ある日突然、何かが飛んでいるように見える、飛蚊症であったり、もやのようなものであったりで来院する人は50歳以上で多数いらっしゃいます。
ほとんどは、生理的飛蚊症と呼ばれるものですが、硝子体と網膜の間に後部硝子体膜と呼ばれる膜があります。年齢とともに硝子体が液化して、体積が減ります。体積が減ると硝子体が縮み網膜から後部硝子体膜が剥がれて、硝子体中に浮かびます。これが、後部硝子体剥離(PVD)で、飛蚊症のほとんどの原因です。しかし、膜が剥がれるときに血管を引っ張ると、硝子体出血を起こしますし、網膜と癒着が強いところがあると、剥離の時網膜に裂け目ができると網膜裂孔になります。この穴に液化した硝子体が入ると網膜剥離になりますので、飛蚊症がおきたら、すぐに眼科医を受診してください。網膜に穴や弱いところがあれば、レーザー光線で網膜光凝固をします。
穴がなく、後部硝子体剥離が柔らかいものであれば、様子を見ます。硝子体には血管がないので、吸収されることはありませんが、周辺まで剥がれると、網膜までの距離が長くなりますので、飛んでいるものがぼけて、気にならなくなることが多いようです。
ですから、PVDはまず、1ケ月から3ケ月様子を見ます。
黄斑上膜が、剥がれた場合には、かなり厚い膜であることがありますし、視神経乳頭の周りのPVDがかなり固い場合には硝子体YAGレーザーで焼いて小さくします。あまりにも大きいPVDの場合は硝子体YAGレーザーでも焼けませんので、硝子体手術で除去することもあります。薄い濁りが気になる方は高濃度水素吸入で、脳の血流を増やし、抑制をかけることで、気にならなくすることもできます。
いずれにしろ、飛蚊症がでた場合には一度は必ず、眼科医の診察で散瞳検査をして、周辺までしっかり診てもらうことが大切です。飛蚊症と思っていたら、硝子体出血であったり、裂孔原性網膜剥離であったりして、すぐに硝子体手術が必要なことがあります。


