Book Review’S ~本は成長の糧~ -21ページ目

思いをカタチに変えよ!

4569623417 思いをカタチに変えよ!―だれもが人生の主人公で生きるために
渡邉 美樹 テラウチ マサト

PHP研究所 2002-10
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★★★★★★★★★★


この本は、居酒屋「和民」で有名なワタミフードサービス社長の渡邊美樹社長と、カメラマンのテラウチマサトさんのフォトエッセイです。文章の内容は、渡邊社長がワタミの社員に向けて送られた言葉が大半ですが、とても素敵な内容となっています。そして、この本のテーマに沿った写真を見事なセンスでテラウチマサトさんが掲載されています。

この本を購入した動機は、ただただ単純なもので、100円で売っている本で高値で売れるからというものでした。この本を読み出したのも、買い手が決まってからでしたが、あまりに内容が素晴らしいので買い手がついているにも関わらず、手放すのが惜しくなるほどでした。

そして、現在再び手元に一冊あります。最近また、BOOK OFFで手に入れることができました。この本を売りに出すのか非常に迷っています。この本はいつでも手元に置いておいて、つらくなった時、悲しい時、やる気がなくなった時、情熱を失いそうな時に読みたい本の一冊に入るからです。

これだけではどのような本の内容なのかわかりにくいと思いますので、いくつか本の内容を引用紹介させてもらいます。

いまある自分自身の、身近なものを見直そうといいたい。それ自体、非常に価値があるもの=絶対的価値があるものの、その本質に対しての感謝の心を持ち続けようといいたい。

0と1のあいだは、1と99のあいだより広いと私は思う。最初の一歩を踏み出すことは、それほど価値がある。その一歩が、次の一歩を生み、その積み重ねのみが、「夢」を実現させるからである。

本来持って生まれたものが違うのに、比較することは、不平等極まりない。比較していいのは、「本人の昨日と今日」だけである。

他にもたくさん心に留めておきたい言葉の数々がありました。渡邊社長の素晴らしいところは、これらの言葉を心の底から、身体の一部として、日頃の生活で実践していることだと思います。といっても、普段の渡邊社長を知らないので、本に書かれていた文章がそれほど生きた活き活きとした躍動感を持って伝わってきたと言う方が正しいでしょうか。

とにもかくにも、オススメの一冊です。現在は残念ながら在庫切れになっているので、手に入れるのは難しいのですが、ファンになってしまうこと間違いなしの素敵な一冊です。

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夜のピクニック

4103971053 夜のピクニック
恩田 陸

新潮社 2004-07-31
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★★★★★★★★★★

この作品は有名すぎるぐらい有名になった作品ですね。2005年度の本屋大賞 に見事選ばれた作品です。僕がこの作品のことを知ったのも、受賞してから店頭に山積みにされているのを見てからでした。この本屋大賞の「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本」というコンセプトは見事に達成されているのではないかと思います。

高校生の貴子と融。二人には二人だけの秘密があります。しかし、その秘密は良いものではなく、その秘密によって二人の関係はギクシャクしたまま高校の3年間は終わろうとしていました。二人の通う高校では、毎年80キロを歩く「歩行祭」が行われます。そして、孝子は歩行祭である「賭け」をします。その賭けの結末は・・・

というのが、本当に簡単な物語の説明ですが、とても面白いです。ボリュームは300ページを越えるのであるのですが、次の展開がとても気になるので、一気に読み終えることができます。面白いのは、貴子と融だけではなく、登場人物それぞれの心理描写にあります。高校時代に感じたこと、思ったこと、若さによる些細な葛藤などなど、読んでいる人にとって共感するところが多くあると思います。そして、それらのやり取りひとつひとつが自分の高校時代を振り返り、ほほえましいような、恥ずかしいような気持ちにさせてくれる一冊です。

どうしていつもこうなんだろう。いつもあとから思いつく。いつもあとから感情が追いついてくる。やっぱりあたしはただの馬鹿なんだろうか。あたしのことを、クールだとかけだるいとか男子が言っているのは知っているし、自分でもそうなんじゃないかと思っていたこともあるけど、本当は単なるトロい無能な奴だとバレるのが怖いだけ。

