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林ご夫妻上海到着

 

上海もすっかり秋らしくなった。10月のある日、俺は上海虹橋(ホンチャオ)空港の2階、国際到着ロビーにいた。林元専務の顔はもちろん知っている。だから、「熱烈歓迎」の紙を掲げるような派手な出迎えはいらず、到着ロビーでひとり、林社長夫婦を待っていた。


しばらくすると、懐かしい顔の男性と小柄で上品な女性が姿を現した。「林社長、お待ちしておりました。」俺が声をかけると、林社長はにっこりと笑って言った。
「おお、山本!久しぶりだな。紹介しよう、こちらは妻のヤス子だ。」
「山本さん、はじめまして。2日間、どうぞよろしくお願いします。」
奥様は上品な笑顔でそう言った。俺は笑顔を返しつつ、「ようこそ上海へ!車を待たせておりますので、そちらへまいりましょう。」と案内を始めた。

 

虹橋空港の2階から、謝さんが待つ駐車場へ向かおうとしたその時、ただならぬ雰囲気が漂ってきた。到着出口にはタクシーを拾おうとする人々が長蛇の列を作っていたが、その中でひときわ目立つ騒ぎが。
 

「なんで乗せんとねー!あんた、ふざけとっと?」
振り返ると、一人の女性がタクシー運転手と大声で揉めている。最初は、上海の若い女性が喧嘩でもしているのかと思ったが、耳を澄ますとどうも違う。九州弁――いや、間違いない、日本人だ。それも、九州から来た女性らしい。

 

このブログの内容はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 

林、元専務

 

さて、話は半年ほど飛んで、1997年の秋。ようやく上海での生活にも慣れてきた頃のことだ。
俺宛てに人事部の上釜副部長から電話がかかってきた。


「ニーハオ、仮面ライダー。中国でも元気か?」
「はい、おかげさまで元気にやっております。」
「そうか、それは何よりだ。ところで、ちょっと頼みがある。お前も知ってる通り、林、元専務が当社を退職された後、大阪のメモリーライフの社長に就任されたのは知ってるよな?」
「はい、冠婚葬祭を関西で手広く展開しているあの会社ですよね。」
「そうだ。その林社長が、この秋に上海を訪問したいとおっしゃっている。でな、山本、お前が上海にいると伝えたら、『ぜひ、山本君に案内してもらいたい』と仰ったんだ。」

 

不思議なことに、何故か俺には林 元専務が上海に来るような予感があった。
「そこでだ、平賀支店長にもお願いするが、2日間、林社長のアテンドをお前に任せたい。林社長は奥様同伴でいらっしゃるから、そのつもりで頼むぞ。」
「分かりました。では、平賀支店長に電話を代わります。」
平賀支店長と副部長が話し終えた後、支店長が電話を切り、俺の方を向いた。
「よし、林社長のアテンドは“ファーピアオ(領収書)案件”で対応してよし。」
「ありがとうございます。ただ、林社長には個人的にいろいろとお世話になっていまして……。今回のアテンドは、費用を含め、私に任せてもらえないでしょうか?」
「お前がそう言うなら自由にしていい。ただし、無理はするなよ。」
「ただ一つだけお願いがあります。謝さんだけは、2日間、私につけていただけますか。」
「もちろんだ。安全第一だから、謝さんをサポートにつけるつもりだ。」
こうして、元専務を上海で迎えるという大仕事を任されることになった。波乱の2日間が幕を開ける。

 

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大政奉還

 

「清崎さんが元住銀行香港支店の成績に寄与するために、無理をして外債を買い込んだのではないか――有永はそう言っています。彼女は外銀を渡り歩いてきたバンカーで、見る目は確かです。ジャンク債とまでは言いませんが、投機に近い銘柄が多い。ポートフォリオの体もなしていない。むろん、手数料の高いアジアものばかりだ。」

「……貴重なご意見、ありがたく頂戴いたします。」

「いやいや、礼には及びませんよ。ただ、そちらのけじめだけは、しっかりつけてくださいね。お宅の信頼にも関わる話ですから。」

「承知いたしました。私、田沼が真相を究明し、必ずや納得いただける幕引きをお見せします。」

電話を切った瞬間、田沼は小さく息を吐いた。だが、事態はすでに動いていた――。

1997年の中間決算発表にて、1998年3月期決算予想にかかる後発事象として香港支店の撤退等を発表。外国債券を一括消却し、大幅な赤字を計上見込みであることと、債務超過に陥る可能性が高いことが説明された。だが、当社は非上場のオーナー企業であったため、メインバンクの元住銀行や、取引先からの反対意見などは出なかった。

