ストレスの種類によって、心を整えるのに効果的な色の組み合わせは異なります。

今回は「人間関係」「だるさ」「眠れない」「リラックスしたい」「気合を入れたい」

といった場面別に“色の処方箋”をご紹介します。

 

 

ストレスごとの色の組み合わせ

 

人間関係のストレス → 緑+白+紫
 安心・冷静・リセット。食材:ほうれん草、豆腐、なす。

身体がだるい → 赤+オレンジ+黄
 活力・前向き・元気。食材:トマト、人参、バナナ。

眠れない → 青+緑+白
 副交感神経を整える。食材:キウイ、ブロッコリー、豆腐。

リラックスしたい → 緑+紫+黒
 安心・休息・安定。食材:枝豆、ブルーベリー、黒豆。

気合を入れたい → 赤+オレンジ+黄+黒
 情熱・活力・集中。食材:唐辛子、柑橘、卵、黒ごま。

 

ストレスの種類に合わせて「色を選ぶ」ことは、

セルフケアをより具体的で実践的なものにしてくれます。

今日の気分に合わせて食卓に“色の処方箋”を取り入れてみましょう。

忙しい日々の中で、「食べること」はどんな意味を持っているでしょうか。
お腹を満たすだけの行為に思えるかもしれませんが、

実は私たちのこころの状態を映し出す鏡でもあります。


🍫ストレスで食べ過ぎる人、食べられなくなる人

ストレスが強くなると、つい甘いものを食べたくなる人もいれば、まったく食欲がなくなる人もいます。
実はこの違い、自律神経の働きと深く関係しています。

交感神経が優位になると、体は「戦う・逃げる」モードに入り、消化機能が落ちて食欲が低下します。

副交感神経が優位になると、安心モードに入り、エネルギーを蓄えようと甘いものを欲します。

つまり、「食べたくなる」も「食べられない」も、どちらも体がストレスに反応しているサイン。
大切なのは、“自分はどちらのタイプか”に気づくことです。


🍽️食べ方がストレスをつくることもある

現代人の多くは「早食い」「ながら食い」が習慣化しています。
これは交感神経を刺激し、満腹感を感じにくくする原因のひとつ。
一方で、ゆっくり噛むことは副交感神経を働かせ、心身を落ち着かせるリラックス法になります。

たとえばナッツを一粒、30回噛んでみてください。
10秒ほどで呼吸が深くなり、気持ちが少し静まってくるはずです。
ホメオストレッチの「ゆっくり、深く」と通じる感覚です。


🧑‍🤝‍🧑「誰と食べるか」でこころが変わる

食事は本来、栄養を取るだけの行為ではありません。
誰かと食べることが、こころの安定や幸福感につながります。

研究によると、共に食事をする人がいるだけで免疫機能が高まり、ストレスホルモンが減少するそうです。
反対に、孤食(ひとりで食べる)が続くと、脳の「報酬系」が強く働き、砂糖や脂質を過剰に求めやすくなります。

誰かと食卓を囲む時間は、体の栄養だけでなく「心の栄養」でもあります。
フレイ広場で皆さんと語り合う時間そのものも、実は“共食”のひとつの形なのです。


🍵「何を食べるか」より「どう味わうか」

食材の良し悪しよりも、「どう味わうか」の方がストレスには大きく影響します。
同じ食事でも、ゆっくり味わって食べた人は、ストレスホルモン(コルチゾール)の減少が大きいという研究もあります。

一口目を意識して、香り・温度・食感を感じながら食べる——
これがいわゆる「マインドフル・イーティング」。
五感を取り戻すことで、心身が自然に整っていきます。

ちなみに、「いただきます」と手を合わせる動作には、胸を開く呼吸運動の効果があり、
副交感神経を優位にする“姿勢のリセット”にもなっています。


🌼今日からできる「食のストレスケア」3つのヒント

1️⃣ 朝は白湯をゆっくり飲む。
 → 一日のはじまりに呼吸と消化を整えます。

2️⃣ 一口目を丁寧に味わう。
 → 五感を戻し、“今ここ”を感じる練習に。

3️⃣ 誰かと食べる・話す。
 → オキシトシン(幸福ホルモン)を増やし、孤立感を和らげます。


おわりに

食は、ストレスの原因にも、癒やしにもなります。
「何を食べるか」よりも、「どう食べ、どう感じるか」。
その小さな意識の違いが、あなたの自律神経を整え、こころのバランスをつくっていきます。

