できれば本に埋もれて眠りたい -14ページ目

少年と圧政と慣習/『リビアの小さな赤い実』

リビアの小さな赤い実
ヒシャーム・マタール

リビアの小さな赤い実/ヒシャーム・マタール
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たまにはまったくよく分からない海外小説を読んでみようと思い手にとりました。

貿易商で実業家の父、その父と早く結婚させられ父がいなくなると調子の悪くなる母、歴史家で民主化運動を手伝う友人の父、父に心頭している父の友人。

圧政下のリビアで少年の目をして描き出される物語は、極端な遠近法を使ったような世界と極端な政治事情、そして人々を縛る慣習が入り組みながら少年の日常から隣人の逮捕、父の逮捕、隣人の死刑と進んでいきます。

どの側面からみても物語になるような内容ながらその筆致は世界を美しくも醜くも鮮やかに描いていきます。


しかしなぜか個人的にはイマイチはまれず。
今の日本から極端に離れた世界の上、少年の目からみての世界観はどうにもしっくりきませんでした。
どっちかならもっと楽しめたのかも。自分の読書力のなさを実感。

ブッカー賞候補作、あの芥川賞作家金原ひとみの実父金原瑞人 の訳ということでもありというので期待したのですが残念です。
でも、私にあわないというだけで、きっとよいという人もいるとは思います。

それから原題はIN THE COUNTRY OF MENですが、この題もイマイチかなと思いますが(母の存在も大きい)、内容との兼ね合いから「リビアの小さな赤い実」というのもどうかと思いました(重要なメタファーなんでしょうか)。

毎日の重要性/『チエちゃんと私』よしもとばなな

チエちゃんと私
よしもとばなな


チエちゃんと私/よしもと ばなな
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よい意味で、最近のよしもとばななの小説のあらすじを書くことに意味があるのかなと思ってしまいます。
作品の出来のよしあしがあるだけで、あらすじのよしあしはないのではないかと。
よしあしも高止まりのように思えます。


そうはいっても少しだけあらすじ。


親戚のイタリア雑貨店の仕入れを行っている私。
チエちゃんという親戚と同居しています。
私は他人と同居できる性格ではないのに、チエちゃんの母のお葬式の時に同居を頼まれ断りませんでした。

数年過ごした今、チエちゃんのよさがしみじみと分かります。
純粋で、その時その時を丁寧に生きているチエちゃんとの毎日は、両親へ甘えることの少なかった私にとって、非常に大事なかけがえのない関係でした。
そして、私にもチエちゃんにも変化の時が訪れます。


今回のテーマの一つに、「日々の決断」があったように思えます。
普通の日々の中で訪れる重要な決断の瞬間。
自分の好不調とは関係なしに、ちゃんと考えて自分の回答していくことこそが、自分の人生にとってどれだけ重要か。

それと毎日を慈しむ、もしくは慈しめることの重要性。
毎日を慈しむことで、雑念を払い、より自分にとって大事なものを見極めることができるようになるのではないでしょうか。


不況でニート全盛の今、「人生は自分にあったことをすべき」と語るよしもとばななは時代遅れなのかもしれませんが、しかしそこにはやっぱり何かしら重要なものを感じさせます。

危機管理の視点から総理を斬る/後藤田正晴と12人の総理たち

後藤田正晴と12人の総理たち
佐々淳行


後藤田正晴と十二人の総理たち―もう鳴らない“ゴット・フォン”/佐々 淳行
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さすが、色々体験して色々本を書いている人は面白い。
日本の危機管理システム構築に官民両方で貢献している佐々氏による、危機管理を視点から歴代総理大臣12人をかたったもの。


竹下・宇野・海部・宮澤・細川・羽田・村山・橋本・小渕・森・小泉、までの名前が挙がっています。


実際に本人も政府内部にいた人間なので、その評価はある程度は色眼鏡となるのでしょうが、視点がしっかりしている分説得力があります。


海部元総理大臣のふけ具合に驚いたことがありましたが、そうか湾岸戦争で140億ドルの支援をしながら海外から馬鹿にされたのはこの人が総理のときの話で、この出来事の影響もあるのかなぁ、とか


