NWA_NZLT (1)
コーパスクリスティにフレアーが登場。10times NWAchampと称われ、NWAのHOFを受け取る。ピアースにはザマンらしく振舞えと、得意の演説で一くさり。
NWAではそれを記念してか、なかなかクールなデザインのTs!を発売。10timesの内容も、デザインの一部に。中ではなぜか、突然、コロンとヴェネーノの記録は消えたりもしている。
NWAは、WW2戦後40年間、世界タイトルを保持し、運営して来てくれた組織だ。ジム・ハードとの戦争の際には、現在のNWAのゴッドファーザーであるスティーヴ・リッカードがフレアーに協力し、ハードを葬ってもくれた。我々にも義理はある。NWAは、今年結成60年を迎えるという。NWAと、NWAタイトルを、NWAからの目線でまとめてみてもいいと思った。
現在のNWAが持っているタイトルは、かつてフレアーが持っていた世界タイトルと同じではない。それはかつてWCWタイトルをまとめた時等にも散々触れた。でもNWAタイトルであるとは言える、などとも。フレアーはNWAチャンプであり世界チャンプでもあったが、ピアースやデモンJr.はNWAチャンプではあっても世界チャンプではない。世界タイトルとNWAタイトルはかつては一緒だったが、94年の8月に分かれた。世界タイトルはRAWにあるタイトルとなって現在に至る。それは衆知であろう、など。
我々が今でもNWAタイトルを、世界タイトルではないとしながらも、一種の特別なタイトルとして席を作るのは、40年間、世界タイトルを守ってきてくれた、組織への敬意からだ、と考えることにしている。どうやってもなくならない亡霊なら、生き返る妖怪なら、祭って鎮守するしかない、とも。恐ろしいことにこのタイトルは、世界タイトルではないとは認識されながらも、ジャレットをレヴァレッジとして、TNAを作りあげてもしまったのである。
テーズ、ハッタン、DFJにブリスコ、テリー、レイス、ダスティー。ヴェトナム戦時には、カナダのキニスキーを担いだ。マチニク、ピンキー・ジョージ、トーツ・モント、フレッド・コーラ、クロケット、アドキッセン、ガイゲル、ゴセット、タイトル運営委員長ヴァーネット、オーエン、フラー・・・。戦後のこのビジネスの顔役も、いくらでもスーツの端をちらつかす。ファンは忘れようもない。
RAWのタイトルがあるのは、NWAが40年間あったからだと、それは疑いようもなく、現代では言わざるをも得ない。しかしだからこそ、世界タイトルとNWAタイトルにはきちんと一線を引いておかなければならない。
86年、NWA世界王者フレアーが、JCPと専属契約。今NWAがNWAタイトルに使用しているベルトを巻くのを止め、今RAWにあるベルトを作って、それを巻いて、世界チャンプとしての活動を始める。48年来のチャンプ共有システムは、実質ここで瓦解する。今思えば、ここでNWA当時の執行部、即ちセントルイスのガイゲルは、フレアーからNWAタイトルを引っ剥がすなりの、強行をすることも出来た。しかし当時のガイゲル執行部は、それをしようとはしなかった。それを不満にアドキッセンのダラスは、NWAから脱退する。当時のNWAの2大勢力の分裂で、NWAは実質ここで、終わったと見られた。
ダラスが抜けて、チャンプはJCPが独占。まだメンバーだったセントルイス、フロリダ、AJは、時折チャンプを、JCPからレンタルしていたが、アラバマやオレゴンやプエルトリコは、レンタルすら出来ない状況だった。程なくセントルイスとフロリダはJCPに買われる。NWAは、主要メンバーがいなくなったことで、終了したと思われた。JCPすら、TBSに買われることになる。
<続く>
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AFTERBURN
止めにカジノ金融市場主義破綻だったとの分析の上に、遂に黒人がアメリカで圧勝。フロリダでゴアに極僅差勝ちのあげく、結局8年も居座ったオイルダラーマン。献金絡みの事件がなければ、この8年こそヴェトナムのタフガイの出番だったとは、我々などは言いたがり。
8年もの間、ネオコンやりたい放題。せいで早々と去った共和勢。我らが?ハッカビーにチャンスがなかったのは、いいことなのかどうなのか。
106歳の黒人女性を引き合いに、インプレッシヴなスピーチ。さすがにすごい感慨なのだろう。ほんの50年前まで、あの国では差別が制度として、在ったのである。
