(ブロンプトンGラインの発表を踏まえてupdateしました)
1975年にロンドンで誕生したブロンプトン。優れた携帯性、高い走行性能、そして機能美にあふれたデザインが都会派サイクリストの支持を得て、今や世界的なブランドに成長した。その折り畳みメカニズムの完成度は芸術的ともいえる域に達している。
注目のフォールディングバイク(折り畳み自転車)ブロンプトンにあなたも乗ってみませんか。ブロンプトンはハンドル形状や変速機の違いでいくつかのバリエーションモデルがあるので、どのブロンプトンがあなたの使い方に合っているのか知っておきたいですね。
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どのモデルを選ぶ?
まったり街乗り派か、スピード重視の本格サイクリング派か、あるいは、軽さ最重視の輪行派か、それとも、街を飛び出して思い切りワイルドにグラベルライドや山サイを楽しみたい大自然エンジョイ派かでモデルの選び方が変わってくる。
主な違いは、基本モデル(Cライン)か軽量モデル(P/Tライン)の2択、ハンドル形状(2択)、そして変速タイプ(外装変速か内装×外装)の組み合わせだったが、今回、走破性能が格段に高い大き目サイズの「Gライン」のチョイスが加わった。
- 基本モデル(Cライン)/軽量モデル(Pライン)/超軽量モデル(Tライン)/フルサイズモデル(Gライン)の別: 標準のCラインに対し、Pラインはフロントフォーク・リアフレームなど一部パーツの素材にチタン・アルミを採用した新しいモデルだ。Tラインではさらにメインフレームやステムといった基幹パーツにまでチタンを採用、また、フロントフォークやハンドルにカーボンを採用するなどして究極の軽量化を実現している。Gラインは前後ホイールが20インチサイズ、専用ローライズワイドハンドル、ディスクブレーキ、内装8速となる。
- ハンドル形状: C/P/TラインではMid handle bar(Mハンドル) 或いは フラットバーのLow Handle bar(Sハンドル)の2択。(背の高い方向けにステムの長いHigh Handle barタイプもあるが、日本では未発売。)新発表のGラインでは幅広のローライザーとなる。
- 変速タイプ: 基本モデルのCラインでは内装・外装ギアを組み合わせた6速(Explore)か、外装ギア2速(Urban)の二択。軽量モデルのPライン/Tラインでは、外装4速か、新・内装3速×外装4速ハブの12速の二択。そして2024年9月発表のGラインでは、シマノALFINE内装8速。
- リアキャリアの有無: リアキャリア無し(旧Lタイプ)/リアキャリア付き(Roller Frame=旧Rタイプ)
注1:ブロンプトンは2021年モデルまで、これらスペックを英数字で表記したものとなっていた。M/Sはハンドル形状、数字は変速数、泥除け有無でEかLかリアキャリア有のR、そしてスーパーライトモデルの-X。たとえばS2L-Xだとフラットバー・ハンドルの外装2速で泥除けありリアキャリア無しチタンモデル、M3RだとMハンドルの内装3速で泥除けありリアキャリアありのスタンダードモデル。古いユーザーには馴染みの表記だが、2022年モデルからは、スタンダードモデルが「Cライン」と呼称変更され、さらに軽量モデルの「Pライン」と超軽量オールチタンモデルの「Tライン」が追加された。また、変速ギア別にUrban(外装2速・外装4速)、Utility(内装3速)、Explore(内装3×外装2の6速)、ハンドル形状別にLow(フラットハンドル)、Mid(Mハンドル)、High(Mハンドルでステム長め)と分類されることになった。2024年1月にExploreの12速(3×4)も発売。
注2:スーパーライトモデルの後継として2022年モデルからPラインが発売された。リアフレームのデザインが変更されてギア周りが完全に新設計となり、リアホイールもCラインのそれとは別物で現行Cラインとの互換性はない。2024年からPラインに内装3速×外装4速の12速モデルが追加となった。
注3:2024年9月に20インチサイズのGラインが発表された。英国ではまもなく、また、米国・豪州等では2025年からの発売と公表されているが、日本での発売は未定。
注4:日本ではCラインとPラインとTラインを販売中。英国ではAラインという廉価版と電動ブロンプトンも販売されているが日本では未発売。
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1. 迷った場合、とりあえずCラインExplore Midハンドルバー(Mハンドル6速の旧『M6L』)にすると良い。
