渋川紀秀「恐怖実話 狂縁」
心霊現象とサイコ譚が交互に展開していき、やがては渾然一体となってゆく作品集。
専門性の高い工場や、新機軸の寄生虫奇譚(具体的かつ科学的な話として)があるなど、チャレンジングな1冊だ。
口型の腫れ/描かれなかったところに業をにじませて印象深い。
誤射/怪異のビジュアルがショッキング!
無住寺院/ええ話や…。
視えていても/手の打ちようがないところが虚しい。
営業のK「闇塗怪談 解ケナイ恐怖」
先月の怪談の感想を書きあぐねているうちに今月の新刊が発売されたので、サクッと正直にいこうと思う。
ドラマチックな展開で賛否両論あるシリーズだが、個人的には楽しめた。ファンタジックな設定を受け入れられるかどうかで、好き嫌いが分かれそうではあるが。
確かに、全てが著者およびその周辺で起きた怪異となると、殺人現場に遭遇しまくる金田一少年か江戸川コナン君か? と言いたくもなるが、読み物としては面白い。
以下、印象に残った話を挙げてみる。
魔女/そんなに悪いヒトでもないのでは…無関係な一読者としては、ぜひとも再会していただきたくなる。
台所の窓/そういうモノが、親しみを持って近づいてくるのが怖い。
尾行/後味は悪いが、まだ言葉が通じてよかったのかも(警告された彼は助かったのだから…)。
木こりという仕事/いくつか知っている逸話もあったが、山の禁忌は興味深い。
迷子/私ならついて行ってしまっただろうなぁ。
許嫁/悲しみしかない…。
松山剛「おねだりエルフ弟子と凄腕鍛冶屋の日常」
モンスターの体表が貴金属で覆われている世界で、目利きの鍛冶屋は確固たる地位を得ていた。中でも、最高職人であるフィーゴのもとに、美少女エルフが弟子入りしてきて…?
久保保久「よんでますよ、アザゼルさん。」16
ついに、アザゼルさんが終わってしまって寂しくてたまらない。
詩野うら「有害無罪玩具」
少しレトロ感ある独特なタッチで紡がれた、四編の哲学的な世界。癖があるので読む人を選びそうだが、なんともいえない魅力を湛えた短編集である。
実は、表題作はエセ理系な自分には難しくて理解できなかった(汗
否、哲学要素を含むがゆえに、文系知識こそ必要であるのか…??
まあ、漫画なので理解しなくても絵や世界観、雰囲気をたしなむことは可能なのだが。
ネ
タ
バ
レ
あ
り
の
た
め
未
読
の
方
は
Uターン推奨
時間が停止した世界に生きる少女の話が、家人とシンクロニシティでびっくり。うちの人も、カズーを吹きながら、同じ曲をカバーしているからさ。カズーというシンプルでマイナーな楽器が漫画に登場したことに大いに驚いた。
金魚人魚は不死の設定、量子力学風味付けが魅力。荒唐無稽のようでいて、よく練られている。やっぱ、マッドサイエンティストならプラナリアしちゃうよね♪
最後は死者との静かな邂逅が、少し山本弘「神は沈黙せず」の、ヒロインと家族の再会シーンを彷彿とさせた。此岸と彼岸との絶対的な隔たりよ。





