今日から目覚める文章術
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今日から目覚める文章術
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この本を購入したのは大学の生協でした。普段、BOOK OFFやAmazonを愛用している僕としては非常に珍しい購入経路です。しかし、たまにこういった行動(衝動買い)を取ってしまいます。本を見るだけでも飽きない僕は、ついつい生協に立ち寄ると本のコーナーに足を運ぶのですが、たまに「ビビッ」とくるタイトルを見つけては手に取り購入してしまうわけです。
高橋三千綱さんは芥川賞作家ということですが、僕はこの方の作品をひとつも読んだことがありません。いかに教養がないかということですね・・・。それはさておき、この本のカテゴリーを教養・自己啓発やビジネス書に分類せず、エッセイに入れたのには理由があります。それは、この本は文章術というひとつの技術・ノウハウについて言及しているというよりも、高橋三千綱という一人の売文(これの意味は本書の中で語られています)を生業とする人間の経験がふんだんに盛り込まれた内容となっているからです。本書を購入する際に、文章術という点、文章を上手く書くためのテキストのつもりで購入すると期待はずれになったということもありえるかもしれません。
しかし、全く文章術について触れていないのかといえばそうではなく、随所で普通のノウハウ本とは違う手法で文章を上手く書くためのコツが書かれています。中でも、各章の最後にある福袋というコーナーはそれだけでも面白さがあり、全体の中で適度なスパイスとして刺激を与えてくれます。
過去の自らの作品を事例にあげながら、いろいろと書かれていますが、全体を通して著者が一番伝えたい内容は、
「何をテーマにして書くか」よりも「誰に対して書くのか」が重要である
という一点に尽きると思います。この考え方は非常にわかりやすく、たとえば同じ経験や内容を伝えるにしても、恋人に伝えるのか、親に伝えるのか、公の人たちに伝えるかによって文体だけでなく伝える情報を取捨選択することになるからです。ブログによって多くの人に文章を書き、公開するという習慣が広がってきています。その中で、この一点のみに注意して書いてみることには大きな意味があるのではないでしょうか。
帯の後ろにも書かれていたのですが、文中で印象に残った一文を紹介します。
「どのような体験でも作家にとって無駄なものはなく、何かを書こうとする人は、体験や記憶を何度でもリサイクルできることを覚えておくべきだ。繰り返し、使い込む。そこに味が出る。そして、しぶとさ、である。、何を核にしろ、それが基本になる」
どんな体験でも使いこなすうちに、身に付き、知識から知恵へと発展していきます。著者が伝えたい内容とはずれてくるのかもしれませんが、全てのものを使い切ってやろうという貪欲さを持ってみるのも良いかもしれません。
最初にも書きましたが、この著者の本を読んだのは初めてです。どこか世の中を斜に構えて眺めている人という印象を受けました。そういう人の方がより多くのことを考え、より多くのことを知っているものだという個人的な価値観を持っているので、好きなタイプの方でした。文学作品の方も機会を見つけて手を出してみたいな、と思います。
ここで12月22日までプレゼントキャンペーンが実施されています。
「今日から目覚める文章術」 高橋三千綱
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