城崎温泉から在来線を乗り継ぎ1時間半。
再び京都府へ。
<旅の行程>
1日目:亀岡→嵯峨野
2日目:嵐山→宮津→伊根
3日目:伊根→城崎温泉
4日目:城崎温泉→与謝野→福知山
そこには、"ちりめん街道"と呼ばれる丹後縮緬発祥の地として知られる町、加悦があります。
*読みは"カヤ"
◆加悦◆
(重要伝統的建造物群保存地区)
村松家住宅
明治21年(1888)築造の元旅籠。
宿帳には異国の氏名も記されていたそうで、往時の賑わいを窺わせます。
井筒屋旅館
大正時代開業の現役の旅籠。
現在の建物は昭和8年(1933)築造。
今回の漫遊で宿泊候補だったのですが、行程的に厳しく断念しました…いずれ。
町家が続く街道の風景。
"丹後ちりめん"は享保年間(1716〜1736)に丹後地方で生まれた絹織物。
その発祥地として知られるここ加悦は、日本遺産「丹後ちりめん回廊」の構成文化財のひとつ。
川嶋家住宅(酒蔵)
"大山政宗"の銘柄で知られた町唯一の酒蔵で、戦後まで酒造業を営んでいました。
個人宅の玄関も風流。
住民の方々が町を綺麗にしている事が窺えます。
この並びに文化財の豪商の館、旧尾藤家住宅がありますが、詳細記事は次回。
街道は左に折れ、坂道に。
下村家住宅
文化元年(1804)築造、町最古の建築。
明治時代、郵便局も兼ねていました。
街道を振り返る。
下村家住宅(旧丹後産業銀行)
こちらにも下村家。
(分家?本家?)
歴史ある町並みあるある、同姓集中。
大正9年(1920)築造で、妻壁に今も"産"の装飾が残っています。
当時、反物や生糸が担保として扱われたそうです。
実相寺
(宗派:日蓮宗)
織物の町らしく、境内には金色蚕糸神を祀る金色堂があります。
周辺には寺院が集まり、寺町が形成されています。
宝巖寺
(宗派:浄土宗)
門柱の様にそびえる松の巨木。
山門は与謝野町指定有形文化財。
慶長4年(1599)創建の古刹です。
丹後ちりめんの創始者の一人、木綿屋六兵衛の菩提寺としても知られます。
加悦天満宮
(御祭神:菅原道真公)
137段の石段の先に建つ御本殿は享保18年(1733)建立のもので、京都府指定有形文化財。
時間の関係でお参りせずでした…
杉本家住宅
明治26年(1893)築造、うだつを設けた地区唯一の住宅です。
旧伊藤医院診療所
賑わった商家町につきものな洋風医院建築。
大正6年(1917)築造で、左官職人による玄関の鏝絵装飾が見事。
杉本治郎家住宅
ひと際重厚な住宅は丹後ちりめんの創始者の一人、手米屋小右衛門の末裔の邸宅。
玄関前には"縮緬発祥之地"の碑。
杉本家住宅(西山第二工場)
明治晩期築造で、敷地の裏手に丹後地方に唯一現存する明治時代のちりめん工場があります。
主屋はちりめん職工の集会所でもあった為、階高が高く作られています。
手前の土塀の建物は男性職工の旧宿舎。
あと1時間あれば、もっと隅々まで見て回ったのですが…次回の宿題に。
旧加悦町役場庁舎
(京都府指定有形文化財)
昭和3年(1928)築造で、その設計は甲子園球場を手掛けた事でも知られる今林彦太郎(大林組)。
現在は観光案内所です。
ご当地マンホール
大江山連峰とそこに棲んでいたと伝わる酒呑童子の柄。
当時、国内随一の賑わいを見せ、鉄道まで引かれていた加悦も今では静けさに包まれるばかり。
けれど、今でもちりめんが織られ、着物イベントも開催されています。
その伝統と町並みよ、いつまでも。
次回、町イチの豪商の館の風景を送ります。
続く。
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