これは途中に出てくる貴子の心の中の一部ですが、僕にとってかなり印象に残った部分です。僕自身が常日頃から感じている自分自身に対する漠然とした評価をこの文が見事に表現してくれた気がしました。まさに僕がこの貴子と同じ悩みを抱えていたし、現在も抱えているわけです。そして、

だが、正しいのは彼らだった。脇目もふらず、誰よりも速く走って大人になるつもりだった自分が、一番のガキだったことを思い知らされたのだ。

こちらは融の心理描写です。これも何だかスッと入ってくる感覚で心に残りました。高校生の10代は自分のまわりだけしか見れなくて、自分のまわりだけが世界だと考えていて、自分と誰か、自分と周りと比較することでしか、自分の居場所を見つけることができない。そんな若気の至り?のような経験は誰しも少なからずあると思います。

読んでいてどこか懐かしい思いにさせてくれる、昔を思い出させてくれる作品です。まさに青春の一冊。といっても僕はこんなさわやかな青春をすごしていません(汗)それにしても、読後の清涼感はたまらないものがあります。本屋大賞に選ばれたのも納得できる一冊です。

恩田陸さんの作品は初めて読みました。読み終えてから気付いたのですが、恩田陸さんは女性だったんですね。読んでいる時から、表現が女性ぽいなとは思っていたのですが、「陸」という名前ですっかり勘違いしていました。この本を読み終えたのは、3ヶ月以上前でだいぶ前なのですが、とてもいい本だったのでどうしても紹介したくて書いちゃいました。

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営業の魔術

4532312116 営業の魔術―お客様の心を動かすプロになれ!
トム ホプキンス Tom Hopkins 川村 透

日本経済新聞社 2005-08
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★★★★★★★★☆☆



学生の僕がこのようにビジネス書ばかり読んでいるのは、自分としてはあまり良いことではないなぁとは感じているのですが、就職活動以来面白いので定期的に読む癖がついてしまっています。もう一つ理由があるとすれば、Amazonマーケットプレイスで値崩れしないので、1冊あたりの儲けが他よりはあるというのがあります(汗)

この本は、アメリカで20年近く前に出版されたものです。日本でなぜこの時期に発売されたのか疑問ですが、とりあえず、今年になって突然日本で翻訳され発売されました。全米で140万部以上売れているということですが、20年以上経ってアメリカで140万部と言うことは、名著ですが大ヒットした作品というわけではないのかもしれません。もしかすると、それが翻訳が今頃になった理由なのかもしれないですね。

営業を経験したことのない僕にとって、どこまで理解できたのか不安も残りますが、この本は他の営業の本に比べるととりわけわかりやすかったと思います。まず、書かれている内容の章立てがしっかりしています。そして、さまざまな方法・メソッドが箇条書きでポイントを整理して書かれているので、読みやすいです。ただ、あまりにも項目数が多いのが短所でもあるかもしれません。

トップ営業マンに限らず、営業のベテランになってくると人それぞれの個性が出てきます。その中でもトップ営業マンが共通して持っているものがいくつかあります。それは「心構え」であったり、「目標設定の仕方」であったり、「人との関わり方」であったりします。

この本では、特に人との関わり方について詳しく述べられています。おそらく著者の経験で、顧客が顧客を連れてくることによる成功経験が非常に多かったのではないかと推測できます。顧客が紹介してくれた人がクロージングの成功率が非常に高い、と本書の中でも述べられていて、実際に顧客に人を紹介してもらうための方法も具体的に書かれています。他にも、新規開拓やクロージングでの会話例も充実していて、理解しやすく、よくできた本だと思います。

「営業」というものは、マーケティング経営とはまた違っていて、自分なりにアレンジしやすい仕事にあたります。そのため、ただこの本を一度読むだけではなかなか身につかないと思いますが、仕事をしながら毎回この本を片手に反省と改善を繰り返していくことは効果があるのではないかと思います。そして、どの仕事にも言えることでしょうが、特に営業では相手のニーズを自然な形で引き出すことが重要になってくると感じました。ニーズを引き出す、つまり上手い質問ができる力を磨くことが大切です。

