SUNTORY WHISKY
CREST
AGED 12 YEARS
 
サントリーウイスキー
クレスト12年
 
 
産地:日本 大阪府
原料:モルト、グレーン
容量:700ml
アルコール:43%
希望小売価格:4480円
 
 
色:琥珀色
トップノート:4
アタック:4
香り:モルト、ハチミツ、こけ、ハーブ、シャルドネ、バーボン
味わい:黒蜜、モルティ、山椒、マスカット
アルコール感:3
ピート感:1
 
 
 
総評:3.3
 
 
 
■ サントリーウイスキークレスト12年について
 
サントリーウイスキークレスト12年は、1989年にサントリー創業90周年を記念して作られたブレンデッドウイスキーです。
もう一つ創業90周年を記念して誕生したのが「響マーク」みたいですね。
クレスト12年は酒齢12年以上のモルトウイスキーを20数種類と、同じく12年以上熟成されたグレーンウイスキーがブレンドされています。名前の由来は紋章、頂点、最上のものという英語から付けたみたいですね。
発売当初はキャップボトルでしたが、1991年からはこのデキャンタボトルに代わりました。
同時期に売られていたサントリーローヤル12年よりランクは上位扱いで、次いで響ウイスキーになるようです。
ほどなくしてサントリーローヤル15年が販売されたみたいですね。
そして2006年にクレストは終売になりました。
 
 
 
■ テイスティングノート
 
香り立ちは複雑さをまとったハーブのようなフローラル香。
奥からハチミツのような淡い甘み。
こけのような蒸れた香り立がするのでピーティー原酒も含まれてるでしょう。
ほのかにバニラやシャルドネの香りも立ち、全体的にはバーボン樽の比率が高いようなドライな香り。
12年ものですがアタックは強めに出ていますね。
 
味わいは口当たり滑らかでファーストタッチは黒蜜の薄い甘み。
樽由来のスパイスは程よく山椒のような痺れ。
優しい余韻の味わいはほんのり酸味あり、ほんのり苦くフィニッシュ。
鼻に抜けるアルコールにミズナラの熟成香を感じますね。
 
 
 
■  クレスト12年の考察
 
裏ラベルにも書いてあるとおり、クレストはサントリーのウイスキー貯蔵が常に160万樽もあった時代のウイスキーになりますね。ウイスキー暗黒期の2000年代になると貯蔵樽は半分の80万まで減らし、今現在、原酒不足に陥っているのは周知の事実だと思います。
なので長期熟成原酒をふんだんに使えた時代の古酒扱いのサントリーウイスキーは市場でも人気が高いですね。
これは職場の先輩からテイスティングしていいよと借りたものです。いつもありがとうございます!半分飲んじゃいますね!
 
 
ウイスキー通がよく言う用語で[ヒネてる]とは、漢字で[陳ねてる/老成てる]と書きますが、これは難読漢字に当たる漢字で、読みにより意味が変わる言葉らしいです。

[老成=ろうせい]と読むと『経験を積んで熟達している、大人びている』という良い意味ですが、[ヒネてる]と読むと『古びている、古臭い』という意味になるみたいですね。

ちなみに今は[陳ね]が使われるらしいですが、これも常用漢字ではないのでパソコンの変換に出てこないみたいですよ。

てかヒネてるって実際何を差す味なんすかね??

 
 
 
 
 
EVAN WILLIAMS
AGED 12 YEARS
101 PROOF
KENTUCKY STRAIGHT
BOURBON WHISKEY
 
産地:アメリカ ケンタッキー州
原料:グレーン、モルト
容量:750ml
アルコール:50.5%
樽構成:アメリカンオーク
小売価格:750ml / 3800円
 
 
色:カラメル色
トップノート:3
アタック:4.5
香り:溶剤、ハチミツ、アーモンド、バニラ
味わい:ハチミツ、シュガートースト、スパイシー
アルコール感:4.5
ピート感:2
 
 
 
総評:4
 
 
 
■ エヴァン・ウィリアムスについて
 
エヴァンウィリアムスはケンタッキー州ルイヴィルにあるヘヴンヒル・バーンハイム蒸留所にて作られています。
元々はバーズタウンにヘヴンヒル蒸留所はありましたが、1996年に火災にあい蒸留所は全焼し、3キロ以上もウイスキーが流れ出て「火の川」といわれるほど酷い火災だったみたいですね。火災の原因は落雷とされ、死傷者はゼロという従業員全員が無事避難が出来たみたいですね。
1470万リットルが流出し建屋は全損。被害総額は32億円(当時円相場108円)になるみたいですね。
そして1999年にルイヴィルのバーンハイム蒸留所を買収し、ヘヴンヒル・バーンハイム蒸留所にしたみたいですね。
一日に生産される蒸溜量はおよそ21万リットルで、ウイスキー保有は世界2位みたいですね。
バーズタウンのヘヴンヒル蒸留所跡地は体験施設のエクスペリエンスとして稼働してるみたいです。
 