食べることは、生きることを整えるストレスケア。
今日の食卓が、あなたの心をやさしく映す鏡でありますように。

今月のJASCA研修は、まさに「学びと感動が共鳴する時間」でした。
理論と実践の両面からストレスケアカウンセリングの本質を深く掘り下げ、

参加された皆さんの姿勢や発言の一つひとつに、確かな成長と探究心を感じました。

学びの時間を共有した皆さんが、それぞれの現場でストレスケアを実践し、人

の回復と成長に寄り添っていくことを心から期待しています。
JASCA研修は、知識を学ぶ場であると同時に、

「人間力を磨く場」でもある――そう改めて感じた素晴らしい研修でした。

 

法務大臣表彰を皆さんからお祝いいただき、

改めて、感謝いたします。

 

食べものの色は、見た目だけでなく栄養素とも深く結びついています。

色を意識することは、栄養バランスを整えることにも直結します。

今回は色ごとの栄養的特徴を見ていきましょう。

 

色と栄養素の特徴

赤・オレンジ系(トマト・人参・柑橘類)
 → リコピンやβカロテンが豊富。抗酸化作用で疲労回復・免疫力アップ。

緑系(ほうれん草・ブロッコリー・キウイ)
 → ビタミン・ミネラル・クロロフィル。自律神経や心身のバランスを調整。

黄系(かぼちゃ・バナナ・とうもろこし)
 → ビタミンB群やカリウムでエネルギー代謝をサポート。

青・紫系(なす・ブルーベリー・ぶどう)
 → アントシアニンなどポリフェノールで脳疲労回復・血流改善。

白系(豆腐・大根・カリフラワー)
 → 消化を助け、免疫を整える栄養素が豊富。リセット効果。

黒・茶系(黒豆・ごま・しいたけ・玄米)
 → 食物繊維とポリフェノール。腸内環境を整え、落ち着きを支える。

 

「今日は赤を食べたから、次は緑を」と意識するだけで、

自然に栄養も心理もバランスが整います。

色と栄養は心と身体の両面を支える二重のサポートなのです。

 

 

 

「食べものの色」は、ただの見た目の飾りではありません。

心理学の研究では、色彩は感情や自律神経に影響を与え、

心身のコンディションを左右することがわかっています。

今回は、食べものの色がどのように私たちをリセットしてくれるのかを探ってみましょう。

 

 

 

色が心に作用する理由

私たちの脳は、色彩を見た瞬間に「心のスイッチ」を入れます。

赤を見ると心拍が高まり、緑を見ると安心感を覚えるように、

色は無意識のうちに自律神経を調整しています。食卓に多彩な色が並ぶと、

自然に心もバランスを取り戻していくのです。

 

食べものの色と心理的効果

赤・オレンジ:活力や情熱を高める

緑:安心・安定感をもたらす

黄:明るさ・希望を引き出す

青・紫:リラックスや集中力を高める

白:リセット・浄化の象徴

黒:安定と落ち着きを与える

 

1日に取り入れたい色の数

栄養学的にも心理学的にも、1日に5〜6色 を意識すると

心身のリズムが整いやすいとされています。

色の多い食卓は、見た目にも豊かで、食欲を促し、心の安心感を育ててくれます。

 

食べものの色は、心と身体をリセットするシンプルで効果的な方法です。

まずは「今日は何色を食べたかな?」と自分に問いかけてみましょう。

それがセルフケアの第一歩となります。

 

「最近、忘れっぽい」「集中できない」と感じることはありませんか?

