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甘えん坊将軍の自転車&ガジェットログ

自転車旅行の記録をとっていたブログでした。
※ルートラボ終了に伴い、ルート情報が消えてしまいました。

現在はニッチなガジェットに関するブログになっています。

  はじめに

自作キーボードに取り組もうとしている今日この頃、キーボード制御用のマイコンとしてメジャーなPro Micro USB Type-C版、2機種でサイズ比較を行いました(データシートが見つからなかったので)。



Type-C版の通常版はコネクタがMicro USB Type-B版と比べて高く、厚みがあるようです。

このため、キーボードによっては取り付けできない、厚くせざるを得ないといった問題もあり、厚みを抑えた互換機が出されています。


これからの時代USBはType-Cだろうと思うので、Type-C内での比較とします。


より厚みを抑えて薄さを目指したい方等の参考になれば幸いです。


今回入手したのは国内販売で入手しやすい2種です。互換機が他にも出ているかもしれませんが、とりあえずということで。


  TALPKEYBOARD版

こちら


TALPKEYBOARDにて税込900円にて販売しています。

こちらが一般的な形状、サイズのPro Micro USBType-Cだと思います。


基板サイズは測定誤差があると思いますが

34.90mm×18.00mm×1.60mmです。






問題のType-Cのコネクタも含めた高さは4.95mmとほぼ5mmでした。

コネクタのみの高さでいうと3.35mmとなります。


このため、基板を裏返してコンスルーで接続しようとすると、薄型の2.5mm高のコンスルーではコネクタが基板に接触して、装着できません。

3.5mm高コンスルーであればギリギリセーフですが、個体差もあるかもしれません。


  SWITCH SCIENCE版

こちら

続いて、SWITCH SCIENCEで販売しているPro Micro、こちらはGuri-Tech氏

が開発し、SWITCH SCIENCEにて委託販売をしている互換機のようです。

5V/16MHz動作のみに対応し、3.3Vレギュレータは非搭載とのことです。


TALPKEYBOARD版と比べてコンパクトであり、基板サイズは32.85mm×17.70mm×1.60mmです。

上から見たときのUSBの突出も少なく、コンパクトな見た目です。






基板に切り欠きがあり、そこにType-Cコネクタを埋め込むことで、高さを抑えています。

Type-Cコネクタ込みの高さは実測3.50mmであり、基板表面からの高さは1.90mmとなります。

この高さであれば2.5mmコンスルーも使用できると思います。


このSWITCH SCIENCE版の問題としては価格が3,800円と高価なことがあげられます。

TALPKEYBOARDの実に4倍です。


まあ趣味な品ですし、薄さを求めるのであれば、こちらでもよいかと思います。


以上、情報共有でした。


  概要

ブランクキーキャップに昇華印刷をして、日本語配列キーキャップを自作しました!

写真の印字は全て自作の昇華印刷です!



  はじめに

現在私は、ロジクールの格安メカニカルキーボードK855を、数あるK855の中で最高のK855にしようという計画を進めています。

これまでコトコト静音化・打鍵感向上を進めてきましたが『コトコトまるで高級キーボード!K855の打鍵音・打鍵感の改良!』はじめにLogicool Signature K855というメカニカルキーボードを改造し、打鍵感・打鍵音ともに高級キーボードのようなコトコト音になったので…リンクameblo.jp


今回は見た目の改善です。


日本語配列(≒JIS配列)キーボードを使用していると直面するのが交換用の日本語配列キーキャップ不足です。

市販されているものといえば、


CorsairのPBT DOUBLE-SHOT 交換用カラーキーキャップセット 日本語108キー CH-9911060-JP (PBT)


FilcoのMajestouchシリーズ専用交換用キーキャップセット 日本語108キー (ABS)


Pulsarの[JIS] Pulsar Basic Keycaps 108 Set (素材不明)

こちら


keychronのJIS OEM染料昇華PBTキーキャップセット (PBT)

こちら(完売)


サリチル酸氏のAcid Caps JP (PBT)

こちら(2023/04/17現在 在庫なし)


あたりでしょうか?

いずれにしても在庫状況が厳しくかつデザインや色のレパートリーは英語配列と比べて大きく劣ります。


このような中で、好みのデザインの日本語配列キーキャップを使うのは至難の業です。


色々と探しましたが好みのデザインは見つからず「なければ作るしかない」と思うに至り、日本語配列キーキャップを自作することにしました。


今回、ブランクキーキャップへの昇華印刷と染色を試しています。

昇華印刷自体は上手く行きましたが、染色は結果的には失敗しています。

この記事を執筆中の現時点でも納得のいくキーキャップにはなっていませんので、今後も継続して取り組みます。


  昇華印刷

昇華印刷(Dye sublimation、Dye-sub)とは高熱で昇華印刷用のインクを対象物に染み込ませる印刷方法で、身近なところではTシャツへのアイロンプリントやマグカップへの印刷等にも用いられているようです。

キーキャップの印字方法としても主要な方法の一つで、2色成形(ダブルショット)よりは安価に作製でき、かつ印字がシール等と比べて消えにくいという利点があるそうです。


「キーキャップ 昇華印刷」で検索すると複数件自作している人がいるので、それらを参考にして取り組みました。


 デザイン

まずはキーキャップへ印字する文字のデザインを行います。

IllustratorやInkscape等のソフトを利用するのが一般的かもしれませんが、利用していないので、今回はPowerPointで作成しました。

画面サイズをA4サイズに設定し、印刷するキーキャップより少し大きめに枠線を引きます。

文字だけ詰め込んでもよいですが、枠線で1キー分ずつスペースを取っておいた方が後々、枠線の内側を切り取ることで、キーキャップと昇華印刷用紙との位置合わせがしやすくなります。


