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悪魔という救い

悪魔払いの歴史。悪魔は人間のためにつくられ、人間を救った。映画「エクソシスト」「エミリーローズ」「尼僧ヨアンナ」をテキストに。

【つまみ読みにGOOD】 2008年
悪魔という救い (朝日新書 (098))/菊地 章太

テレビ進化論

良書。通産官僚OBによる。テレビ・映画・コミックその他制作物を「コンテンツ」と呼ぶようになった今日において、あらためてテレビなり映画なりコミックを、デジタルによる流通を視座に組み込んで捉え直す書籍。読みやすく、守備範囲も広範で、それでいて整理されており、書籍の構成もいい。

NTT出身である慶應大学の国領二郎は『パケット定額制の携帯電話で、Skypeができたらいいよね』と語るが、それは当の電気通信事業者にしたら地獄である」 その地獄がiPhoneでやってきた。

【通勤用にGOOD】 2008年
テレビ進化論 (講談社現代新書 1938) (講談社現代新書 1938)/境 真良

日本を降りる若者たち

タイにこもる(外こもり)若者たちルポ。漢語が多いわけでも、言い回しが難しいわけでもないのだが、異様に読みにくくて途中でやめる。

【読みにくい】 2007年
日本を降りる若者たち (講談社現代新書)/下川 裕治

ユダヤ人 最後の楽園

アインシュタインはじめノーベル賞を席巻した、ワイマル共和国のユダヤ人(人口の1%に過ぎなかった)とその時代。

ロシアにおけるポグロムによってユダヤ人が流入、それにともないボルシェビキズム(ユダヤ人のトロツキーの活躍)への脅威、WW1後にバイエルン王国の首相にユダヤ人社会主義者クルト・アイスナーが就任(後に暗殺)、ポーランドからユダヤ人革命家ローザ・ルクセンブルグがやってくる…共産主義の脅威とユダヤ人の流入がドイツ民族主義を喚起していく。(ロシアで捏造された「シオン長老の議定書」はまさにそのアイコン)

カトリック中央党が「カトリック教会の権利に対する不可侵の保障」などの口約束に乗せられて「全権委任法」に賛成。このヘンは同じ著者の「ローマ教皇とナチス 」(文春新書)に詳しかったか。林健太郎の「ワイマル共和国 」(中公新書)と併せて読みたい新書。

【通勤用にGOOD】 2008年
ユダヤ人 最後の楽園 (講談社現代新書 1937)/大澤 武男

ケータイ世界の子どもたち

リテラシーリテラシーと言うけれどもそれでは大人vs子供となる。
大人vs大人・子供とせねばなりませんね…という書籍。

【総花】 2008年
ケータイ世界の子どもたち (講談社現代新書 1944) (講談社現代新書 1944)/藤川 大祐

ラブホテル進化論

「ラブホテルの歴史っていうのは、装置産業、設備産業としての進化の歴史でもあります。家庭用として普及する前に、高価だけれどもみんなが持ってみたいものというのが、まずラブホテルに導入されたという経緯があるんです」(27頁 ホテル経営者・西村貴好)

(感想)
・ びみょーに古くさい文体。90年代前半の別冊宝島な感じ。
・ 第二章「ラブのシグナル」はかなり面白い。
  建築デザイナーやコンサルタントのプロの矜持がほとばしっている。
・ 第三章「ラブホテル必須アイテム」も、空間演出のキモである過剰の追求に
  日本人の創意工夫・技術転用の性分をみる。

著者の卓見なるものが見えてこず、業界に生きるひとの言葉の強さでなり立っている。卒論用の研究ということで、ラブホテルとの距離感がものたりなさの要因かとは想うが、著者のとどまらない好奇心であるとかそういうものがないもんだからか。

【読み方を変える(ビジネス本etc)と面白いかも】 2008年
ラブホテル進化論 (文春新書 620)/金 益見

生物と無生物のあいだ

behavior 物質のふるまい方の話の進め方が面白かった。

【それほど売れるものかと】 2007年
生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)/福岡 伸一

高校野球「裏」ビジネス

高校野球で喰うニンゲンがいるのだから、そりゃ松井の連続敬遠は「プロ」指導者にすれば当然か。
煽りのない冷静さが全編を貫くけれども、もうちいと著者の主観でもってまとめて欲しいところ。

【煽りのない書籍】 2007年
高校野球「裏」ビジネス (ちくま新書 711)/軍司 貞則

本と映画の「70年」を語ろう

滝田修関連
・「マイバックページ」を山下敦弘が映画化。
・新右翼も滝田修を信奉。
・滝田修の逃亡を右翼指導者・青木哲が手助け。
・鈴木邦男「最初は『あの伝説の革命家だ』って思ったんですけど、だんだんとただの酔っはらいじゃないかと…(笑)」 
・現在はテレビ関係の制作会社の仕事らしい。

ちょっといい話。
アルドルッチの「ロンゲストヤード」、最後のクレジットで謝辞「この映画で刑務所の撮影許可をしてくださったジョージア州知事ジミー・カーターに感謝する」。(反体制映画には公的な支援をするなというバカへの皮肉で紹介される逸話)

ちょっとひどいのが…
競馬の天皇賞に 川本「右翼の人は怒らないんですか」 鈴木「怒るべきでしょうね。相撲ならいい。それにギャンブルじゃなきゃいいと思うんです」 川本「じゃあ、戦前からあるんですね。戦前も『天皇賞』という言葉が許されていたんですか」 鈴木「天皇の名のもとに、いろんなことをやれたんでしょう」

これに対して何の註釈もない。「天皇賞」の名称は戦後から。天皇と馬産の関係も知らない。

このようにただ二人の話を活字に起こしただけ。

週刊SPAの福田和也・坪内祐三の対談のように、大量の註釈がついてしかるべき内容でありながら、ひとつとして註釈がない。フリー編集者の高橋あづさん、朝日の書籍編集長・岩田一平さんは、どうかしている。

【話のネタ本にGOOD】【とにかく手抜きの書籍】 2008年
本と映画と「70年」を語ろう (朝日新書 110)/鈴木邦男・川本 三郎

ケータイチルドレン 子どもたちはなぜ携帯電話に没頭するのか?

webで読める方々のコラムで充分の内容。

【わざわざ読む程のものではない】 2008年
ケータイチルドレン 子どもたちはなぜ携帯電話に没頭するのか? (ソフトバンク新書 71)/石野 純也