村山元総理の阪神淡路大震災の時の責任問題も本人の問題だけでなく周りの取り巻きも悪かったのだな、とか


意外に小渕元総理の評価が高いのだな、とか


竹下元総理は抜群の記憶力で、国会議員・官僚の経歴をすべて覚えていた、


など興味深い話が満載です。


また、インテリジェント(情報)の世界の話はそれこそスパイ小説の世界の話なので、そのまま書くだけで十分血沸き肉踊ります。


いささか気取り気味ではありますが、内容がしっかりと詰まった面白い本でした。

北欧デザインのたび(2ヶ月)/サルビア北欧日記

サルビア北欧日記
セキユリヲ

サルビア北欧日記 セキユリヲのとっておきの旅日記。/セキユリヲ
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グラフィックデザイナーとライターが北欧のデザインを見て回るという実にうらやましい旅日記です。

デザインについては完全に素人な私ですが、柳宗悦 に出会ってからデザインの面白さ(その裏にあるストーリーもしくはメソッド)に目覚め、ちょくちょく読んでいます。

この本は旅日記ということでデザインと旅とで一石二鳥。

たとえばデンマークではヤコブセン
建築やイスなどで有名な人ですが、レストラン・ホテル・学校・市庁舎などを周っていました。
オールヤコブセンデザインのホテルも気になりますが、会議室までヤコブセンのイスというのもうらやましいです。

つぎはスウェーデンでオーレ・エクセル
なんとなく知っている人ですが、グラフィック・デザイナー。
まったくの個人で仕事をしているという自由人。実にうらやましい。
作品もチョコレート詰め合わせのデザインなどは、なかなかよかったです。

フィンランドではマルコメッティ の話もよかったのですが、よく知らないのでどうせ知らないなら映画監督アキ・カウリスマキ がオーナーのホテル・オイヴァのエピソードが面白いです。
インターネットで調べても、すでに閉鎖中とかかれているのですが、実は営業しているようで、筆者がいったときは他にホテルがないからと泊まったフィンランド人客が2名のみ。「フィンランドの50年代」が取り残されている、といっしょに泊まった客はいっていますが、非常に雰囲気のある感じ。たしかにここで映画をとれそう(実際にとっているようです)。


と、写真もおしゃれに配しながら内容も充実したものでした。大家だけでなく、スーパーでパッケージのかわいい商品を見つけたり、庭園や今のデザイナーの店にいったりと色々楽しめます。
デザインに拒否反応がなれば十分楽しめる旅日記でした。


思ったより楽しめたので、ヤコブセンの本でも読もうかな。



ピーター・フランクルの数学の才能/ぼくが地球で会った愉快な人たち


ぼくが地球で会った愉快な人たち
ピーター・フランクル

世界青春放浪記―僕が11カ国語を話す理由(わけ) (集英社文庫)/ピーター フランクル
¥600
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(同じ本はなかったので、それに近そうなもの)


NHKの数学番組などで有名なピーター・フランクル
大道芸をやっている変な外人タレントだなぁ、と思っていたらぜんぜん違いました。
ハンガリー出身の数学博士で、当時は亡命して数学をやっていたんですね。
本人が望めばアメリカのそれなりに有名な大学で数学の教授としていられるのに望んで日本にいるようです。
外国語は11ヶ国語しゃべれるそうです。

そんなピーター・フランクルの交遊録ですが、その彼自身の生活のモデルになったのが天才数学者エルデシュ
史上もっとも多産な数学者と呼ばれるオイラー の次に多産な数学者で、その障害は家も家族も持たず、旅の中で数学の研究を行っていて、その生活にあこがれ、世界中を旅するような今の生活になったようです。