とこんな感想を書いている僕は、何度も言うようですが営業の経験など全くない学生です・・・。

最後にいくつか本書から引用して終わります。最後の言葉は非常にいい言葉だと思いました。

(営業という仕事は、)自分がどれだけ努力するかですべてが決まるのだ。

トップ営業マン12の特徴
1.見た目 2.プライド 3.自身 4.思いやり 5.確信 6.豊かになりたいという欲求
7.成功への強い欲求 8.不安・恐れの克服 9.周囲に左右されない
10.お客様に対する敬意を持つ 11.断られても落ち込まない 12.つねに学ぶ姿勢

自分のやる気を引き出すもの
1.お金 2.安定 3.達成感 4.誉められること
5.受け入れられたいという欲求 6.自分を認める

クロージングはお客様のためになる決断をサポートするプロセスである

失敗の数によってではなく、成功した数によって自分の評価が決まる。
成功の数は、失敗してもなおやりつづける数に比例する。

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今日から目覚める文章術

4845407590 今日から目覚める文章術
高橋 三千綱

ロングセラーズ 2005-10
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★★★★★★★☆☆☆


この本を購入したのは大学の生協でした。普段、BOOK OFFAmazonを愛用している僕としては非常に珍しい購入経路です。しかし、たまにこういった行動(衝動買い)を取ってしまいます。本を見るだけでも飽きない僕は、ついつい生協に立ち寄ると本のコーナーに足を運ぶのですが、たまに「ビビッ」とくるタイトルを見つけては手に取り購入してしまうわけです。

高橋三千綱さんは芥川賞作家ということですが、僕はこの方の作品をひとつも読んだことがありません。いかに教養がないかということですね・・・。それはさておき、この本のカテゴリーを教養・自己啓発やビジネス書に分類せず、エッセイに入れたのには理由があります。それは、この本は文章術というひとつの技術・ノウハウについて言及しているというよりも、高橋三千綱という一人の売文(これの意味は本書の中で語られています)を生業とする人間の経験がふんだんに盛り込まれた内容となっているからです。本書を購入する際に、文章術という点、文章を上手く書くためのテキストのつもりで購入すると期待はずれになったということもありえるかもしれません。

しかし、全く文章術について触れていないのかといえばそうではなく、随所で普通のノウハウ本とは違う手法で文章を上手く書くためのコツが書かれています。中でも、各章の最後にある福袋というコーナーはそれだけでも面白さがあり、全体の中で適度なスパイスとして刺激を与えてくれます。

過去の自らの作品を事例にあげながら、いろいろと書かれていますが、全体を通して著者が一番伝えたい内容は、

「何をテーマにして書くか」よりも「誰に対して書くのか」が重要である


という一点に尽きると思います。この考え方は非常にわかりやすく、たとえば同じ経験や内容を伝えるにしても、恋人に伝えるのか、親に伝えるのか、公の人たちに伝えるかによって文体だけでなく伝える情報を取捨選択することになるからです。ブログによって多くの人に文章を書き、公開するという習慣が広がってきています。その中で、この一点のみに注意して書いてみることには大きな意味があるのではないでしょうか。

帯の後ろにも書かれていたのですが、文中で印象に残った一文を紹介します。

「どのような体験でも作家にとって無駄なものはなく、何かを書こうとする人は、体験や記憶を何度でもリサイクルできることを覚えておくべきだ。繰り返し、使い込む。そこに味が出る。そして、しぶとさ、である。、何を核にしろ、それが基本になる」

どんな体験でも使いこなすうちに、身に付き、知識から知恵へと発展していきます。著者が伝えたい内容とはずれてくるのかもしれませんが、全てのものを使い切ってやろうという貪欲さを持ってみるのも良いかもしれません。