ヘヴンヒル蒸留所では多くのウイスキーブランドを製造してるみたいですね。
 
・ ヘブンヒル (Heaven Hill) 製造販売
・ バーンヘイムオリジナル(Bernheim Original)製造販売
エヴァンウィリアムス (Evan Williams)製造販売
・ エライジャ・クレイグ (Elijah Craig)製造販売
・ ヘンリーマッケンナ (Henry McKenna) 製造販売
・ ジョンハミルトン (John Hamilton) 原酒
・ オールドフィッツジェラルド (Old Fitzgerald) 製造販売
・ J.W.ダント (J.W. Dant) 製造販売
・ J.T.S.ブラウン (J.T.S. Brown)製造販売
・ ファイティングコック(Fighting Cock)製造販売
・ メローコーン(Mellow Corn)製造販売
・ T.W. サミュエルズ(T.W. Samuels)製造販売
・ パーカーズ・ヘリテイジ(Parker's Heritage)製造販売
・ ウィリアムヘヴンヒル(William Heavenhill)製造販売
・ リッテンハウス(RittenHouse)製造販売
 
まだまだあるみたいですよ!!
 
 
 
 
 
■  テイスティングノート
 
香り立ちはバーボン特有の化学合成溶剤。
バニラ香と奥からハチミツの甘みが漂います。
強アルコールもありアタックは強めにでますね。
そのため12年バーボンの熟成具合はあまり感じません。
 
味わいは口当たりピリッとスパイシー。
ハチミツのような甘みは樽由来の渋みとともに複雑さをまといます。
ローストしたシュガートーストの焦げと甘み、それと同時にバーボンの熟成香が鼻を抜けていきます。
辛めのスパイスが中盤から押し寄せ余韻まで長く残ります。
濃い甘み成分が喉に残りフィニッシュ。
 
 
 
■ おわりに
 
このエヴァンウィリアムス12年は旧ボトルで、2022年1月にボトルデザインとラベルが変わったみたいですね。
しかし輸入元のバカルディジャパンのHPでは今現在も旧ボトルのまま商品紹介されてます。
なので味わいは全く変わって無いんじゃないでしょうか。
旧ボトルが終売となったときに買い占めが頻発したので、そのあおりを今も受け継いでいるのかネットでも店頭でも売り切れてしまうみたいです。
まあ確かにバーボンウイスキーが12年熟成101プルーフで4000円台の値段は超破格ですからね。
味わい深くコクも濃いめの長期熟成のバーボンなので売り切れはもともと人気だからという理由もあるのかもしれませんね。
 
 
 
 
 
 
THE MACALLAN
18 YEARS OLD
SHERRY OAK CASK FROM JERES,SPAIN
ANNUAL 2017 RELEASE
 
HIGHLAND SINGLE MALT
SCOTCH WHISKY
 
NATURAL COLOUR
 
産地:スコットランド ハイランド地区
原料:モルト
容量:700ml
アルコール:43%
樽構成:シェリーオーク樽
希望小売価格:700ml / 30,000円
 
 
色:珈琲色
トップノート:4
アタック:3
香り:トフィー、マジパン、ウッディ、アニス、リンゴのコンポート
味わい:あんず、熟した巨峰、ミルクチョコ、アカシアハチミツ、スパイシー
アルコール感:3
ピート感:0
 
 
 
総評:4.2 / 5
 
 
 
■ ザ・マッカランについて
 
スペイサイド地区にあり、当時言い伝手だけでマッカラン教区とまで名が知れたウイスキーの名門「ザ・マッカラン」。
現在ではその不動の人気から蒸留所は増設され、ポットスチル24基の総容量は3600リットルになりました。
樽は植林から製樽まで行いシェリーカスク専門ブランドとして一貫して製造しているのもマッカランの特徴ですね。
2017年にダブルカスクという事なる樽のカスクメイツに挑戦し、伝統なレシピのこだわりから革新へとシフトチェンジしたことも話題になりました。
全てのボトルがカラメル粉で色調を整えないナチュラルカラーであるため、原酒や樽の熟成された味わいが堪能できるのがマッカランの良さでもありますね。
 
 
 