今回は安価にブランクキーキャップを入手でき、かつ好みのCherryプロファイルへ印刷することにしました。


デザイン案。K855のファンクションキーF1〜F12までの独自機能に合わせてアイコンも入れています。


昇華印刷用の紙は外注して作製してもらいます。

外注先は他の方も発注されていた、アイロンプリント.comさん

にしました。

他の業者さんもありましたが、こちらはイラレやPhotoshopのファイル形式だけでなく、PDF形式でもデータを入稿できるので、安上がりでありがたいです。


パワポでデザインを作成後、PDF形式で出力、フォントのアウトライン化をしたら入稿です。

A4、1枚で550円ほどですので、失敗した際の保険で3枚程度は発注しておいた方がよいと思います。

用途やプリント面の色などもフォームに記入して発注、データの確認後、1週間ほどで発送されました。


 キーキャップの入手

デザインと同時にキーキャップも用意します。

昇華印刷するためには、キーキャップは200℃前後の高温に耐えられるPBT素材である必要があります。

安価なABSでは溶けてしまうので不適です。


お好みのブランクキーキャップを探して、入手しましょう。

XDAプロファイルのようなどの行でも形状が同じなフラットプロファイルの方が入手性がよいのと、アイロンを押し付けてのプリントが圧力が均等にかかってやりやすいと思います。


私はそれらを無視して好みのCherryプロファイルにしました。


ブランクキーキャップの色について、後述しますが、当初染色して好みの色にしようと思ったので、染色の邪魔にならない白のブランクキーキャップを選びました。


私が購入したのはアリエクのこちらのブランクキーキャップです。

1000円台と安価でISOエンターキーも付属していそうだったのでこれにしましたが、実際にはISOエンターキーは付属していませんでした。

他の出品者からも同じ商品と思われるものを購入しましたが、こちらにもISOエンターキーは含まれておらず、問い合わせして値引きしてもらいました。

ISOエンターキーは別途入手しました。


昇華印刷の際に最初コツを掴むまでに何回か失敗する可能性があるので、予備も含めて多めにキーキャップは用意した方が無難です。


 アイロンプリント

昇華印刷用紙とブランクキーキャップがそろったら実際にアイロンプリントをしていきます。


用紙から1キーずつ切り出します


外枠より少し内側を切ります。枠が残っていると、キーキャップに枠線ごと印刷されてしまいます。


位置合わせをして耐熱テープ(カプトンテープ)で止めます。


Cherryプロファイルはキーキャップ上面中央のえぐれが大きいので、密着するように当て布のような当てシリコンをします。

下には100均で購入した、シリコン鍋敷きを敷いています。

鍋敷きもシリコンなので、アイロンを押し当てた際にもキーキャップがズレることなく、滑り止めの役目も果たしてくれました。


アイロンは強?高?に設定し、スチームは使用しません。昇華印刷用紙の取説には200℃で60秒前後と記載されていましたが、シリコン経由で熱を伝えるためか、80〜90秒当てるとちょうどよかったです。

これはアイロンの性能・設定にもよると思います。

とにかく密着することが大事なので、体重をかけて力を込めてアイロンを押し付けることがコツだと思います。


上手くいけばこのように綺麗に印刷されます。


こちらは失敗作たち。Escは途中で用紙がズレたためにじんでいます。F4はアイロンの押し付け圧が足らずに中央凹んだ部分が薄くしか印刷できていません。]はキーキャップを上下逆さまに印刷してしまっています(汗)


日本語配列のキーを優先して作業してみました。

記号系の配列が日本語配列らしさを出しますね。

1キーずつ80秒かけて印刷するので時間はかかります。印刷用紙から切って載せて80秒アイロンプリントしてで、1キーあたり3分ほどかかります。


  染色

ある程度昇華印刷を進めた後、失敗作たちを試しに染色してみることにしました。


今回はプラ染め太郎ハイブラックを使用して、キーキャップをダークグレーに染めたいと思っていました。

プラ染め太郎を規定量の水で割り、ダイソーの550円ステンレス鍋に入れて加熱。

80℃で20分煮てみましたが、染色されず…90℃に上げたところ染色され始めました。

ただ、ダークグレーというよりも赤みの強い錆色がかった色がだんだん暗くなっていって黒に近づくという感じで、目標にしていたダークグレーには近づくことなく赤黒っぽくなるというような感じでした。


上のSecundoキーのダークグレーを目標にして染めてみましたが、赤みがかったグレーになってしまった。


「「」キーは80℃20分の後90℃、10分で途中で引き上げ、下2つは90℃20分。

キーキャップ角の部分だけ濃く染色されるのと昇華印刷は薄れてしまうという問題も。

染色するなら染色してから昇華印刷の方がよいかも?


今回は染色が上手くできませんでした。

プラ染め太郎のグレーを使うか、他の染色液の方がよいのかもしれません。


とりあえず染色は難しそうなので、色付きのブランクキーキャップを新たに入手することにしました。


  まとめ

・昇華印刷は比較的容易

・染色で理想の色を出すのは難しい

・色付きのブランクキーキャップがあるなら、それを使うのが効率がよい

・昇華印刷をすればオリジナルデザイン、アイコンのキーキャップを作ることも簡単です!



色付きのブランクキーキャップでリベンジしました。


これはこれでレトロな感じでありですが、ライトグレーエリアをもう少し暗いグレーにしたいので、ブランクキーキャップ探しの旅を続けます。

Cherryプロファイル、ダークグレーブランクキーキャップを売ってるサイトがあれば是非教えてください。



  はじめに

前回までにロジクールSignature K855というメカニカルキーボードの打鍵感、打鍵音の向上のための改造を行ってきました。

この結果、もともと「カチャカチャ」だった打鍵音が「コトコト」となり、静音化も実現しつつ、スコスコの打鍵感も手に入れるという自分的にかなり満足のいくキーボードになりました。


『コトコトまるで高級キーボード!K855の打鍵音・打鍵感の改良!』はじめにLogicool Signature K855というメカニカルキーボードを改造し、打鍵感・打鍵音ともに高級キーボードのようなコトコト音になったので…リンクameblo.jp


この際にキーキャップをPBT製のものに替えたのですが、スペースバーのみサイズが合わず、デフォルトABS製のまま使用していました。


日本語配列(JIS配列)キーボードのスペースバー、スペースキーは4.5U(または4.25U)というかなり特殊なサイズのようです。英語配列の6.5Uや7Uは製品として多数出ていますが、4.5Uスペースバーで好みの形状、プロファイルはそうそう見つかりません。


XDAプロファイル用スペースバーならあるっぽいですが、その他はアリエクにはなさそう??