最初にも書きましたが、この著者の本を読んだのは初めてです。どこか世の中を斜に構えて眺めている人という印象を受けました。そういう人の方がより多くのことを考え、より多くのことを知っているものだという個人的な価値観を持っているので、好きなタイプの方でした。文学作品の方も機会を見つけて手を出してみたいな、と思います。

ここで12月22日までプレゼントキャンペーンが実施されています。
「今日から目覚める文章術」 高橋三千綱

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チョコレート工場の秘密

4566014118 チョコレート工場の秘密 ロアルド・ダールコレクション 2
ロアルド・ダール クェンティン・ブレイク 柳瀬 尚紀

評論社 2005-04-30
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★★★★★★★★☆☆



この本は、映画化されたことで有名ですね。最近はDVDも発売されたとか。僕は映画を見ていないのですが、映画化がきっかけで知った人間の内の一人です。

この本では、多くの人が新訳と旧訳について感想や意見を書いていますので、その点についてはあまり触れないように感想を書きたいと思います。一番大きな理由は、旧訳を読む時間がないだけなんですが・・・。

個人的には、新訳での試みは好きです。たとえば登場人物の名前を日本人にわかりやすい名前に変えてしまったり、途中で出てくる小人たちが歌う歌詞をアレンジして韻を踏むようにしたり、といった部分です。原書を読むことの出来ない人にとっては、翻訳された作品だけからしかその作品を知ることができないので、出来る限り原作に近いようにするということは、良いことだと思います。

対象はもちろん子供なのですが、大人の絵本と言われている星の王子さまと同じく大人が読んでも楽しめる一冊だと思います。特に、子供がいる親にとっては勉強になるのではないでしょうか。

作品に出てくる子供たちは主人公のチャーリーを除いて、目も当てられないようなひどい子供たちばかりです。教育での問題点が浮き彫りにされています。甘やかされた子供、しつけのなっていない子供たちは、欲しい物をすぐにねだり、食べたいものを食べ、テレビやゲームをし続け、創造力に欠けた、思いやりのない子供たちになってしまいます。

逆にチャーリーは本当に「できた子」だったために、ハッピーエンド?を迎えられるわけですが、チャーリーと他の子供たちの間で一番大きく違ったことは「我慢すること」ができるか、できないかであると思います。我慢するという言葉を少し言い換えるなら、「一度踏みとどまって、考えてみる」ことになります。

考えることは、どのようにすればいいのか計画を立てることであったり、自分の取る行動の先にどのような結果が起こるのか想像することであったり、それ以外の選択肢はないのか模索することなどです。最近の子供たちはこういった訓練をする機会があまりにも減っているのではないかと思います。

作中にテレビを見ることを馬鹿にし、本を読むことを薦める部分があるんですが、僕は賛成です。活字を読むことのメリットももちろんありますが、多くの子供たちが現在テレビやゲームに時間を費やす中で、本当に情報を自分で判断したり、想像をめぐらすといった能力が欠如していくと危惧するからです。

あえて?今回は本の内容から大きく外れて書いてみました。自分自身、本を読んでいてもどうしても受動的に読むことが多いので、自分なりの考えを述べる訓練をしたいと思います。

最後になりましたが、子供向けの作品としては少しブラックユーモアが多いですがなかなかオススメできる一冊だと思います。

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成功の教科書 熱血!原田塾のすべて

409837661X 成功の教科書 熱血!原田塾のすべて
原田 隆史

小学館 2005-02-26
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★★★★★★★★★☆


著者の原田隆史さんは中学の体育教師として、陸上で日本一の選手を数多く育成してきた方です。その教育の現場で培ったノウハウを社会人や学生など多くの人にセミナーや書籍で広げていっています。

この本のタイトルも非常にわかりやすく、内容としっかり合っています。成功の定義から成功者の共通点、そして成功の為にどのような行動をしていけばよいのか書かれています。現在、少しブームも去りましたがコーチングという手法が流行りました。しかし、ここではリーチングという手法が紹介されています。このリーチングとは、著者の言葉を借りれば人を確実に成功に届ける(リーチさせる)手法・目標設定させて、そのために必要なことを毎日繰り返しやらせ切る指導ということになります。

