デフォーカス組み込み理論(Defocus Incorporated Theory:近視は、眼球の前方に焦点が合うことで網膜像がぼやけ、眼軸が伸びることで進行する。特に周辺網膜での後方デフォーカスが眼軸長の延長に関与していると考えられている)は、近視の進行を抑制するために考案された視覚理論で、特に眼鏡やコンタクトレンズの設計に応用されている。これは、網膜上の焦点の位置と眼軸長の成長との関係に着目したものである。

 網膜の前方に焦点がある「近視性デフォーカス(Myopic Defocus)」と、後方にある「遠視性デフォーカス(Hyperopic Defocus)」の違いが眼軸成長に影響を与えるとされる。近視性デフォーカスを利用している方法は1)DIMS(Defocus Incorporated Multiple Segments)、2)多焦点眼内レンズ、3)オルソケラトロジー、4)LASIK,PRKがあります。

 1) 近視性デフォーカスを意図的に周辺視野に与えることで、眼軸の伸長を抑制できるという考えでできた眼鏡です。レンズ表面に多数の微小な近視性デフォーカスセグメントを配置。中心部で通常の視力補正を行いながら、周辺部で意図的にデフォーカスを与える構造です。近視進行を約50%減少させたという報告もあります。中心部で視力矯正、周辺部で近視性デフォーカスを形成,認可されたのはHOYAのMiYOSMARTなどいくつかあります。

2)多焦点ソフトコンタクトレンズ:中心部で視力矯正、周辺部で近視性デフォーカスを形成、屈折値で32%。眼軸長で27%の抑制があると言われている。クーパービジョンのMiSightなどいろいろあります。マイサイト ワンデーは、近視進行抑制を適応としてFDAが最初に承認したワンデーコンタクトレンズです。ActivControl®テクノロジーにより、眼軸長の伸びと屈折異常の両方にアプローチします。2つの治療ゾーンが網膜の前方に焦点を合わせることで眼軸長の伸びを抑制し、2つの補正ゾーンが近視を矯正します。本製品は、近視進行抑制におけるソフトコンタクトレンズとして最長の臨床研究に支えられており、7年以上にわたり継続しています。世界中の2,300人以上の小児から得たデータに基づく研究では、近視進行の抑制における持続的な有効性を示されています。3年間の臨床試験では、「マイサイト ワンデー」を装用した子どもたちは、単焦点1日使い捨てコンタクトレンズを装用した子どもたちと比較して、近視の進行を1年間の平均で69%抑制し、3年間の平均で59%抑制することが示されています。*

3)オルソケラトロジー:4つのカーブをもったハードコンタクトレンズで夜間角膜を圧迫し、朝には中央はフラットになり視力が上昇し、5歳から可能、-6Diopterまで裸眼視力を上げることが可能です。眼鏡やハードコンタクトレンズなしに見えるし、周辺が近視性デフォーカスを表しますので、近視進行も抑制します。抑制率50~60%です。

4)LASIK,PRK:18歳以上の近視がある程度落ち着いている年齢で手術で、角膜の中央を削り、近視や遠視、乱視を矯正でき裸眼視力を上昇させます。周辺に近視が残るので、近視性デフォーカス効果もあります。一方、ICLは遠視性デフォーカスになりますので、近視が徐々に進行します。

 

 

近視は病気ではなく、進化の結果だという考えがありますが、-3Diopter(D)程度の軽度近視はともかく、-6D以上の高度近視は、緑内障、網膜剥離、黄斑変性症、近視性黄斑新生血管などいろいろな眼疾患のオッズが非常に高く、近視治療が近視進行抑制になりえます。LASIKやPRKは中央は正視で周辺は近視が残るため、近視性デフォーカスになるので、眼軸長延長抑制になります。一方、ICLは遠視性デフォーカスになるため、眼軸長延長になると言われています。オルソケラトロジーも夜間に特殊なHCLを装用することにより、昼間遠方は良く見えて、周辺が近視デフォーカスななるため、眼軸長を抑制します。MiSight(クーパービジョン社)の多焦点眼内レンズで回折構造で周辺が近視デフォーカスになりFDAで認可され3年間で近視進行を59%抑制したと言われています。日本でも本年の8月に厚生労働省の認可を受けました。近視管理用眼鏡レンズにあたる多分割眼鏡レンズのMiYOSMART(HOYA社)もレンズの周辺に多焦点セグメントを配置して2年間で55%の近視進行抑制があったと言われています。他にも低濃度アトロピン点眼で0.01%~0.025%の製品がでていますが、散瞳が20%以上にあり、大人には難しく、調節力のある子どもであれば可能と思われます。オルソ+低濃度アトロピン点眼や、MiYOSMART+低濃度アトロピン点眼がより有効ともいわれ、屈折矯正の新しい方法として、高度近視を減少させるという面でも有用であると思います。

