はじめに
MAZDA3(BP系)は2019年に登場し、その後年次改良を重ねながら2023年にスイッチ類の配置や配線に大きな改良がなされています。
当初8.8インチしかなかったマツダコネクト(マツコネ)のセンターディスプレイもこの2023年以降10.25インチもグレードやオプションによって選べるようになりました。
私のMAZDA3(2019年式)のセンターディスプレイは8.8インチ、ドライバー・モニタリングカメラ(以下乗員監視カメラ)あり仕様です。
運良く中古の10.25インチディスプレイが手に入ったので、今回これに交換してみました。
乗員監視カメラなし仕様の場合、10.25インチ化はポン付けするだけで容易です。
ネット上にも交換している人たちを確認できます。
参考
兄弟車のCX-30でも
一方で、乗員監視カメラありの場合は10.25インチ化するにあたり仕様が諸々変更になっている関係上難易度が跳ね上がります。
誰もやっている人がいないっぽい?ので交換方法等、詳細お伝えします。
※改造は全て自己責任でお願いします。
前提
型番
まず右ハンドルのMAZDA3のセンターディスプレイの各種型番を載せておきます。
・8.8インチ 乗員監視カメラなし: B0N6-611J0
・8.8インチ 乗員監視カメラあり: B0N7-611J0
・10.25インチ 乗員監視カメラなし: BHRH-611J0
・10.25インチ 乗員監視カメラあり: BHRJ-611J0
ヤフオク等で入手する際には仕様違いに注意してください。
もともと乗員監視システムがない仕様であればBHRHでもBHRJでもどちらでも交換可能(もちろん乗員監視カメラは稼働しません)ですが、もともと乗員監視システムがある仕様の場合、カメラ、LEDに適切な配線をしないと車側にエラーが出ますので要注意です。
エラーの出かた
CX-30やCX-5の10.25インチディスプレイもMAZDA3に利用可能なようですが、車体に取り付けるためのステーが別形状のため、ステーは3Dプリンター等で作製する必要があります。
ちなみに左ハンドル仕様の型番は知ってる範囲で、
・8.8インチ 乗員監視カメラなし: BDGF-611J0(-Aや-B、-D等が末尾に付くようですが、違いは分かりません)
・8.8インチ 乗員監視カメラあり: BDGG-611J0(-C等が末尾に付くようですが詳細不明)
・10.25インチ 乗員監視カメラなし: BHPD-611J0
・10.25インチ 乗員監視カメラあり: BHPE-611J0
です。
参考
8.8インチと10.25インチの違い
8.8インチと10.25インチディスプレイの違いはディスプレイサイズだけではありません。
まず画面自体が8.8インチはノングレアで映り込みが少なかったですが、10.25はタッチパネル化を想定してかグレア液晶になり、光沢のある画面になりました。
またコネクタ等の形状も変わっています。
そもそもMAZDA3の乗員監視カメラ付きセンターディスプレイには4つのコネクタが付いています。
B0N7-611J0(8.8インチ)のコネクタ。
左からディスプレイ用(8極)、ディスプレイ映像信号用?(同軸)、乗員監視カメラの赤外線LED用(4極)、乗員監視カメラ映像信号用(同軸)です。
BHRJ-611J0(10.25インチ)のコネクタ。
左からディスプレイ用(8極、8.8インチと共通)、乗員監視カメラLED用(4極中3極のみ使用)、乗員監視カメラ映像信号用(同軸)、ディスプレイ映像信号用?(同軸、8.8インチと共通)です。
ディスプレイ用の2つのコネクタは共通ですが、乗員監視カメラはコネクタの形状が異なり、そのままでは車に挿せません。
この違いは、乗員監視システムの仕様変更のため、間違っても挿されないようにコネクタを変更したということが分解してみてわかりました。
詳しい分解方法は後ほど記載しますが、ケースを開けて内部を見てみましょう。
まずは8.8インチから
ケース(蓋)を開けてすぐ。本体側。
蓋の内側
8.8インチは乗員監視カメラと赤外線LEDが蓋側に付いています。
蓋に付いている赤外線LED用のユニット
赤外線LEDユニット内部
続いて10.25インチ。