今回はCherry profileの4.5Uスペースバーが欲しかったので、なければ作るしかない…と、せっかくの機会なので、木製のスペースバーを自作することにしました。

この記事では作り方も含めてご紹介します。



  材料

使った材料、工具は下記の通りです。

・ウォールナット端材(ホームセンターやメルカリ等で入手可)

・電動ドリル

・木工用ドリル刃

・ハンドリューター

・紙ヤスリ各番手

・蜜蝋ワックス



  工程

○端材切り出し

まずはウォールナットの端材を目的の4.5Uスペースバーより少し大きめに切り出します。

サイズは幅81mm×奥行き20mm×高さ14mmとしました。

実際のCherry profileの4.5Uスペースバーは幅80mm×奥行き18mm×高さ12mmくらいです(ノギスがないので測定誤差あり)。


○軸受け用の穴開け

Cherry MX用の4.5Uスペースバーは中央にキースイッチ用、左右にスタビライザー用の軸受けがあります。

軸受けを入れるためにそれぞれ30mm間隔で3つの穴を開けます。

適当な木工用ドリルで深さ7mmの穴を開けます。

今回は10mm径で開けました。

できるだけ垂直になるように頑張ります。


穴開けする。写真は奥側の穴開け位置を間違えて5mm手前にズラしてしまった…💦やり直し。


○穴の拡張

Cherry MX規格のキースイッチを押下した時にこの穴にスッポリ収納できるように、ハンドリューターで削っていきます。


削り途中


Cherry MX規格のキースイッチは外径が約15.6mmなので16mm角の四角形の内側をテーパーをつけて削っていきます。

スタビライザーは幅は10mmでよいので、奥行き方向のみ前後16mmになるように、こちらもテーパーをつけて削ります。


○軸受けの接着

キースイッチ、スタビライザー用の穴を確保できたら、軸受けを接着します。

軸受けは他のキーキャップを破壊して取り出してもいいですし、3Dプリンターをお持ちの方はちゃちゃっと出力すればよいと思います。

軸受けをキースイッチとスタビライザーに取り付けた状態でアロンアルファを滴下、木製キーキャップを押し付けて接着します。


アロンアルファはゼリー状の物がよいと思います。今回は木材+プラスチック対応のこちらを使用しました。




ある程度押し付けて接着できたらキーキャップを取り外して乾燥させます。

そのままキースイッチにつけたままではキースイッチに接着剤が垂れる可能性があります。


接着剤を着け過ぎたの図(中央)


○研磨

何度か押してみて問題なくスペースバーとして利用できることを確認したら、今度は表面をやすりがけして好みの形に整えます。

Cherryプロファイルのスペースバーは基本は凸面になりますが、自分の好きな形にできるのも自作キーキャップのメリットと思います。


左がデフォルト、今回は右の形にしました。少し角を取った感じです。


好みの形になったら、やすりの目を細かくしていき、表面がサラサラになるまで研磨します。

今回はダイソーの耐水ペーパーのセット品を使って1500番まで使用しました。


○蜜蝋ワックス処理

最後に蜜蝋ワックスで表面をコーティングします。

100mlのこちら、Aタイプを購入しました。


使用するのはほんのちょっとですので、99%は余ります。楽天の10mlお試し用の方がいいかもしれませんね。

別のキーキャップや木工DIYに(もしやるなら)使用したいと思います。


蜜ロウワックスをウエスにとって、キーキャップに塗り込みます。ごく少量で大丈夫です。

薄く伸ばせばツヤツヤになります。


注意: 使ったウエスは水を含ませて廃棄してください。酸化する際に発熱し、自然発火する可能性があるそうです。


  完成

完成です!








ツヤツヤでかつウォールナットのいい色味が出ています。





  はじめに

Logicool Signature K855というメカニカルキーボードを改造し、打鍵感・打鍵音ともに高級キーボードのようなコトコト音になったので報告します!


注意: キーボードを分解改造しています。技適の関係上、電源を入れての使用はできず、こちらのK855は実証機としてのみ使用しています。

同様の構造の有線キーボード、K835なら皆さんも問題なく実施できると思います。保証は捨てることになりますが。



  打鍵感、打鍵音!

ロジクールのK855およびK835は安くてスコスコな赤軸が軽快なメカニカルキーボードです。その価格からメカニカルキーボードの入門機として適した機種だと思います。

一方で、カチャカチャと高いプラスチッキーな打鍵音がうるさく、オフィスでの使用はまず難しいと言えます。


改造前の打鍵音は記録していませんでしたが、多くの方のレビュー動画があるので、そちらを見ていただけたらと思います。


こちらを分解、改造してまるで高級キーボードのようなコトコト音にすることができました。


録音用の機材がないためiPhoneによる直撮りです…。

このため低音が録音できておらず、高音寄りに聞こえてしまうのですが、実際はかなりの静音化、心地よいコトコト音になっています。

打鍵感もスムーズなスコスコで好みのものになりました。

なお、スタビライザーを使うシフト、スペースバーは改善の余地ありですね。


  何をやったのか?

ここに至るまで色々と試してきました。

それぞれご紹介します。


  静音化リング(効果なし)

まずはお気軽静音化リング、数百円で可能なのでまず最初に試しましたが、押下時の打鍵音は抑えられても、指を離した際の戻り音が全く静音化できないので、ほぼ役に立ちませんでした。

打鍵感もグニっと悪化するので、何個かのキーキャップに付けて、すぐに中止、全部取り外しました。


  キーキャップ交換(あまり効果なし)

K855のキーキャップは安価で打鍵音の高いABS製ということでキーキャップを交換しました。

交換したキーキャップは比較的打鍵音の低いとされるPBT製かつ日本語配列(JIS配列)という数少ないキーキャップ、CORSAIR CH-9911060-JPです。


静音化の観点からのみで言うと、キーキャップをPBT製に交換しても大幅な静音化は得られませんでした。聴き比べれば少し違うかなというくらい。

一方でデフォルトキーキャップは、ひらがなが入っていたり、印字がシールだったりでデザイン的に良くなかったので、こちらのCORSAIRキーキャップをそのまま使うことにしました(スペースバーはサイズが合わずにそのまま残留)。




  キースイッチ交換(効果大)

メカニカルキーボードと言えばキースイッチの交換も醍醐味の1つということで、キースイッチを交換することにしました。

交換するためにははんだ付けされているキースイッチをプリント基板(PCB)から外す必要があります。

キースイッチ交換のあーだこーだについてはこちら『K855の静音化!キースイッチ交換&ホットスワップ化』Logicool Signature K855というメカニカルキーボードをホットスワップ対応させ、キースイッチ交換しましたので、その様子を記録します。追記!注…リンクameblo.jp