かくいう我々のマットワールドにおいても、我々のプレジデントともいうべきワールドチャンプに黒人が就いたのは、今世紀に入ってから。意外に驚くことだが、レスリングはその面では、もっとも遅れをとっていたスポーツのひとつ。
差別は、・・・ なかったなどと我々が軽々するのも傲慢であり。スキップ・ヤングなどは、それをあからさまに口にしていたと言うし、サンダーボルト・パターソンは運動家として有名だった。我々が言えるのは、人種差別とは別に、或いはそれを含むのかもしれないが、もっと違う区分けが、今より明確にあったと、当時は確かに感じていたと、そこまで。今ではとても考えられない線引きが、それがワールドヘヴィー級タイトルを対象にするものならば特に。
分裂世界タイトルのひとつの雄、LAのWWAタイトル。噛み付き魔ブラッシー、黒ロングタイツの殺し屋オースティン、白覆面デストロイヤー、喧嘩屋ブルーザー、ヒスパニックのモラレス、そして黒人のベアキャット、ビッグキャット、ブラジル。
皆歴史に名を遺す大実力者だったが、本流のNWAタイトル戦線からははずれ、西海岸でチャンプとしてその魅力を爆発させた。AWAの狂犬、ナチ、壊し屋、WWWFの発電所、怪豪、魔豹、狼男、鉄腕もしかり。しかし正当な世界チャンプは、ショートタイツを履いた、技巧に秀でた白人。その暗黙の基本線とも言えるものは、長く覆らなかった。
服装での差別。MSGはマスカラスまで、覆面の出場自体を禁止していた。風貌に対するチェックともいうべきものは、ブロディをも弾いた。品性でマードックをも。覆面議員がだめなら、ヅラはどうなるとか、ペイントと厚化粧の境目はどこかとか、屁理屈もあっただろうに。
ロングタイツのドラゴンとか、ロングタイツとペイントのスティングとか、けばけばしいタイツのルードとか、技巧に乏しいハルクとかシドとかナッシュとか、パワー屋なスコットやゴールバーグなど、本気でチャンプとしてはないと、誰からともなく聞き諭されていた時代が確かにあったことを、今ではかすかに覚えている。カリやミステリオなどとても。どんどん済し崩されていったことだけれど。
NWOのあと、ヒドいへこみが来て、ヤンキー・ルッソはブックを起用した。一見ルッソのブックが最初のように見えるが、あれはシドからルッソが勝手に取り上げたものだから、分裂というよりも、WCWタイトル機能。正式にブックが世界王者になるのは、顔をカラフルに塗りたくった白人より11年も後の2001のアンセンサード。アトランタWCWの最終日。シモンズは、今RAWにあるビッグゴールドを巻いたことはない。
もはや差別とかいうのは、レスリングの世界タイトルについても、かつてのようにあるなどと、劇的ぶれもすら、とても出来ない今の状況だ。スキンの色による、などというのは馬鹿馬鹿しいが、それがレスリングであるならば、レスリング以外のことを差別することがエキサイティングであることを知ってしまっているのもまた、我々なのである。ジェリコのボストンクラブというレスリングのテクニックに未だ渇望状態にあるのが、もちろんカラードである我々も、であることは、さて果たして。
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Piledriver
グループ名にもう少し気の効いた響きはなかったのかとの感想はあるものの、Riseなどのコンセプト不明も手伝い、バーナードとフラーを加えてNJをドミネイトしつつあるGBH。NJですっかり主役ヅラしているが、それは基本的に妥当だと合意しつつも、真壁の反則などは、やはり目に余ると、言わざるをも得ない。
レフの目を盗むとかいう基本線が無視され過ぎではないかと。もうVも何も、出尽くしている世の中だ。よしんばレフの目を盗むという建前が成立していたにせよ、後からTVで流されたりなんだりしているのに、ペナルティすら課されないのは、・・・ ・・・ 無理がありすぎる。見て見ない振りも弁護もしんどいと感じるこの感覚を、怖いと慮っては下さらぬか。見て見ぬ振りも弁護もメンドクセーと感じたら、リモコン押せばいいだけの現代なのだ。
反則という奥の手のはずのテクニックさえなおざり。本来奥の手の禁じ手なのだから、その遂行には細心の注意が払われてしかるべきだったはずなのに。本来最も刺激的であるはずの繊細な文化を、もうやめたらどうだと感じ続けて、さて何年が経ったのだろう。