また成功の定義では、
「成功とは、自分にとって価値のあるものを
未来に向かって目標として設定し、
決められた期限までに達成すること」
とわかりやすく定義し、この成功のためにどのような順序で取り組めばよいのか説明が続きます。

成功者と呼ばれる人たちは世の中の5%にしかならないそうです。この統計の根拠はどこからきているのか、成功の基準はどのようにして測ったのかいくつか疑問も残りますが、この点は問題ではないので気にしないでよいと思います。

また、成功者の共通点を端的に表すと(これも著者の言葉を借りれば)
「強い勝利意識と高い目標設定」
となります。

ここでの強い勝利意識とは「こうなると自分で決める」こと。
高い目標設定とは、夢から目標、方法へと具体化していくための取っ掛かりになります。
成功は一朝一夕で成るものではなく、毎日の成長の積み重ねの結果成功につながります。
このことを本書では「スモールステップ」と呼んでいます。
このスモールステップはみなさんも実感としてよく理解できることだと思います。

中学生の教師をしていたせいか全体的に非常にわかりやすく書かれています。またクジ引きの法則や心のコップや心のつぼといった独自の表現が面白いです。本書の中では、書き込み式のワークシートも挿入されていて、実際に記述しながら読み進めていくと、「教科書」らしさも出てくると思います。

最後に、本書で書かれていた成功へのプロセスの概要を載せておきます。書かれていることは当たり前のことなので、これを見ただけではピンとこないかもしれませんが、読み終えてから見直すとすんなり頭に入ってきます。

1.大きな夢を描く。(Dream)
2.夢を具体的な目標に変える(Goal)
3.目標達成のための方法を考え、「これでやれる」という自分への期待感を高めて、やる気にスイッチON!(Plan&Check)
4.できることの継続とやり切りで心を強くする(Do)
5.考察と手入れで心を整理する(See)
6.培った自分の強み(コンピテンシー)を広め、周囲から認められる。そして自身を持つ(Share)
7.そして、自己実現した別の行き方、人生に到達する(Achieve)

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わからなくなった世界情勢の読み方

4062110687 わからなくなった世界情勢の読み方
池上 彰

講談社 2001-12
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★★★★★★★★★☆

著者の池上彰さんはNHKの週刊こどもニュースのお父さん役として子供向けのわかりやすいニュースを伝えていらっしゃった方です。現在は、その役割を引退し、鎌田靖さんがお父さん役を務めています。僕はこの本を手に取るまで、池上さんの顔は見たことがあったのですが、どのような人か知りませんでした。恥ずかしい・・・。人はこうして学んでいくんですね。

この本では、世界情勢の読み方」というハウツーが書かれたものではなく、発行された当時の世界情勢についてわかりやすく書かれています。本当にわかりやすいです。この当時は、アメリカでテロが起こった年で世界全体に大きな衝撃・影響がありました。そのことに触れながら、世界の情勢がなぜこのような形になったのか説明されています。

主に前半部分では、冷戦時代の世界情勢について書かれています。アメリカとソ連の関係・二国が関係した紛争、戦争の数々・冷戦後のアメリカの考え方や行動についてできるだけ客観的に、わかりやすく書かれています。

僕は高校・大学受験をしてこなかったせいもあり、歴史について必死に勉強した記憶はありませんでした。高校の授業で映像の世紀をひたすら見させられたことしか記憶にありません。あの当時は、映像の世紀の重要性について全く理解していませんでした。今考えると、もう一度一から見直したい作品です。この4年間で自分がどれだけ価値観や考え方が変わったのか自分でも驚きます。

さて、この世界情勢については4年も前だから参考にならないとお思いの方も多いと思います。しかし、この世界情勢を作り出す基は現在もあいかわらず変わっていません。アメリカの価値観の押し付け、富みあるものが富み、貧しいものはさらに虐げられるシステム、グローバル資本主義の浸透などなど。