をご覧ください。

後々のキースイッチ交換を容易にするため、Mill-Maxソケットによるホットスワップ化(ソケット化)も実施しています。





結果的には劇的な静音化を達成することができました。…がこれで終わりではない…。

この時は最終的にOutemu製 Silent Ocean switchにしましたが、底打ち時のグニっとした打鍵感とスプリングの重さが好みではありませんでした。

そのうち慣れるかとも思いましたが、慣れる前にもう少し手を加えることにしました。


  キースイッチの改造(効果絶大)

デフォルトだとカチャカチャ音の大きなK855ですが、よく聞くと底打ち音よりも指を離した際の戻り音の方が大きいことがわかります。

そこで、戻り音はしっかり静音化しつつOutemu Silent Oceanの底打ち感を改善するために、キースイッチを分解、底打ち用のダンパーを除去してみました。


それらについてはこちら
『セミサイレントスイッチ化!サイレントスイッチの底打ち感向上!!』静音リニア軸の改造!前回までにロジクールのK855というメカニカルキーボードを分解し、キースイッチを交換することで劇的な静音化を達成しました。この時はOu…リンクameblo.jp


こうすることで、底打ちはノーマルリニア軸のようなスコスコ感、トップハウジングにステムが当たる戻り音はしっかりサイレントスイッチとして機能する「セミサイレントスイッチ化」することができました。



キースイッチの各パーツ。左からトップハウジング、ステム、スプリング、ボトムハウジング


Silent Ocean Switch分解中


ステム。サイドにシリコンダンパーが見える


シリコンダンパーの下側を引き出す


ハサミでカット


元に戻す。底打ち時のダンパーは無効化されているのが見える。お手軽セミサイレントスイッチ化!


スプリング。左: Silent Ocean(45g)、右Silent Peach(40g)


この時についでにスプリングをより軽い40gのSilent Peachのものと取り替え、全てのスイッチに潤滑剤を塗る"ルブ"をしました。

ルブによって、打鍵感もスムーズに引っ掛かりなく底打ちできるようになりました。


以上の改造の結果、打鍵音は「コンコン」といった底打ち音のみになりました。


  静音用ウレタンフォームの貼り付け(効果大)

ケース内で音が反響するのがよくないとも聞いていたので、徹底的にウレタンフォームを貼り付けて静音化を計ります。

まずはトッププレート裏にKBDfans module foam 静音用ウレタンフォームのPoronフォームを。




続いて、プリント基板にはスイッチからの衝撃を和らげるためにKBDfans Switch Pads スイッチ-PCB用クッションフォームを。




さらにケース内の無駄な空間を埋めるためにこちらのNRスポンジを切って入れました。

K855には3mm厚でちょうどよいと思います。


ネジ穴の部分は穴を開ける。


  擬似ガスケットマウント化

上記のフォームと共に、擬似ガスケットマウント化(名称あってる?)にも取り組みました。

ガスケットマウントとはキースイッチを固定するプレートをケースに直接ネジ止めするのではなく、ウレタンフォーム等で挟み込んで打鍵時の衝撃をケースに直接伝えないようにするマウント方法のことです。

最近の高級キーボードでは主流のようです。


K855は残念ながらプレートとケースは直接ネジで固定されるので、ケースに振動がダイレクトに伝わります。

これを回避するためにネジ穴の山に直接プレートを載せるのではなく、Poronフォームを間に挟んで間接的に固定することにしました。


Poronフォームはプレートの裏に貼ったKBDfans module foamをそのまま使い、ネジ穴の部分にドリルで穴を開けただけです。

赤丸、ネジ穴部分にドリルで穴を開ける。


このままではフォームの厚み分ケースからプレートが飛び出てしまうので、ケースのネジ穴の山を1.5〜2mmくらい強引に切断して低くしました。


なかなか上手く切れなくて切り口が汚いのはご愛嬌ということで…💦


それと同時にプレートを浮かせた状態にするために、はめ込みのツメは全て折って、ネジのみでプレートを固定するようにしました。


これにより、プレートの振動はPoronフォームを経てケースに伝わる擬似ガスケットマウントと言ってよいものになったと思います。


以上、色々と手を加えた結果、「カチャカチャ」から「コンコン」、そして最終的には憧れであった「コトコト」音を目の前のキーボードから聞けるようになりました!



  今後の課題

今後の課題としては、スペースバーやシフトキーのようなスタビライザーを使うキーでは、金属のカチャカチャ音が鳴るので、スタビライザーの調整が必要と考えています。

また、キーキャップが真っ黒で自分好みではないので、こちらも自分好みのキーキャップを探すor自作しようと思います。

日本語配列のキーキャップはほとんど市販されていないので、自作するしかないかもしれません。


  まとめ

様々な手を尽くして、憧れのコトコト音を手に入れました。


今後、スタビライザーの調整と好みのキーキャップ探しが終われば、観賞用、打鍵感を楽しむための自分的最高のキーボードの完成と言えると思います。


また、実証機として色々やった経験をもとに実用機探しもしていきたいと思います。


追記: 4.5Uスペースバーを木製で自作しました。『木製キーキャップ自作、4.5Uスペースバー!』はじめに前回までにロジクールSignature K855というメカニカルキーボードの打鍵感、打鍵音の向上のための改造を行ってきました。この結果、もともと「…リンクameblo.jp


追記: キーキャップへ昇華印刷してJIS配列、日本語配列キーキャップを自作しました。『JIS配列 キーキャップへの昇華印刷、染色』はじめに現在私は、ロジクールの格安メカニカルキーボードK855を、数あるK855の中で最高のK855にしようという計画を進めています。これまでコトコト静音…リンクameblo.jp


  静音リニア軸の改造!

