『OIST』ってなんだ?
6月9日、月曜日。
地域戦略部のオフィスに入ると、珍しく千﨑部長が窓際に立ち、腕を組んだまま窓の外を見つめていた。表情はいつになく無表情だ。
「部長、考え事ですか? お金以外の相談なら、乗りますけど?」
冗談まじりに声をかけると、部長は急に苦笑しながらこちらを振り返った。
「うん、そうだな。今回ばかりは……断ろうかと思ってる」
「いきなり“断る”って、何の話ですか?」
「旧知の沖縄の渕上未希さんから、緊急の打診があってな。セミナーの講師を引き受けてほしいと」
「部長か、成瀬代理が対応できないんですか? 内容次第では、私が行っても構いませんけど」
そう言うと、部長はさらに渋い顔で首を横に振った。
「いや、それがな……俺たちじゃ、とてもじゃないが無理な案件なんだ」
「どういうことです?」
俺が尋ねると、部長はひと息ついて説明を始めた。
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