蓋を開けてすぐ。本体側。
蓋側。10.25インチは乗員監視カメラと赤外線LEDが本体側に付いています。また10.25インチには赤外線LED用の四角いユニットが見当たりません。
8.8インチ、10.25インチともに、乗員監視カメラと赤外線LEDは本体のディスプレイとは完全に独立しており、組み込まれてはいません。
ドライバー・モニタリング・カメラ。左が8.8インチ(加工後のため一部ステー切除後)、右が10.25インチ用。
ドライバー・モニタリング・カメラ裏側。左が8.8インチ(加工前)、右が10.25インチ。
ドライバー・モニタリング・カメラLED。左が10.25インチ(3灯)、右が8.8インチ(2灯)。
やはりコネクタが変更になっているカメラと赤外線LEDは大きく仕様が変わっており、単に変換コネクタを自作したとしても動作しないものと思われます。
赤外線LEDのコネクタは4極あったものが3極になっています。
8.8インチの4極はLED_PWR(電源)、LED_GND、LED_FLASH(制御)、LED_VDET(電圧監視)の4極でLED用ユニットもセンターディスプレイに内蔵されています。
10.25インチは3極かつLEDユニットも見当たらないので、削減されたかもしくは「ドライバー・モニタリング・カメラ・ユニット」(アクセルペダルの右側トリム内にある)に統合されたのかもしれません。
2023年以降型の配線図を見てみたいところです(誰か持ってませんか?)。
8.8インチでいたるところにあった三菱電機のマークがなくなっているので、他のメーカー化?コストカット?はされているかもしれません。
ちなみに今回関係ないですが、ディスプレイの基板も全然違います。上が8.8インチ、下が10.25インチです。
こちらは共通して動くのでありがたい限りです。
10.25インチは2025年末の改良前からタッチパネルがすでに搭載されているというような話もありますが、どうなんでしょうか?オーストラリア(右ハンドル車)でタッチパネルを使っている動画があったと思いますがディスプレイの型番が違うのでしょうか?
基板を見てもタッチコントローラーがどれか分かりません。FFC?FPC?の幅は倍くらいになっており、タッチ用の信号線として想定されているのかも?2025年末〜モデルを見れれば分かるのでしょうが…いずれ調べます。
方針
以上より、単に変換コネクタを自作しても乗員監視カメラと赤外線LEDが正常に動作する可能性は限りなく低いことが分かりました。
当初は信号を偽装したりして何とかならないかと思いましたが、分解してみると思ったより複雑かつカメラとLEDは簡単に取り外しできたので、8.8インチのカメラとLEDを10.25インチ内に既設のものと無理やり置換する方針で進めることにしました。
やり方
いるもの
乗員監視カメラ仕様で10.25インチ化するにあたって必要なものは下記の通りです。
●BHRJ-611J0 10.25インチ センターディスプレイ: 主役。ヤフオクに張り付いていてもなかなか出品者されないレア物です。今後年数経てば出品が増えるかもしれません。
●B0N7-611J0 8.8インチ センターディスプレイ乗員監視カメラ付き: 乗員監視カメラと赤外線LEDを取り出す部品取り用です。中古品が手に入るので、自車のものはバラさずに中古品をバラした方がよいでしょう。
●分解用工具: ドライバーとともに分解用のヘラセットがあると楽です。
こんな金属の薄いヘラが活躍しました。
●ハンダ付け工具: 一部ハンダ付けが必要ですが、ワイヤーを延長するためだけなので難易度は低いです。
●接着剤または両面テープ
●やすり、金鋸等
分解
●殻割り
まずは練習がてら部品取り用の8.8インチから分解(殻割り)します。
ディスプレイ下側の赤丸の部分にヘラを入れてこじると蓋が少し浮きます。それを左右ともにやった後に少しずつディスプレイの全周をこじっていけば割と簡単に蓋を開けることが可能です。
少し傷を付けてしまいました。部品取り用なので気にしません。
続いて10.25インチの殻割です。
こちらは養生テープを外周ぐるっと張った方がいいと思います。