両親がナチスに苦しめられたことから、「財産はすべて頭の中に」といわれて勉学に勤しんだエピソードから、なにかと女の子が話が出てくるところなど、かなり幅を持ったないようですが、世界中で出会った人々(数学者が多い)はやっぱり非常に興味深いものがありました。数学の分野に転向してノーベル賞を取れなくなったことを後悔している友人の話など、まるで想像もつきません。

自分を自分の人生の監督・脚本家として、自分の納得する人生を送る、という姿勢は「そりゃ能力ある人だから」と簡単にいってしまえる話ではなく、ちょっと考え込んでしまいました。

ちなみにZ会の情報誌に連載していたもののようで、そういう意味でも非常に読みやすくかかれています。

東京農工大学のファンタジー/『生協の白石さん』白石昌則

生協の白石さん
白石昌則
生協の白石さん/白石 昌則
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今ごろ、という感じですが薦められて読んでみました。

東京農協大学の生協では、一言カードというシステムがあり、それで生協側に質問すると生協側が質問してくれるのですが、学生が
「単位ください」と質問すると「単位は人気の商品ではありますが、残念ながら当生協では取り扱っていません」といった感じで、ウィットを交えながら回答しているものを本にしたものです。

本としてそのウィットを評価するというより、通常の業務の中でそういったウィットを持って仕事をしているということに感じ入ってしまいました。

面白いことをみたいなら漫才でも見てればいいのですが、あくまで業務第一の中でも対応という一線が、品を保っているともいえます。

本のつくりとしてもそうなんですが、東京のはじっこにある東京農工大学という舞台だからこそ舞い降りたファンタジーという感じです。

もちろん今でもその活躍を見ることはできます。

がんばれ白石さん


まったくのごく普通の職員である白石さんのコメントを読むだけでも、なんだか市井で生きている人の一端を垣間見れたような気になり、一編の小説の一場面をみたような気分になりました。


奥歯に詰まった私は私かそれでいいのか/『わたくし率 イン 歯ー、または世界』川上未映子

わたくし率 イン 歯ー、または世界
川上未映子

わたくし率イン歯ー、または世界/川上 未映子
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-それが今のところ、わたしに脳はあんまり関係ありませんで、なんとなればわたしは奥歯であるともいえるわけです。なぜならわたしは単純に脳にはぐっとこん。脳にはあんまり魅力がないので、脳じゃないと、こうしたいのですよ。

ぐっとこん、いいですね。

語られるのは、自意識と奥歯というわけの分からない取り合わせ。
まだできてもいない子供にたいする語りかけ日記や歯や歯医者についての奇妙なイメージ。

饒舌な語りの上手さと、妄想ながらなんとかついていけるストーリー、哲学的自意識問題の独自アプローチや時折混ざる恋愛感情と奇想の連結の鮮やかさなどで最後まで読みつづけられるのは、ひとえに作者の力量ともいえるものの、さてこれは芸なのか地なのかが心配になってしまいます。

しかし同時収録の「感じる専門家 採用試験」でも同じ妄想文体で、あぁ地なんだなと分かります。

どうやら「父と卵」で芥川賞候補にまたなったようですが、この文体のまま、よいテーマと向き合えれば期待できますが、なお世界観が変わっていないようなら、地が地になってしまいそれはそれで残念です。


なんだか無農薬野菜に派手な色の芋虫がいるのを見つけてしまったような気分で読んで、久しぶりの分けのわからない小説は驚きがあってよかったのですが、候補作はどうなんでしょうか。


タイトルの分けのわからなさはここ最近でもぶっちぎりの一番で、よいですね。
なんやらわからん存在感だけは感じた作品でした。







自信家の自信がなくなるとき/「しゃべれども しゃべれども」佐藤多佳子

しゃべれども しゃべれども
佐藤多佳子


しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)/佐藤 多佳子
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主人公は威勢のいい二つ目の落語家。
幼馴染の友人のどもりを治すためにしかたなく落語を教えることになるのですが、ひょんなことから「話し方教室」でであったきつそうな女性、関西弁で学校になじめない生意気な小学生、解説者として成功しないやくざのような名野球選手にも落語を教えることになります。