清崎社長はあっさりと引責辞任した。そのニュースが社内に伝わると、さらなる驚きが待っていた。
次期社長に就任したのは、専務でも常務でもなく、取締役東京支店長の松岡健一郎氏だった。

「おいおい、専務と常務をすっ飛ばして松岡支店長が社長に?」
この報せに、俺は驚きを隠せなかった。思わず、上海から大阪の小川部長に電話をかけた。

「部長がクーデターでも起こしたんですか?」

「バカ言え、そんな器用なことできるかよ。」

小川部長はけらけらと笑ったが、すぐにトーンを落とした。

「ただな、メインバンクが相当反省したんだろうよ。経営を創業家に大政奉還したって、もっぱらの噂だ。」

「えぇ? じゃあ、俺たち松岡社長のお気に入りは、前途洋々、出世街道まっしぐらってことですか?」

「そうだといいがな。だが、松岡さんは一筋縄ではいかねぇぞ。何せ、石橋を叩いて叩いて叩き割って、それでも渡らない人だからな。『泣いて馬謖(ばしょく)を斬る』なんてことになったりして。」

「ははは、確かにそうですね。」

受話器越しに小川部長の笑い声が響く。

世の中は“失われた30年”に突入していたが、我が社にとっては、これが一つの節目だった。だが、この先に待つのは安寧か、それとも――。

 

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タイヤの皮むきします。

 

今日、CB650R E-clutchのフロントタイヤの慣らし(皮むき)をしました。

主に下り道で法定速度を順守しながらフロントに荷重をかけながら慣らしました。

 

(注) 演出のため動画速度を速める加工を施しています。音質最低です。

 

 

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老婆心ながら

 

その頃、日本では――。

国際業務部の田沼部長は、静かに受話器を置いた。ちょうど成田空港に到着した小川部長から香港支店の撤退ミッション完了について詳細な報告を受けたばかりだった。

「さて、次は四菱だな…」

田沼部長は手早く四菱銀行の榊原部長に電話をかけた。

「このたびは、ご助力いただき、誠にありがとうございました。」

定型文の礼を述べる田沼部長に、受話器越しの榊原が応じた。

「いやいや、田沼さん。今回の件、うちの有永副部長からも話を聞いておりましてね。老婆心ながら一つ、あなたのお耳に入れておきたいことがあるんですよ。」

田沼部長の表情がわずかに硬くなった。

「何かございましたでしょうか?」

「アジア通貨危機は誰も予測できなかったと言えばそれまでですが、あまりにおかしな話が多いんです。特に、大阪貿易さんの香港支店の外債ポートフォリオですよ。調べさせてもらったら、外債を積み始めた頃の元住銀行の香港支店長と、そちらの清崎社長が赤門の先輩後輩の間柄だそうじゃないですか。」

「……ええ、それは承知しています。」

「さらに、その二人が元住時代に共に営業成績優秀で、役員まで務めたのもね。まあ、ここまでは偶然の範囲だと思いましょう。でもですよ、今回の外債購入の規模とスピード。失礼ながら、御社の規模であれはどう見ても異常ですよ。」

榊原部長の声が低く、鋭くなった。

 

 

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トム、E-clutchで撃ちまくれ!

 

もし、映画「 ナイト アンド デイ2(Knight and Day2)がクランク・インすると仮定すると、バイクはDUCATIのハイパーモタード1100?、アプリリアのSXV550?

 

いーや、本田シービー650R E-clutch 一択ですね。

左手(クラッチサイド)で、拳銃打ちまくってください。

 

ただ、Rebel 250 E-Clutch だと、ハチの巣にされるかも...。

 

 

 

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なぜ、今まで思いつかなかったのか。

 

確率は1/2程度であるはずなのに、かなりの確率でバイクカバーの前後を間違えて掛けてしまう。

 

そこで、バックミラー収納部分2か所をカラースプレーで着色してみた。

 

<結果>

もう、間違うはずもない。世紀の大発見。

(コスト:実質0円)

 

 

<取手 先輩 のコメント>
なんか、美しくはないな。

ウサギか。

 

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AvantiへGO!