僕のように、今まで近代史について詳しく勉強してこなかった人にとっては非常にオススメの一冊です。最低限の社会常識として知っておくべきことでもあると思います。大切なのは、メディアにただ流されるだけでなく自分で判断できるだけの知識(背景・原因など)を持っておくことです。

この本の文体のわかりやすさに惹かれたので、早速池上さんの最新の書籍である
これから3年!「世界はどう変わる?」―アメリカから中国問題まで最新ニュースを読み解く
を購入しました。もう少し、こういった勉強も積み重ねて常識・教養ある人間になろうと思います。

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本気論

4761262729 本気論―フリーターから東証一部上場企業の社長になった男の成功法
斎藤 正勝

かんき出版 2005-08
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★★★★★☆☆☆☆☆

著者はカブドットコム証券の社長です。僕は株は全くやらないので、この会社の名前を聞いたのは初めてでした。それにしてもこの表紙はすごいですね・・・。もっとよい表紙はなかったんでしょうか・・・。

結論からいきますと、悪くはないけどあえて読む必要はない本です。失礼な感想を書いてしまいまして、申し訳ありません。普段は感想ではあまり悪いことは書かないので、逆に新鮮な感想だと思います。あくまでも中立な立場で書評・読書感想を書くことを目的としていますので。

まず、何がよくないと感じたかというと、本のサブタイトルです。フリーターから東証一部上場企業の社長になったとありますが、本を読んでいてフリーター時代のことはどこに書かれていたの?と疑問に思ってしまうぐらい触れられていません。しかも、フリーターといっても学校を卒業後すぐにフリーターとなったのではなく、会社に勤めてから独立を目指して退職しているので、厳密にはフリーターとは呼べないと思います。だからフリーターだけど成功したんだ、という見方で購入をするのはオススメできません。

また成功法とありますが、内容自体は自分の社会人での経験をつらつらと書いているのみ。それはそれで参考になる部分はあるのですが、書かれている内容は他の啓発書でほとんど書かれています。できればメインタイトルの「本気論」である「本気」の部分により多く触れ、本気の定義からどのようにして本気の状態に持っていくかなどの具体例を書いて欲しかったと思います。

常に自分のしている仕事やしの上の仕事内容について考え、改善提案を上司にしていくことの重要性や、体を壊してしまわないために、一定の成果を上げ続ける(本書では60%)ことが大切といった内容がかれています。また各項目が小分けにされているので、ひとつひとつ消化しながら読むには適しています。

著者は社長になるだけあって、仕事ができるすごい人だということはよくわかりますが、それだけで本を書くというのはどうかなぁと思える一冊でした。本当に初めてこんなに辛口評価をしてしまいましたが、全く読む価値がないというわけではないので、☆は5つとしました。

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ヘンな本あります

4776300028 ヘンな本あります―ぼくはオンライン古本屋のおやじさん2
北尾 トロ

風塵社 2003-05-07
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★★★★★★★☆☆☆

著者の北尾トロさんは杉並北尾堂 というオンライン古本屋を営んでいます。サブタイトルに「2」とあるように、この本ではオンライン古本屋を立ち上げてから約一年後の出来事が面白おかしく書かれています。僕は呼んでいないのですが、「1」ではオンライン古本屋開業のドタバタ劇が書かれているそうです。その本を読んで、開業する人もたくさん出てきたとか。

この杉並北尾堂ではサブカルチャー関連の本を取り扱っています。本を読んでから店にアクセスしてみましたが、本当にイロモノ揃い!!(笑)僕の知らない世界がそこには広がっていました。

個人で、古本屋を営むには大変な苦労が伴います。その中でも一番はやはり「在庫補充」にあるようです。買取は店舗を持たないために、メールのみでやりとりか、出張買取になります。メールだけでの買取では、ハズレの本がたくさんきたり、買値ほどの価値がなかったり、大変なこともたくさんあるようです。買値の間違い?は出張買取でもあるみたいですが、この出張買取が魅力的なのだとか。