ブロンプトンは決して安い自転車ではないので、初心者の方で自分がどんな使い方をするか未だあまり想像が付いていない方には、ベーシックでオールマイティーに使える「Mハンドル」「6段変速」のCラインExplore Midハンドルバー(旧『M6L』)がオススメだ。Mハンドル(Midハンドルバー)は乗りこなし易く、また変速が6段あれば多少の坂道なら楽に上れる。ロングセラーモデルなので壊れにくい。近所の買い物から長距離サイクリングまで1台でこなせる。重さは12.2kg。
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以前はUtilityモデルMidハンドルバー(Mハンドル内装3段変速)の旧『M3L』という選択肢もあったのだが、2023年モデルから無くなった。日本では最近あまり売れなかったという話だ。但し、イギリス本国ではMハンドル内装3段変速マッドガードなしがAライン(廉価版)として継続して販売されている。
2. 軽さにプラス20万円払える人/Cラインでは重くて輪行する気にならないという人には PラインUrban(外装4速の軽量モデル)、いくら高くても軽ければ軽いほど良いという人には TラインUrban(外装4速の超軽量モデル)が良い。
Pラインではリアフレームと変速系部品が一新されて、外装4速(リアスプロケット11/13/15/18T)となり、高機能化と同時に大幅な軽量化も実現して10kgを切った。
イギリス生まれのブロンプトンはそもそも英国人の体格に合わせて造られている訳で、Cライン6速の12.2kgの重量は輪行時の負担を考えると平均的日本人の腕力では辛い。どうせ25万払うなら45万でも同じだ、えい軽いほうを買ってしまえ・・・という人にはPラインUrbanモデル外装4速がおすすめである。手で持てばその価格差を正当化するだけの軽さを実感できる。(9kg台はホント軽い。)
気軽に輪行できることがブロンプトンのアドバンテージである。Cラインが重すぎて輪行の妨げとなるということであれば、軽いPラインはそれだけの価値がある。
乗り味が格段に良くなったこともポイントだ。以前の外装2速の軽快さのまま、変速レンジが4速に拡大、ホイール・サドル・ペダル等のパーツの機能向上もあって「いい自転車」に仕上がっている。ロードバイクに乗っている方など自転車にある程度熟達していてこだわりのある方には、CよりもPラインをお勧めする。
Tラインは、メインフレーム・リアフレーム・ステムなど基幹となる構造部材にもチタンを採用、そのほかの主要パーツであるフロントフォーク、ハンドル、クランクをカーボン製とすることで、7.95kg(T Line Urban、外装4速、リアキャリア無し)という驚異的な軽さを実現した。問題はお値段で、85万2,500円から・・・とかわいくない。8キロ以上の重たいものを手に持つことが絶対に嫌な人、あるいは、ブロンプトンの新しいモデルはとにかく買わないと気が済まない人、最近自分の会社を上場してお金を使いたくてたまらないIT長者及びその家族、などには特におすすめだ。もちろんチタンやカーボンの構造部材以外にも、Pラインで導入された新しい変速系メカや前後ホイールなどのハイスペックパーツが採用されており、ブロンプトン最高の走行性能であることは間違いない。Tラインを買って失望することはないだろう。尚、標準ブロンプトンとデザインが微妙に異なる点(例えばメインフレームパイプが太い)については留意のこと。
内装3速×外装4速=12速の「P Line Explore」と「T Line Explore」です。重量は、P Line Explore が 10.5 kg、T Line Explore が 8.8 kgと、内装ハブ付きとは思えないほど軽いです。
4.ブロンプトンの折り畳み機構は気に入っているものの、現行16インチモデルでは実現できない山岳ライドやグラベルライドをどうしてもブロンプトンでしたいという人で、来年ぐらいまで待つ忍耐力がある人にはGライン(20インチホイールサイズALFINE内装8速のMTBモデル)
ブロンプトンにMTBばりの機動力と耐久性能を求める方に朗報です。2024年9月、20インチホイールのGラインが発表されました!
開発者によれば、「もともと街乗り向けにつくられた(desined for city)ブロンプトンを、人々が街の外(beyond the city)に持ち出していろいろなことに使い始めた。中には北米大陸を横断したり北極に持って行った人もいる。Gラインはこういった人々の期待にこたえるもの」だそうです。
Gラインはブロンプトンにまた新たなバウンダリーの広がりをもたらしてくれるに違いない。
次に、あったら便利なブロンプトン・アクセサリーをご紹介します。
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