寺山修司 | 中央線で読む新書

寺山修司

・最晩年の寺山、裏ビデオの「洗たく屋ケンちゃん」を見たがっていた。(241)
・「マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや」、大学の
 同級生・山田太一が<日活映画みたいな気がして「何だかメロドラマみたいな
 短歌だね」>。
・寺山が好んだ「去りゆく一切は比喩にすぎない」は、シュペングラーの言葉と
 寺山は最後まで思いこんでいたが、実際はシュペングラーがゲーテの「ファウ
 スト」から引用したもの。(123)

モンタサンについての件で
私が、不運の一族に賭けるのは、それがまさに賭けに値するからで
あって、ただの意地ではない。それは自然を否定し、偶然の中に「神話」
ならぬ、「人話」を生みだそうとする、私自身の競馬の思想でもあるのだ。
(265-236)

寺山にオグリキャプを見せたかったという人は多いが、私は寺山には
横山典弘こそ見せたいのである。

寺山が好んだネルソン・オルグレン「朝はもう来ない」の訳者・宮本陽吉は
この小説を「ハエだらけの散髪屋、西日の照りつける路地、神父気取りの警官、
鍵のない娼婦の部屋……表通りを歩いているかぎり目につかないシカゴを、
正直に愛情をこめて映し出してみせた。」と書いたとある。名文である。

【通勤用にGOOD】 2006年
高取 英
寺山修司