日本で輸入ブドウ果汁を使ったワインが作られるのはなぜ? | 2025 中学受験に向けて

2025 中学受験に向けて

2024年1月現在・小学5年生の娘の中学受験までの学習、活動などを綴っていきたいと思います。SAPIX には新2年生から通塾中。

知っている知識だけでは
即答できない問答シリーズ・・・。
でも知っている知識を駆使して
ちょっとは考えてほしい。
 
今回は
歴史と貿易の知識を駆使して考えてもらいました。
久々に一緒にお風呂に入って
体を洗いながらの問答です。🛀
 

アップ前振りはこちら。続きです。

 

 

Q. 日本のワインには、日本で栽培されたブドウで作ったワイン(日本ワイン)と、海外産のブドウ果汁を原料にして作るワイン(国産ワイン)の2種類があります。

なぜでしょうか?

 

 
指差し 海外から輸入した方が原料が安いから!
お父さん それも理由かもしれないね!
でも、それだったら、フランスだってアメリカだって、安い国があればそこからブドウを輸入して作ってるよ。
なぜ日本はわざわざブドウの果汁を輸入しないといけないの?
少し聞き方を変えるけど、日本っていつから食事の時にワイン飲んでるの?
奈良時代?戦国時代?江戸時代?明治?大正?昭和?戦後?
 
指差し えっとーー・・、明治か大正くらい?
お父さん 庶民に広まってるかどうかは別にして明治の終わりあたりがはじめかなあ。
ビールを作ってるサントリーという会社の鳥井信治郎という人が作りはじめた。
ポルトガルのポートワインの真似をして作ろうとしたのが「赤玉ポート」。
ヨーロッパで作られるような本当のワインの作り方ではないんだけど、この人が丁稚奉公で薬屋さんで修行してた時に旦那さんがやってたことを見ながら勉強してた。
# 鳥井信治郎は近江商人に丁稚奉公、「三方よし」の精神を学びました。
 
知らんぷりへーっ
 
ニコ大正時代、関東大震災の時に取引のあった東京の卸会社が被害を受けたので、大阪から商品を持って助けに行った話もあったよ。その頃の話だからワインを嗜む人もいた。
ひらめきすごい!
 
*この辺りの件も「琥珀の夢」に書かれています。
著者は伊集院静、夏目雅子の旦那さんです!
伝記として、ベンチャー経営会者の創業物語として読む価値のある本だと思います。
とても面白いです。
 
ニコさらに脱線しちゃうけど、戦国時代にもワインを飲んだ人はいるよ。誰でしょう?
ひらめき知らなーい
ニコ織田信長っていう話もあるけど、最初の人は正確にはわからない(*史実は不明)。
とにかく戦国時代にポルトガル人からワインが持ち込まれた。珍蛇(ちんだ)酒って言われてる。 (ティンタ・ロリスとかあるしね)
不安えーーー
ニコでも、江戸時代より前は海外と貿易していたから伝わってくるっていうのはわかるでしょ。
ひらめきうん
ニコじゃあ、江戸時代は当然そういうものが輸入されない。少しだけ広まった明治・大正の後、戦争の頃とかその後にたくさん貿易して海外のものを買ったり、使ってたか?
ひらめきない
ニコだよね。じゃあ、海外と貿易が盛んになったのっていつ頃?
ひらめき戦争終わってしばらくしてから?
ニコそうだと思うよ。でも、ワインを知らない庶民が和食と一緒にそういうもの飲むかな
ひらめき飲まないよね。
ニコじゃあ、なんでブドウとかワインなんて買って作る必要があるんだよ。
 
ひらめきなんでだろう・・・ヒントは?
ニコ牛肉
ひらめきわかった!自由化!日本が買わされた!?
ニコそういうふうに考えるのが普通だろうな。海外でワインを作ってる国は、いいブドウは美味しいワインのために使っちゃう。あまり良くないものは安いワインを作ったり、ジュースにして輸出しちゃう。日本に輸出されてるワイン用の原料果汁はジュースの水分を飛ばして濃縮して固形物にしたもの。それを日本で水で溶かして作った安いワインが国産ワインというやつ。
ひらめきひどっ!やだなーそんなの。
ニコそうやって本来必要のないものをお付き合いで買わされたってのはあると思うよ。
今は輸入してる海外のいいワインも多いし、山梨とか、長野とか、北海道とかで美味しいワインもいっぱい作ってる。新潟にも行ってみてきただろ。
 

 

そういえば明日から伊勢丹で「世界を旅するワイン展」ですね。

https://www.mistore.jp/shopping/feature/foods_f3/tabiwine_f

新潟のフェルミエさんも毎回来てる。

 

 

 

*今回のお話、子供にも伝わるレベルに大雑把にまとめていますので正確ではない箇所もあると思います。

いろんな立場の意見がありますが、補足すると二極化していると思います。

1) 輸入果汁や濃縮還元ジュースを原料としたワインなんて世界で売れないのでワインではない。そんなものを普及させていることが日本のワイン文化が発展しない理由。(高品質で世界で勝負できるワインこそワインだという視点)

2) ニーズがある以上は認めるべき。需要が増えて原料ブドウが足りない中で工夫してやってきた歴史がある。(大手国産メーカーよりの視点)

 

歴史的には、2) があったからこそ、1) の市場も醸成された、という見方が正しいのかなと思います。

ただ、出来上がったマーケットの裏にはそこで従事する人たち、経営的な数字だけで判断する人たちがたくさんいるわけで、いきなり歴史を否定することもできません。

そうやって築かれた食文化の中で、高品質な「日本ワイン」を作るワイナリーが増え、高品質なワインを理解する市場が成長してきているのかな、と思います。80年代でも、フランスワインを理解して食事に合わせて食べる人はかなりレアでした。1) のような考え方をしていた人はごく一握りだったでしょう。

 

 

3日でずいぶん梅酢が出てきましたよ。


 

 
 
 
 
 
 
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