誰よりもあなたが… 50
年が明け、私たちは仲良く日々を過ごしていた。
3月。私の誕生日。
その日はちょうど土曜日で、お互い仕事が休みだった。
土日を使って旅行に行こう。
壮介が全部計画をたてたうえで誘ってくれた。
行き先は…沖縄。
凄く強行だけど、金曜日会社終わって飛行機飛び乗って、日曜日の最終便で帰れば2日遊べるし、という計画だった。
空港行きのリムジンバス乗り場で壮介と待ち合わせ、二人空港に向かい、飛行機に乗った。
沖縄到着・・・。その日はホテルにチェックインして、食事して、ゆっくり休んだ。
翌日、レンタカーを借りて、色々回った。
「壮介・・・なんで沖縄だったの?」
「ん~。俺たちの高校さ、修学旅行、沖縄だっただろ?自由時間もあって、カップルは一緒に回ったりしてたけど、俺たちその前に別れちゃったから、それも出来なかった。でもさ・・・オレから別れるっていったけど、修学旅行のとき、はるかと一緒に居たかったな・・・って思ってしまう自分がいてさ。勝手だけど。で、はるか誕生日だなあと思ったときに、二人で沖縄行きたいなって思ったんだ」
「ふ~ん。そんなこと、あのとき思ってたんだ?私は・・・修学旅行のときは、壮介に会うのが辛くて、鉢合わせしないように、かなり回りに気を使ってたよ。」
「それも悲しい話だなあ・・・」
「そうやって笑って話せる日がくるなんて思わなかったね。」
「本当だな。あの電車の偶然の再会がなかったら、俺たち今一緒にいることなんてないもんな。」
「ホントだよ。」
夜、食事をして、散歩しようということになって、ホテルのプライベートビーチを二人でゆっくり歩いていた。
月明かりがとてもキレイだった。
「この辺座るか」
壮介が言う。 二人砂浜に並んで座る。
「はるか、誕生日おめでとう。」
優しい笑顔でそう言ってくれた。
「ありがとう。」
壮介がポケットから小さな箱を取り出した。
「はい。プレゼント」
手のひらにポンと置かれたきれいにラッピングされた箱。
「開けていい?」
頷く壮介。
ラッピングを取り、箱を開ける。
「え・・・」
壮介の顔を見つめる
「はるか・・・結婚しよう」
箱の中には、ダイヤモンドのエンゲージリングが輝いていた。
「壮介・・・」
涙があふれる。
「私で・・・いいの・・・?」
「はるかじゃないと、ダメなんだ・・・」
私は何度も頷いた。
壮介が思い切り私を抱きしめる。
「はるか、幸せになろうな。」
壮介の胸の中で何度も何度も頷いた。
~5年後~
「謙介~康介~パパお仕事行くってよ!」
「パパ~いってらっしゃ~い!!」
「行ってくるな!」
「壮介、行ってらっしゃい。気をつけてね。」
「行ってきます。」
壮介と結婚した私は、謙介・康介という双子の男の子を三年前に出産した。
幸せな4人家族。
色々なことがあったけれど、今こうして幸せに家族として暮らしている。
恋愛って、苦しいことも切ないこともいっぱいあるけれど、それを乗り越えて今がある。
これからも色んなことがあるだろう。でも、壮介と一緒に歩き続けていきたい。
壮介と出会ってもう何年が経つだろう。
私は、誰よりもあなたが、壮介が大好きです。
完
誰よりもあなたが… 49
「はるか、後ろ向いて。」
突然壮介が言った。
「何?」
「いいから、いいから」
言われるままに後ろを向く。
首筋にヒヤリと冷たい感触が触れる。
「いいよ。」
首を触ると、何かが触れた。
鏡を見に鏡台へ行く。
首には、キレイに輝くネックレス。
「これ…」
2連のネックレスには、アクアマリンとダイヤモンドが一粒づつ輝いていた…。
「昔のよりバージョンアップだな。」
「壮介…ありがとう…大事にするね。」
涙が浮かぶ。
そっと抱き合う2人。
幸せなクリスマス。
離れていた時間があったからこそ、尚更幸せを感じるのかもしれない。
きっと離れていた時間も無駄じゃなかった。
そんな気がした。
壮介がくれたネックレス。昔のネックレスは、ずっと付けることが出来なかったけど、このネックレスは…ずっとずっと、付けていたい。
壮介にもそう言うと、
笑って私を抱き寄せた。
クリスマスも過ぎ、年が明けた。
誰よりもあなたが… 48
今まではもう少し遅い電車で座って行ってたけど、壮介の時間に合わせて電車に乗った。
満員電車では、壮介が人混みから守ってくれる。先に降りる壮介を見送る。
朝から幸せな一時。
お互い仕事が忙しかったので、帰りにいつも会うことはなかったけれど、待ち合わせをする日は、連絡を取り合って、時間を調節していた。
休みがお互い土日だったので、休みの日は大抵一緒にいた。
地域チームでバレーを続けている壮介を応援しに行ったり、あちこち出かけたり、離れていた時間を取り戻すように一緒にいた。
壮介の誕生日。プレゼントを散々悩んで、時計を贈った。
すごく喜んでくれた。
クリスマス…壮介に何欲しい?と聞くと、
「はるかと一緒にいれたらそれでいいよ。」
と言って、リクエストしてくれない。
結局、財布をプレゼントすることにした。
その日は、普通に仕事の日。帰りに待ち合わせて、一緒に食事をして、ホテルに泊まる約束だった。部屋に入って、買ってきたケーキやシャンパンで2人でクリスマスパーティーをした。
「壮介、クリスマスプレゼント!」
プレゼントを差し出す。「マジで?いいって言ったのに…」