読書日記PNU屋
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2019-03-12

吉田悠軌「恐怖実話 怪の残像」

テーマ:■怪談・サイコ


 バラエティに富んだ怪談集。怪異の起きた場所が具体的なのが恐怖感をマシマシにしてくれる。

 震撼する祟りあり、乾いたユーモアありとさまざまな味わいを楽しめた。


 私的お気に入りを下記に。


「母」と「女」/真相は不明だが、慣れ親しんだ家族が変わり果てるのが恐ろしい。
「鏡台」因縁の不明さが不安呼び覚ます。
「六本」なぜ彼が選ばれたのか…旅の不条理。
「内裏雛」ビジュアルがショッキング!
「悪意の家」逸話の一つ、鬼の話が妙に印象的だった。妖怪の類だろうか…。
「家族二つ」音や行為の残像、それとも…??
「呪い返し前」「呪い返し後」それは、一緒に仕事している異性への嫉妬だったのか。スーパーナチュラル・ウォーズ。

2019-03-06

福澤徹三「平成怪談実録黒本」

テーマ:■怪談・サイコ


 書下ろしを加えた新装版。

 旧版も持っていたのだけど、てっきり新刊かと勘違いして購入。

 けれども記憶がトリ並に持たないグッドハッピー脳みそを所有しているので、まるで新作のようにフレッシュに楽しめた。


 お気に入りを下記に。


握りこぶし/それはなんだったのか、神か妖魔か…モヤモヤを残したまま断ち切れるラストがあとを引く。


三周目/それは一種の転送装置なのかも??


N荘/長く続き、終わらない怪異にゾクリ。


蝋燭の炎/見える人の苦労がリアル!


フィッティングルーム/鮮やかな一瞬の怪異。


遺影/かように斯界からの連絡は伝言ゲームの如くにわかりにくい。

2019-03-05

神沼三平太「実話怪談 寒気草」

テーマ:■怪談・サイコ


 人が消えたり死んだり、壮絶な祟りと呪いだけを詰め込んだ胃の重くなる一冊。
 無垢な子供の死もしばしば、いまメンタルがダウナーな方は閲覧注意かも。
 凄惨な中国怪談も健在。大陸怪談はブルータルな印象!


 下記にお気に入りを挙げてみる。


老人ホーム/それに興味を持つことも許されないのか、悪意を反映するものなのか。

カマキリ/とても執念深い…!中にハリガネムシがいたりして??

樅の木/すべてが絶えるまで、きっと許されなかったのだろう。

タソカレ/じわじわと獲物を締め上げていく様子が冷酷!

銀板写真/少しずつ真相に近づく過程に、リアルでルポを見ているかのような迫力があった。

2019-03-04

黒木あるじ・編「怪談四十九夜 荼毘」

テーマ:■怪談・サイコ

 四十九夜シリーズも5冊目とのこと、幸いにして今回もおよばれかなって不肖わたくしも五篇寄稿させていただいた。個人的にはバーのマスターが不参加で残念(いつも衝撃的な話が楽しみなので)。


 執筆はこのところのネタ不足も手伝い、もしかしたら〆切までに出来ぬやも…と胃壁を溶かしながらの作業になったが、こうしてアンソロジーを手にすればトタンの苦しみも忘れていそいそと読むのが正しい怪談ジャンキーだね。


 私的お気に入りを下記に。

 

つくね乱蔵 様子を見る/怪異から逃れようとした先が、私の住む街に似ていて共感…たいていの建物はたいてい三階建てだし。


我妻俊樹 焼けた家/不条理極まる内容が、ダリの描く時計のようにぐにゃりと脳内を流れていくような、独特のリズムが魅力的。


同 みくすけ/一行空けの前後で、がらり変わる空気がステキ。


緒方あきら 大石様/かつての祟り●も、日常にさらりと溶け込んで、いずれ忘れ去られていきそうなのが怖い。●は祓えない、だって●様だから。


ふうらい牡丹 絵/日々しみついた煙の幻影が不可思議…。


鈴木呂亜 死者は屋根裏がお好き/人獣問わず、屋根裏にあった様々な死体の逸話が興味深い。


冨士玉女 散歩/犬のこととて、どうにもこうにも。本犬はどう感じているのだろうか…。


真白圭 こけし/正統派のゾクゾク怪談。タガが外れてしまった‘それ’の祟りはまっこと恐ろしい。


黒史郎 ひなど/わけのわからなさが、不安を加速させる一品。


黒木あるじ 今度はもう/印象的なイメージと諦念が胸にしみゆく。

 同 実はその家/語り口にひきこまれた。


p.s.読み終えた昨晩、からだに何かに引っかかれたような三本線がたすぐけのように入っていた。腫れがひいた今日よく見れば、皮膚が薄く裂けてかさぶたになっている。からだがかゆい覚えも掻いた覚えもないというのに、はて…。

2019-03-02

松山剛「君死にたもう流星群」3

テーマ: MF
君死にたもう流星群3 (MF文庫J)
松山 剛
KADOKAWA (2019-02-25)




 星乃を死の運命から救うため、二周目の人生を送る大地だが、一周目から世界は徐々にズレを見せ…委員長の変身、意外な刺客、謎の転校生とてんこもりの第3巻!

 何を書いてもネタバレになりそうで感想が難しいが、この巻で大地と仲間たちが生き生きとしていて楽しかった。一巻では好感度マイナススタートだった彼が、よくぞここまで立派に…恋は少年を大人にする。

 前巻ではツンデレどころかツンツンで、この意固地娘、ホントに助けるの…? だった天才ヒロインがちょっぴりデレて可愛い。もはや、野生動物の餌付けを見ている感覚…デレデレになる日は来るのだろうか?


 今回、キツい現実と直面する主人公だか、よくあるラノベ主人公のようにアーアーキコエナーイとならないところが素晴らしい。選択しなければならないことってあるよね。たとえその幸福が誰かの不幸の上に成り立つとしても。


 萌えも交えながら、巨悪がレッドへリングだった?的なヒキもあり、全く展開が読めないのがすごい。あの娘の正体も含め、続刊に早くも期待大だ。

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