前回までにロジクールのK855というメカニカルキーボードを分解し、キースイッチを交換することで劇的な静音化を達成しました。



この時はOutemu製の「Silent Peach Switch」と同じくOutemu製の「Silent Ocean Switch」という静音赤軸(静音リニア軸)にキースイッチを交換することでLogicool signature K855の静音化を達成しています。

ただ、静音スイッチに交換することで打鍵感がもっちりとしてしまい、赤軸のスコスコ感が好きだった私にはあまり好みではなくなりました。


そこでこの時に使ったサイレントスイッチを分解、改造することで打鍵感を改善することにしました。

デフォルトではカチャカチャとうるさいK855ですが、騒音の原因を探ると、キーを押し込んだ時の底打ち音よりも、キーを離した時の戻り音が大きいことがわかります。

このため今回は、打鍵感を維持するために底打ち感は通常の赤軸に近付ける一方で、打鍵感に関与しない戻り音についてはしっかり静音軸として機能してもらう。というコンセプトで改造することにしました。


  ​キースイッチ分解

まずはキースイッチの分解です。


Outemu Silent Peach Switchです。Silent Oceanよりも軽さは好みでしたが、ハウジングの色が目立って仕方なかったので、K855にはSilent Oceanを使用しています。


分解。トップハウジング、ステム、スプリング、ボトムハウジングに分かれる。

少量のファクトリールブ済みとのことで、ステムの下側のポールにルブされていました。ステム側面やスプリングはルブされてるかよく分かりません(たぶんされてない??)。


Silent Ocean(左、45g)とSilent Peach(右、40g)のスプリング。長さが大きく異なるが、長い右のスプリングの方が軽い。


  改造


まず静音機能を有しているステムを観察。右が手をつける前のそのままの姿です。

ステムのサイド(写真手前と奥側)にシリコン製のダンパー、緩衝材が取り付けられています。

この緩衝材が底打ち時にはボトムハウジングに、指を離した際にはトップハウジングに当たって発生する音を静音化する構造でした。

1番左がその緩衝材を取り出したもので、上下に頭が張り出した形をしています。


今回は底打ちは通常のリニア軸、赤軸のような打鍵感、戻り音は静音化、という方針で改造しますので、下側の張り出しをハサミでカットします。


シリコン緩衝材の下側をカットした様子。



緩衝材をステムに取り付ける(左)。右と比べて下側の緩衝材が無効化されているのが分かる。上側はそのまま。

奥側も同様にカットすして再セット。



組み立て直す。


キーボードに取り付けて打鍵感のテストをしたところ、底打ちの打鍵感はもとの赤軸と同じようなスコスコ感になりました!

それと同時に指を離した後は静音軸として機能することで、戻り音はほぼない状態に!!


  大発明かと思いきや…

こりゃあ大発明をしたと思いきや…よくよく調べると、セミサイレントスイッチとして、数社から同様のスイッチが出てきているようです…。

下側は緩衝材なし、上側のみ緩衝材を付けることで、戻り音のみ静音化する、というコンセプト丸被りのもののようです。

https://talpkeyboard.net/items/632c05750f9a225a90a6b64b


まあ素人が考えることは皆思いつくよね。

調べてないですが、個人でやるmodとしても既出かもしれません。


  ついでに

ついでにSilent PeachのスプリングをSilent Oceanのスプリングと交換して、Silent Oceanの綺麗な青いハウジングだけどスプリングは軽く、ということもできることを確認しました。


見た目的にはSilent Oceanの方が好みなので、全てのスイッチをスプリング交換による軽量化、緩衝材のカット、ついでにルブ辺りを今後やりたいと思います。


チラ見えする涼しげな青。


また底打ち音の調音、静音のためにケースにフォームを詰めたり、プレートと基板の間にもフォームを詰めたり、いろいろやっていきたいと思います。


また実施したら報告します。


追加: 実施しました!


Logicool Signature K855というメカニカルキーボードをホットスワップ対応させ、キースイッチ交換しましたので、その様子を記録します。


追記!注意!技適認証済みの製品を分解すると、技適が無効化する可能があり、国内利用できなくなります。

私もこのキーボードは使用を中止しています。

有線のK835であれば問題なく実施可能です(保証は切れますが)。


  なぜ?キースイッチ交換&ホットスワップ対応

今回、キースイッチを交換するとともにホットスワップ化(ソケット化)させた理由としては、「K855がうるさい!」「静音化したい!」これに尽きます。

まず、以下の私の理想とする条件に合致するキーボードはK855しか見つかりませんでした。

・メカニカルキーボード

・日本語配列(JIS配列)

・2.4GHzワイヤレス(Bluetoothはなくてよい)

・乾電池駆動


K855はもともと打鍵音が大きいとは聞いていましたが、これを買うしか選択肢がなく、買ってはみたものの、やはりカチャカチャと打鍵音がうるさく、オフィス用途では使用できないほどでした。

静音化リングも試しましたが、キーを離した時の戻り音には効果がなく、役には立ちませんでした。


そんな中で、メカニカルキーボードといえばホットスワップ、キースイッチ交換だろうと思い立ち、このK855を分解、ソケット化することでホットスワップ対応させ、キースイッチも交換することにしました。



  必要なもの

同じことをしたいとお考えの皆さまのために必要なものリストを書きます。


・ロジクールK855: キーボード本体。これがなくちゃ始まらない

・キーキャッププーラー: キーキャップを引き抜くためのもの。キーキャップやキースイッチを購入するとタダでもらえたりする

・トルクスドライバー T6: キーボードの分解用

・+ドライバー +0か+1: キーボード分解用

・何かしら丈夫なヘラ: キーボード分解用

・はんだごて: キースイッチ取り外し、ソケットはんだ付け用

・はんだ吸取器: オススメはエンジニアのSS-02です。

・はんだ: お好みのもの

・ソケット: 今回はMill-Max 「3305-2-15-80-47-27-10-0」を使用。詳しくは『メカニカルキーボードのホットスワップ化(ソケット化)』メカニカルキーボードは後からホットスワップ化できる!はんだ付けされたメカニカルキーボードも後からホットスワップ化(ソケット化)することができます!調べたこ…リンクameblo.jp

をみてください。

・キースイッチ: お好みで

・交換用キーキャップ: 必要な場合(後述)

・時間: トータル3〜4時間必要

・根気+集中力: はんだごてを使ったことある人なら大丈夫です!初めての人でも根気さえあればできます!!

