これ作りました
初めて自作キーボードを作りました。
作ったのはこちらです。
有線の日本語配列でキー数は69個です。
このキーボードの特徴は何と言ってもその小ささ!
厚さは25mmと一般的な厚みがありますが、横幅14cm、縦4cmと15cm定規サイズ。
一般的なキーボードで言うと8×2U(8キー×2キー)という非常に小さなサイズ感です。
ユニバーサル基板にマウス用のマイクロスイッチを完全手配線ではんだ付けしています。
ケースやキーキャップも自作なので手作り感満載ですが、キーボードとして問題なく動作するので、ある程度は妥協しつつ満足しています。
とりあえず、「MiniJ69」と命名しとこうかなと思います。
材料・パーツリスト
今回の自作キーボードを作るにあたっての材料を紹介します。
・基板
ユニバーサル基板 140×40mm 752穴。数量: 2枚
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-03411/
・スイッチ
kailh mute micro switch 9.5mm。
マウス用の静音スイッチ。そこらのタクトスイッチでも作れなくはないですが、押下圧が100g以上あってとても重いので、70gと比較的軽めかつより小型のこちらのスイッチを選定しました。
キーキャップを付けるためにステム?が長い9.5mm版にしています。
今回は69キー+1(スペースキー用にもう一つ)で最低70個必要だったので、予備含めて100個購入しました(結果的に予備は必要ありませんでしたが)。
国内のAmazon等でも売っていますが恐ろしいほど割高です。どうせ中国から発送になるので、アリエク等で購入するのがよいと思います。
・ダイオード
キー数の多いキーボードを自作するためには電流が逆流するのを防ぐためのダイオードが必要です。
詳しく知りたい方は「マトリクス回路」あたりを調べてみてください。
今回は秋月の汎用小信号高速スイッチング・ダイオード1N4148(100本入り)
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-16603/
を購入しました。
秋月では同型で他メーカー製のものもありますが、50本入り、500本入りと入り数が微妙だったので、100本入りのこちらのメーカーのものを使用しました。
69個使用しましたが、不良品はありませんでした。
・Pro Micro
USB Type-C搭載 Pro Micro 互換機 (Guri-Tech氏版)。SWITCH SCIENCEにて購入。
https://www.switch-science.com/products/6576
一般的なPro Micro Type-C版でもよかったですが、前者の方がType-Cコネクタが埋め込まれていて薄いようだったので、こちらにしました。
一般的なPro Micro Type-Cの方が安価なので、今回はそちらでもよかったかもしれません。
両者のサイズ比較については
こちらをご参照ください。
・リセットスイッチ
TS-1136-4.3 タクトスイッチ(3.5×6.0×4.3mm/5個)
https://talpkeyboard.net/items/5fa258a5f0b10814d183347f
"Pro Microにファームウェアを書き込むモード"に入るために必要になるスイッチです。
今回のキーボード的には足が横向きに出ている
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-14891/
の方がよかったのですが、秋月での通販時に買い忘れました。
このためだけに送料を払うのももったいなかったので、TALPKEYBOARDさんでの別件の通販に上記のタクトスイッチを入れ込みました。
足は横向きがよかったので、ペンチで強引に90°曲げています。
・ピンソケット
今回のキーボードはユニバーサル基板2枚をサンドイッチするため、ピンソケットとピンヘッダが必要です。
キーボードの厚みを抑えたかったので、ピンソケットは
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-03138/
の低頭、低メスのシングルピンソケットにしています。
・ピンヘッダ
こちらも基板をサンドイッチするためのピンヘッダで、厚みを抑えるために低頭、低オス7.7mmのロープロファイルピンヘッダとしています。
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-02900/
・その他 カラーの被覆線を適当な長さ、適当な太さのありものですませました。
マトリクス回路を狭い基板で空中配線しなければならないので、色で少しでも分かりやすくなるように工夫しました。
・はんだ付けセットも必要です。
作り方
基板
ユニバーサル基板にダイオードとマイクロスイッチをはんだ付けしまくります。
今回はスペースの制約が結構あったので、ユニバーサル基板の裏側にダイオード、表側にマイクロスイッチをぎっしり詰め込んでいます。
場所を間違えないように、あらかじめサインペンでマーキングしておきました。
スイッチがまっすぐになるように、曲がらないようにするのがちょっと大変です。
マイクロスイッチのデータシートです。ピンの間隔は5.00±0.18mmということですが、2.54mm間隔のユニバーサル基板2穴分(2.54mm×2=5.08mm)の穴にそのまま入りました。
裏側、ダイオード→配線の順番ではんだ付け途中。
マトリクス回路を作るので、色分けして見やすくしています。
はんだ付けを終えるとこんな感じ。
スペースバーは左右にスイッチを2つ付けて、橋渡しする形にしています。
配線は片方のスイッチのみです。
今回、ユニバーサル基板1枚にはPro micro含めて収まりきらなかったので、基板2枚構成としています。
写真2枚どちらも、上の基板がスイッチもはんだ付けしてあるメイン基板。下がPro Micro・リセットスイッチ(基板中央)用の基板です。
メイン基板とPro Micro用基板は低頭のピンソケットで接続しています。
ファームウェア
サリチル酸氏の設計ガイドを見ながら、QMK Firmwareにより作成、書き込みしました。
設計ガイドが作成された時から時間が経っているので、全く同じようにはできませんでしたが、何だかんだやってたら書き込みまでできました。
ここを詳細に解説すればよいだろうなと思うのですが、実際にやってから、このブログを書くまでにも期間が開いてしまって、忘れてしまったので詳細はご説明できません。
今回は有線、日本語配列という形で作成しています。
ケース
ケースも自作しました。
ダイソーのPPシートを切り出して、折り曲げて、穴開けて、ケースにしています。
折り曲げはアイロンにPPシートを押し当てて、溶かしてから曲げました。
修行が足りず、手作り感満載…。
キーキャップ
キーキャップも自作しています。
自作と言ってもこちらは3DCADで設計して、3DプリントサービスDMM.makeさんに出力してもらいました。
文字が潰れるかと思いきや、何とか綺麗に仕上がりました。
素材は今回PA11、ある程度柔軟性がある樹脂ですが、このキーキャップには意味がなかったです。PA12でもよかったかと思います。
ケース下には滑り止めシールを貼っています。
白い塗料を流し込んで視認性を上げました。
本当に細かい文字は潰れてしまい、これ以上のアップ写真には耐えられません…笑
動作確認
ファームの書き込みから初めてでしたが、サリチル酸氏の設計ガイドを元に書き込みしたところ、1発で動作確認できました。
ユニバーサル基板に完全に手作業でのはんだ付け、マトリクス回路作製のため、誤作動を覚悟していましたが、失敗なく上手くいって感動しました。
まとめ
初めて自作キーボードを作成しました。
マトリクス回路の理解から、スイッチ等のパーツの選定、ユニバーサル基板へのはんだ付け等々楽しくできました。
次キーボードを作ることがあるのかは全くの未定ですが、いい経験ができたと思います。