 

Avanti Shaghaiの雰囲気BGS(※音量注意!

 

アバンティーに到着すると、スタンさんはいつもの笑顔で迎えてくれた。

「イラッシャイ、マセ!」
「まずはビールをください。三徳利(サントリー)の瓶のやつ。」
「カシコ、マリマシタ!」

カウンター越しに響く陽気な声。空調が効いているはずなのに、外の湿気を引きずった熱がまだ肌にまとわりついていた。

平賀支店長は、ビールを一口飲むと、ぽつりと漏らした。
「うちだけじゃないと思うが、アジア通貨危機、相当堪えそうだな。」

「はい、特に日本の金融機関に対しては、都市銀行、地方銀行、証券、保険、すべてで風評が立ち始めています。ノンバンクや消費者金融も影響は免れないでしょうね。」

「だろうな。香港あたりじゃ、日本の金融機関が細分化されすぎだって言われてる。大手都市銀行を中心に、四菱、元住、芙蓉、関西、北海道殖産――4、5のグループに再編されるんじゃねぇかって話だ。」

「その話、現実味がありますね。」

「外債の処理、どうする?」

「大阪の本社に移管しますけど、毎年3億円消却したとしても10年かかりますよ。ポートフォリオの分散もせずにアジア一点張りだったのが、今になっては仇(あだ)となりましたね。」

「まったく、経営陣が揃いも揃って博打好きだと、部下は地獄だな。」

平賀支店長は苦笑いしながら、再びビールを煽った。

「そういえば、外債の購入は誰の指示だったんだろう?」
おれは、空になったコップを目の前につぶやいた。

 

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帰郷。

 

さて、上海である。
「うわ、もう帰ってきやがった。1か月といったろう。1か月! お前、2週間で片付けたのか?」
応接セットの椅子にふんぞり返り、日経新聞を広げていた平賀支店長が、驚いたように上半身を起こして俺を見た。

「いや、皆で力を合わせた結果です。」

「だが、上海も暑いだろう。スーツなんてよく着てたな。」

「正直、無理です。今日から普段は半袖シャツにさせてもらいます。」

「日本人くらいだよ、夏にスーツとネクタイなんて。好きでやってるなら止めはしねぇがな。」

夕方5時。オフィスに漂う空気が少しずつ弛緩していく中、平賀支店長が声を上げた。

「おーい、山本!」

机の真向かいからの声に顔を上げると、支店長はニヤリと笑って続けた。

「報告書の代わりに、アバンティーで話を聞かせろ。俺がおごる。」

「断る理由は、もちろんありません。」

俺たちは立ち上がった。

「じゃあ、スタンさんに会いに行きましょう!」

 

 

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無問題。

 

一区切りついたところで、「どうだ」と平木支店長が精査メンバーに尋ねた。
現地スタッフが香港語で言った。「無問題(モウマンタイ)」

「よっしゃ!」俺は思わず叫んだ。
「飲みに行くぞ」と小川部長が声を上げた。
「そのあとは、ビクトリア・ピークで夜景三昧だ!」と有永副部長が叫んだ。

金曜日。帰りはバラバラである。空港までは湯村支店長がセドリックで送ってくれた。平木支店長も富田君と一緒に香港空港に見送りに来てくれた。

最初に有永副部長が成田に向けて出発し、少し遅れて小川部長が伊丹(大阪)に向けて出発。そして、俺は上海に向けて飛ぶ。別れ際に、富田君がポツリと俺に言った。

「山本さん、最初に見たときはダサいやつだなーって思ったけど、最後は結構いい仕事してるじゃんって思ったよ」

「香港って、中国に返還されるじゃん? そうなると、アジアの金融セクターは上海になるかもしれないと思ってるんだよ。上海に行くか日本に帰るかは分からないけど、その時は連絡するよ」

「連絡待ってるよ。なにしろ君は大阪貿易の命の恩人だからね」

「俺のお金じゃねーし」

「そりゃそうだけど。じゃあ元気で」

「山本さんこそ元気で」

俺は上海便に乗り込んだ。

海外での縁というものは、時として人を強く引き付けるものである。富田君との再会は、四半世紀後の日本、意外な場所で実現することになる。

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