佐賀県漫遊最終日。
嬉野温泉からバスで西、有明海方面へ。
その途中の重伝建の宿場町で途中下車。
<旅の行程>
1日目:吉野ヶ里→みやき町→佐賀
2日目:佐賀→嬉野温泉
3日目:塩田津→鹿島・肥前浜宿
佐賀には重伝建が4地区あり、これが2地区目。
(結果、この漫遊で3地区巡り制覇となりました)
バス停・嬉野市役所塩田庁舎前からすぐ、長崎街道と塩田宿の道標がお出迎えです。
◆塩田津◆
(国選定重要伝統的建造物群保存地区)
塩田宿は長崎街道の宿場町で、街道に沿った塩田川の河川港、塩田津で栄えた町です。
第一分団所
宿場入口の目印とも言える洋風建築。
その隣りが元茅葺な住宅というのが一興。
昭和15年(1940)、警坊團屯所として建てられたもので、現在も消防団の現役の詰所です。
脇の急勾配な石段は町随一の古刹、常在寺の参道。
(ここは帰りにお参り)
杉村陶器店
(国登録有形文化財)
安政2年(1855)築造の陶器店で、現在は喫茶やお土産処としても営業中。
福岡と同じく、妻入りの白壁土蔵で瓦屋根の居蔵造…この風景を見ると、九州に居る事を実感します。
側面の美しさたるや。
西岡家住宅
(国指定重要文化財)
*見学無料
西岡家は江戸中期頃から廻船業や陶器販売で財を成した、地域随一の豪商でした。
主屋は安政2年(1855)の築造で、裏手の塩田港まで通り土間が続いているそうです。
平日は見学可能のようですが、扉は閉ざされていて、見学に至らず。
(勝手に開けてもよかった?)
街道をゆく…
そんな気分にさせてくれる風景。
梅屋旅館
鏝絵風看板が印象的な旅館建築。
今はもう営業はしていない?
佐賀市街同様、恵比須様が所々に。
通りを振り返る。
"人生は振り返らず、旅は振り返る"
それが我がポリシー。
筒井家主屋
ダイナーとして営業していますが、店主が当面海外放浪中らしく、休業中。
その脇から伸びる参道へ。
本應寺
(宗派:浄土宗)
風格のある山門に吸い込まれます。
山門
門を護る仁王像は寛延2年(1749)の寄進で、嬉野市指定文化財。
角張った石造りな九州スタイル。
御本堂
天正14年(1586)の創建です。
11ヶ寺の末寺を抱え、本陣にもなりました。
浄土宗らしい迫力の御本堂。
旧下村家住宅
(嬉野市指定重要文化財)
居蔵造りの町並みの中で目立つ、江戸時代後期築造のくど造りの建築。
くど造りとは、竈(くど)に似ている事から名付けられた造りで、上から見るとコの字型なのが特徴。
(右側面にコの字型の窪みが見えますね)
当時は草葺屋根だったそうです。
旧検量所
昭和24年(1949)、肥前陶土組合が陶石を検品検量する集積施設として建てたものです。
左が旧下村家住宅、右が旧検量所。
その間の検量場を抜けて行くと、河川港である塩田津跡に出ます。
熊本県天草地方の陶石が船で運ばれ、ここで加工されました。
右手のコンクリート製の柱状の物は、陶石を船からトラックへ移したクレーンの橋脚部分。
洋風にリノベされた建築はカフェ?
宿場の町並みは500m程で終了。
入口まで戻り、第一分団所の脇の石段を上がった先の寺院へ。
常在寺
(宗派:真言宗御室派)
和銅元年(708)、行基の創建と伝わる古刹。
塩田大明神
(御祭神:倉稲魂命)
町の繁栄を見つめてきたお稲荷さん。
境内からの眺望。
嬉野の田園風景が広がっています。
ご当地マンホール
塩田川と"肥前小富士"とも呼ばれる唐泉山、そして、旧塩田町の花・桜のデザイン。
舟運で栄えた町の栄華も今は昔。
けれど、残された居蔵造の巨大町家が、往時の盛況振りを静かに物語る町並みでした。
再び、バスで日本三大稲荷へ向かいます。
***重伝建まとめ***
①北海道・東北・関東編→Click
②甲信越・東海編→Click
③北陸編→Click
④近畿編→Click
⑤中四国編→Click
⑥九州・沖縄編→Click