脳の容量は7±2」一度に処理できる情報は5〜9個が限界、

という心理学のお話をしました。

でも、日常を思い返すとどうでしょう。
買い物リスト、夕飯の献立、家事の段取り、子どもの予定、仕事のタスク、

友人からのLINE…。
気がつけば、脳のお皿はすぐにいっぱい。忘れ物やうっかりは、

サボっているせいではなく、ただ脳がフル稼働で疲れているだけなのです。

そこでおすすめしたいのが「1分リセット習慣」。
特別な道具はいりません。なんと、冷蔵庫やペットボトルが

最高のリフレッシュグッズになります。

 

冷蔵庫でリセット

ドアを静かに閉める
いつものように「バタン!」と閉める代わりに、

そっとゆっくり閉めてみてください。
たったこれだけなのに、不思議と気持ちも静まり、

脳の中のざわざわまで小さくなっていきます。
冷蔵庫は、意外と瞑想の入り口になるんです。

 

ペットボトルでリセット

① 耳に当てて水の音を聞く
冷えたペットボトルを傾けると、ゴボゴボ…と小さな水の音。
自然のせせらぎのようで、ふっと心が落ち着きます。

 

コップに目を閉じて注ぐ
目を閉じて「まだかな?」と感覚だけで試す遊び。
その一瞬、余計な考えはどこかへ消え、頭の中がリセットされます。

 

 

ペットボトルを逆さに立ててみる
机の上で逆さにチャレンジ!
成功しても失敗しても、「何やってんの私」と笑えるだけで、

気分が切り替わります。

 

首すじに冷たいものをひんやり当てる
冷たい感触が自律神経に働きかけて、一瞬でシャキッとします。
気持ちがのぼせているときにおすすめです。

ラベルを指でなぞる
意外と凹凸のあるラベル。文字や模様をゆっくりなぞると、

触覚に意識が集中し、頭がスッキリ。
 

これらは、ちょっとしたマインドフルネス体験になります。

 

 

脳を守るリセット法は、難しいことではなく

「日常の中に、ちょっとした変化を持ち込む」こと。
冷蔵庫のドアを静かに閉めるなどの遊びが、

脳には最高の休憩時間になるのです。

「なんだか疲れたな」と思ったら、ぜひ試してみてください。
きっと脳も気分も、ふわっと軽くなります。

 

 

先週は、人の脳には「7枚前後のお皿=短期記憶の限界」があることを紹介しました。

今回は、そのお皿がどのように使われ、どんな情報が長期的に残っていくのか、

さらに「忘れっぽさ」と「睡眠」との関係について考えていきます。。

 

7つまでしか覚えられないのはなぜ?

心理学では「マジカルナンバー7±2」と呼ばれ、一度に覚えておける情報は平均で7個前後とされています。

数字やかな文字は7つ前後までなら覚えられますが、それを超えると忘れやすくなります。

一方で「ひとつの物語」としてまとめて覚えれば、それも1つの“お皿”に収まります。

数字なら「3792485」で7桁が限界、短い物語なら「昔話1つ」で1チャンク、

買い物リストも7品目くらいまでなら暗記可能。情報は「どうまとめるか(チャンク化)」によって、

お皿に置ける量が変わるのです。

 

記憶に残るかどうかの基準

①       脳は「残すべきもの」を選び取るフィルターを持っています。

②       感情が伴うか → 感動や驚きがあれば強く残る

③       繰り返されているか → 九九や歌詞のように自然に定着

④       必要性があるか → 今日必要な予定は優先される

⑤       目的や計画と関連しているか → 興味や目標に合うと残りやすい

 

忘れっぽさの正体

最近「物忘れが増えた」「記憶力が落ちた」と感じる方も多いでしょう。

もちろん加齢の影響もありますが、実は情報過多そのものが原因の場合も少なくありません。

スマホやSNS、ニュース、動画から毎日大量の情報が流れ込み、脳は「お皿7枚」ではとても処理しきれません。

その結果、不要な情報をどんどん捨てるようになり、「思い出せない=脳の正常な防御反応」でもあるのです。

 

睡眠と記憶の関係

脳は眠っている間に、日中のお皿に乗った情報を整理し、必要なものを長期記憶へ移し替えます。

①       ノンレム睡眠(深い眠り):情報を定着させる時間

②       レム睡眠(夢を見る眠り):記憶を整理・再構築する時間

しかし、寝る直前までスマホや動画を見続けると、脳は情報でいっぱいのまま布団に入るため、

整理が追いつかず、記憶が定着しない・眠りが浅い・翌日ぼんやりするといった悪循環に陥ります。

 

脳には7枚のお皿しかなく、その上に置けるのは限られた数の情報です。

感情・繰り返し・必要性・目的というフィルターを通ったものだけが、本棚(長期記憶)にしまわれます。

そして、その作業をしっかり行うためには良質な睡眠が欠かせません。

「忘れっぽい」と感じるのは、必ずしも脳の衰えではなく、情報過多や睡眠不足のサインかもしれません。

脳に余白を与え、夜にはスマホを閉じ、安心して眠ることこそが、現代社会に必要なストレスケアの習慣なのです。

 