主人公自身も教えていくうちに、はて自分には教える何かがあったのだろうかと、今まで悩んだことのないような問題にあたり、ちょうど落語も「自分の落語ではない」ことを指摘されたこととあわせて、自身もスランプに陥ってしまいます。

一門会が行われるのにあわせてネタをやることになる主人公が公私に悩み、落語は自分を批判する落語家の下を訪ねたり、似合わない文献の研究をしてみたり、やけっぱちで生徒それぞれの問題に手を入れようとして上手くいかず、自棄酒を飲んだ次の日に師匠の前で落語を披露することになったりします。

そして本人の意識しないところでスランプを抜け、一門会へ。生徒達の落語会も開くことになり・・・。

全体的に人物造詣もしっかりしてキャラもあり、それぞれのエピソードも面白く読みやすかったです。

基本テーマが「自意識過剰・スランプ」にあるようなので、ただただ楽しいという小説ではありませんが、主人公の竹を割ったような性格の割には文学的な情景描写のギャップがあったりと、未整理なわりにそれぞれが光っている
という感じでした。そのあたりが「一瞬の風になれ」で結実するのでしょうか。

自意識過剰というスランプが、他人から自分に移っていく様子はなかなかよかったですね。
おだてて根拠のない自信にあふれていた主人公が、なんだかふわふわした地面を歩くような頼りない感じが、威勢のいい落語家、というありふれた設定のなかでも深みがありました。

しかしやっぱりスランプってのは自分で抜けるのは難しいですね。


一瞬の風になれ(全3巻セット)/佐藤 多佳子
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2007年オススメ本と総評

■今年の私的発見

なんといっても長嶋有米原万理ですね。

長嶋有は、いまだいい紹介のことばが思いつかないのですが、ある種のクローズドな人種の日常を小道具も含め実に巧く描写していて、読んでいてその世界観が読んでいて心地いいのが特徴です。

その世界観が世間を包んだ作品が
夕子ちゃんの近道

その世界観が齟齬をきたし始めているのに、いったん田舎に避難する
ジャージの二人

悪くありません。


米原万理は、チェコでロシアの小中学校(のようなもの)に入っていたという特異な出身と、元来持つ旺盛な知識欲と行動力が、作品に他に類を見ない特徴として現れ、チェコ時代の周辺の人の行方を追った「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」「オリガ・モリソビナの反語法」は読み応えがあります。

ノンフィクション(多分)が好きな人は
嘘つきアーニャの真っ赤な真実

小説(多分)が好きな人は
オリガ・モリソビナの反語法


がオススメです。



■ノンフィクション

今年読んで一番印象が大きかったのが「蘭に魅せられた男」です。
まさにノンフィクション。
この本を読まなければ知らなかった蘭自体とマニアの世界。
さらに主人公の偏向した性格。
結論らしいものは何もありませんが、ふと底なしの穴をみたような、そんな作品でした。

「蘭に魅せられた男」



■旅行記
現在進行形の人物の旅行記は、妙に心に残りました。

6年かけて自転車で世界旅行。なのに気負いのないのがいいです。
行かずに死ねるか!  