反則と言っても色々ある。5カウントまで許してもらえるのは、あくまでルールブレイキング。いわゆる反則負けはディスクオリフィケーションといい、レスリングの本質に関わる資格の有無を問題とする。軽いルールブレイキングはさまざまなテクニックとともに、こちらを思わずニヤリとさせるような文化を沢山生んできた。レフの死角を突く種々の工夫。ルールブレイキングに対す研究と研鑽には、感心することが少なくなかった。やる方も観る方も、ルールブレイキングマナーに対する敬意すらあった。
真壁のチェーンドクローズラインは、やり過ぎでやはりマズい。マッチ後の乱闘ならまだしも、衆人監視の中行われて、ピンに結びつくなんざ狂気の沙汰。ファンが騒ぎ出して判定無効になるか、或いは後のヴィディオチェックでノーコンテストにされるかしないと、これはもう、現代の社会の何かの枠組みの中に、居れなくなる。WWEにもTNAにも心しておいて欲しいことだが ・・・ 。
かつては二人掛りの攻撃には、ピンカウントが入らなかったものだ。ミスター高橋ですらキビしかった。それが今やトルネードマッチかと見紛う状態。IWGP実行委員会とかってのの前に、スペシャリスツ集めてIWGPチャンピオンシップコミッティーだろうに。
かつては、オーヴァーザトップロープはおろか、トップターンバックルからダイヴする攻撃は即DQをとることも多かった。有名なレイ・ザ・クリッパーのアトミックボムズアウェイはその網をかいくぐって行うから盛り上がったと。メンフィスのパイルドライヴァーしかり。ルールブレイキングが沸くとしたら、それは必ず厳格なルール執行との併せ技なのである。
魔界で総帥でビッシビシしていた勘太郎が、ホールで立会い人として外道に一発。アレは面白かったではないか。ああいうアングルは強化してほどの、それに対抗する反則文化の切磋琢磨なのである。ルールの適用は厳しくすればするほど、反則にも創意が加味されて味わい深いものになる。ともすれば我々のヒーローたる悪役、それはこのインダストリの文化の、直接の担い手でもある。彼らを一秒足りとも堕落させてはならないのは、このビジネスの伝統のレシピのハズである。
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Extreme Title (2)
<前回から続く>
NWAタイトルの分裂タイトルという性質も有すにせよ、オリジナルECWタイトルの母体は、イースタン・タイトルである。イースタン・タイトルと言って思い出すのは、イースタンステーツ・タイトル、即ち、後のミッドアトランティック・タイトルである。WCWの前身であるJCPの前身であるミッドアトランティック・チャンピオンシップ・レスリングは、70年代の初めまで、イースタンステーツ・チャンピオンシップ・レスリングと名乗っていた。つまり、オリジナルECWタイトルの母体は、85年以降消えた、ミッドアトランティック・タイトルの原点回帰であるという・・・。
90年、CBSドキュメントで放送されたレスリングインダストリ特集。当時提携関係もあったと思うCNNのボス、ターナーなども出演するこの番組で主役を演じるは、ECWを興す前年の、まだファンの立場に居たゴードン一家である。ペンシルヴァニア一帯には、ゲーリー・ジャスパーやデニス・ブレントなど、WCWのエージェント的な面々も跋扈し、ゴードンもWCWの一味視されていたこともある。実際、NWAのメンバーでもあり、ゴードンがWCWの密命で、WWFの喉もとに、切先を付き付ける意味でイースタン・チャンピオンシップ・レスリングとイースタン・タイトルの名を使うことを許されたのではないか、などと。NWA新王座を蹴飛ばしたのも、NWAタイトルを亡き者にするために、WCWやクロケットと仕組んだのだと。あの前あたりに、アーンとイートンが、ECWに出場しているあたりにもまた。
ECWタイトルはミッドアトランティック・タイトルの後身である。もちろん今のECWタイトルではなく、ゴードンのものは。ミッドアトランティック・タイトルは世界タイトルに成れる性質になく、エクストリーム・タイトルにも変貌出来ない。それは本来なら。だから田中はミッドアトランティック・タイトルを取ったとは、今更マニア向けに提してはいいが、ECW世界ヘヴィー級チャンピオンなどと、TVで簡単にややこしいことは、言うものではないのだ。
