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9・11ジェネレーション

アメリカの名門高校に留学中の日本人による、9.11。

母国を愛することと政府決定を受け入れることを
混同してしまうのは、単なる思考停止ではないだろうか」(124)

近頃の2ちゃんねるバカは、愛国心が政府愛・自民党愛に
昇華している。

【つまみ読みにGOOD】 2004年
岡崎 玲子
9・11ジェネレーション―米国留学中の女子高生が学んだ「戦争」

真珠湾<奇襲>論争

ルーズベルトの陰謀論に対する反証。

ルーズベルトの陰謀論-真珠湾攻撃をわざわざ受けた-は
米国の書籍に勇気づけられて、それを日本人が「ほら見ろ、アメ
リカ人も認めている」という構図であることがわかる。

UFOと同じです。

【話のネタ本にGOOD】 講談社選書メチエ 2004年
須藤 眞志
真珠湾<奇襲>論争 陰謀説・通告遅延・開戦外交

同時代も歴史である 一九七九年問題

イラン革命の年ですが、同じ頃アメリカの大統領はカーター、日本の首相は
大平正芳で、二人ともクリスチャン、イスラエルではユダヤ教色の強いリクー
ドが政権をとり、またヨハネパウロ2世が登場し……
同志社の村田教授は「アメリカ外交 」の中で、このあたりを一神教復活と書い
ていたのでした。

という訳で、一神教復活の時期を巡る書籍と思いきや、そうでもなくて。
またそのあたりを意識もせずに、坪内の知識の披露が続くのです。

【期待はずれ】 2006年
坪内 祐三
同時代も歴史である 一九七九年問題

中国艶本大全

読み通すと疲れる。第七章がおすすめ。

【少しずつ読みましょう】 2005年
土屋 英明
中国艶本大全

寺山修司

・最晩年の寺山、裏ビデオの「洗たく屋ケンちゃん」を見たがっていた。(241)
・「マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや」、大学の
 同級生・山田太一が<日活映画みたいな気がして「何だかメロドラマみたいな
 短歌だね」>。
・寺山が好んだ「去りゆく一切は比喩にすぎない」は、シュペングラーの言葉と
 寺山は最後まで思いこんでいたが、実際はシュペングラーがゲーテの「ファウ
 スト」から引用したもの。(123)

モンタサンについての件で
私が、不運の一族に賭けるのは、それがまさに賭けに値するからで
あって、ただの意地ではない。それは自然を否定し、偶然の中に「神話」
ならぬ、「人話」を生みだそうとする、私自身の競馬の思想でもあるのだ。
(265-236)

寺山にオグリキャプを見せたかったという人は多いが、私は寺山には
横山典弘こそ見せたいのである。

寺山が好んだネルソン・オルグレン「朝はもう来ない」の訳者・宮本陽吉は
この小説を「ハエだらけの散髪屋、西日の照りつける路地、神父気取りの警官、
鍵のない娼婦の部屋……表通りを歩いているかぎり目につかないシカゴを、
正直に愛情をこめて映し出してみせた。」と書いたとある。名文である。

【通勤用にGOOD】 2006年
高取 英
寺山修司

松本清張と昭和史

松本清張の「昭和史発掘」と「日本の黒い霧」評。

「昭和史発掘」は大正時代の事件が含まれるが、それはその事件を
糸口に二.二六事件に収斂されていき、昭和史を浮かび上がらせる
ためであった。そのため「佐分利公使の怪死」にような、年譜にさえ
記されない事件を敢えて扱っている。

「日本の黒い霧」は主流のGS(民政局 ホイットニー、ケーディスら
ニューディーラー)と、まきかえすGⅡ(情報第2部 軍人で反共主義)、
この構図からくる史観。

【通勤用にGOOD】 2006年
保阪 正康
松本清張と昭和史

おんなの浮気

「『人妻』の研究」などに比べると題材がつまらない。

【読むほどのものではない】 2006年

堀江 珠喜
おんなの浮気

江戸のナポレオン伝説

鎖国の中で、オランダはナポレオンの存在をどうにかはぐらかそうとし、
日本の知識人はなんとか聞き出そうとする。
そうして徐々にナポレオンが日本人に知られていく。

思うに幕末から明治という時代は、ナポレオンを読んだ人々によって
開かれた。吉田松陰しかり。佐久間象山しかり。徳川慶喜しかり。
西郷隆盛、またしかり。」「結局、ナポレオンは幕末の日本人にとって、
長崎という小さな鍵穴からのぞき見た大いなる、実に大いなる幻影」と
著者は結ぶ。

【話のネタ本にGOOD】 1999年
岩下 哲典
江戸のナポレオン伝説―西洋英雄伝はどう読まれたか

イスラーム世界の女性たち

サウジアラビアで女性の自動車の運転禁止に抗議し、女性47人が運転、
逮捕される。女性達は「預言者ムハンマドの時代に主要な交通手段だった
ラクダに、当時の女性たちは乗っていたのですから」とそのデモ以前に
リヤドの知事に嘆願書も送っていた。
逮捕された女性達はサウジの法律で認められている国際免許を所持して
おり、「コーラン」に女性の車の運転の禁止を示唆する箇所もなく、放免される。

このエピソードが面白かった。

【つまみ読みにGOOD】 2002年
白須 英子
イスラーム世界の女性たち

中国・アジア・日本

普通の本。
2ちゃんねる内で信じられている、上海万博後に中国は崩壊する
うんたらかんたらというようなエキセントリックな内容ではないという
意味で。

【つまみ読みにGOOD】 2006年
天児 慧
中国・アジア・日本―大国化する「巨龍」は脅威か