・最後は保証を捨てる勇気


追記!注意!分解すると技適の関係上、国内利用できなくなります。ご了承ください。


  分解

分解すると保証を受けられなくなると思われます。

分解は自己責任で行ってください。



分解前最期の姿



キーキャップをプーラーで引き抜いていきます。


全部抜きました。前面に19ヶ所+ネジがありますので、こちらも外します。



裏面、電池蓋と右足の裏にトルクスネジがあるので、トルクスドライバーT6で回してネジを抜きます。


ネジが全部外れたら分解用のヘラ等を使ってはめ殺しのツメを開けて行きます。

ここがかなりの難所で私は3ヶ所ツメを折ってしまいました。気にしない気にしない…。


開くとこんな感じ。裏のケースと表プレート+プリント基板(PCB)の2枚におろせます。


この赤丸の中がキースイッチ1つ分です。



キースイッチはこの写真のように、キースイッチ1つに対して3本のピンが出ており、2本ははんだ付けされており電気が通る接点、中央の黒いピンはキースイッチを固定するためのプラスチックのピンです。


このはんだ付けされている2本のピンのはんだを吸引し、キースイッチを取り外します。

200個近い数のピンがありますので、はんだの吸引は効率性が求められます。

今回は事前にはんだ吸取器を購入しておきました。


エンジニア製のはんだ吸取器SS-02です。

電動ではない手動式としては最高峰とも言われる機種で、正確なはんだ吸引ができました。日本製!


溶かしたはんだを注射器のような吸引器がギュポッと吸い取ります。

先端がシリコンチューブになっており、基板に密着させることが容易です。

替えのチューブも入っていましたが、今回の作業では先端のチューブを交換する必要はなかったです。

この作業が時間的にも集中力的にも1番大変なところです。2時間くらいかけて全部のキースイッチを取り外します。


キースイッチを取り外し、さらに+ねじ3本を外すと前面のプレートと基板(PCB)を分けられます。


ここまでで分解作業は終了。



  ホットスワップ化(ソケット化)

続いて、今後は容易にキースイッチを交換できるように、ソケット化することで、ホットスワップ対応させます。

ホットスワップ対応、ソケット化についてはこちら『メカニカルキーボードのホットスワップ化(ソケット化)』メカニカルキーボードは後からホットスワップ化できる!はんだ付けされたメカニカルキーボードも後からホットスワップ化(ソケット化)することができます!調べたこ…リンクameblo.jp

の記事を参考にしてください。


基板にソケットを挿していきます。

前回、テンキーをソケット化した際はMill-Maxソケットがゆるゆるでしたが、今回のロジクールの基板はソケットギチギチでした。

爪を使って奥まで押し込みました。

俗に云う「田植え」作業。


ソケットがギチギチだったので、1個ずつ押し込むのが大変でした。


全部挿しました。


ソケットが抜け落ちないように耐熱テープを貼っています。がギチギチなので落ちることはありませんでした。


挿せたら全てのピンをはんだ付けします。



  組み立て

ソケットのはんだ付けが終わったら組み立てます。




ソケット化、ホットスワップ対応されたロジクールK855の勇姿!


キースイッチを挿していきます。


今回用いたキースイッチはOutemuの静音赤軸(静音リニア軸)の「Silent Peach switch」と同じくOutemuの静音リニア軸の「Silent Ocean switch」です。

OutemuはAliExpressで110個3000円台と安価で、とりあえず交換したいと言う方にオススメ。


Silent Peachの方が押すために必要な力が弱く、押し込む距離も短めです。Silent Oceanは一般的な性能の静音リニア軸だと思います。

どちらも少量のファクトリールブ済みとのことで、潤滑剤を刺す必要はなくそのまま使えます。

「少量の」ということなので、そのうちルブ切れするのかも?


K855はfn1〜fn3とcapsロックキーにLEDが仕込まれているので、透明なキースイッチ(Silent Ocean)にしてみました。


ピンク色の主張が激しいです。

キーキャップを付けたらどう見えるか…。


組み立てたら動作テスト…は技適の関係上できません。


  問題発生

続いて、キーキャップを付けて行きます…が、問題発生、もともとK855についていたキーキャップがOutemu軸と相性が悪いのか、ブカブカ、ユルユルで、キーボードをひっくり返すとキーキャップが自然落下するほどでした。


Outemu軸が微妙に細く、ロジクールキーキャップが微妙に大きいようです。

相性最悪。


幸いにももともとキーキャップ交換も視野に入れて用意していたため、キーキャップも交換しました。


交換したキーキャップはCorsairのPBT製交換用キーキャップCH-9911060-JPです。


PBT製日本語配列(JIS配列)の交換用キーキャップはほとんど製品としてなく、ほぼこれ一択でしょうか?他に製品あれば教えて欲しいです。


残念ながら、スペースバーはスタビライザーの位置が微妙に異なり交換することができなかったので、そのままです。

スタビライザーのお陰で、もとのスペースバーでもユルユルにはならないので、よしとします。


また、Altのキーキャップが1つしかなく、足りなかったので、K855にはないアプリケーションキーのキャップで代用しています。



  無事完了


諸々の問題はありましたが、無事完了!

もともとの赤軸よりもはるかに!はるかに!静音化することができました!

オフィス用途でも何ら気兼ねなく打鍵できます(国内では電源オンにできません)。



ん?キースイッチの色が??


チラ見えするピンク色が気に入らなかったので、全部のキースイッチを「Silent Ocean」に変更しました。

ちょっともっちり感が重くなりますが、これで静音赤軸の一般的な部類と思えばそのうち慣れると思います。


簡単に変更できるホットスワップ最高!!



  まとめ

・ロジクールK855をソケット化、ホットスワップ対応することができました。

・これによって劇的な静音化を達成しました。

・軸によってはキーキャップとの相性があるかも?


今回、キーボード約1万円に対して、キースイッチ2種で7000円、ソケット1万円、キーキャップ4000円と2万1千円となりました。

キーボード本体代より高い投資をしましたが、日本語配列、2.4GHzワイヤレス、乾電池という条件のキーボードはK855しかないので、仕方ありません。

このK855を素材にして、キースイッチ交換、ケース内部にフォームを入れることでの調音等、今後もいじくって楽しみたいと思います。


追記: 実施しました!『コトコトまるで高級キーボード!K855の打鍵音・打鍵感の改良!』はじめにLogicool Signature K855というメカニカルキーボードを改造し、打鍵感・打鍵音ともに高級キーボードのようなコトコト音になったので…リンクameblo.jp


  メカニカルキーボードは後からホットスワップ化できる!

はんだ付けされたメカニカルキーボードも後からホットスワップ化(ソケット化)することができます!

調べたことをまとめます。


素人なので誤っていたらコメントお願いします。


  ホットスワップとは?

まず、ホットスワップとは何か?