8.8インチと構造が違い結構苦戦しました。まず下側からヘラを差し込みますが、8.8インチのようなガイド(穴)もなく、無理やりねじ込む感じになりました。下辺をやったらそのまま右辺、上辺、最後に角度の急な左辺をこじって開けていく形で開けました。
金属製のヘラが必要です。
●乗員監視カメラ、赤外線LEDユニットの取り外し
まず8.8インチから移し替えるカメラとLEDを取り外します。
蓋の内側にカメラと赤外線LEDユニットが付いています。ねじ止めされているだけなので簡単に取り外しできます。
ノイズ対策なのかガチガチにシールドされています。
LEDは2灯
LED基板裏側
乗員監視カメラ
裏側
次に10.25インチから不要になるカメラ、LEDを取り外します。
蓋を開けた本体側。こちらもねじ止めされているだけです。
赤外線LED。
外す
ケースを開けてみる。10.25インチは3灯??1番上と2,3番目でLEDが異なっています。
カメラ
蓋開けて
こちらの方がレンズが大きいです。
加工
10.25インチから乗員監視カメラ、赤外線LEDを取り外したスペースに8.8インチのものを入れる訳ですが、もちろんそのままでは入りません。
もろもろ加工します。
●乗員監視カメラ
まずカメラは固定用のステーが邪魔して入らないのでステーを金鋸で切り落とします。金属粉が入り込まないように他の部分は養生テープでぐるぐる巻きにしてください。
赤線に沿って2か所切り落とします。
ステーがなくなってすっきり(左側)
8.8インチの乗員監視カメラを10.25インチ本体に取り付け。
お好みの接着剤または両面テープで貼り付けてください。
今回はセメダインスーパーX GOLDを使いました。
●LEDユニット
10.25インチ用のLEDユニットを取り外すと
この赤丸部分にぽっかり穴が開きますので、8.8インチ用の遮光板?(黒い板)を接着剤で貼り付けます。
遮光板は適当にハサミで切ってケース形状に合うようにします。
続いてLEDのリフレクターを加工します。LEDはドライバーを照らすようにディスプレイと平行ではなく、角度を付けられています。
無理やり取り付ける時にはもともとの角度のついたケースが邪魔になるので、ケースは外して付けます。そのため、リフレクターで角度を取れるようにします。
適当にやすりで削ってみました。角度を再現できているかどうか…。
赤外線LEDを接着剤でとめました。一応シールドがアースの役目を果たしている?可能性を考慮して不要かもしれませんが本体と繋がるようにワイヤーを追加しました。
乗員監視カメラの配線をしましたが、8.8インチ用の線だと短く、蓋が閉まりませんでした。
このため、コネクタの位置を反対側にずらして、蓋(ケース)にも穴を広げて開けました。
赤外線LEDユニットはディスプレイに収まらないので、別途設置する必要があります。
このため、LEDユニットへの配線を延長しています。また、LED基板へのステーは不要なので金鋸で切断しています。
乗員監視カメラは元のレンズとサイズが微妙に違うので、若干の隙間が生じていますが、仕方ないです。
取り付け、使用
バッテリー取り外し
既設の8.8インチディスプレイを取り外す前に、まずはバッテリーのマイナス端子を外します。
ボンネットを開けてバッテリーのマイナスのボルトを外します。ボルトは10mmです。
8.8インチディスプレイ取り外し
まずセンタースピーカーのパネルを外します。
側面に内張り剥がしを差し込んでこじっていきます(養生した方がいいかも)。
パネルを外すと10mmボルトが2つありますのでこれらを外します。
上に引っ張って8.8インチディスプレイを取り外します。
コネクタが4つあるので、全て外します。
LEDユニットの取り付け
10.25インチ化するにあたって、LEDユニットがディスプレイ内に収まらなかったため、別途取り付けます。
穴の中を覗くと、CMU(コネクティビティ・マスタ・ユニット)がありますので、この上に置くことにしました。LEDユニットのビビり音防止にクッションテープを巻きつつ下部に両面テープを用いてCMUに貼り付けます。
10.25インチディスプレイの装着
他のコネクタも装着。
差し込んでボルトで固定。
バッテリーのマイナス端子を元に戻して起動確認です。
起動確認
エンジンスタート!
