アトミック・ルースターの2ndアルバムで1970年9月にリリースされた作品です。1stに在籍していたカール・パーマーはエマーソン、レイク&パーマー結成のため脱退。ベースのニック・グラハムも脱退し、代わってギタリストのジョン・デュ・カンとドラマーのポール・ハモンドが加入して制作されたアルバムです。
さすがにアマゾンには取り扱いがないようです(法外な価格の新品&中古はあります)。僕は高い値段のアルバムは7絶対に買わないようにしています。もう一回ぐらい再発すると信じて。ただCD不況によって取り扱いしているアルバムの種類は減ってるのでちょっとだけ心配です。
レコーディングメンバーは
Vincent Crane・・・Hammond Organ, Piano, Keyboard Bass, Backing Vocals
John Du Cann・・・Vocals, Guitar, Bass
Paul Hammond・・・Drums, Percussion
プロデュースは Atomic Rooster の3人です。
A-① Death Walks Behind You (John Du Cann, Vincent Crane)
プログレッシブロックのアルバムらしいイントロにワクワクします。アトミック・ルースターってハードロックとして分類されることもあればプログレバンドとして扱われることもあってジャンル分けしにくいバンドですね。バンドとしてはヴィンセント・クレーンとジョン・デュ・カンのコンビの時代が最も輝いてましたね。
A-② Vug (Crane)
B級プログレバンドみたいな曲にも聴こえるし第1期ディープ・パープルみたいなオルガンサウンド中心の曲でもある彼らの立ち位置がわかるようなインストゥルメンタルの曲です。大音量で聴くとハードロックですけどね。
A-③ Tomorrow Night (Crane)
シングルカットされUKチャートでは11位まで上昇。さすがにシングルになるだけあって他の曲とは雰囲気がちょっと違います。ヒット曲といっても70年頃じゃないとチャートインしないとは思いますが。ほんとこの時代って英国ではどんなジャンルでもチャートインする可能性があった夢のある国だったんですね。
A-④ Seven Lonely Streets (Du Cann)
同じハードロックでもアトミック・ルースターの場合は陰のイメージが強くイントロのオルガンも冷たい感じの音になっています。ギターソロとオルガンソロの掛け合いがあって二人ともなかなかの演奏で迫ってきます。ただね、このバンド基本的には仲が悪い気がしてならないのです。ハードロックでもバンドとしての熱いものが感じられないんですよね。
B-① Sleeping For Years (Du Cann)
後のハード・スタッフに通ずるハードロックでジョン・デュ・カンの作品です。心に残るフレーズとかは少ないギタリストなんですがひたすらハードさを押し出してくるプレイヤーですね。
B-② I Can't Take No More (Du Cann)
この曲では明らかにベースの音がするのでデュ・カンがベースを弾いてると思います。ほぼハードロックな作品です。
B-③ Nobody Eles (Crene, Du Cann)
暖かみのあるピアノがこのバンドとしては珍しいですね。ヴィンセント・クレーンとデュ・カンの共作になっておりたまにはこんな曲やってみるか的な作品になってます。曲がアップテンポになったところはややジャズっぽいかな。ごり押しハードロックが多いせいかかえって印象に残る曲になってます。
B-④ Gershatzer (Crane)
1stから3rdアルバムではこれから成長していけばいいバンドになるのではと思わせるのですが、リーダーのクレーンはどうやら売れ線、流行には興味がないようで4thアルバム以降はジリ貧になってしまいます。いいメンバーもすぐにいなくなってしまうんですよね。この曲のオルガンなんてなかなかカッコいいので勿体ないなあ!と思ってしまいます。エンディングのほうでにポール・ハモンドのドラムソロがあるのは1970年頃のアルバムにはよくあることでしたね。
1970年頃はアトミック・ルースターのように型にはまらないバンドがたくさんいましたね。それぞれのジャンルも熟成して定型化していくとつまらなくなりますよね。ハードロックもプログレッシブロックも1970年代後半はそんな感じの閉塞感がありましたね。そう思うとこういうバンドの必要性をより感じてしまいます。
70年代初期のハードロック&プログレッシブロックの作品としては
FIELDS / FIELDS | さとまるのROCKな日々 (ameblo.jp)
FLASH / FLASH | さとまるのROCKな日々 (ameblo.jp)
FOCUS / MOVING WAVES | さとまるのROCKな日々 (ameblo.jp)
HARD STUFF / BULLETPROOF | さとまるのROCKな日々 (ameblo.jp)
KHAN / SPACE SHANTY | さとまるのROCKな日々 (ameblo.jp)
LEAF HOUND / GROWERS OF MUSHROOM | さとまるのROCKな日々 (ameblo.jp)
STEAMHAMMER / STEAMHAMMER | さとまるのROCKな日々 (ameblo.jp)
TEAR GAS / TEAR GAS | さとまるのROCKな日々 (ameblo.jp)
WILD TURKEY / TURKEY | さとまるのROCKな日々 (ameblo.jp)
TRAPEZE / TRAPEZE | さとまるのROCKな日々 (ameblo.jp)
といったところがこれまで取り上げたアルバムです。