AFTERBURN | HWD+e

AFTERBURN

 止めにカジノ金融市場主義破綻だったとの分析の上に、遂に黒人がアメリカで圧勝。フロリダでゴアに極僅差勝ちのあげく、結局8年も居座ったオイルダラーマン。献金絡みの事件がなければ、この8年こそヴェトナムのタフガイの出番だったとは、我々などは言いたがり。


 8年もの間、ネオコンやりたい放題。せいで早々と去った共和勢。我らが?ハッカビーにチャンスがなかったのは、いいことなのかどうなのか。


 106歳の黒人女性を引き合いに、インプレッシヴなスピーチ。さすがにすごい感慨なのだろう。ほんの50年前まで、あの国では差別が制度として、在ったのである。


 かくいう我々のマットワールドにおいても、我々のプレジデントともいうべきワールドチャンプに黒人が就いたのは、今世紀に入ってから。意外に驚くことだが、レスリングはその面では、もっとも遅れをとっていたスポーツのひとつ。


 差別は、・・・ なかったなどと我々が軽々するのも傲慢であり。スキップ・ヤングなどは、それをあからさまに口にしていたと言うし、サンダーボルト・パターソンは運動家として有名だった。我々が言えるのは、人種差別とは別に、或いはそれを含むのかもしれないが、もっと違う区分けが、今より明確にあったと、当時は確かに感じていたと、そこまで。今ではとても考えられない線引きが、それがワールドヘヴィー級タイトルを対象にするものならば特に。


 分裂世界タイトルのひとつの雄、LAのWWAタイトル。噛み付き魔ブラッシー、黒ロングタイツの殺し屋オースティン、白覆面デストロイヤー、喧嘩屋ブルーザー、ヒスパニックのモラレス、そして黒人のベアキャット、ビッグキャット、ブラジル。


 皆歴史に名を遺す大実力者だったが、本流のNWAタイトル戦線からははずれ、西海岸でチャンプとしてその魅力を爆発させた。AWAの狂犬、ナチ、壊し屋、WWWFの発電所、怪豪、魔豹、狼男、鉄腕もしかり。しかし正当な世界チャンプは、ショートタイツを履いた、技巧に秀でた白人。その暗黙の基本線とも言えるものは、長く覆らなかった。


 服装での差別。MSGはマスカラスまで、覆面の出場自体を禁止していた。風貌に対するチェックともいうべきものは、ブロディをも弾いた。品性でマードックをも。覆面議員がだめなら、ヅラはどうなるとか、ペイントと厚化粧の境目はどこかとか、屁理屈もあっただろうに。


 ロングタイツのドラゴンとか、ロングタイツとペイントのスティングとか、けばけばしいタイツのルードとか、技巧に乏しいハルクとかシドとかナッシュとか、パワー屋なスコットやゴールバーグなど、本気でチャンプとしてはないと、誰からともなく聞き諭されていた時代が確かにあったことを、今ではかすかに覚えている。カリやミステリオなどとても。どんどん済し崩されていったことだけれど。


 NWOのあと、ヒドいへこみが来て、ヤンキー・ルッソはブックを起用した。一見ルッソのブックが最初のように見えるが、あれはシドからルッソが勝手に取り上げたものだから、分裂というよりも、WCWタイトル機能。正式にブックが世界王者になるのは、顔をカラフルに塗りたくった白人より11年も後の2001のアンセンサード。アトランタWCWの最終日。シモンズは、今RAWにあるビッグゴールドを巻いたことはない。


 もはや差別とかいうのは、レスリングの世界タイトルについても、かつてのようにあるなどと、劇的ぶれもすら、とても出来ない今の状況だ。スキンの色による、などというのは馬鹿馬鹿しいが、それがレスリングであるならば、レスリング以外のことを差別することがエキサイティングであることを知ってしまっているのもまた、我々なのである。ジェリコのボストンクラブというレスリングのテクニックに未だ渇望状態にあるのが、もちろんカラードである我々も、であることは、さて果たして。



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