世の中にこうしたことが起きているなら
今どんなに楽しく唄って飲んでいても
世界を自由に旅していても
花咲く庭で家族とお茶を飲んでいても
銀座で素晴らしい映画を観ていても
ローマのレジェンド、トッティのシュートに魅了されても
露天風呂に浸かって月を眺めていても、
世の中にこうしたことがあるなら、
見えない場所でこのように痛み、恐怖に苦しんでいる生き物たちがいるなら、
どんなに幸せと思えても、
この隠された現実をふと思い出せば、
とうてい幸せにはなれないと感じます。
人間の残酷さ、愚かさ、暴力性を、
動物たちに行う残虐な行為を、
受け入れられない、、、。
その場にいたら止めようとするでしょう。
狂ったと言われても、止めようとするでしょう。
この世にこうしたものがあるなら、心底しあわせにはなれない。どんなに自分が幸運に恵まれ長生きして健康でおいしいものを食べ、友に恵まれても、
顔をふとあげて、世の中のどこかで、こうした恐怖が動物たちの身に起きているなら、
しあわせにはなれない。
私だけでなく、たくさんの方々が私と同じように感じ、同じように願うでしょう。
残酷な行いはやめてください、と。
片時も頭を離れないのです。
屠殺される牛たちの恐怖。
後ろから押されて最前列で
額にあたる電気。
目の前にぶら下がる肢体。
動物と人間のさかいめが、私には分からないからです。
境目はない、と山猫弁護士は言います。
動物たちが受けている苦しみは、自分や家族が受けて
いるのと変わりなく思います。
そう感じる方は少なくないはずです。
変わりますか。
はい、見殺しにしないで声をあげれば。
変えられますか。
はい、想像力と共感と他者への理解があれば。
人間だけでなく、動物も同じ。
どこが違うのか。
人間も動物だ。
山猫弁護士は言います。
肉食動物の哺乳類は、食べる前にも、食べなくても、獲物をいたぶって殺すことがある。
猫、シャチ、虎、ヒョウ。
畜産動物や犬やウサギに残虐な仕打ちを行う行為は、それに重なるのではないか、と。
単なる経済活動を超えて。
どうしても暴力を好む人間というものはある。
by鶴田真子美(おかめ)