その本来の意味としては活線挿抜(かっせんそうばつ)と言ってコンピュータ等の機器を起動したままパーツやケーブルを抜き挿ししたりすること、またはその機構。とのこと。


キーボード界隈では上記の意味では使われず、プリント基板(PCB)にキースイッチをはんだ付けせずに、PCBに付けたソケットに、キースイッチを抜き挿しできるようにした仕組みをホットスワップと呼ぶようです。


メカニカルキーボードは自分の好みのキースイッチに交換するのが醍醐味とも言えるので、ホットスワップ対応のキーボードは一定の需要があります。

一方で、ホットスワップ対応するとコストがかかるので、大手メーカー製のキーボードではホットスワップに対応しない所もあります。


  ホットスワップ化(ソケット化)とは?

ホットスワップ対応していないキーボードをホットスワップ対応させることをホットスワップ化、またはソケット化と言います(以降はソケット化)。

ホットスワップ非対応しかないキーボードを何とかやりくりしたい!というときに便利!


  方法は?

ソケット化の方法は現状主に2つ

・Kailh HotswapソケットをPCBにはんだ付けする

・PCBにソケットを挿入+はんだ付けする

それぞれについて見ていきます。


・Kailh HotswapソケットをPCBにはんだ付けする

Kailh Hotswapソケット


対応の PCBの場合、KailhソケットをPCBの穴にセットしてはんだで固定するだけ。


対応のPCBの場合、これを使えば楽なようです。

はんだ付け作業も精密さはそこまで必要なさそうです。

そして単価も安い。



  PCBにソケットを挿入+はんだ付けする

ようやく本題、Kailh Hotswapソケットに対応しないPCB、多くの他メーカー品の場合こちらになると思います。


はんだ付けされていたキースイッチを取り外した後に、はんだ付けされていた穴(スルーホール)にソケットをはんだ付けするだけ。

キースイッチはそのままソケットに抜き挿しできるようになります。


ソケットは、Mill-Max社(アメリカ)製のものが主流です。


Mill-Maxソケットとキースイッチ



これまでに主に3系統のソケットが使われてきました。


すなわち0305系、7305系、そして最近は3305系です。それぞれ何が違うかというと、ソケットの縁の厚みが異なります。0305系は0.64mm、7305系は0.36mm、3305系はさらに薄くなって0.25mmとなります。

キーボードのソケット化用途としては縁は薄ければ薄いほどよいので、現状は3305系一択と言ってよいと思います。

縁が厚いとPCB上に大きな段差ができ、キースイッチがその厚さ分浮き上がってしまいます。そうなると打鍵時にぐらつく原因になるためです。



PCBにソケットをはんだ付けしたところ。表面にソケットの縁が飛び出している。


横から。3305系なので0.25mmの飛び出し。



3305系の中にもいくつか種類があります。


データシート

を見ていきます。


オススメの型番は「3305-2-15-80-47-27-10-0」です。


このソケットが「3305-2-15-80-47-27-10-0」です。


パッと見なんのこっちゃ?ですが、

頭の「3305」は見ての通り3305系であることを示します。


次の「2」はソケットの長さで0なら全長2.67mm、1なら3.30mm、2なら3.94mmとなります。2.67mmではPCBからの突き出しが短か過ぎてはんだ付けが難しいと思います(ソケット内にはんだが入ってしまう)。

Cherry MX軸のピンの規格が長さ3.30mmですので、「1」の3.30mmならツライチ、ケースに余裕があるなら「2」の3.94mmがはんだ付けしやすくてよいと思います。


3305-2をはんだ付けしたところ。3.94mmなので飛び出しが長く、はんだ付けしやすい。



次の「15」はソケットの包装方法で15ならバルク、57ならテープかリールに包装されるようですが、これはバルクで十分です。


続いて「80」はソケットの表面処理方法で、80は錫(スズ)メッキ、15なら金メッキです。見た目や個人の嗜好もあると思いますが、私は錫メッキを選びました。

錫メッキの方が価格が若干安いこと、錫メッキの方がはんだ付けしやすい、はんだが乗りやすいことからこちらを選んでいます。キースイッチを引き抜く際には結構な力がかかり、はんだ付けが不十分だとソケットごと抜けてしまうことがあるそうで、よりしっかりはんだ付けできる錫の方がよいかなーと思います。


次の「47」は差し込まれたピンと接触する内部の接点、指の数でしょうか。「47」は指6本とのことで、3305系は全部「47」です。


「27」はピンと接触するソケット内部が金メッキであることを示していて、3305系は全て「27」です。残りの「10-0」は何か分かりませんが3305系はみんな同じなので意識する必要はないです。


入手方法について、

Mill-Maxのソケットは国内では遊舎工房やマルツで入手できるかもしれないですが、在庫がなかったり、欲しい型番がなかったりします。

Digi-keyやMouserの通販で直接アメリカから購入するのがよいかと思います。


価格は?

1個40〜50円と高価で、1つのキースイッチに2個必要なので、キースイッチ以上のコストがかかります。

80%〜フルキーボードだと1万円前後の出費となります。


  Mill-Maxソケットの代替品…!?

より安価に!という場合、Mill-Maxソケットの代替として、キースイッチブランドのOutemuに付属しているソケットを利用するという方法もあるようです(私は未確認)。

これはOutemuの一部スイッチを購入する際に付属品としてついてくるもので、ソケットなしの物と価格差もないようです。

キースイッチ200個+ソケット400個で3200円台は魅力…!!

2023/12月追記: 上記のリンクのスイッチにはソケットが付属しなくなった??かもしれません。

購入を検討中の方は要注意です。



これをそのままPCBにはんだ付けすればソケット化の出来上がり!…ですが、このソケットはOutemu用のようで、他のメーカーのキースイッチは入らないものもあるそうです。


Outemuはキースイッチのピンが他社と比べて薄く、このソケットも細いピンでないと入らないようです。

メーカーによってOutemu以外でも入るものもあるそうですし、ピンを削れば入るようになると思います。


機会があれば試してみたいと思います。


  Outemuのキースイッチはグラつき問題が起きにくい

Mill-Maxソケットを使うにせよOutemuソケットを使うにせよ、ソケットの縁の厚み分PCBから突き出しが発生するのは防ぎようがありません。


グラつき防止にソケットの縁の厚さ分、周囲にテープを貼ってツライチにする方法があります。


一方で、Outemuのキースイッチでは、ピン周りが窪んでおり、ソケットの厚みを吸収できるようになっています。


Outemuスイッチは赤丸部分が凹んでいる。



このため、少なくとも3305系とOutemuスイッチではグラつきはほとんどないと思います。



  まとめ

・メカニカルキーボードは後からホットスワップ化、ソケット化ができる!

