読書日記PNU屋 -5ページ目

加藤一・編著「恐怖箱 煉獄百物語」

 安定のシリーズに、今回は思わぬ衝撃が!未読の方のためにお名前は伏せるけれど、おひとり、先生がシリーズ卒業とのこと。今回も「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャンゴー」などエモ怖い話や、「某ファミレスのトイレ」など息づかいまで感じさせる怪異描写が光るだけに惜しまれる。

 しかし、期待のニューカマーには、飛ぶ鳥を落とす勢いの某先生来たるとのことで、シリーズは長らく安泰と思われる。

 下記に印象的だったお話を列記してみる。

ゆらゆら 怪異のビジュアルが印象的。ある意味、キレイな感じ?

迎えの人 狐狸妖怪の類だろうか、不思議。

絵画展 もし買っていたら、どうなってしまったのだろう。ぞわぞわ。

本当にあった祝いのビデオ いい話……なのか?!

ある種の瞬殺怪談 パロタイトルが勿体ないほどの、ぞくりとする正統派怖い話!

中年男 ええ話や…。

バイク置き場 日常に溶け込む様は、まさにウィズ怪異。

深夜の植栽 なるほど!!

イエユウレイグモ 人なら怖いけど、クモなら…?やっぱ、嫌だな。

麻袋 不可思議極まる!

真似はできない でろでろライクでカッコいい〜。

2021年7月の読書まとめ

 7月も出張ばかりで一ヶ月の半分も家におらず、自然と読書量も漸減中。


風鈴活字本 17冊。怪談ばっかし。


一生忘れない怖い話の語り方

拝み屋念珠怪談 緋色の女

親の支配脱出マニュアル

恐怖箱 怨霊不動産

恐怖箱 煉獄百物語

近親殺人

ケーキの切れない非行少年たち

怖い村の話

怖すぎる実話怪談 亡者の章

趣魅怪談

上毛怪談 群魔

心臓弁膜症 よりよい選択をするための完全ガイド

第六脳釘怪談

北縁怪談 札幌編

未成仏百物語

闇塗怪談 朽チナイ恐怖

ゆびさき怪談


七夕マンガ いろいろ48冊。うち、電子書籍14冊。


青の祓魔師 27

悪役令嬢は隣国の皇太子に溺愛される 8

厭怪談 何かがいる

インド夫婦茶碗 1

オペ看 3

親のトリセツ

怨霊奥様 7

怪人麗嬢 6

カナカナ 2

彼女が魔女に着替える時 1

鬼獄の夜 7

寄生獣リバーシ 8

キングダム 1-11(再)、62

菌と鉄 1

外科医エリーゼ 6

血海のノア 5

恋する鬼畜島 1

今度は殺されたくないアザラシさん 1

さんかく窓の外側は夜 10(再)

子宮がヤバイことになりました。

忍者と極道 6

しめるちゃんはつきまといたい 2

終園地 上・下

STRANGE MOON 1

前世療法の現場で見る怖い話 魂の羅針盤

園田の歌 5

TSUYOSHI 11

毒親に育てられました 2

となりのお尻が気になります

流水さんの百物語 2周目

引き寄せたくないのにスピ体験がとまりません

ベルセルク 2(再読)

ブラックガルド 4

MoMo 9

闇異本 1

わいわい毎日やらかしてます。

黒木あるじ・ほか「未成仏百物語」



 AKB主演映画の原作となった怪談集とのこと。AKBには疎いけれど、怪談作家が超豪華メンバーなので、一も二もなく手に取ってみた。

黒木あるじ ひとつ一つの話が思わぬ連作となる、ミステリー的手腕は健在。私的には「なりそこね」の不器用さが好みだった。ただ、文章がよどみなく上手すぎるせいか、セオリー通りゆえなのか、いつもより話に怖さはあまり感じなかった。絵の上手すぎる成年コミックにエロさを感じないのに似た現象なのかも??

最東対地 私、初読みの作家さん。隙のない怪談で心霊あり、人怖ありと粒揃いで実に上手い。
「ガス人間」の掴みどころの無さ、広がりゆくモヤモヤ感、そしてラスト一行のだめオシが良かった。

小田イ輔 怪談ジャンキーおなじみ。スイスイと流れるような、小田節の会話が読んでいて快い。
気持ちはわからなくもないが、「憶えていて」の男、厚かましく強い執念が恐ろしい。

黒史郎 ベテランならではのリーダビリティ。
今回は読後感に嫌な怖気が立つ話多めかも。
「摘み取る手」の黒い迫力がすごい。

松村進吉 印象鮮やかな怪異ばかりで、眩暈誘われる。胸に迫るお話が目白押し。
「宇宙人」守護霊の真実が恐ろしい。そもそも、それは守護してくれていたのかもわからないし…。
「お泊り」崩れる日常に、ゾッ。

加藤一・編著「恐怖箱 怨霊不動産」

 手練れ集結、安定の怪談アンソロジー。
 家、不動産にまつわる怪談目白押しの一冊だ。
 私的お気に入りを下記に。

高田広太/その箸を使ふ者なし夏の夕 粒揃いの掌編が畳みかけてくる。

つくね乱蔵/引き継ぐ家 告知義務もないのだから、この状況はどうしようもない…。

橘百花/歪んだ部屋 かつてそこで、何があったのか気になる。

松本エムザ/お持ち帰り なるほど!な因縁…!

久田樹生/縁由の棲家 奇譚ルポルタージュ 迫力がある!!!

神沼三平太/壁壁壁 なんと異様な家(壁?)なんだろうか。

煙鳥/首の家 怪異のビジュアルがすごい。

高野真/あの家のこと お父さんヒドい。

戸神重明「上毛鬼談 群魔」

 群馬県のご当地怪談が、ぎゅっと詰まった一冊。

 具体的な地名が書かれているので、地元の方にはより一層、恐怖が増すのでは?


 また、著者の怪談には長期取材されている体験者が登場するため、本書での再登場にあたかも同窓会のような懐かしさを覚えた。


 印象に残った話を下記に。


二分の一の教習所/不思議なだけではないところがミソ。残り半分が気になりすぎる!

噂のトンネル/それは、どこから来たのだろう。行方も気になる。

夜の切り株/首吊り遺体の真実。そう、これは他の怪談読む時にいつも気になっていたんだわ。

五月の東雲/抵抗されたので、ターゲットを変えたのかも。

国定の家/少しせつない別れ…。

姫地蔵の背景/これは実話収集なら避けては通れない問題で、大いに考えさせられる。同じ表情でも、体験者の気の持ちようで可愛く見えたり、あるいは不気味に感じられたりするのではなかろうか。


マタンゴの森/異様なビジュアルの怪異と、悲しい歴史が胸に残る。



 また、著者は怪談イベントも主催されていて、本日も著名なゲスト多数の高崎怪談会、なんと22回目が開催されている。

 高崎怪談会のイベントについてはこちらに詳しい。

高崎怪談会群馬県高崎市で行う怪談イベントを紹介しておりますリンクtakasakikwaidan.blog.fc2.com