行動力のみでやってきた女性の旅行記。
もっと世界を、あたしは見たい  


■個人的な読書

グレート・ギャツビー
村上春樹訳を読むことでそのよさの一端が垣間見れたような気がしました。

始祖鳥記

「焦燥感」「胸の中の何か鬱屈としたもの」について書かれた小説を久しぶりに読みました。

レイモンド・カーヴァー ,
久しぶり再読で、若いときとは読み方が変わっていることに気が付きました。



■2007年総評と今年の抱負
前半は、鳥雑誌 などにチャレンジして読書の幅を広げていくものの、後半失速気味で、マンネリ化した読書になりがちでした。
内容を深く読みたくなるような本にも出会えず。
それでも上記の収穫はありました。
今年はもっと計画的な読書にしていき、厚く重い本も恐れず読んでいきたいと思っています。


■アメブロ
アメブロはその機能の1/10も使いこなしていない気がしています。
しかし去年は動画導入以上のインパクトのあるものは導入されなかったような気もします。
書評をメインコンテンツとしてその充実を図っていくサイトと位置付けているのですが、なかなか「シンプルで使いやすいブログ」というのは難しいみたいですね。
その辺の機能面の充実も結果的にはアメブロのためにもなると思うのですが。
とにかくある範囲で、もっと読んでもらえるようなブログにしていきたいと思っています。


■ご挨拶
昨年は、更新頻度もマチマチで、誤字脱字も多く、書いてある内容もわかりづらいというのに、本ブログを読んでいただきまことにありがとうございます。
本年も少しずつは読んで面白いブログにしていきたいと思いますので、懲りずに読んでいただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。

眩暈がするような散文の構築/パタゴニア

パタゴニア
ブルース・チャトウィン


パタゴニア/ブルース チャトウィン
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パタゴニア/老いぼれグリンゴ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-8)/ブルース・チャトウィン
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南アメリカの南部を指す「パタゴニア」。
荒天で風が強いところで有名で、そこを旅したブルース・チャトウィンの1977年の旅行記。

しかし通常の旅行記とはまったく違います。
全部が96章に分かれていて、適当に抜き出してみます。


16章
「私は牧夫の小屋で寝た。その夜は冷えた。彼らは私に折りたたみ式ベッドと、上掛け用に黒い冬のポンチョを提供してくれた。ポンチョやマテ茶の道具やナイフ類以外、牧夫の持ち物は何ひとつなかった。・・・」

33章
「ウィルソンとエバンスとはいったい誰なのか。
暗黒の無法者のい歴史の中では、どんな解釈も可能である。が、いくつか手がかりはある。・・・」

37章
「さて、私は山地へ戻る理由がふたつあった。ひとつはウエメウレス渓谷にあるチャーリー・ミルワードの古い牧羊場を見るため、もうひとつはパラシオス神父の話していた一角獣を見つけるためである。・・・」

56章
「1890年代、かつてパタゴニアで芽吹いたダーウィニズムが、残酷な形でパタゴニアに戻り、それがインディオ狩りに拍車をかけるようになったようだ。”適者生存”のスローガンはウィンチェスター銃や弾薬帯とあいまって、はるかに適者であるはずの原住人よりもヨーロッパ人の方がすぐれているという幻想をもたらした。・・・」

93章
「私はプエルトコンスエロから洞窟までの四マイルの道のりを歩いた。雨が降っていたにもかかわらず、太陽の光が雲の下から差し込み、藪の上でキラキラと光っていた。・・・」


パタゴニアを旅しながら、興味がある人がいれば会いに行き、気になった歴史があれば調べ、知っている人を訪れ、パタゴニアの犯罪史、航海史、開拓史、地理、考古学、などあらゆるものに興味を持ち、たんたんと各地を回っていきます。

世界各国からの移民や現地人に触れ合い、過酷な天候と多くの人の過酷な生活をともにしながら旅するようすはただ興味本位で旅をするというには、深く広い旅になっています。
それはもう日常生活のような旅。

時代も地域も彷徨いながら、体臭までしそうな距離でパタゴニアの人々と接して、まったくの散文ながら非常に濃い作品になっています。
パタゴニアの地理と歴史に惑いたい方は、十分な時間を用意して浸ってみてください。


この人のかいたオーストラリアのアボリジニの本、「ソングライン」も前から気になっていたんですが、これを機会にまた読みたくなりました。
探してみよう。