ただ、もっとも重要なのは外遊びをしてバイオレット光や赤色光をあびて、脈絡膜の萎縮をを防ぐことが最大の近視抑制効果であるということを啓もうする必要がありますし、ネットでの購入を禁止し、眼科医が必ず介入することが必要と思います。

 近視は世界中で増え続け2050年には近視人口は49億人、強度近視は9.4億人(有病率9.8%)と言われています。

 日本では高校生の強度近視は2015年で16.6%ととんでもない数になっています。強度近視は、黄斑変性、網膜剥離、緑内障など失明につながるリスクが高くなりますので、近視の進行を食い止めるあるいは近視にならないようにするためにはどうすればよいかということを考えなくてはなりません。

 外遊びが眼にとって良いという考え方は、これまでにもたくさんありましたが、栗原らが、実際に動物実験などでバイオレット光を3時間マウスにあてると、眼軸長の伸びが抑制され、脈絡膜の厚みが維持されることが報告されています。(近視になると、脈絡膜は薄くなります)

 現在、近視のならないようにするためには、屋外での遊びや生活を推奨することが一番ですが、既に近視になっている人に対して、臨床的に有用とされる近視抑制率30~40%の治療法としては、オルソケラトロジー、低濃度アトロピン点眼、多焦点ソフトコンタクトレンズ、低照度赤色光治療、多分割眼鏡レンズ、低光線拡散レンズなど、いろいろなものが急激に承認されたり、実用化されています。今後、これらを詳細に紹介します。

 

体調を崩してから、久しぶりの遠方の学会参加でした。

土曜日の午前の外来終了後から、新幹線に乗り、大阪へ名古屋は雨でしたが、大阪は晴れていて28.5℃と暑かったです。最近は紙の抄録集などがないので、携帯で見ないといけないですが、パスワード、ログインIDを忘れたりで、一苦労、携帯で抄録は小さすぎて、見にくい。前もって印刷しておくべきでした。ホテルも取ったのが遅くて、会場に行くのも、会場行きのバス乗り場に歩くのが遠い、場所がわからない、万博と3連休初日で人が多すぎ、予定時間を大幅に遅れ、お目当ての多焦点眼内レンズ一般口演を聞くことができませんでした。

でも、アフタヌーンセミナー28光学的治療による近視進行の抑制の実力と実践、インストラクションコース20近視治療トータルコーディネートは何とか聞くことができました。

近視、屈折調節の専門家としては、どうしても勉強しておかなくてはいけない分野に間に合ってよかったです。

これについては、次回のブログでまとめます。

学会の後は夕食が21時に大阪で一番串カツが美味しい店といわれている凡が予約で来ていたのですが、時間が余っているので、一度行ってみたいと思っていたサンボアが近くにあったので、携帯を頼りに行ってみましたが、またしても、場所がなかなかわからず、ようやくたどり着きました。

サンボアは昔からのスタイルのカウンターは立ち飲みで、落ち着いたいい感じのバーです。お昼抜きでしたので、80gのローストビーフと白州のダブルのオンザロックを頼みました。若い人は来ないですね。

 21時に凡に行くと、知り合いの教授がお二人でいらっしゃって、丁度帰られるところでした。やはり美味しいところは皆さん知ってらっしゃる。帰りも北新地からホテルまで歩いて帰りましたが、その日の歩数は2500歩になっていました。

 学会最終日は加齢性黄斑変性症の一般口演を聞き、10時から、水素を緑内障の治療に使っていらっしゃる熊本の先生と水素の研究の疑問点と、研究の進め方の話をして、学会の閉会式にでて、今年の臨床眼科学会の主催が愛知医科大学でしたので、皆で記念写真を撮り、そのまま、船でユニバーサルスタジオに向かいました。途中から線状降水帯のような雨になり、屋根はありましたが、びしょ濡れになり、着替えて、会長招宴の会場へ、久しぶりにいろいろな先生とお話ができて楽しかったです。私は、途中で退席して、孫の土産を買い、人が多すぎたので、並ぶきもなく、どこにも入らず何も見ないで、難波経由で火の鳥に乗り、自宅に戻りました。

