オートバイをもう一度(85) | cb650r-eのブログ

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上海は空気が悪い。らしい。

 

ホテルの横には、上海の富裕層や外国人向けのデパート「友誼商城(ゆうぎしょうじょう)」がある。そこには夜にもかかわらず、物乞いの小さな子どもたちがたくさんいる。もちろん、ビルの影や隙間では親や元締めたちが監視している。スーツ族など、格好のターゲットである。

 

 

平賀支店長は言った。「絶対にお金は渡すなよ。渡しても、大人に巻き上げられるだけだし、一人にやるととんでもない数の物乞いが集まってきて収拾がつかなくなる。」
俺は平賀支店長の言う通りに、無視して物乞いたちを払いのけながらホテルに向かった。物乞いたちがあきらめて元の場所に戻っていくのを見ていた。

 

「ちょっと支店長ここで待っててください。」と俺は言うと。「友誼商城」の入口に走って行った。そして再び、平賀支店長の元に走って戻ってきた。
「お前、何やってたの?」
「いや、ちょうどコートのポケットにキャンディーが袋ごと入っていたので、ぜんぶ子どもたちに渡してきました。いやぁ、上海、空気が悪いって聞いていたもんで、持ってきたんですよ。」
「あぁ。」
「さすがにキャンディーは元締めも巻き上げないでしょ。」
「まあ、そうか。」と平賀支店長はつぶやいた。
 

「山本、明日は外灘(ワイタン)に連れて行ってやる。虹橋開発区は上海経済の中心地になりつつある。ただ、将来的には外灘のそばを流れる黄浦江の対岸、浦東地区が上海経済の中心になる。外灘には古き良き上海の時代が残っている。よく見ておくといい。」

 

あっという間の上海の2日間だった。食事は美味しいし、街は東京並み、いや、バブルが弾けた東京よりもはるかに活気がある。とてつもない明るい未来が待っているような活気にあふれている。

上海虹橋空港までは、謝さんの運転で、野邊副支店長が空港まで見送りに来てくれた。
「次は香港か。俺も香港支店には何回か行ったが、上海のずっと先を行っている。まさに、アジアの金融セクターだ。大阪貿易の香港支店は、上海と違って“ホンモノ”だ。行くとびっくりするぞ。しっかりその目で見ておけよ。」
「野邊さん、ありがとうございました。」

出国ゲートを通りきるまで、野邊副支店長は見送ってくれた。

 

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