眠れない夜が続くと、「このまま眠れなかったらどうしよう」と不安になり、ますます眠れなくなることがあります。不眠症にはいくつかの典型的なパターンがあり、それぞれに原因や特徴があります。
不眠症の3つの症状
-
入眠困難
布団に入っても30分以上眠れない状態。不安や緊張、ストレスが原因となりやすく、若い世代にも多く見られます。 -
中途覚醒
夜中に何度も目が覚めてしまい、その後なかなか眠れない状態。頻尿や痛み、加齢、睡眠時無呼吸などが関係することがあります。 -
早朝覚醒
予定より2時間以上早く目が覚めてしまい、その後眠れない状態。特に高齢者やうつ病、気分障害と関連があるといわれています。
つまり、
-
「寝つけない」=入眠困難
-
「途中で目が覚める」=中途覚醒
-
「早く目覚めすぎる」=早朝覚醒
この3つが不眠症の代表的な症状です。
不眠症 ― 3・3・2・30の法則
不眠症を理解するうえで重要な数字があります。
-
週3回以上 … 不眠の症状が出る頻度
-
3か月以上 … 慢性不眠症と診断される持続期間
-
30分以上 … 入眠や再入眠にかかる時間の目安
-
2時間以上 … 望む起床時刻より早く目が覚めてしまう基準
覚えやすい「3・3・2・30の法則」として知っておくと、不眠の目安を理解しやすいでしょう。
夜中に目が覚めたときの対処法
眠れないときに「やってはいけないこと」と「やってよいこと」があります。
やってはいけないこと
-
時計を見ない
「あと何時間しか眠れない」と焦ると、コルチゾール(ストレスホルモン)が分泌され、余計に眠れなくなります。 -
20分以上眠れないのにベッドにとどまる
眠れないベッドが「苦しい場所」になってしまうので、一度ベッドを出て静かに過ごしましょう。 -
水を一気に飲まない
胃腸に負担がかかり、逆に眠りを妨げることがあります。
やるとよいこと
-
温める
温かいお湯を少し飲んだり、手足を温めたりすると安心感が得られます。特に足指や手の指を温めるとリラックスしやすくなります。 -
感謝日記と不安整理
感謝できることを3つ書き出してみましょう。同時に心配や不安を書き出して「不安整理箱」に入れるような気持ちで手放します。 -
五感に集中する
-
目に映るものを5つ見る
-
触れている感覚を意識する
-
聞こえる音を3つ感じる
-
匂いを2つ意識する
-
口の中の味を1つ感じる
この「感覚瞑想」によって、思考の渦から離れ、今この瞬間に心を戻すことができます。
大切なのは「眠れないことを悪いと決めつけない」こと
眠れない夜があっても、それを「失敗」と思わないことが大切です。完璧にできなくても構いません。何かひとつでもできたら十分。
眠れないときは「静かな時間を過ごせる」と考えてみましょう。そうすることで、心と体が少しずつ緩み、自然に眠りに戻れる可能性が高まります。
👉 不眠に悩んでいる方は、ぜひ今日から「やらないこと」と「できること」を意識してみてください。