 久しぶりの学会は疲れました。

 ドライアイは眼科疾患で最も多い疾患の1つです。年齢とともに涙液分泌量は減少します。また、ソフトコンタクトレンズ(SCL)を使用すると、SCLが水分を吸着しますので、ドライアイがない人でも乾きます。また、近距離のデバイスを長時間凝視すると、瞬目数が減少し、涙の分泌量が減少します。また、夏の高温も、冬の乾燥も関係します。

 一般的にはまずは、保湿効果のある点眼で様子を見ます。涙の量が少ない場合、ヒアレイン点眼は1st  choiceですね。涙の量が少ない場合に使用します。0.1%と0.3%があります。防腐剤の入っていない、ヒアレインミニもあります。それで、ダメであれば、より、保湿効果の高いジクアス点眼液を処方します。涙の量は正常でも乾く場合はムチンが少ないためですので、ムチンの点眼であるレパミピドが有用になってきます。両方使用してもドライが治らない場合は,涙点プラグを使用します。涙点は涙が流れてゆくところですので、そこを止めることにより,涙が流れてゆきにくいため、ドライアイが治ります。他には、水素の吸入やゴーグルを使って、直接水素を角膜にあてるのも効果があります。

名古屋には信州、特に蓼科の野菜は入ってきません。美味しい野菜は首都圏にいってしまいます。ですから、蓼科に行くときは、原村や茅野の自由農園、中央実践大学の直売所などで、たくさん野菜を買って帰ります。ところが、今回、今までの店と全く違うとても良い直売所を見つけました。この店は、欧風料理アンファミーユのシエフに野菜が美味しいと話した中で、この店で野菜を買うと良いと教えてもらった直売所です。ビーナスラインのAコーポに近い、掘立小屋のようなお店で、裏が畑です。店主はとても若くイケメンですが、お話をすると、野菜に凄く愛情のある方であることがわかります。驚いたのは値段と野菜の大きさです。普通のブロッコリーの4倍ほどある巨大ブロッコリーが100円、大きな、曲がったイボイボのキュウリが80円、カボチャ、ナスはいろいろ種類があり、調理の用途に応じて勧めてくれます。UFOズッキーニは簡単に中がくりぬけ、中に肉詰めしてオーブンでやくと、面白いし,美味しいです。もう少し季節が早いと、トウモロコシやピーナツナッツカボチャ(これは、ピーナツバターの香りがします)があったのですが、残念です。そうそう、小さなフルーツトマトは100g80円で甘いだけでなく、トマト本来の味がして素晴らしいです。無添加のリンゴジュースも買いました。

市場では規格外のものは受け付けません。ダンボールに同じ大きさのものだけ、何個と決まっているからです。でも実際には大きなものの方が断然おいしいです。もう少し、規格外のものが出回るシステムになるとよいですね。

UFOズッキーニ

 昨日、火曜日、蓼科からの帰りは高速を使わずに、諏訪から杖突峠を通って、152号線を降りて高遠に下りました。

 高遠の商店街の無料駐車場に車を止め、高遠そばを食べようと、お目当ての店に行くと、店主が骨折で長期休業中とのこと、仕方がないので、くららと街を散策、13時半頃、小学生が近くの学校から帰るところでしたが、皆が、一人ひとり観光客の私たちに、こんにちわと声をかけていくではありませんか。昔は名古屋でも、そのような風景は当たり前でしたが。最近は、よっぽど知っている人への挨拶ぐらいでしょうか?

 高遠では、商店街のメインストリートにはどこも信号がなく、横断歩道がいくつもありますが、皆、きちんと手を上げて、車も必ず止まり、歩道を渡った子供たちは一人でも集団でも必ず運転手さんにお辞儀をしてありがとうございます。という挨拶をしていました。

 古き良き日本を見ているようで、嬉しくなりました。

 子供たちは、くららをみると、駆け寄ってきて、触ってもいいですかと聞いて、なぜなぜしてくれました。高遠の学校では、きちんと挨拶の仕方を教えているんですね。

心温まる一日でした。高遠の町が好きになりました。

 

多焦点眼内レンズは40年ぐらい前からありました。しかし、そのころの眼内レンズは単焦点も含めて自費で、眼軸長もAモードで測定し、乱視もなく、2焦点で、切開創もまだ、大きく度数ずれや、乱視によって、裸眼での見え方は十分ではありませんでした。

 でも、遠用眼鏡を処方すれば、遠くも近くもみえたので、同じ自費であれば、多焦点が良いという人がいらっしゃいました。最初の多焦点は3M社の3ピース回折型多焦点IOL「815E」とAMO社のArrayでした。Arrayがシリコン(SA-40N)になり、小切開で入れられるようになりましたが、1992年4月から眼内レンズが保険になり、多焦点を入れる人はほとんどいなくなりました。

