣れてしまえば、歌声も曲調も堂々たるニール・ヤングなので、いつのまにか普通に聴けてしまうから不思議。というか前宣伝がノイズだ轟音だと煩かったけど、聴いてみるとそんなにキツイ感じないし、ニールのファンはもっと壮大なノイズを経験してるしね。
- ル・ノイズ/ニール・ヤング
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山本兼一『利休にたずねよ』/安藤裕子『JAPANESE POP』
●山本兼一『利休にたずねよ』
直木賞受賞作だよね。山本兼一は安土城築城を小説とした『火天の城』、山岡鉄舟の豪傑ぶりを描いた 『命もいらず名もいらず』がじつに面白く感心していた作家なので、当然『利休..』も読むつもりでいたけど、けっきょく文庫化されたのを機に読んでみた。なるほど構成が見事。関わった人達の小さなエピソードを小篇として繋いでいく構成。千利休が豊臣秀吉の勘気に触れ自刃したという史実を小説の素材に、何故秀吉の怒りを買い、のっぴきならない事態に至ったのか、これをちょっとしたミステリーを感じさせながら読者を引きずり込む。小説巧者だよな山本兼一。
●安藤裕子『JAPANESE POP』
どうだ!と言わんばかりのジャパニーズ・ポップだね。シンガー・ソングライター安藤裕子は俺の中ではロックの人。そんな彼女がわざわざ『JAPANESE POP』を名乗り、凡百Jポップに活を入れた。そんな感じを抱かせる志の高さがこのアルバムにはある。カーネーション矢部浩志のソロ・アルバムで初めてシンガー安藤裕子を知り、彼女のコケティッシュな歌声が耳に居座り、彼女の以前のソロ・アルバムも聴くようになった。そして去年リリースされたこの新作は、女の子が女になったような(ジャケット写真が色っぽいし)大人の安藤さんに出逢えたアルバムとなった。お歳からしたら(調べてみた)、もうしっかり立派な大人なんですね(あまり知らないもんで、、)。以前のアルバムでは、可愛い中に自我の強さを伺わせていて、うっかり触るとヤケドするぜ!的な魅力があった。それがここにきて、ゆとり・くつろぎ・包容力が歌の中から感じられる。ユルいわけじゃなく、逆にシェイプアップされてるのに、音楽がキツクないのは、彼女という容器が大きくなったからじゃないかと思う。けっこうイタイしヒリヒリとする歌もありながら、聴いていて辛くならないのは、これがPOPだから。宮川弾の甘美なストリングス・アレンジが大成功な一枚でもある。
直木賞受賞作だよね。山本兼一は安土城築城を小説とした『火天の城』、山岡鉄舟の豪傑ぶりを描いた 『命もいらず名もいらず』がじつに面白く感心していた作家なので、当然『利休..』も読むつもりでいたけど、けっきょく文庫化されたのを機に読んでみた。なるほど構成が見事。関わった人達の小さなエピソードを小篇として繋いでいく構成。千利休が豊臣秀吉の勘気に触れ自刃したという史実を小説の素材に、何故秀吉の怒りを買い、のっぴきならない事態に至ったのか、これをちょっとしたミステリーを感じさせながら読者を引きずり込む。小説巧者だよな山本兼一。
●安藤裕子『JAPANESE POP』
どうだ!と言わんばかりのジャパニーズ・ポップだね。シンガー・ソングライター安藤裕子は俺の中ではロックの人。そんな彼女がわざわざ『JAPANESE POP』を名乗り、凡百Jポップに活を入れた。そんな感じを抱かせる志の高さがこのアルバムにはある。カーネーション矢部浩志のソロ・アルバムで初めてシンガー安藤裕子を知り、彼女のコケティッシュな歌声が耳に居座り、彼女の以前のソロ・アルバムも聴くようになった。そして去年リリースされたこの新作は、女の子が女になったような(ジャケット写真が色っぽいし)大人の安藤さんに出逢えたアルバムとなった。お歳からしたら(調べてみた)、もうしっかり立派な大人なんですね(あまり知らないもんで、、)。以前のアルバムでは、可愛い中に自我の強さを伺わせていて、うっかり触るとヤケドするぜ!的な魅力があった。それがここにきて、ゆとり・くつろぎ・包容力が歌の中から感じられる。ユルいわけじゃなく、逆にシェイプアップされてるのに、音楽がキツクないのは、彼女という容器が大きくなったからじゃないかと思う。けっこうイタイしヒリヒリとする歌もありながら、聴いていて辛くならないのは、これがPOPだから。宮川弾の甘美なストリングス・アレンジが大成功な一枚でもある。
- 利休にたずねよ (PHP文芸文庫)/山本 兼一
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- JAPANESE POP/安藤裕子
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東日本大震災マグニチュード9.0!
