ブロンプトンで秘湯へ行こうシリーズ、サードステージ第五幕、年末スペシャルということで、未だ見ぬ大物秘湯の一つ『中房温泉』(なかぶさおんせん)へ行くことにした。北アルプス燕岳(つばくろだけ)の登山口にある秘湯として知られ、標高1,462メートルの高地にある。中房温泉に通じる林道は既に雪に閉ざされて通行止め、到達困難度はかつてないレベルだ。スタッドタイヤ を装着して、チャレンジだ。

 

[走行データ]

距離 36.8km (JR安曇追分駅~中房温泉往復)
最大標高差 957m
平均斜度 全体0% 上り6% 下り6.1%
獲得標高 上り1,032m 下り1,041m

 

中房温泉は日帰り秘湯マニアにとってハードルが非常に高い温泉だ。というのも、宿の温泉を宿泊者以外に開放していないのだ。日帰りでは、宿の手前にある燕岳 登山口に別に設けられた仮設感のある日帰り温泉施設にしか入れてもらえない。それ故、今年夏の「北アルプスを登ろう 」シリーズで燕岳に行った際も、立ち寄り先として有明温泉 を選ばざるをえなかったのだ。

 

しかし、そのかたくなな姿勢が変更されるシーズンがある。冬だ。日帰り温泉施設がクローズする冬の間だけ、ストイックな冬山登山者(主に燕岳を目指して中房温泉の敷地にキャンプする方々)向けということで宿の温泉の一部を立ち寄りにも開放しているのだ。ならば冬にいけばいいじゃん・・・と思ったあなた、あま~い。

 

冬、中房温泉へ通じる全長12キロの中房林道は完全に通行止めとなっている。崖崩れが頻発する上、積雪が尋常でないため、維持整備が大変な道なのだ。そうなると日帰り湯のためには冬山登山者と同様、12キロの雪の坂道を4時間ほど歩いていくしかない。とても日帰りができる距離ではないのだ。

 

そこで、スタッドタイヤ を装備したブロンプトンの登場だ。幸いなことに今シーズンは全体的に降雪が遅れているので、さほど無理なくいけるのではないか。といっても標高差800メートル以上の山道だ。高い標高では積雪もかなりだろう。そして下りが特に危険だ。心して臨むことにする。

 

で、ブロンプトンジャンクション飲み会の翌朝5時、私は大糸線の穂高駅に到着していた。ムーンライト信州で穂高駅下車、タクシーに乗って通行止めとなっている中房林道の宮城ゲートまで行って、そこからブロンプトンでスタートする予定だった。しかし、早朝曇りのち晴れという天気予報とは異なり、冷たい雨が降っていた。なんで?

 

雨雲レーダーの登場だ。うーん、予報では7時半頃まで回復しないようだ。コマッタ。

 

6時半頃、あたりが明るくなってきた。行くかどうか不確実性が残るので、穂高駅からタクシーに乗る当初案は止めにして、取り敢えずゲートにより近い安曇追分駅へ移動して、様子を窺うことにする。いけそうな場合は宮城ゲートまで自走だ。

(写真は穂高駅)

 

時刻は7時過ぎ。まだみぞれ混じりの小雪が降っている。

 

7時半、ふと外を見ると、小雨から粉雪に変わっていた。粉雪なら、濡れなくていいな。出発しよう。

 

どんよりとした空だ。ホントに晴れるのか。

 

有明神社の鳥居だ。ここから神域に入る。中房温泉への道は有明山を巻くように進む。

 

中房川である。燕岳に源を発し、中房渓谷を流れる。川の水の色が温泉だ。

 

宮城ゲートから先は冬季閉鎖されている。

 

宮城ゲートについた。このように閉鎖されている。但し、歩行者と自転車は脇から入ることができる。

 

林道に入ると、モノクロの世界となった。


 

標高を上げていくと雪の量が増えていく。




 

標高1,000メートルを越えると道は完全なる雪道となった。

 

いつの間にやら雪は止んで、あたりが明るくなってきた。

 

中房温泉1.5キロの表示だ。もうすぐか。

 

しかし林道の雪の厚みが増してきた。これ、ホントにいけるのかい?

 

(続く)

 

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