起動しました!
エラー表示も出てません!
ちょっと隠れてしまってますが赤外線LEDも点灯しています!
乗員監視システムについては、交換後まだ注意を受けたことはないので、動いているか不明です。
解像度(一部追記)
一方気になる点も…
純正マツコネの表示、地図等は8.8インチの解像度のまま10.25インチに引き伸ばされるので、若干文字がボヤけて見えます。
CarPlayの時には10.25インチディスプレイの解像度で表示されるようで、こちらは違和感を感じません。
CarPlay時も8.8インチと同じ解像度のようです。見た目はスッキリしていて違和感はありません。
8.8インチの解像度をXで、ろあの〜く改。(@Roanoke_DEMIO)さんが教えてくれました。
ff外より失礼します。
— ろあの~く改。 (@Roanoke_DEMIO) 2025年12月1日
1280*480です。 pic.twitter.com/5bGWao1JFG
1280×480とのこと。
10.25インチ化したCarPlayもスクリーンショットを撮って確認すると
1280×480で変わりありませんでした。
たまたまネイティブ10.25インチのMAZDA3に乗る機会があったので、こちらも解像度を確認したところ、
こちらも1280×480でした。
と言うことで、初めから10.25インチが付いているMAZDA3も解像度は変わらないと言うことが分かりました。(純正地図下の黒帯が透過色になったり、見やすく改良はされています。)
メリット、デメリット
交換してみて感じたメリット、デメリットは下記の通りです。
メリット
・パッと見て画面が大きくて見やすい
・ベゼルが狭くなってデザイン性がよくなった
・解像度が上がって地図の情報量が増えた(CarPlay時) → 解像度に変化はないようですが、画面が大きくなった分縮尺を小さくできるので、画面全体に表示できる情報は増えたと思います。
・後部座席からも見やすい
特に子どもを後ろに乗せており、AIBOXを使用している際にメリットがあると思います。
デメリット
・10.25インチディスプレイが高価(新品定価16.8万円)
・中古品がなかなか出回らない
・加工が大変
・グレア液晶で光が反射する(走行中はバックライトが光るので気にならない)
・解像度は8.8インチのままなので画質の悪さを感じる場合がある(主に純正ナビの文字表示、慣れれば分からなくなるレベル)
あたりかなと思います。
最後に
今回8.8インチセンターディスプレイを10.25インチに交換しました。
見た目のインパクトも大きく、やってよかったと思います。
ただ、ポン付けできれば楽なのでよいでしょうが、乗員監視システムの載せ替えまでするなるとかなり手間がかかります。
万人にオススメはできないなとやってみて思いました(もうやりたくない笑)。
乗員監視カメラ付きの10.25インチディスプレイを入手する機会があれば検討してみてください。
〜お願い〜
CarPlay時の解像度を調査したいです。8.8インチ時にスクリーンショットを撮り忘れました。
もし取れる方いたらお知らせください。
→ ろあの〜く改。さん、ありがとうございました。
#ドライバー・モニタリング・システム
#ドライバーモニタリングシステム
#10.25インチセンターディスプレイ
#マツダコネクト
#マツコネ2
#マツダ3
#10.25inch DISPLAY INFORMATION















































































































