3月11日金曜日だったから、あれから5日目になるのか。あの日の3時頃、居間にいた私と母はユラユラとした横揺れに気がついた。長い横揺れだった。何処かで地震が起こったに違いないとテレビを注視した。震源は東北太平洋岸。数日前から度々小さな地震に見舞われていた三陸あたりだった。大きな地震だと発表された。それが3時半頃には、途轍もない悲劇を生み出す地震だったことが判ってきた。地震発生後、直ぐに津波が押し寄せた。テレビは上空からそれを生中継した。仙台近郊名取川地域の映像。押し寄せる津波。まるで生き物、怪物のように陸地を浸食していく様はただ恐怖の一言だ。普通の生活、平穏な日常が、一瞬に飲み込まれ奪われてしまう恐怖。私はテレビを見つめながら、見てはならない事を見ているんじゃないかと恐怖し呆然としていた。その後テレビを通して、悲惨な状況が次々に報道された。地震の被害は青森から太平洋岸を南下して神奈川あたりまで広がり、津波は岩手・宮城・福島を中心に北海道から茨城を襲った。多くの町が壊滅状態、非常に多くの住民が行方不明であると報道された。神戸地震、中越地震を大きく上回る規模の大震災となった。マグニチュード9.0!
あれから5日たち、東北には多くの避難民が避難所で生活している。そしてその避難所では、生活に必要な全てが足りていない。テレビを見ながらもどかしくなる。何か届けたい、何かしてあげたい。被災されてる皆さんがテレビカメラに向かってメッセージを発していた。いちように「私たちは無事です。元気です。だから心配しないで」。被災者のその辛抱強さに、見ているこっちの涙が止まらなかった。
地震は東北だけに止まらなかった。12日土曜日未明3時58分には栄村・津南町の県境あたりを震源とする震度6強の地震に襲われた。強震に揺り起こされた我が家の家族は布団から飛び出し、一階の居間に集った。店では棚から商品が落下し、割れた日本酒の臭いが漂っていた。私はさっそく店の片付けにかかった。割れ瓶を片付け、酒で濡れた床を何度も拭き、濡れた商品を拭いて棚に戻し、7時半にはいつもどおり店を開けることができた。地震への恐怖に突き動かされたように、もくもくと身体を動かした。ある種の興奮状態に陥るのだが、それが過ぎるとドッと疲れを覚えた。いやが上にも2004年の中越地震を思い起こした。
思い起こせば、この10年程で3度、大きな地震に見舞われた。3度、地震により商品の酒を割ってしまったことになる。2001年1月、2004年10月の中越地震、そして今回。私は漠然とだが、大きな地震は一生のうちに一度か二度と思っていた。それはきっと、災害はその程度であって欲しいという心理も働いてのことと思うが、かつてはデータ的にも、大地震の起こる頻度は50年に一度とかそんなじゃなかったか。それが10年に3度。まあ震度6は大地震じゃないかもしれないが、それでも相当に怖いし商品の破損もある。地震だけでなく、近年は世界的に異常気象と言われるような気候の変動が激しいように思う。天変地異。奢れる人類に対する大地=地球からの警告かもしれない。でも、人類のうちのほとんどの人は奢りなど持たずに一生懸命真面目に生きている。だから大地の怒りも程々にして欲しいと願いたいものだ。
被災した皆さんに、一日も早く平穏な日々が訪れますように祈ります。
あれから5日たち、東北には多くの避難民が避難所で生活している。そしてその避難所では、生活に必要な全てが足りていない。テレビを見ながらもどかしくなる。何か届けたい、何かしてあげたい。被災されてる皆さんがテレビカメラに向かってメッセージを発していた。いちように「私たちは無事です。元気です。だから心配しないで」。被災者のその辛抱強さに、見ているこっちの涙が止まらなかった。
地震は東北だけに止まらなかった。12日土曜日未明3時58分には栄村・津南町の県境あたりを震源とする震度6強の地震に襲われた。強震に揺り起こされた我が家の家族は布団から飛び出し、一階の居間に集った。店では棚から商品が落下し、割れた日本酒の臭いが漂っていた。私はさっそく店の片付けにかかった。割れ瓶を片付け、酒で濡れた床を何度も拭き、濡れた商品を拭いて棚に戻し、7時半にはいつもどおり店を開けることができた。地震への恐怖に突き動かされたように、もくもくと身体を動かした。ある種の興奮状態に陥るのだが、それが過ぎるとドッと疲れを覚えた。いやが上にも2004年の中越地震を思い起こした。
思い起こせば、この10年程で3度、大きな地震に見舞われた。3度、地震により商品の酒を割ってしまったことになる。2001年1月、2004年10月の中越地震、そして今回。私は漠然とだが、大きな地震は一生のうちに一度か二度と思っていた。それはきっと、災害はその程度であって欲しいという心理も働いてのことと思うが、かつてはデータ的にも、大地震の起こる頻度は50年に一度とかそんなじゃなかったか。それが10年に3度。まあ震度6は大地震じゃないかもしれないが、それでも相当に怖いし商品の破損もある。地震だけでなく、近年は世界的に異常気象と言われるような気候の変動が激しいように思う。天変地異。奢れる人類に対する大地=地球からの警告かもしれない。でも、人類のうちのほとんどの人は奢りなど持たずに一生懸命真面目に生きている。だから大地の怒りも程々にして欲しいと願いたいものだ。
被災した皆さんに、一日も早く平穏な日々が訪れますように祈ります。