■  テイスティングノート
 
香り立ちは重めの芳香が芳醇さと複雑さをまとい漂います。
トフィーやマジパンのような小麦やカラメル菓子の甘み。
若干リコリスも覗きウッディさを感じます。
弱いスパイスはアニスシードの香り。
りんごを煮詰めた芳醇さが特徴的です。
 
味わいは口当たり柔らかくオイリー質。
それと共に果実酒の酸味と、奥から覗くのは年月を抱えたリコリスの風合いが実に芳醇です。
スパイシーさもハッキリ見えたかと思うとゆっくりフェードアウトして、次の一口をいざなうようです。
フィニッシュはかなり切れが良いと感じました。
まろみ豊かな熟成はシングルモルトのロールスロイスの一歩手前。
 
 
 
■ おわりに
 
さすが「ザ・マッカラン」。
43%でここまでの芳醇さを示したのは、シェリーカスク老舗の本領発揮ともいうべきブレンドです。
リコリス感は魅せたいのではないかなと思わせるカスクメイツ。
全体的には「香ばしさ」を表現しようとしたシングルモルトなのではないかと思いました。
 
マッカラン蒸留所のマスターディスティラーを務めるニック・サヴェージ氏によると、本場スコットランドのマッカランファンは手持ちのマッカランコレクションで何を残しますかというとみんなが「18年」と答えると言います。
それくらいマッカラン18年はザ・マッカランの「顔」であることは明白なんですね。
18年を飲まずしてマッカランは語れないということでしょう。
しかしながらマッカラン18年は希望小売価格が2022年4月まで30,000円で、2024年では40,000円まで値上げしています。
世界的なウイスキー需要と資材高騰のあおりなので致し方ありませんし、人気で品薄なため小売店ではさらにプレミアム価格での販売になっていますね。
たかだがウイスキーに数万円の価値があるのかという価値観の葛藤もあると思うので、そう簡単に手に入れたり飲んだりすることが難しいと思います。
バーだとマッカラン18年は30ml 4~5,000円くらいらしいので一杯だけでもテイスティングしてみるのがいいかもしれませんね。
 
このマッカラン18年は流石に自力では入手が出来ないので、ウイスキー先輩にブログネタに貸していただきました。
ありがてー凝視音譜
60ml飲んでいいよとのことなので有難くテイスティングさせていただきました。感謝感謝です飛び出すハート
しかも2017年リリースの貴重なボトルです。
これは毎年リリース年が書かれてるのでしょうか?
数年に一回出すとかじゃないですもんね無気力はてなマーク
 
 

 

 

 
LOCH LOMOND
10 YEARS OLD
SINGLE MALT SCOTCH WHISKY
ー INCHMURRIN EXCLUSIVE CASK ー
1ST FILL LIMOUSIN OAK HOGSHEAD
UNPEATED・NATURAL COLOUR・CASK STRENGTH・NON-CHILL FILTERED
 

蒸溜年:2011年

瓶詰:2022年

産地:スコットランド
原料:モルト
容量:700ml
アルコール:64.2%
樽構成:1stフィルリムザンオーク
市場価格:700ml / 9800円
 
 
色:べっこう飴色
トップノート:4
アタック:5
香り:りんごコンポート、パイナップル、プラム、木材
味わい:カヌレ、ハチミツ、ペッパー、山椒
アルコール感:5
ピート感:1
 
 
 
総評:3.5 / 5
 
 
 
■ ロッホローモンド インチマリンについて
 
このロッホローモンドデカ文字現行ラベルの前は、ロッホローモンドが作る「インチマリン」というブランド名で販売されていたみたいです。
2021年に「ロッホローモンド インチマリン」と改称されました。
ブランド名からロッホローモンドの種類別ウイスキーになったみたいですね。
インチモーンも同じですね。
インチマリンはライトフルーティーで、インチモーンはピーテッドになります。
 
 
 
 テイスティングノート
 
香り立ちはフルーティーさがありパインやリンゴのコンポート。
ドライにプラムの重めの香り。
樽の木材感。
とにかくアタックは強めで鼻を刺すほど。
 
味わいは口当たりは柔らかくファーストタッチはハチミツの甘み。
カヌレのような洋菓子の風味。
アタックは2陣で現れ、樽由来の痺れるスパイスが余韻まで長く残ります。
 
 
加水  総評4/5
 
カスクストレングスは64%ほどの強アルコールなので3mlの加水をします。
香りはアタックは多少抑えられ、ドライフルーツ、カヌレの香り。
樽のえぐみさが消えました。
味わいもアタックは抑えられ飲みやすく。カヌレの甘み、スパイシーさがより鮮明に清々しくピンクペッパーを噛み砕いたよう。若干のえぐみは覗いてくるが心地よい。
 
