旅の楽しみ、重要伝統的建造物群保存地区。
通称、重伝建。
文化財保護法に基づくもので、市町村が指定した伝統的建造物群保存地区の内、特に価値が高いものとして国が選定したものを言います。
愛媛県には2つの重伝建があり、そのひとつが内子町にあります。
全国126地区中、これが62地区目。
それでは、
圧倒的なかつての豪商たちの空間へ。
◆八日市護国◆
(国選定重要伝統的建造物群保存地区)
昭和の町並みから坂を上がると、豪壮な町屋が連なる風景が待っています。
南北600m程、八日市と護国の2地区から成る町並みです。
ここ八日市護国は、江戸時代後半から明治時代にかけて木蝋生産で栄えた町。
明治時代末期、愛媛県は木蝋生産量全国1位を誇っていました。
町屋資料館
寛政5年(1793)築造の商家建築。
虫籠格子に篰戸、袖壁という江戸時代様式を今に伝えます。
*読みは"シトミド"
"日本の道100選"や"美しい日本の歴史的風土100選"など、多くの受賞歴を持つ町並み。
袖壁や海鼠壁に往時の繁栄振りが窺えます。
坂を振り返る。
特徴的な黄色がかった漆喰壁。
大村家住宅
(国指定重要文化財)
*非公開
寛政年間(1789〜1801)の築造で、木蝋で栄える以前の貴重な町屋建築。
染物や生糸を生業としていたそうです。
蝋垣
高価な白蝋の盗難防止に設けられました。
本芳賀家住宅
(国指定重要文化財)
*非公開
明治22年(1889)築の町随一の名建築。
内子木蝋の基礎を築いた芳賀家の本家で、元文元年(1736)から木蝋生産を始めたとされています。
亀甲形の海鼠壁、土蔵の鶴の鏝絵…強烈。
明治時代、木蝋の海外輸出で隆盛を極めます。
庭園だけが公開中。
これでもかと続く漆喰の町屋たち。
強烈な個性を放つ額縁付き連子窓。
個性的な星形装飾のある菱形の海鼠壁。
上芳賀家住宅
(国指定重要文化財)
*見学料¥500
芳賀家の分家である上芳賀家の邸宅です。
明治27年(1894)の築造で、主屋や木蝋生産施設が公開されています。
*内部の記事は次回
川を渡ると、護国地区に入ります。
二手に分かれた先が重伝建地区の端。
内子座、昭和の町並みからの重伝建。
三連続の素晴らしい空間を堪能しました。
(まさに、黒い三連星のジェットストリームアタック)
2時間程の滞在では巡りきれませんでした。
町屋リノベの宿泊施設もあるので、次回は宿泊コースで巡りたいものです。
続く。
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