多焦点が復活したのは、2008年4月からの先進医療に多焦点が選ばれたことです。自費であることは一緒ですが、民間の保険で、先進医療特約に入っている人は、無償で、多焦点眼内レンズが挿入できたものですから、かなりの数の多焦点が挿入されました。その頃は、眼軸長測定も光線追跡法になり乱視があり、2焦点、3焦点、屈折型、回折型といろいろ出てきて、裸眼視力も遠方、近方ともに1.0が当たり前になりました。もし、度数が合わなければ、LASIKやPRKで修正できますので、1年間に40万眼以上の多焦点眼内レンズ挿入が、全国で行われました。本来であれば、保険収載になりそうなものですが、そうなると、病的な目以外は100%多焦点になるため、6期12年、2020年3月で先進医療は終了となり、白内障手術は保険、多焦点眼内レンズは選定医療の自費になり、多焦点は急激に減少しました。日本人の、水と安全と医療はタダという感覚が今なお残ってると思います。

現在、多焦点は3焦点、5焦点、焦点深度拡張型、オーダーメイドとありますが、どれも遠くも近くも見えてほとんど差はありません。その人の生活習慣、何が大切なのかによって眼内レンズの種類を決めます。度数が合わない場合はLASIKやPRKにてタッチアップをして度数を合わせます。

 

 

  10月7日で70歳(私と同い年)のヨーヨーマのチェロリサイタルが愛知芸術劇場 コンサートホールで開催されました。

  父親が作曲家であり指揮者、母親が声楽家、両親は中国を離れ、パリにわたり、ヨーヨーマが生まれ、7歳の時にニューヨークに移り住む。4歳で父親からチエロを習い、毎日、バッハ無伴奏チェロ組曲第一番を1小節づつ引きおぼえ、40日で引けるようになったと言われています。7歳でジョン・F・ケネディの前で演奏し、8歳でレナード・バーンスタイント共演、ジュリアード音楽院でレナード・ローズから「君に教えることはもう何もない」と言われ、コロンビア大学をへてハーバード大学で人類学の学位をとった。

ヨーヨーマは卓越した演奏力だけでなく、いろいろな分野の人とコラボして、坂東玉三郎とのコラボもやったようです。

国際親善にも力をいれ、国連平和大使も務めました。覚えていますか?サントリーローヤルのCMにヨーヨーマ演奏のリベルタンゴが使われ、その曲が日本で大ヒット、一躍、日本でも有名になりました。

 バラク・オバマ大統領、バイデン大統領の前でも演奏していますが、けっしてトランプ大統領の前では演奏しないでしょう。

なぜなら、トランプ大統領のメキシコへの国境への壁建設に対して「文化は橋をつくります。壁ではありません」という言葉を2019年テキサス州とメキシコをつなぐ橋の前でバッハ無伴奏チエロ組曲を演奏しながら語ったのです。彼がトランプから迫害されないことを祈るばかりです。

 今回の演奏会でもバッハ無伴奏チェロ組曲が3つも演奏されました。彼のこの曲に対する愛着がわかります。

演奏後のカーテンコールが鳴りやまず、アンコール曲はマーク・オコーナーのアパラチア・ワルツとカザルスの鳥の歌でした。

余韻に浸りながら、愛犬の待つ家路に車を走らせました。

 

今年は、70歳の為、津高校の古希同窓会、三重大学附属中学の古希同窓会と続きました。

同窓会に出て、驚くのは恩師の先生のお元気なことです。皆さん80歳後半から90歳前半の方が生き生きとしていらっしゃるのには、びっくりします。この年になると、多くの同窓生が、旅立たれていますので、恩師の先生方の元気さには驚かされます。

私にとっては、中学時代は想い出がいろいろあり、戻りたいとすれば、中学時代です。

先生は、皆教え方が上手でしたし、クラブ活動もバレーボール部、科学部、天文部、写真部といろいろなことができて、生徒会活動もやり、あっという間の3年間でした。その頃の仲間の顔も会った時は、白髪や体つきの変化でわからなかったのが、30分もすると昔の顔と同じになります。我々3年D組は男11名、女9名、全体では80名ほどでしょうか?皆、孫との付き合いの大変さ、病気自慢、仕事を続けている人、退職した人も共に、充実した人生を感じさせます。1次会、2次会、3次会とでて、13時~19時頃まで、和気あいあいと過ごしました。後は、大学の同窓会ですね。こちらは、年齢層が広いので、どうなるのでしょうか?

1年前心不全で死にかけた者として、今後、いつ会えるかもしれない人たちとのつかの間の交流は楽しい時間でした。