・基本はMill-Max3305系を!

・安さを求めるならOutemuソケットも選択肢に!

・キースイッチはOutemuだとグラつきづらい。



実際にやってみた記事はこちら



  概要、やりたいこと

Raspberry Piにmjpg-streamerをインストールすることで、USBカメラで撮影している動画をWEB上に生配信することができる。

mjpg-streamerにはカメラの彩度や輝度、コントラスト、ホワイトバランス、シャープネス等を調整、コントロールする機能が付いており、これを配信映像を見ながら調整することを目的とする。


とりあえずはできたので忘備録として書いておきます。

もっといい方法があれば、教えてください。


  環境

Raspberry Pi 4B 4G

OS:Bullseyes


  方法

mjpg-streamerのインストール方法、起動方法は数多のサイトで紹介されているので、この記事では省略する。

1. mjpg-streamer単体でブラウザ表示させる場合、2. HTMLにmjpg-streamerの映像を埋め込んでいる場合それぞれあると思うが、基本的には同様である。


1. mjpg-streamer単独で表示させている場合


デフォルトでは

「ラズパイのIPアドレス:8080」

(プライベートIPならルーター内の範囲から、グローバルIPがあるなら、グローバルIPを入れることでインターネット上からアクセス可能)をブラウザのURL欄に入力することでmjpg-streamerのメイン画面に移行する。


「Stream」を押すことで、配信される動画を見ることができるが、カメラ設定をコントロールする場合には、メイン画面から「Control」を押せば、コントロール画面に移行する。


このコントロール画面で輝度、コントラスト、彩度、ホワイトバランス等をいじって、戻る、「Stream」に行けば、反映されているはず。


2. HTMLにmjpg-streamerの映像を埋め込んでいる場合

こちらも基本的には1.と同様で、コントロール画面のURLをHTMLページにリンクとして埋め込むことで、コントロール画面に入れるようにするというだけである。


"<img src="http://192.168.0.100:8080/?action=stream"/ width="100%" height="100%">"

"<a href="http://192.168.0.100:8080/control.htm">カメラ コントロール</a>


これでコントロール画面へのリンクが貼れる。

本来は配信しているページ内にコントロール画面を結合したいのだが、どうしたらよいのか思案中。

分かる方いれば教えてください。


  概要

Raspberry Piでmjpg-streamerを用いて、USBカメラ2台による配信を行おうとしたが、select() timeoutエラーで行き詰まりました。

その後、解消方法が分かったので、忘備録として記述。


  環境

Raspberry Pi 4B 4G

OS: Bullseyes

USBカメラ: HD画質1080p×1、FHD画質×1


  エラー

ターミナルから起動コマンド

カメラ1:  /home/pi/mjpg-streamer/mjpg-streamer-experimental/mjpg_streamer -i "/home/pi/mjpg-streamer/mjpg-streamer-experimental/input_uvc.so -f 10 -r 1280x720 -d /dev/video0 -y" -o "/home/pi/mjpg-streamer/mjpg-streamer-experimental/output_http.so -w /home/pi/mjpg-streamer/mjpg-streamer-experimental/www -p 8080"

の後に
カメラ2: /home/pi/mjpg-streamer/mjpg-streamer-experimental/mjpg_streamer -i "/home/pi/mjpg-streamer/mjpg-streamer-experimental/input_uvc.so -f 10 -r 1280x720 -d /dev/video2 -y" -o "/home/pi/mjpg-streamer/mjpg-streamer-experimental/output_http.so -w /home/pi/mjpg-streamer/mjpg-streamer-experimental/www -p 8081"
とすると
 i: select() timeout
 i: cleaning up resources allocated by input thread
エラーが出て、カメラ2を起動できない。

どうやらスペックの限界で起動に時間がかかりタイムアウトするようだ。


  対処法

下記のサイトも参考にしつつ、色々いじって対処法を試した。




結果としては4が有効であり、無事高解像度でカメラ2台の配信ができるようになった。

  1. カメラ2の解像度を下げる
  2. gpu_memを256MBまで増加
  3. 起動コマンドにオプションで "-timeout 15"を追加
  4. "-timeout 60"に設定、"fps"を10から5へ減らす


  1. カメラ2の解像度を下げる


スペックが足りないならカメラ2の解像度を落とせばいいじゃない。ということで、640×360に落としたところカメラ2も無事起動。

ただ画質が悪いので自分の目的には不適である。


  2. gpu_memを256MBまで増加

上記のサイトを参考に、raspi-configより、gpu_memを256MBに設定。

エラーは解消しなかった。128にちょっと下げておくことにした。


  3. 起動コマンドにオプションで "-timeout 15"を追加

上記のサイトを参考にtimeoutオプションを設定。効果なし。


  4. 思い切って"-timeout 60"に設定したところ起動成功!ただ起動後の配信もかなり処理が重いようで、ラグがものすごいことに。"fps"を10から5へ減らしたところ、まあ見れるくらいに改善。下記で安定。

 /home/pi/mjpg-streamer/mjpg-streamer-experimental/mjpg_streamer -i "/home/pi/mjpg-streamer/mjpg-streamer-experimental/input_uvc.so -f 5 -r 1280x720 -d /dev/video2 -y -timeout 60" -o "/home/pi/mjpg-streamer/mjpg-streamer-experimental/output_http.so -w /home/pi/mjpg-streamer/mjpg-streamer-experimental/www -p 8081"



その他、mjpg-streamerを遠隔でカメラの彩度等を調整する方法はこちらから



尾道市から広島市内までの自転車移動


●全行程
日時:2013/09/22
ルート:広島県尾道市-国道2号線(山陽道)-国道486号線-国道2号線-広島市
     
走行距離:約93km

広島市へ向けて朝3時頃尾道発。
道はずっと2号線沿いなのでほぼ迷わなかった。

途中、東広島市周辺で西条バイパスを避けるため国道486号線を進み、途中で2号に合流。

アップダウンは竹原市と東広島市の市境のところに少しあったが、まず問題ない程度。
R=50mの超急カーブがあって面白かった。

広島市内には8時頃着でした。


●今回のルート


●今まで走ったとこ更新
甘えん坊将軍の自転車ログ