ふれあい広場のご案内

今月のふれあい広場では「不眠」をテーマに取り上げます。
情報過多と眠りの関係や脳温、そして心身を休める工夫について学べる時間です。

眠りに悩む方も、より良い睡眠習慣を身につけたい方にも有意義な時間となります。

 

 

 

眠れない「あるある」リスト

心と頭のあるある

1.        布団に入った途端に 昼間の出来事や失敗を思い出してクヨクヨする。

2.        明日の予定を考え出して 頭が止まらなくなる。

3.        「早く寝なきゃ」と思えば思うほど 余計に目が冴える。

4.        どうでもいいことや嫌な体験が 頭の中でエンドレス再生。

体のあるある

5.        足がムズムズして 寝返りばかり打つ。

6.        暑いのか寒いのか分からず 布団をかけたり外したり。

7.        ちょっと喉が渇いて水を飲みに行き、 目が完全に覚める。

8.        寝返りの音やパートナーのいびきに イライラする。

翌日のあるある

9.        「やっと眠れた」と思ったら 目覚ましが鳴る直前。

10.    寝不足の朝に「今日は昼寝しよう」と思うが、結局できない。

昼間は眠いのに夜になると また目が冴える。

 

今週は、現代人にとって身近な「情報過多とストレス」の関係を、脳科学の視点から見てみていきます。

 

脳のキャパシティは「7±2」

人間の脳には、一度に処理できる情報の量に限界があります。心理学では「マジカルナンバー7±2」と呼ばれ、短期的に覚えたり扱える情報は5〜9個程度に収まることが分かっています。つまり、脳の中には7枚前後のお皿しかなく、それを超えて情報を盛りつけてしまうと、自然とこぼれ落ちてしまうのです。

 

YouTubeやSNSからの情報はどれくらい?

現代人が日常的に触れるYouTubeやSNSの情報量は、この「お皿の数」をはるかに超えています。

YouTube:10分の動画1本で、本の数十ページ分に相当する情報量。

SNS:1分で10〜20件の投稿を目にし、1日2〜3時間の利用で数千件の情報断片を処理。比較すると、江戸時代の人が一生で触れる情報量は現代の新聞1日分程度といわれています。つまり、私たちは1日で「一生分以上」の情報を浴びているのです

 

 

 

情報過多がもたらす弊害

情報が溢れると、脳は常に処理落ち状態となり、・集中力が続かない・記憶に残らない

・判断が浅くなるなどの影響が出ます。さらに、自律神経が乱れて不眠・イライラ・焦燥感といったストレス症状にもつながります。布団に入ってからも情報を反芻してしまい、交感神経が優位のまま「過覚醒状態」となり、眠れない夜を過ごす人も少なくありません。

 

情報を整える工夫

①       情報過多のストレスケアは「情報の断食」に近い発想が役立ちます。

②       寝る前1時間はスマホを見ない

③       SNSやニュースのチェック回数を減らす

④       深呼吸やホメオストレッチで脳をリセットする

秋は副交感神経が働きやすくなる季節です。少し工夫するだけで眠りの質は大きく変わります。

確かに、情報は生活を豊かにしてくれますが、脳のお皿が7枚前後しかないことを思い出すと、必要以上に詰め込むリスクも見えてきます。情報の量と質をコントロールし、脳と心に余白を与えることが、現代社会を健やかに生きるカギといえるでしょう。

ふれあい広場では「不眠」をテーマに安心を得る工夫について取り上げます。情報過多と眠りの関係についても考えていきたいと思います。

― 9月30日「ふれあい広場」ご案内

「布団に入ってもなかなか眠れない」「夜中に何度も目が覚めてしまう」

「朝早くに目が覚めてもう眠れない」

――こうした不眠の悩みは、決して珍しいことではありません。

人はなぜ眠りが必要なのか?