旧ECWの最後のチャンプのライノは、しばらくWWEに居て、USタイトルなども争ったが、ECWタイトルを引き合いにだされることもなく、TNAに移り、旧ECWタイトルらしきものをドラム缶した。これでNWAの分裂機能は、正当にNWAの分裂機能を受け継いだTNAタイトルに、純粋に帰したことになる。そしてミッドアトランティック・タイトル機能の方は、ライノの時にUSタイトルに併されたと、こちらも正当な意味で、そう考えるのが自然だと思われる。
コーパスクリスティにフレアーが登場。ブルー・デモンにタイトルが移動と、60周年のNWAが慌しくなって来ている。NWA関係を取り扱おうかと思っていた矢先、ECWを考える機会を得たのは、返って好機。ECWの94年のトーニー以降のNWAは、60周年の機会に、これもやはり訳が判らなくなる前に、しっかり整理しておかなくてはならない。
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Extreme Title (1)
先の、ZERO1の前“世界ヘヴィー級”チャンプの田中を指して、解説のGK、こんなことを言ったりもする。「田中は日本人で唯一の、ECW世界ヘヴィー級チャンピオンですからね。」こういう発言にはやはりどうしても、引っ掛からざるをえないのが我々である。
たしかに、額面を受け売ればそういうことになる。当時から確かにポールEは、ECWタイトルを世界ヘヴィー級と名乗っていた。で、田中は確かに、その時のECWチャンプになった。それはそれで快挙でもある。しかしあのGKのコメントでは、それを聞いたティーンのファンは、今のマット・ハーディーのタイトルに就いたことがあると思いかねない。古いファンにはボックウィンクルの威光を借り、新しいファンはマット・ハーディーでまやかす。誤解が誤解を呼んで訳が判らなくなる前に、ECWタイトルについてまとめておく必要性を感じた。
RVDで始まり、マット・ハーディーに至る現在のECWタイトルは、ハッキリ、WWEタイトルの分裂タイトルとして、WWEブランドが発進させた、第3機能の新しい世界タイトルである。その詳細はほんの数年前に、全世界が目撃した。WWEはポールEを獲得する行き掛かり上、ECWのレーベルを手に入れる。ワンナイトスタンドを経てECWを始めることにもなる。しかしだからといって、WWEタイトルの暖簾分けがなければ、フィラデルフィアのタイトルがそのままに、WWEの世界タイトルとして通用したかと。
ライノが袋にいれてドラム缶に放り込み、火を付けたことになっているベルト、オリジナルECWタイトル。91年に質屋の親父のトッド・ゴードンが、80年代の東部のファンの懐古趣味を満たそうと、ムラコvs.スヌーカで始めた、イースタン・チャンピオンシップ・レスリングがその源流。名IC王者だったムラコをイースタン・チャンプとして、フィラデルフィアのビンゴ会場に、千人の観客を週に一回集めることで出発した。
ポール・E・デンジャラスリーが、WCWでのマネージャー活動を止め、デンジャラス・アライアンスで稼いだ全財産を注ぎ込んで、ゴードンからECWを買った後から、ECWは変わる。イースタン・チャンピオンシップ・レスリングからエクストリーム・チャンピオンシップ・レスリングに名称を変更、NWAの新王者決定トーニーを誘致した上で、新王座を蹴飛ばし、ヘイマン流儀の世界タイトル暖簾分けを、NWAタイトルより受け、ECWタイトルを世界タイトル化した。
時は94年8月、WCWでフレアーvs.ホーガンのタイトル連戦真っ只中。NWAはその最中に、ホーガンに移ったばかりの「NWAタイトル」を、ホーガンがNWAショーの派遣要請に応じないと難癖?して遂に剥奪、トーニーを開催して新王者を決める。フレアーにもホーガンにも勝っていないダグラスが、そのダグラスにも勝っていないキャンディードが、世界チャンプのわけがないだろうという非難轟々の中。そのNWAタイトルの分裂儀式に頼ったヘイマンのタイトルも、世界に成れるわけは、理論的には、なかった。
が、ECWはECF'nアリーナを満杯にし続け、TNNを取り付け、PPVを放つ、準世界タイトル規模に成長、その独自のスタイルとも相まって、ハードコア・エクストリーム・タイトルとしての特別席を獲得して行く。ハードコア・タイトルや3WAYDanceなど、2大メジャーに多大な影響も与えつつ。その特別性が今日のECWタイトルのある種の箔にに繋がっているのは間違いはない、しかし・・・。
<続く>
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