取り扱う本がマニアックなため、売ってくれる方も「マニア」です。このマニアさんはそのマニア故に、話す相手に困っています。そこで、トロさんの活躍!となるわけです。本の中で、買取では本を買うためもあるが、相手の話を聞くことも大切であり、個人的にもとても楽しいと書いています。話の中から思わぬ収穫があったり、単純に「マニア」同士の会話が盛り上がったり、そこには店舗経営では味わえない独特の出会いがあるとのこと。

インターネットの普及、Amazonのマーケットプレイスの認知度の向上、楽天などによって個人が気軽に本を売買できる時代になりました。僕自身、Amazonには売買のどちらもお世話になっています。しかし、ただ小遣いを得るためだけにこの商売をするのは寂しいものです。

トロさんは、本当に趣味として楽しみとしてオンライン古本屋を営んでいることが本全体から伝わってきました。自分が一押しだと思う本が売れた時の喜び、出会える可能性の低い本を買取先で見つけた時の嬉しさ、手元に残しておきたくなるような本との出会い、などなど本という媒体を通して人生を楽しんでいます。

僕も本好きですが、マニア度では本当にまだまだひよっこ以下の存在です。実用書や新刊ばかり手にとって読んでいます。しかし、10年・20年・30年と年を経ていくにつれてさらに本の奥深い魅力に触れていっってやろう、と変な夢が広がりました。技術が進歩していくことで、古本屋さんはなくなるかもしれません。しかし、いつまでも街の外れや路地裏などで、自分の好みを価値観を主張する古本屋さんはあってほしいなと思います。

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孤独のチカラ

489194711X 孤独のチカラ
齋藤 孝

PARCO出版 2005-07
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★★★★★★★★☆☆


斉藤孝さんの著書です。今回のタイトルでは「チカラ」となっていますが、斉藤さんの書籍では「力」と付くものが非常に多いですね。本のタイトルがわかりやすいのは、購入者にとっては助かるので大歓迎です。中身が期待していたものと外れていたら問題外ですが・・・。

この本に特に惹かれたのは「孤独」をテーマに扱っているところです。「孤独」と聞くとどうしても、良いイメージを浮かべることができない、もしくは難しいと思います。僕自身もその中の一人です。しかし、僕は「孤独」というものが好きな性格です。自分の性格とそのことの意味について少しでも知れそうな気がして購入しました。

非常に興味深くて、面白い一冊でした。斉藤さん自身の実体験に基づいて「孤独」について書かれています。斉藤さんは浪人時代から助教授になるまで、「暗黒の10年」という孤独と付き合ってきた人生だったそうです。孤独が生み出す、負のエネルギーを自らの鍛錬に注ぎ込み、知識を溜め込んでいった、そんな10年だったそうです。

この斉藤さんの10年の中でもっとも重要だと感じたのは、孤独の中でも自分を肯定し続けることです。斉藤さんの言葉を借りるなら「自分に期待する力=自期力」となります。非常に重要だと感じた理由は、孤独はやはり鬱屈した暗いもので、大概は自分自身の心身を傷つけてしまいます。しかし、そんな環境でも自分自身の実力を信じ、高めようとする気持ちさえあれば、原動力として孤独を活かせるようになります。

また、孤独ではなく「単独」、もしくは「単独者」という表現が非常に気に入りました。
現代の社会では、群れること・みんなと同じだと感じることによって安心を得ている人が多いと斉藤さんも指摘しています。それが具体的に表面上に現れるているのが、「いじめ」であったり「ブランドの氾濫」となります。

では、どのような人間関係が望ましいのか?
そこで、先ほど取り上げた「単独者」が出てきます。誰にも依存せず、一人の個として確立した上で相手と力を合わせ、切磋琢磨していく。いつもつるむのではなく、離れた時間(=孤独)に自らを高める努力をしていく。とても大切なことだと思います。

現代人(もちろん僕もです)は、孤独を恐れている人がほとんどです。孤独を味方につけるためにも、孤独だからこそできること、自分を高めること、自分を見つめ直すことの重要性に気付くことがこれからの社会にとって必要なことでしょうね。

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