 
ハイボール  総評1/5
 
ハイボールではゴム感が強くなります。
あまり飲めたものではありません。
シングルモルトでハイボールは勿体無いですね。
 
 
 
■  おわりに
 
10年の若さか、カスクストレングスの強烈なアルコール感か、そのため熟成度合いは味わいでは測りかねます。
とにかく無加水はアルコールが強烈ですし、味わいの濃さはストレートで嗜む領域を超えています。
加水によりアタックが抑えられ、よりファーストフィルのリムザンオークの本領が図られました。
アルコールの強さが引けた分、スパイシーさが倍増するような飲みごたえになります。
 
しかしながらアルコールも60%を超えるウイスキーとなると飲み方がかなり難しいように思えます。
ウイスキーのストレートはアルコール45%以上55%未満がベストマッチなのかなと考察しています。
まだまだ勉強が必要ですね。
 
この「Y's cask」は、輸入元の都光のオリジナルブランドで同社が独自に買い付けを行い商品化させたものみたいですね。
 
 
 
 
BLACK BOTTLE
- ALCHEMY SERIES -
EXPERIMENT #2
ISLAND SMOKE
 
BLENDED SCOTCH WHISKY
NON-CHILL FILTERED
 
産地:スコットランド
原料:モルト、グレーン
容量:700ml
アルコール:46.3%
樽構成:不明
小売価格:700ml / 3500円
 
色:べっこう色
トップノート:3
アタック:4
香り:燻製、磯香、柿、プラム
味わい:燻製、モルティ、フルーツ酸、ピンクペッパー
アルコール感:4
ピート感:3.8
 
 
 
総評:3.3
 
 
 
■ ブラックボトルについて
 
ゴードン・グラハム社が販売する「ブラックボトル」は、1897年に紅茶の専門販売を営んでいたグラハム一家が、顧客サービスにウイスキーを提供したことを起源となってるみたいです。
当時のレシピはあるみたいですが、会社の所有権が代わる代わる変わっているので権利の関係で当時の原酒構成には戻れないみたいです。今は同じレシピの蒸留所が大人の事情により集められないという事ですね。
そんな中1995年にハイランド・ディスティラーズ社が当時の味わいを再現しようとしたらしいです。
ちょうどアイラのブナハーブン蒸溜所を所有していたので、ブナハーブンをキーモルトに7種類のアイラ原酒をブレンドに至ったみたいです。その7種類はブナハーブン、ボウモア、ラフロイグ、ブルックラディ、アードベッグ、ラガヴーリン、カリラとなります。
そして2003年にバーンスチュワート・ディスティラーズ社がブナハーブンとブラックボトルを買収したことにより、レシピも変わり同社が所有するトバモリー、レダイグとディーンストンの原酒がブラックボトルにブレンドされているみたいですね。
ちなみに2013年にバーンスチュワート社は南アフリカの大手飲料メーカー、ディスティル社に買収され合資会社となってるみたいです。買収額は1億6000ポンドで約243億円(2013年為替152円計算)。
 
 
 
■ テイスティングノート
 
香り立ちは燻製と磯の香りが漂い、フルーティーさは柿のようなほのかな甘み。同時にアルコールのアタックが刺さります。
熟成は全体のバランスを呈して奥に感じられます。
 
味わいは口当たりのファーストタッチはピンクペッパーの酸味あるスパイス。
燻製のスモークが口中に広がり、パインのような独特のフルーツ酸があります。
余韻は先のスパイスが最後まで長く残ります。
 
アルコールが46%もあるのでストレートでの飲み応えも十分です。
 
 
 
■ ブラックボトル アイランドスモークの考察
 
2021年に誕生したアルケミーシリーズはアルコール46.3%の4種類が発売されています。

 

    
アルケミーシリーズ
  #1:ダブルカスク(赤)
  #2:アイランドスモーク(緑)
  #3:アンディーンオーク(紫)
  #4:スモーク&ダガー(青)
 
今回#2のアイランドスモークはWWA(ワールドウイスキーアワード)2022年の最高金賞を受賞しています。
そのためかなり期待していたのですが、正直、ん?といった味わいでしたね。
普通においしいウイスキーですが、ボトルで買うほどでもないという味わいです。
アイラ原酒とはいえ、さほどスモーキーでもないので、これを買うならカティーサークプロヒビションを買ったほうがいいと思います。
他のブラックボトルもベース原酒は同じだと思うのですが、ちょっと悪しき経験則になりそうですね。