眠りは、ただ体を休めるだけの時間ではありません。

  • 脳の老廃物を排出し、神経細胞をリセットする

  • 記憶を整理し、学んだことを定着させる

  • 免疫機能を高め、体を修復する

  • 自律神経のバランスを整え、心を安定させる

とくに脳は、眠っているときに“お掃除屋さん”のように働きます。
起きている間にたまった情報や疲労物質を片づけ、必要な記憶はきちんと整理整頓。

レム睡眠のときには、起きているとき以上に活発に活動していることがわかっています。
つまり睡眠は「休息」ではなく、「脳と心の大掃除の時間」なのです。


今回の 「ふれあい広場」(9月30日開催・オンライン/無料) では、
40年以上にわたりストレスケアの臨床に携わってきた経験をもとに、

最新の睡眠科学の知見を交えながら、次のようなテーマをわかりやすくお話しします。

講座内容(予定)

  • 夜中に目が覚めたとき、やってはいけないこと
    時計を見る、ベッドにとどまり続ける、――こうした行動が眠りを妨げる理由を科学的に解説します。

  • やるとよいこと
    五感を使った感覚瞑想など、臨床と研究の両面から効果が確認されている方法をご紹介します。

  • 「眠れない」を「安心できる静かな時間」に変えるヒント
    完璧に眠ることを目標にするのではなく、心と体を少しずつ緩めることで自然に眠りが訪れる。

  • そんな考え方を一緒に共有します。


特徴

  • 無料で、どなたでも参加可能

  • 科学的根拠に基づき、すぐに実践できる方法をお伝えします

  • 日常生活にすぐ役立つ「わかりやすい工夫」を中心にご紹介


眠りは「頑張って得るもの」ではなく、「緩めることで自然に訪れるもの」。
そして眠っている間に“脳のお掃除屋さん”が働いてくれると考えると、

眠りの大切さがぐっと身近に感じられるはずです。

ぜひお気軽に、9月30日の「ふれあい広場」 にご参加ください。

まだ、日中は30度を超える暑さが続きますが、朝夕には涼しい風が吹きはじめ、下旬からは秋の気配が少しずつ感じられるようになってきます。季節の移ろいは、私たちの体と心にさまざまな影響を与えます。その中でも「眠り」は特に敏感に反応します。

これまで「眠れない」「夜中に目が覚める」といった不眠の悩みをお伝えしてきました。特にお母さん世代は、家事や子育て、介護や仕事との両立で心身ともに休まらず、「布団に入っても眠れない」「夜中に何度も目が覚める」といった声が少なくありません。

 

あるお母さんの事例です。
昨年の夏も気温が下がらず、エアコンをつけても寝苦しい日が続きました。子どもの夜泣きに何度も起こされて熟睡できず、朝になっても疲れが抜けません。昼間は集中できず、つい子どもにきつい言葉を投げてしまうこともあり、「どうして眠れないのだろう」と自分を責めてしまう…。眠れないこと自体が心の負担を大きくしてしまうのです。しかし、10月初旬になると、状況は変わりはじめます。夜風が涼しくなり、布団に入ると体温が自然に下がって眠りにつきやすくなります。さらに日照時間が短くなることで「メラトニン(眠りのホルモン)」が増え、眠気が訪れやすくなります。本人も「あれ? 気づけば夜中に起きずに眠れた」と驚くほど。翌朝の目覚めも軽くなり、昼間の気分もぐっと楽になったのです。

 

秋が眠りにプラスになる科学的理由

①       深部体温が下がりやすい → 秋の涼しさは自然な入眠を助ける。

②       メラトニンの分泌が増える → 日照時間が短くなることで眠気が訪れやすくなる。

③       自律神経の安定 → 夏の暑さで優位になっていた交感神経が落ち着き、副交感神経が働きやすくなる。

 

今週の実践ヒント

①       就寝前は静かな時間を持ち、心を落ち着ける。

②       朝はカーテンを開けて光を浴び、体内時計を整える。

③       短い昼寝やホメオストレッチを取り入れ、睡眠リズムを戻す。

 

30日のふれあい広場に向けて

今月30日の「ふれあい広場」では、不眠を話題に取り上げます。眠れない夜は誰にでもありますが、「秋は眠りを後押ししてくれる季節だ」ということを知るだけで、気持ちは軽くなります。同じ悩みを共有しながら、安心を得て、新しい工夫やヒントを持ち帰っていただけるはずです。

秋は、眠りを整え直すための大きなチャンス。今週は、体と心のリズムに寄り添ってみてください。